アイドル(能力者)の『お仕事』   作:香崎 真琴

2 / 3
アイドル×エージェント夜を往く×現代の闇


『お仕事』その2

深夜、とあるビルの裏口。

 

真っ黒なタイツの様な、見る人が見れば『OPのルパン三世』と表現する格好の少女が、軽やかに通風孔からビル内部に侵入した。

 

「こちらキュート、侵入に成功しました」

 

『こちらサイバー、地図を端末に送信したわ。赤いチェックの付いたポイントへ向かってちょうだい、健闘を祈るわ』

 

「了解、通信を切ります」

 

その表情は、これまで幾つもの遂行不可能任務(ミッションインポッシブル)を潜り抜けてきた、自信に満ち溢れている。

 

「さて、今日もかわいいボクの華麗な潜入を見せてあげましょう!」

 

 

 

・・・

 

 

 

「……ふぅ、ここが目的のポイントですね」

 

時に物陰を、時に壁を、時に天井を。

持ち前の危機察知能力と技術、経験を駆使して、漸く辿り着いたのは、このビルの持ち主の、とある貿易商の社長室。

 

「それにしても、事前調査で資料を見ましたけど……」

 

普通のビルに似つかわしくない、赤外線センサーや重量センサー、極めつけは巡回する警備員の腰のS&W Mk.22。

 

「どうして『ごく普通の貿易商』のビルに、『特殊部隊御用達の暗殺用拳銃』を持った警備員がいるんですかねぇ…?」

 

答えの分かりきった自問自答の後、『サイバー』の用意したダミーで、指紋認証、虹彩認証、カードキー認証、ランダムパスコードを突破。

『サイバー』のハッキングで、セキュリティを突破した事すら、あちらは認識出来ていない。

 

「さて、鬼が出るか蛇が出るか……」

 

 

 

・・・

 

 

 

翌朝のニュース番組は、阿鼻叫喚の様相を呈していた。

 

『世界的に有名な貿易商の真実』と題されたそのニュースは、瞬く間にネットで世界を駆け巡り、貿易商とその取引相手共々、一斉摘発、抵抗した者は即射殺される運びとなった。

 

「マキノさん、ニュース見ましたか? 世の中にはこんなにもあくどい人が居るものなんですねぇ」

 

「あら、幸子ちゃん、おはよう…確かに、人身販売どころかABC兵器まで売買してたなんて、思いもしなかったわね」

 

以前からグレーではと噂されていたらしい貿易商は、グレーどころか真っ黒だった。

お金になる物であれば、『何でも』売買していたらしい。

 

「社長なんてよく捕まったものですね…使い込んだグロック持ってましたし、警官を殺してでも逃げそうなものですけど」

 

「何処かの誰かさんが、自宅にいた社長とその部下、ビル内部の全ての人間を無力化して拘束していたらしいわよ?」

 

「そんな正義の味方のような人がいたんですか? きっとボクのようにかわいくて素敵で凄腕のエージェントですね!」

 

「そうね…付け加えるなら、私みたいな美人で凄腕のハッカーのサポートもあったのかしらね?」

 

「ふふーん、間違い無いですね!」




気が向いたら続くと思う。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。