Bois and бак   作:COTOKITI JP

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作者は大の東側兵器好きですので主人公側は基本的に東側オンリーでやってくつもりです。


Таран

車両が揃い、そして部隊登録の手続きも終えた俺達が今やるべきことと言えば一つだ。

眼前にはこれから三両の戦車に乗る搭乗員であるケティの部下達がいる。

皆やる気に満ちた表情で俺を見ている。

息を二度三度吸って吐き、口を開く。

 

「これからこの三両の慣熟訓練をやるぞ」

 

まずメタルストームの試合においてフラッグ車となるT-55AM1を除く二両に搭乗員を割り当てる。

メカニックである彼等ならば直ぐに操作方法も覚えられるだろう。

PT-76BとObject 120の搭乗員割り当てが終わった次はフラッグ車の割り当て。

 

「俺は車長で、ケティは装填手、砲手はカイルお前がやれ」

 

既に粗方誰を割り当てるかは決まっていたのでトントン拍子に作業は進む。

 

「操縦手はイーライ、お前に任せる」

 

「あいよ」

 

「よし、コレで全員割り当てたな」

 

「じゃあ早速始めるか!」

 

ケティがそう言うと全員そそくさとそれぞれの車両に乗り込み、唐突に模擬戦が始まる。

車内に積んでいる砲弾は既に全部模擬弾に変えてあるので別に何時始めてもよかったが。

 

場所はある友人から借りた演習場なので戦車戦をするにはうってつけの場所だ。

それなりに広い森林地帯で近くに植物に水分を供給する為の人口の大きな川もある。

あそこは結構川底が深く、流れが早くて危ない(・・・・・・・・・・・・・・・)から近付く奴はあまりいない。

散開した三両はそれぞれの車長の判断の下、決めたポイントまで向かう。

俺の車両はここら一帯を見渡せる小山の上を目指した。

 

キューポラから半身を出し、辺りの様子を見ながらこれからの事を考える。

まずPT-76は相手にならんだろう。

脆弱な足回りに軽装甲の癖にやたらデカい図体。

水陸両用車だし支援車両なので仕方ないといえば仕方ないが。

 

最も警戒すべきはObject 120。

装甲は薄く、機銃にも抜かれかねず、機動性にも欠けているが恐るべきはその主砲である。

152mmの滑腔砲から放たれる砲弾の初速は1700km/hを超えており、射程も同世代の他の車両を凌駕している。

もし見つかれば回避行動をとる暇もなく撃ち抜かれるだろう。

 

「よし、ここで止めろ」

 

無線で車両を停車させ、俺は双眼鏡片手に外へ出て偵察に出た。

ここは演習場で一番高い場所。

ここならば敵の様子も見れるかもしれない。

首から提げていた双眼鏡を手に取り、見回す。

敵車両が隠れていないか、草木の間までしっかりと目を凝らす。

 

それから暫く見ていたが敵車両の動きは見られなかった。

更に遠い場所へ行ったのか、何処か死角に隠れているのかは分からない。

兎も角見つかる前にここから早めに動いた方が良さそうだ。

立ち上がり、車両に戻ろうとしたその時だった。

 

突如爆発音と共に車両の真後ろから爆風による粉塵が上がった。

 

「敵弾!?」

 

双眼鏡を覗き、着弾点のその先を見ると、そこにいたのは相手にならないと高を括っていたPT-76Bだった。

遠くに見える川辺から撃ってきたようだ。

直撃を免れたのは幸運だった。

 

本来ならばこちらの車両周辺は深い森が広がっていて普通の戦車が通るのは不可能である。

そう、普通の戦車ならばだ。

 

「あいつら……川を渡って来たのか!」

 

PT-76Bは水陸両用車だ。

だから水上航行も可能。

それだけじゃない。

あそこの川は流れが結構早い為、その流れの強さを利用して通常よりも早い速度で進み、あの場所に先回りをしていたのだ。

 

初弾を逃れた車両は何とか次弾が飛んで来る前に稜線の向こう側に逃れ、俺も急いで車内に戻った。

ハッチを開き、車長の席に飛び込むと中にいた搭乗員は意外と平然とした表情で座席に座っていた。

 

「このままじゃ不利だ。 一旦向こうの山道を直進して身を隠すぞ」

 

川辺にいたPT-76Bとはまだそれなりに距離が離れている。

逃げる時間は残されている。

坂道を一気に下り、右手にある山道を通っていく。

整備された道を進む続け、先にある小さな丘を指差した。

 

「あそこに隠れるぞ」

 

「分かった」

 

イーライは俺の言う通り、丘の向こう側まで走らせて丁度車体が完全に隠れる位置で停車した。

いつでも発砲出来るように砲塔を先程通った山道に向けさせ、来るのを待つ。

 

 

 

そして一方、PT-76Bの方では。

 

「バカっバカっ!!何外してんだ!!折角の奇襲が台無しじゃねえかこの野郎!!」

 

「悪かったって!これ撃つの初めてなんだよ!」

 

怒鳴り散らしながら砲手の肩を蹴ったくるのはPT-76Bの車長であるジェラルド。

蹴られている方は砲手のミゲル。

憤怒の表情で砲手を蹴りまくるジェラルドだったがまぁ完全に後ろを取れていてしかもスタビライザーによる補助もありながら外したのだから怒るのも無理は無い。

 

「早く追うぞ!」

 

「オーケー!!」

 

操縦手のヘイヴィスがアクセルをふかし、坂を越えようとする。

 

「何してんだ、早くしろ!」

 

「しょうがないだろう、コイツ足回り脆弱なんだか───」

 

ヘイヴィスが喋りかけた瞬間突如凄まじい衝撃がPT-76Bを襲った。

外部から加わったその衝撃はあまりの大きさに車内がシェイクされて揉みくちゃ状態になった。

 

「な、何事!?」

 

「どう考えたって撃たれたんだろ!」

 

ジェラルドがハッチから出て確認すると、車体の左側面に模擬弾の塗料がベッタリと付いていた。

即ち撃たれたということだ。

コレで彼等は脱落という事になる。

 

「マジかよ……」

 

深追いしなければと過ぎたことを悔やむジェラルドだった。

 

 

 

Object 120の車内

 

「凄いな……あんなに離れていたのに一秒足らずで着弾したぞ」

 

「仰角も殆ど上げてないのに……」

 

 

 




火力全振りのタランくんと安定した性能のT-55AM-1くん。
どちらが上かな?
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