ダンジョンでハイエルフに出会うのは間違っているだろうか   作:98zin

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どこのファミリアに入ろうかなと考えたんですけど、やっぱりオリファミがいいかなと。
居ないですよね?ガイアファミリア


神様

「やってしまった、、、」

ギルドで今日とった魔石を換金した後、帰路につく

ダンジョンで美しいエルフ2人に助けてもらった後、羞恥と寒さで混乱した僕は全速力で彼女の膝から離脱し逃げ出してしまった

「はぁ、、」

ダンジョンを出てから何度目かのため息をつく

お礼も言わずに逃げ出すなんてどうかしてるよ、この僕!

人としての常識もないのかい!

激しい自己嫌悪に襲われうつむき加減で歩く

そんな僕の存在はこのオラリオのざわめきが隠していく

 

迷宮都市オラリオ

この都市は地下にダンジョンを保有していてそこに蔓延るモンスターたちを、、、、

この説明は彼がしてくれるからいいか

 

もうめちゃくちゃな思考回路でオラリオを練り歩く

ここに来て半月ほどかな、ようやく覚えた我が家への道順

どんどん騒がしくない方向に進めば我が家が見つかる

我が家といってもただのボロボロの建物だ

喧騒を背に見えてきたのはは羽が1枚欠けて3枚になってしまっている風車だった

それを支える柱にはツタが絡まり、柱を構成するレンガはひび割れ今にも崩れそうだ

すっかり静かになったところで片方無い扉にたどり着く

中は蜘蛛の巣だらけで、住めたもんじゃない

扉を潜り抜け進むとそこには地下への階段が

階段を下りきるとそこにはろうそくで照らされた木製の扉がある

これも腐ってボロボロになりかけてるけど、柱の扉に比べたらマシだ

なんたってちゃんと2枚付いてるんだから

慣れた足取りで扉まで進む

今日も無事に帰ってきました、、っと

開け放たれたドアはギシッと鳴るが気にしちゃいけない

「神様ー!ただいま帰りました!」

すると向こうを向いているソファからひょこっと人影、いや、神影が現れる

「おっっっかえりーーー!!」

勢いよく突撃してきた彼女は僕の神様だ

森のような深い緑の髪に、褐色の肌

踊り子のようなきわどい服、というか布を纏ったその影は僕のお腹目掛けダイビング!

ぐへっ

僕に10のダメージ!

ぷはっと服にうずめた顔をあげスンスンと鼻を鳴らす

「1日ぶりのショタの匂い、、」

その瞬間身の危険を感じ即座にホールドされていた腕を外し身の安全を確保する

僕に寄り掛かる形で体勢を安定させていたため支えが無くなったので神様はそのまま床と熱いキスをかます

「ぐへぇ!?」

神様から乙女らしくない声が聞こえるが今は聞こえないふりをする

普段はこのお帰りアタックを避けることができるのだけど、今日はリヴェリアさんのことで頭がいっぱいだったみたいで、回避することを忘れてた

「ちょっと!ひどいじゃないか!神に向かってこの仕打ちは!」

地面と強くぶつけた鼻を赤くはらし、さすさすとさすりながら涙目で抗議する神様

今にもはだけそうな胸元、乱れた長い髪に思わず目をそらしながら反論する

「神様だって毎日毎日、それ、やめてくださいよ!そろそろ僕のお腹へこんじゃいますよ!」

「いーじゃない!かわいい我が子に怪我がないか確かめるのが親ってものでしょう?」

「怪我確かめるだけだったら匂い嗅ぐ必要ないでしょー!」

それにショタってなんだ

ギャイギャイ言い争う人間と同じレベル、これでも神様だっていうんだから不思議だ

目の前の神様の名前は『ガイア』

大地を司る神様なんだって

まったくそんな風には見えないけど、、

 

半月前、オラリオに着いてベルと別れた後、お祖母ちゃんに言われたように僕をファミリアに入れくれる神様を探した

『田舎から出てきたような子供には厳しいからね、ちゃんとした優しい神を選ぶんだよ。まぁ、そんな奴いないかもしれないけどね』

とお祖母ちゃんになかなか脅されてきたので気を引き締めてファミリアを探したけど、案の定僕みたいな田舎臭い子どもはどこのファミリアにも入れてくれなかった

そんな時、出会ったのが彼女なわけなんだけど、、

 

あの時に持った印象とはまったく違う(ひと)だったね、、

 

ようやくギャイギャイ合戦が終わりお互いに今日の成果を発表する

 

「はぁ、それでですね、今日はちょっとしか稼げませんでした、、思わぬ事故がありまして」

「ほう、それはあとでステイタスを更新しながら聞こうじゃないかしら。私はね!今日は牛乳4ビンももらってきたよ!」

どや顔でビンを高々と上げる神様

神様はオラリオの端のほうにある牧場でアルバイトしている

僕と出会う前から、牛小屋で寝かさせてもらってたみたいだ

神様が藁で寝るって、、どうなの

 

僕達のファミリアの眷属は僕1人だから僕が頑張って稼いで神様を守らないといけないのだけど、、、

あ、ファミリアって言うのは、神様の家族みたいなもので、神様の眷属になると神の恩恵をうけられて、これがないとダンジョンで戦うには、、、

これも彼が全部説明してくれるか

 

1人で納得しうんうんと頷く

「おーい、アルファ君、1人でなにをブツブツ言ってるんだよー?」

「ん、何でもないです。とりあえず晩御飯にしましょう!お腹すいちゃいました」

「そうね、今日は何にしようかしら」

2人で僕が買ってきた野菜やら、ジャガ丸くんやらを持ちキッチンに向かった

 

 

 

 

 

 

~食後~

 

「よし、アルファ君、ステイタス更新をするよ!」

「わかりました」

ご飯を食べ終わり2人で1本ずつ牛乳を飲み干し一服した後、僕たちは部屋の奥にある質素なベッドに向かった

ダンジョンに潜った後はいつもドキドキしながらこの時を待っている

ステイタス、これが無いと僕達冒険者はやっていけない

「ほら、脱いで脱いで」

急かされてインナーも含めて上半身に身に着けているものを全て脱ぐ

ベッドの隣に置いてある鏡台に目を向け自分の背を見る

そこにはまだ何も写っていないがそこには神聖文字(ヒエログリフ)が刻まれているはずだ

促されるままベッドに寝転がる

「で、思わぬ事故っていうのはなんだったのよ」

「話すと少し長くなるんですけど、、」

口を動かしながら神様は僕の背中にまたがった

その手に針を持ち自らの指の先を突き刺す

もちろん指先からは血が流れ、僕の背中へと落ちる

すると、僕の背を伝うこともなくそれは僕の体に沈み込む

背中が波打ちまっさらで何もなかった僕の背中には黒い文字が浮かび上がった、、、だろう

うつぶせに寝てるから背中何て見えないからね!

「なるほど、、じゃあまず!どうしていきなり下層なんかに行こうと思ったのかしら?」

プリプリと頬を膨らましその手に持った針を今にも背中にさしそうな勢いで振り回す

「今日はベルが1階層先に進むって言うから、、負けたくない、と思って」

「やっぱりアルファ君も男の子だねぇ」

半月前、ベルと何度かダンジョンで会って次第にその日の稼ぎやら討伐したモンスター数を競い合ったりしてたのだ

ダンジョン内で出会ってもお互いに近接武器で初心者なので連携もうまく取れず邪魔をしあう訳で、パーティを組むまでには至らなかった

彼とはファミリアも違うが、その構成はとても似ている

向こうも神様1人、眷属1人の新米ファミリアなのだ

「で!そのリヴェリア?だっけ?アルファ君を凍らすなんて飛んだ冷血女だね。ミノタウロスと一緒にされたようなものだよ。そんな女に君は惚れたの?」

「ほ、惚れたなんて誰も言ってないじゃないか!」

 

初心(うぶ)な反応に確信を持ったガイア

その恋心がうらやましいわよー!

私にもそんな気持ちを向けてよ!

 

背中の上で、どうしてか1人悶える主神に危ないものを感じるが今は大人しくせざるを得ない

ふてくされるように枕に顔をうずめ頬を軽く紅潮させる

惚れたって、、、

確かにリヴェリアさんは美しくて、ミノタウロスをあっという間に凍らしてしまうほど強くて、、

 

「それに彼女は他派閥の眷属だよ?いくら君でも他派閥の女に手を出すなんてできないでしょ」

「手、手を出すって、僕を何だと思ってるんですか!」

「と・に・か・く!リヴェリアのことは忘れて、すぐ近くの幸せを手に取ったほうがいいんじゃないかしら?ほら!更新終わったよ!」

 

バッと渡された紙には神様がヒエログリフからコイネーに訳してくれた文字が書かれていた

 

「惚れて、、惚れてないですってば、、、」

 

煮え切らない態度をとる僕にやれやれと首を振りベッドを降りた神様は1人何かつぶやいていた

そんなことよりも僕は自分のステイタスが気になり受け取った紙を凝視する

 

 

アルファ・イロアス

Lv1

 

力:I98→H101

耐久:I54→I64

器用:I69→I71

敏捷:I74→I89

魔力:I50→I55

 

魔法

【    】

スキル

【‐  _】

 

 

敏捷がいっぱい上がってるなー

ミノタウロスから逃げてたからかなー

そんな他人事の考えでステイタス用紙を眺める

力もHになったし、、

だけど、魔法も使えないのに魔力があるのはなんでなんだろう

こればっかりは僕じゃ分からないので神様に何回か聞いたのだけど

「さぁ、私には見当もつかないわ」

と一瞬で斬り捨てられてしまった

 

、、ん?スキルの欄なんだか消したような跡があるけど

「神様~、スキルのところ何かあったんですか?」

「へっ?い、いや何もなかったわよ、いつも通りね」

まぁ、そうだよねー

分かってはいたけど少し期待をしてしまうのは冒険者の(さが)なのだろうか

がっくりと肩を落とす僕には

「いつか絶対に振り向かして見せるわ!」

という声は届いていなかった

 

 

 

 

 

このスキルは、、

ステイタス更新はいつも通り終わると思っていたのに

5つのアビリティの更新を終え、あとは空欄を書き写そうと思った時

なによこれ、、

 

スキル

憧憬一途(リアリス・フレーゼ)

・早熟する

・懸想が続く限り効果持続

・懸想の丈により効果向上

 

スキルなどは神が眷属の経験を掘り起こし有望なものを神の力を使い形にすることで発現するもの

思わず引き出してしまったそれは彼がリヴェリアにすっかりお熱であることを改めて教えてくれるものだった

くぅー、分かってはいたけどこうして事実を突きつけられる感じは嫌いだわ

それにこんな訳の分からないスキルは何が起こるか分からないし彼がもう少し強くなってから教えてあげたほうがよさそうね、、

 

実際は認めたくないだけだけど

 

 

「神様~、スキルのところ何かあったんですか?」

ギクゥ!

「へっ?い、いや何もなかったわよ、いつも通りね」

いきなり秘密にしようと思ってたとこをついてくるから変な声がでちゃったわ

まったく油断も隙も無いんだから、、

「いつか絶対に振り向かして見せるわ!」

そう言って天井を仰ぎ、こぶしを固く握り強く決心するのだった




リアリスフレーゼじゃないスキルを考えたかったんですけど、ネーミングセンスなさ過ぎて断念しました
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