ダンジョンでハイエルフに出会うのは間違っているだろうか   作:98zin

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投稿頻度は自分のモチベが続く限りこんな感じです

誤字脱字、見逃しておくんなまし


同種と憧憬と

「よい、、しょっと、」

3匹の最期の1匹だったゴブリンの魔石を取り出しバッグバックへとしまい込む

ギルドで買った新しい長剣もすでに手になじんできており今日も15匹目のゴブリンを倒したところだ

魔石をとった体はしばらくするとあっという間に黒い塵に代わり形を消す

ダンジョンの神秘に触れつつも慣れてしまった光景に目を落とす

命を産み落とすダンジョンって、いったい何なんだろう、、、

誰もが浮かべる疑問だがその答えは誰からも返ってこない

ポーションを軽くあおり、失っていた体力も回復して次の戦いに備える

ナァーザさんにもらったポーションもチビチビ飲みつなげて、1本が3分の1ほどに減ったところだ

お金は今日だけでいっぱい使ってしまったので今日は稼がないといけないな

気合を入れなおし次なるルームへ足を進める

場所はダンジョン2階層

太陽光が無くても青緑に発光する壁が道を照らす

天然とは思えないような道が多岐にわたって続き僕達冒険者を迷わそうとするが、半月通った僕はもうこの辺はしっかり覚えている

確かここを曲がれば、、、

あった!

辿り着いた先は1つの大きなルーム

出口は5つもありピンチになったらどこからでも逃走が可能だ

さらに広いので武器を振り回しても大丈夫

僕の獲物である60C(セルチ)ほどの長剣、両刃であり初心者には扱いやすい重さで調整してあり振り回してもさほど疲れないのがうれしいところだ

ルームの中心へと足を運び周りを見渡す

360度壁に囲われどこからモンスターが現れるか分からない緊張感が芽生える

不意にピキリ、、と右側から壁の割れる音がした

耳をすましていた僕はすぐさま駆けて産まれ落ちてきたコボルトの首を一刀両断にする

少しずるい気もするが許してほしい、なぜならそうこうしている間に真逆の壁から2体のコボルトが産み落とされたからだ

ダンジョンは狡猾で、あの手この手で冒険者をはめようとすると聞いたがホントにその通りだ

コボルトの血を振り払ったあと、武器を片手で持ち地面を疾駆する

相手は2人、、

向かって右のコボルトへと突撃し、走る勢いをそのまま乗せた一撃を右上から首へと叩き込む

産まれてすぐなので体勢がままらないコボルトはまともに避けることもできず、深々と刃が首に食い込み、、、

スパンッ!と首から上がはじけ飛んだ

仲間が首をはねられ怒ったもう1匹のコボルト

その犬のような顔で大きく吠え僕に向かって突貫してくる

僕は落ち着いて左下に振りぬいた長剣を、さっきの逆再生のように右上へと振り上げる

さすがに首は狙えないがコボルトの体を捉えその体を斬り裂く

「ギャァァ!」

体を切り離すまではいかなかったものの大きく体勢を崩したコボルト

そこへ容赦なく追い打ちをかける

後ろへ下がったコボルトを逃がすまいと

一歩踏み込み振り上げた長剣をもう一度振り下ろす

ズバッ!

同じ場所を2回も斬られたコボルトは胸の奥にあった魔石ごと斬られ、一瞬で絶命した

 

「ふぅ、、」

 

思わず魔石まで壊してしまったが、そんなことを気にしている余裕も無さそうだ

 

「ギィィ、、」

 

と後ろを振り向くとゴブリンが数匹

まだ対応できるけど、危なくなったらすぐに逃げよう、、

下の階層ほどこの生まれるスピードと量が増えるって、恐ろしくてたまらない

ホントになんなんだよ、ダンジョンって

 

そんな不貞腐れた考えで僕は今日も走り出す

 

僕が求めたものを得るために

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~豊饒の女主人~

 

 

「あれだって、帰る途中で何匹か逃がしたミノタウロス!最後の1匹、お前が5階層で始末しただろ!?そんで、ほれ、あん時いたトマト野郎の!」

遠征が終わり恒例の宴会の最中、酔っぱらったベートが放った言葉がリヴェリアのモヤモヤをさらに濃くした

「それでよ、いたんだよ、いかにも駆け出しっていうようなひょろくせぇ冒険者(ガキ)が!」

ベートが言っている少年は私が凍らせてしまった彼のことではない、が

確かに、駆け出し冒険者だった

ミノタウロス2匹に囲まれて無様に、しかし勇敢に攻撃をしていた彼は

私がLv1なら何もできずにきっと怯えていただけだろう

「抱腹もんだったぜ、兎みたいに壁際へ追い込まれちまってよぉ!可哀相なくらい震え上がっちまって、顔を引きつらせてやんの!」

あの状況なら仕方ないだろう

ベートは決して彼のことを言ってないが、似すぎている状況に彼を重ねてしまう

「ふむぅ?それで、その冒険者どうしたん?助かったん?」

「アイズが間一髪ってところでミノを細切れにしてやったんだよ、なっ?」

アイズはというと、うつむき加減で声も出さずにこらえているように見える

「それでそいつ、あのくっせー牛の血を全身に浴びて、、、真っ赤なトマトになっちまったんだよ!くくくっ、ひーっ、腹痛えぇ、、!」

「うわぁ、、」

彼も罵倒されているようで、不快感が募る

アイズも同じようでギュっと膝の上で拳を握るのが見えた

はぁ、、

「それにだぜ?そのトマト野郎、叫びながらどっか行っちまってっ、、、ぶくくっ!うちのお姫様、助けた相手に逃げられてやんのおっ!」

「アハハハハハッ!そりゃ傑作やぁー!冒険者怖がらせてまうアイズたんマジ萌えー!!」

どっと周囲が笑いの声に包まれる

 

周りの者たちもこらえきれずに笑っているようだが、何が可笑しいのか

自分が同じ状況に出くわしたらいったいどうするんだというのだ

 

募る不快感に耐え切れず片目を瞑りアイズを見つめる

アイズ、、お前も耐えているんだな

 

「しかしまぁ、久々にあんな情けねぇヤツを目にしちまって、胸糞悪くなったな。野郎のくせに、泣くわ泣くわ」

 

酔っているベートは止まらない

 

「ああいうヤツがいるから俺たちの品位も下がるていうのかよ、勘弁してほしいぜ」

 

私はもう耐え切れなくなり椅子の上ではしゃぐベートに言葉を飛ばす

 

「いい加減そのうるさい口を閉じろ、ベート。ミノタウロスを逃がしたのは我々の不手際だ。巻き込んでしまったその少年に謝罪することはあれ、酒の肴にする権利などない。恥を知れ」

 

しかし、余計に熱が入ったようでまだまだ煽るベート

 

「おーおー、流石エルフ様、誇り高いこって。でもよ、そんな救えねえヤツを擁護して何になるってんだ?それはてめえの失敗をてめえで誤魔化すための、ただの自己満足だろ?ゴミをゴミと言って何が悪い」

もう何を言っても止まることが無いベートに口を閉ざし、腕を組む

その様子を見たレフィーヤが、自分も笑ってしまったこと、リヴェリアが別の少年にベートの言葉を重ねてしまっていたことに気づき、ハッと口を閉じる

ロキが仲裁に入るも火が付いたベートはアイズへと食らいつく

それはどんどんエスカレートしていき

「、、、じゃあ、質問を変えるぜ?あのガキと俺、ツガイにするならどっちがいい?」

彼だな

思わず心の中で即答してしまう

「ベート、君、酔ってるの?」

フィン、言わずもがなだろう

そして案の定アイズも

「、、、私は、そんなことを言うベートさんとだけは、ごめんです」

「無様だな」

アイズが放った言葉に大人げなくスカッとして声を漏らす

それにベートが噛みつくが、なんともないように私は水を一口、口に含む

目を瞑り普段ならしなかった己の言動を恥じつつも心を落ち着かせて、1つ決心する

 

必ず彼に謝ろう

 

名も知らぬ幼い少年、私は上級冒険者で彼は新米冒険者という立場の違いはあれど必ず見つけて謝ると自分の心に誓った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あー疲れた」

久々に遅くまでダンジョンに潜っていたので剣を握っていた右腕が軽く悲鳴を上げている

帰り道でいろんな冒険者が酒場で今日の戦果を自慢し合ったり、今日も無事で返ったことを報告しているのを見ると

やっぱり少しうらやましく思う

今日は神様にお肉でも買って帰ろうかな

今朝お金をいっぱい消費したはずなのに、この寂しい気持ちを神様との時間で埋めたいのかもしれない

商店街を進み神様は何肉が好きかな、と物色を始める

僕は牛が好きだけど、、、

なんか、ミノタウロスを思い出しちゃうな、、

苦笑を浮かべ、街路を歩く

すると向こうから凄まじい勢いで走る人が

どうしたんだろう

このままだと、ぶつかりそうだったので右へ一歩ずれてその人を見送る、、、

 

「、、ベル?」

 

走り去ったその少年は白髪でそのルベライトの瞳を濡らしていた

向かった先は、言うまでもなくダンジョンだろう

 

「こんな時間に、、なんかあったのかな?」

 

これが全く知らない人だったら無視して買い物をしていただろう

しかし、さっきのベルを放置できそうにもなく

もう背中が見えないほど遠くへ行った彼を追いかけるのだった

 

 

 

 

「ったく、どこまで行ったんだよ、、」

 

ベルを追いかけダンジョンに潜り走った

流石に4階層くらいにいるだろうと思ったが、いない

この時間にこの階層に居る冒険者は少ないので耳を澄ませば剣戟の音だったり走ってる音が聞こえるはずだ

なんせ、ダンジョンは円錐状の構造をしているので、上の階層ほど人探しはしやすい

神様の恩恵によって強化された五感を頼りにベルを探したが、まだいない

走って追いかけているのに全く追いつけないことに、劣等感がちらつく

ここは6階層

おそらくベルは真っすぐ正規ルートを下りここまで来たみたいだ

まったくモンスターと遭遇しなかったのは、きっとベルが倒していっているからだろう

流石にここに居なかったら、引き返そうと思い耳を澄ます

 

キィン、、、キン、、、

 

誰か、戦ってる

これがベルじゃなかったらどうしようもないが行くしかない

音のするほうへ僕は向かった

 

 

暫くすると、開けた空間に出た

そこは行き止まりで何もなかったはずだった

今は1人の冒険者が2つの影と命を削り合っていた

影が爪を振り下ろせば、冒険者が斬りつけ、もう1つの影がそこを狙う

しかし、ヒットアンドアウェイをうまく織り交ぜ戦う冒険者は間一髪でその攻撃をよけ体勢を立て直す

それは白髪も相まって、飛び跳ねる兎のように見えなくもなかった

攻撃、離脱、攻撃、回避、反撃、

 

「すご、、」

 

感心してる場合じゃなかったけど、僕は思わず足を止めて自分の上を行く同期を眺めていた

しかしさすがのベルもここで大きく体勢を崩しウォーシャドウの一撃をもろにくらってしまった

そこではじけ飛ぶ血、それが今どれだけ彼が危険な状況にあるかを教えてくれた

死の隣

僕は一気に危機感を取り戻し駆ける

ベルだって、まだまだ新人なんだ、、!

1人では無理があるよ!

一撃を与えた、ウォーシャドウたちはここぞとばかりに追い打ちをかける

攻撃の手が緩まない中、なんとかギリギリで躱し続けるベルだったが

コツンッ

あ、、、

ダンジョンに転がっていた小さな小石につまずき決定的な隙をさらしてしまった

間に合えっ!

その隙に飛びついた2匹のウォーシャドウ

その凶悪な爪がベルを切り刻む瞬間

 

「「「!?」」」

 

彼らの間に割って入った長剣が勢いよく振り下ろされ、ウォーシャドウたちの腕を斬り飛ばした

 

「「!!」」

 

発声器官が無い彼らは驚きで軽く硬直しすぐに大きく後退する

「なんで、、、」

ベルが呟く

何でって聞かれても、気になったからとしか言えないよな、、

「、、、走ってるベルを見かけたから」

ウォーシャドウを真っすぐ見据え声を零す

今さらだけど6階層のモンスターなんて、まともに僕が戦えるとは思えない

さっきの一撃だって隙に飛びついたところを狙ったからね、、

だけど、、、ミノタウロスに比べたら全然怖くない!

、、ちょっと怖いけど

腕が疲れてて、悲鳴上げてるけど

「アルファ、、」

立ち上がったベルは少し間を空けてから、僕の横に立つ

 

「ごめん、ありがとう」

「なんで、謝るんだよ」

「ごめん」

「後で、ちゃんと話聞かせろよな」

「うん」

 

無言の怒りを発するウォーシャドウと2人で対峙する

2対2

僕達はそれぞれ強く武器を握り、熱くなる背中とともに駆け出した




アルファ君の原動力にはそこまで火はついてないけど、ベル君は燃え盛ってます
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