World SoulReaper   作:阿良々木日和

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見切り発車&何番煎じだよ! なクロスオーバーです。
あくまでもこんな設定だったらいいなー的な内容ですので頭空っぽにして読んでいただけると幸いです。

次の話は2週間以内に上げたいなぁ…(希望)


プロローグ
Visitors from "another world"


あの胡散臭いゲタ帽子の所為だ。

何がとは言わない、とにかくあの浦原さんがこんな中途半端な所に放り込みやがったからこんな事になってると思うしかない。

行くって自分で言ったのは嘘偽りのない事実だが何もこんな適当な所に落とさなくてもいいだろうが! 気を取り戻してからでもいいだろうが!

 

まぁ、文句を言っていても仕方ない。

とりあえず俺が目を覚ました誰かの家の庭から音を立てないようにそろそろと動き出す。動き出したのだがどうにも周囲から霊圧どころか人の気配すら感じられない。

空には月が輝いているが手元の携帯はまだ19時を表記している。 19時ならば住宅街は家庭の光があるはずなのだが…どこの誰の家か分からない庭から脱出し道へと出たが光はなく、あるのは崩れた家やヒビ割れ陥没した道路だった。

 

「んだよコレ…」

 

まるで大虚が暴れたような荒れ様に唖然とする。

一応、前もって浦原さんには聴いていたが現状を目にすると知らず知らず強く手を握りしめてしまう。 襲われて、囚われて、奪われて。 そんな事があっていいはずがねえ…

ゆっくりと歩きながらふと考える。 こんな何処とも取れない場所に居たんじゃ浦原さんが言ってた人には会えないのでは?と。

そんな時だった、街の外からけたたましいと感じる程のサイレンが鳴り響き辺りの空気を揺らし始める。

普段の感覚とは多少のズレがあるものの霊圧を近場に感じ、その霊圧の発生源である空間の歪みから白い身体を持った化け物が出てきた。

 

「こいつが…トリオン兵ってやつか?」

 

目の前には大虚とは似つかない奇っ怪な形をした化け物(奇っ怪さで言えばどっちもどっちだ)が大きな口の中にある瞳に似た器官を動かしながらゆっくりとこちらに迫って来ている。

諸事情により死神化は不可。故に先ずは逃げるが勝ち。身を翻し狭い路地を走り抜けるも、デカい体躯を持ったソレは既に誰も住んでない民家を踏み潰しながら少しずつ着実に距離を詰め始める。

これだから逃げるのは性にあわないんだよ、と悪態をつきながら道を抜けて飛び出し、右に左に無人の住宅街を疾駆。

障害物もお構い無しのヤツを背に感じながら走り続けているとガサっ…脇道から音が聞こえ、まさか俺以外に人が居たのかと覗き込むと後ろのアイツと同じく、自動車ぐらいのサイズの真っ白いボディに3本のブレードを持ち上げ威嚇のポーズのような間抜けな格好をした新手と目が合った。 いや目が複数あるから実際に目があった訳じゃねーけど……って、それどころじゃねぇだろこの状況!

脇道から溢れ出てくる新手を背に全力でダッシュ。

 

走り始めてからそんなに経たず、俺はそいつを見付けた。

 

唯一灯りが点っている街灯の下に前髪を上げサングラスを身に付けた男、浦原さんから伝え聞いていた通りの外見の人物が口角を上げて佇んでいる。

 

「来た来た。 視た通りだ」

「おいアンタ、その格好はボーダーって組織のやつなんだろ。悪ぃけどコイツをどうにかしてくれ! 」

「お、そうだな。 今のキミには戦う手立てがまだ無かったか」

 

全力ダッシュの俺がそいつの横へ辿り着くと同時に飛び出し、手に握った刃を振るって群がる敵を一瞬で切り刻んでいった。

 

「ったく、それが出来るんなら最初からやってくれよ…」

「悪い悪い、実力派エリートのカッコイイところを見せるにはタイミングっての大事だろう黒崎一護くん?」

 

何故俺がニヒルな腹のたつ笑顔を見せる男、迅悠一と出会わなければ行けなかったのか…少し時間を遡ることになる。

 

 

 

 

 

◆◆◆

 

 

 

 

「魂魄の消失?」

「正確には大きな霊力を持つ魂魄、及び霊力のみの消失ッスね」

 

ある日のこと、春からはキャンパスライフ…とは浮かれてられず、学ぶことの多さに若干頭を痛めていた頃合。 大事な1年が始まる少し前に浦原さんに偶然出会った。偶然とは浦原さんが言ってるだけでどうせまた、俺を待ち伏せでもしていたのだろう。

 

「虚や破面が絡んでるのか?」

「いやぁ、それが正体不明で。 ただ厄介なことに霊力と似たような力……あっちじゃトリオンって呼ばれてるものを集めている連中が居ることは分かってまして」

「トリオン…ってなんだ? つーか、それ正体不明じゃないだろ」

「ま、黒崎サン的に霊力と同じと受け取ってもらっても構わないッスよ。 どうにもソイツらは大きな霊力…トリオンを至る世界から掻き集めている様でしてね。 今この世界は完璧には見つかってないようなんですが…大きなトリオン。 つまるところ黒崎サンのような霊力がある人間を見つけると侵攻してくる可能性があるみたいなんですよ」

 

軽薄そうに笑うもその声色は真剣そのもの。

 

「簡単に言うと?」

「黒崎サンには一旦、現世(ここ)から出ていってもらって敵の動向を探って欲しいんッスよ」

「虚圏とか尸魂界に行くってことか? 一応これでも春から大学生なんだが」

「いいや、完全に別の場所。 とは言っても人間は住んでるし霊力に近しいトリオンがある世界ですが。 もちろん黒崎サンは断る権利がありますし、こっちとあっちは時間の流れが結構違うので時間の心配はしなくて大丈夫ッス」

「断る権利って言うけどよ、俺に話したって事はやっぱりここに居るのは相当不味いって事だよな?」

 

大体そうだ。浦原さんが俺や周りに話をする時は今動かなければ後に後悔する羽目になるような事ばかり。 ってなればこの話と自ずと答えは見えてくる。

 

「俺が動けば、井上やチャド達みたいな霊力持ちは大丈夫なんだな?」

「はい。アタシが命を張って空座町は守り通します」

 

だったら…

 

「俺が断る理由は無くなった」

「良かった良かった! 今回は尸魂界協力の元、黒崎サンには超特別性限定霊印を施す事になりますよ。 まぁ、黒崎サンの霊力であっちに行ったらとんでもないトリオン量になってしまいますから仕方ないッスね! いやー忙しくなるなー!」

「待て待て、限定霊印? ってアレだろ冬獅郎とかに付けられていた力を抑えるとかいう…」

「その辺はアタシにお任せを。 大丈夫大丈夫、あっちに行ったら迅悠一サン、城戸正宗サンって人を尋ねれば大丈夫ですから」

 

あれよあれよという間に簀巻きにされて尸魂界へ連れてかれ、そのまま処置をされたあと虚圏を経由した辺りで意識が吹っ飛んだ。

前もって注意されていたことは三点。

 

 

 

 

一つ、これから行く世界には俺の知っている俺の知らない誰かが居ること。

 

 

 

一つ、迅悠一と城戸正宗以外に此方の世界のことを自ら開示しないこと。

 

 

 

一つ、限定霊印を解除する場合、速やかに対象を排除し多くの人間に捕捉されないこと。

 

 

 

 

 

 

万が一の場合は死神化をしても構わないと言われたが限定霊印を解除する際は実際のモノと違って承認ではなく解号を言えという事だった。

あ、でも城戸って人には確認取れって言われたか。

 

 

 

そして今に至る。

 

 

「入隊だぁ?」

「そう黒崎がこの先動きやすくなるようにボーダーへ入隊する事を俺は勧めるし、おれもそうなって欲しいと思ってる」

「つっても、俺はチームを組んでとか苦手なんだが」

 

月の光が降り注ぐ無人の街の一角で迅悠一は空を仰ぎながら大丈夫、大丈夫と笑いながら歩き始めた。

どこに向かうとも言っていないが、ついて行くしかないだろう。

 

「まずはおれたちのボーダーについて説明しようか。ていってもパンフレットに書いてるような事だけど」

 

 

界境防衛機関。

近界民(ネイバー)の技術であるトリガーを使い、ネイバーと戦う民間組織。

ネイバーの侵攻に対して「こちら側の世界」(今自分がやってきたこの世界)を守るために結成され、数年前の「第一次近界民侵攻」を機に三門市を本拠地として公に活動するようになった。

ネイバーの持つ未知の技術である「トリガー」を独自に研究しながら多数のトリガー使い詰まる所の防衛隊員を訓練しており、現在は500名以上の戦闘員を擁している。三門市民からの信頼は厚く、三門市においてはヒーローのように認知されている。らしい。

 

なんつーか、虚が普通に認知されていてそれを護廷十三隊が倒していることを世間が知っている…って感じか?

 

又、トリガーを使用するにはトリオンというものが必要らしく、トリオンはトリオン器官と呼ばれる『この世界の人間』になら誰にでもある臓器により生み出されるエネルギーだそうだ。

聴けば聴くほど霊力とは全く違うシロモノな気がするのだが、こちらで言うところの『魂魄』のようなものなのだろうか。

霊力をそのままトリオンとして扱うのならば限定霊印を施されたのが今になって分かる。目の前にいる迅悠一のトリオン量は、尸魂界の死神達に比べれば非常に少ない。 2割に落とされた俺の霊力の方が上回っている程だ。

 

「…って、待てよこの話だと俺って」

「そうだな、黒崎は近界民近しい存在って扱いになる」

「バレたら…?」

「一部の隊員に殺られるな」

 

面倒事しかねぇ…

 

「隊員はC級からA級までランクがあってな。 C級は訓練員、A級は隊を組んでランク戦で勝ってかないとなれない」

「つまりソロでB級に居りゃ動きやすいって事か。 迅はA級なのか? の割には周りに仲間が見当たらねーけど」

「おれは実力派エリートだからな。S級だ」

 

あぁ、コイツ特別性を出すためにC〜Aまでって一旦言ったんだな。と目を細めながら前を歩く男の背を眺める。

しかし、ランク分けをされているのならそれはそれで動きにくいことが多いと思うのだが、この男と浦原さんには何か別の狙いがあるのだろうか。

 

「おれはオペレーターを一人見つけて二人で黒崎隊を作るのをオススメするよ。 浦原さんから聴いたけどかなり腕が経つんだって? そんなのが入隊したって分かったら色んな隊からスカウトが来るだろうからな。 さっさと隊を作った方がそういうのは無くなる」

「居るのかよ。入隊したばかりの俺と組んでもいいって奴は」

「大丈夫だって。沢山出てくるっておれのサイドエフェクトがそう言ってる」

「サイドエフェクト? なんだそりゃ」

「高いトリオンを持った人間に稀に発現する能力ってやつだ。 因みにおれは未来予知が出来る」

「高いトリオン…ねぇ。だから俺がここに来ることも視たって言ってたのかよ。 てか分かってたんなら勿体ぶらずにさっさとアイツをぶった切れってんだ」

「随分とすんなり信じるんだな、未来予知」

「そりゃあれだ…未来予知した挙句に未来を改変しやる力を持った野郎を知ってるからな。別にアンタがその手の力を持ってても驚かねーよ」

「なるほど、確かにそれに比べたらおれのサイドエフェクトは可愛いもんかもな。 と、そろそろ着くなアレがボーダー本部だ」

 

見えてきたのは馬鹿でかくて堅牢そうな建物。

見えてきたと言うよりは元から見えてはいたが近くに来ればその大きさをより感じることが出来た。

迅さんの後ろに続きながら本部の入口を通ってどんどんと奥へ進んでいくが途中、脇道から歩いてきた幾つか年上そうな男が声を掛けてきた。

 

「珍しいな迅。 おまえが顔を出すなんて」

「お、太刀川さん。少しばかり用事があってね」

「用事ってのはそのヤンキーくんか」

「誰がヤンキーくんだ!?」

「将来の有望株。太刀川さんのライバルになる存在だよ黒崎は」

「黒崎か。 なるほど、俺は太刀川慶。アタッカーNo.1 宜しくな。」

「あ、あぁ…黒崎一護だ」

「てことで、少し急いでるから話は後日な」

「入隊したら俺とバトろうぜ黒崎」

 

じゃあな、と軽い挨拶をしながら俺達が歩いてきた方へ歩いていく太刀川という人物は、何処かバトル狂というか剣八を彷彿とさせる雰囲気を持っていた。 剣八よりも言葉が通じそうだが。

それから迅が何度か声をかけられたが俺には大した触れることなく目的の部屋へと到着したようだった。

つーか、殆どの奴らは俺から視線を逸らしていた。

そんなこんなで辿り着いた部屋に居たのは、顔に傷があり鋭い瞳でこちらを見ている渋い男。 名前を聞かなくても大体想像がつく、城戸正宗って奴だ。

 

「迅悠一、只今戻りましたっ」

「…浦原喜助が言っていた黒崎一護とはキミか」

「…浦原さんが言ってたんなら俺で間違いないな。 黒崎一護だ……です」

「そうか、特別措置はない。ボーダーに入るのならば規定の試験を受け入隊することだ。 宿泊先や暫くの生活費は迅が用意している」

 

住む場所は分かるが金まで用意って…おいおい。 横にいる迅を見れば、気にするな。なんて言いやがるが金を借りるのは心情的にもいいものじゃねーし。

 

「必ず返す」

「元は城戸さんから貰っているお金だから気にしなくていいのに」

「ボーダーに入ってB級になれば給料が出んだろ? それで返す。金を借りる貸しなんてのはロクでもねぇ事になりそうだしな」

 

城戸司令から書類の山を直接受け取り、これから全部に色々書かねーといけないとなると気が滅入る。

 

「明日から仮入隊扱いとする」

「お、良かったな黒崎。早速腕を振るうチャンスじゃないか」

 

…明日?

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