World SoulReaper   作:阿良々木日和

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今回めちゃくちゃ短いです。
なんなら前回の後半部に編集で付けてもいいかなーと思ったんですが1話として投稿することにしました。

石を投げられても仕方ないNE!!


終戦……?

ヴィザによる縦横無尽の斬撃が辺りの瓦礫を切り飛ばし空閑の『弾』印を防ぎ、月牙天衝で砕かれても即座に別の刃が一護に迫る。

時間にして数秒。 たった数手の攻防で技量と潜ってきた死線の数は向こうの方が上だと理解した。

空閑にしても自分にしてもかなりの死線を潜っているつもりだが場数が違うのだろう。

 

大気中の霊子を固め、空中に即席の足場を作りながら瞬歩を使い何度もヴィザに迫るが斬月による一撃は幾つもの刃を束ねたモノで受け止められてしまう。

 

「おいおい、目で追えてるのかよ…っ」

「いえいえ…目では追えていないので気配を読んで反撃しているだけですよ」

 

刃に弾かれた瞬間、仕込み杖が浅く一護の身体を切り付け血が宙に舞う。

 

「…驚いた。 生身でそのような動きを…?」

「さぁてな。 ネタばらしして欲しけりゃ大人しく斬られろよ爺さん」

 

剣圧でヴィザの視界を一瞬遮る。

卍解の許可が下りれば一瞬、とは言いきれないがこの爺を叩き切ってやれるのに…! と歯噛みしながらわざと外すように追加で2、3発…斬撃を放つとヴィザや(ブレード)に当たらなかった剣圧は瓦礫を吹き飛ばし宙へと舞い上げた。

 

そう、間宮隊とランク戦をやった時にメテオラで住宅を吹き飛ばした時の様に。

 

「瓦礫の雨で視界を塞ぐつもり…でしょうか?」

 

こちらの一撃を防ぐ為に収束していた軌道は再び大きく広がり自らに降り注ぐ瓦礫の数々を木っ端微塵にスライスしていく。が、狙いは違った。

 

『弾』(ボルト)印」

 

地面の瓦礫から、宙に舞った瓦礫から、無数の弾がヴィザの身体目掛けて射出されていく。

空閑が仕掛けに仕掛けた罠を全方位から放つ為にわざと仕掛け丸ごと空に打ちあげたのだ。

 

「なるほど。下だけの攻撃だけでは足りないと判断しこう来ましたか…」

 

ドドドド…!!! 凄まじい音を立てながら着弾していくのが見えたが…ありゃ仕留めるどころか傷一つ着いて無さそうだ、と一護は溜息をつき空閑の横に着地する。

 

「まるで手応えがない」

「死神の相手でもしてる気分だよクソ…っ」

「死神?」

「こっちの話だ……ッ! ヤバいな、三雲に変な奴がまとわりついて居る」

「そう…だったらコイツを早く倒さなきゃいけないね」

 

異様な霊圧…トリオン圧?の奴が二人ほど三雲の近くをうろちょろしてやがる。

出水や緑川を緊急脱出させた奴だな。あのバカ二人をやるって事は余程厄介な能力なのだろう。

それに輪をかけて厄介なのが目の前にいるが。

 

「やれやれ…あと少し反応が遅れていたら私も危なかった」

「素直にやられてくれれば嬉しいんだがな」

「いちご先輩が来てから最初程のキレが無くなったのは分かってる」

「これは手厳しい」

 

だがまぁ、読み合いじゃ勝てねぇなこの爺さんに。

とにかく隙が無さ過ぎるし、奴の軌道の動きも一切の無駄がない。月牙天衝を防ぐ時も最小限の刃で防ぎやがるし守りから攻めに転じる速さも尋常ではない。

 

「アイツの注意はいちご先輩に向いている。悔しいけどおれだけじゃ届きもしなさそうだ」

「そうか? 俺からすりゃお前とならあの爺さんに一泡吹かせることが出来そうだが」

 

強い。強いのは間違いないのだが爺さんが本気になっていないからかかつて戦ってきた連中との絶望的な差は感じない。 卍解を使わなくても何とかなりそうな気もする。

 

それに年月の厚み、踏んだ場数で言えば空閑は俺よりもあるんだ。なんだったら俺がこの場で一番少ないだろう。

 

「お前の閃きに賭けるぜ」

「…それじゃあ、いちご先輩」

 

呟かれた言葉を聞けば一護は軽く頷いた。

ひとつ間違えれば一護の身体が真っ二つになるが空閑に勝算はあるのだろうから断ることはしなかった。

 

「行くよ」

 

『弾』印を使った空閑が弾丸のような速さでヴィザに向かって突っ込んでいく。

軌道上の刃よりも速く鋭く、斬撃を潜り抜けて行くが。

 

「鋭い。しかし正直過ぎる」

 

予測していたのだろう。

刃のひとつが空閑の視界の外から迫り、トリオン体を両断した。

爆発するように空閑が煙に飲まれる。

 

「こっちだ爺さん!」

 

瞬歩で奴の背後に回れば、その昔、白い俺がやっていた様に柄に巻いたサラシを掴んで振り回しヴィザに向かって投擲。

自ら唯一の武器を投げるとは思っていなかったのだろう。虚をつかれたように驚くも投げ込まれた斬月を意図も容易く弾き上げた。

 

「驚きましたが…それだけです」

「ならもう一度驚くぜ?」

 

弾かれた斬月は宙を舞い、サラシを引っ張って手元に戻すのも間に合わない。

手元に何も無くなった俺を殺るつもりなのか展開していた刃達が集まってきており防ぎようが無い。その瞬間、今まで時間稼ぎに徹していたヴィザが笑みを見せる。

更木剣八が強いやつに会った時に見せる笑みにソックリだ。

 

だからこそ生まれた隙。

爺さんのトリオン供給器官を斬月が背後から突き刺さる。

 

「な、んと…」

「時間稼ぎが目的だったのにいちご先輩と戦って…欲が出たな爺さん」

 

トドメと言わんばかりにぶっ刺さった斬月の柄を『強』印で増強した拳で叩き込み爺さんの身体を完全に吹き飛ばした。

斬月に『鎖』印を予め付けていた空閑が弾き飛ばされた斬月を引き寄せ背後から再度の投擲をした。それだけの事だ。

 

「いつの間に」

「アンタが空閑の『弾』印をしこたまくらっている間にちょろっとな」

 

バシュン! とヴィザのトリオン体は解除されその老体は瓦礫の上に転がっていた。

ほんの少しの攻防だったってのにこうも疲れるとは…俺も鈍ったか。

空閑はその勢いのまま街の上へと飛び上がっていく。

 

「私を捕えないのですか?」

「あ? 悪ぃが構ってる暇が無いもんでな。 それに俺の敵はアンタらじゃねぇ」

「それはどういう…」

 

三雲の霊圧がやべぇ…!!

爺さんとの会話を最後まで続けることなく俺は空閑と同じく空へと飛び上がり手元に戻ってきた斬月を強く握りしめ、ありったけの霊圧を食わせてやる。

 

「終いの一発持っていけよ…! 月牙天衝!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「トリガー解除!!」

 

ミラの棘に動きを停められ、迫り来るハイレインの卵の冠から逃れる最後の手段。

卵の冠の鳥達が生身の修の身体にぶつかるも意味をなさず崩れ落ちる。

距離にして20歩。

 

しかし、届くよりも先にミラの再び放った棘が修の生身の腹や足を穿いた。

 

「──ガッ!?」

【投げろオサム】

 

狙いは敵の遠征艇。 レプリカならば近界民のシステムを瞬時にハック出来る。それが二人の策だった。

即座に狙いが艇だと看破したハイレインは修を殺すために歩を早める。

 

ここが運命の別れ道。

 

市街地の屋上から修と木虎、それに一護や多くの正規隊員が近界民から逃がしたC級隊員たちが米屋の合図で一斉狙撃を開始。

卵の冠を展開していたハイレインには届かずもコンマ数秒を稼ぐ。が、ヴィザからの連絡で本命の攻撃が残っていると彼は分かっていた。

右後方が本命だと卵の冠をより一層の濃密に展開し直すのだがその瞬間、地面から現れた斬撃が彼の四肢や腹部を切り裂いた。

 

(斬撃…一体どこから…しかしまだ…!)

 

動けなくなる程ではない、とレプリカを振り被る修を目掛けるが直後、注意していたはずの右後方からの爆発的な威力を持った斬撃によって卵の冠の鳥や虫達が相殺しきれず吹き飛ばされ、その隙間に黒い砲弾のようなモノが飛来しハイレインの身体に無視できないレベルのダメージを負わせた。

 

「あぁぁぁぁぁあ!!!」

 

総出で稼いだ数秒。

修がレプリカをゲートの中へと放り込む。

 

「艇を調べろ」

「……! 帰還信号が出ています。命令変更出来ず、緊急発進まで60!」

 

倒れた修の元へ歩み寄り「金の雛鳥」のトリオンキューブへと手を伸ばした瞬間。

ハイレインの両腕が落ちる。

 

「残念だったな近界民」

 

姿を消していた風間蒼也がスコーピオンを振り下ろしていた。

 

「隊長!」

「……仕方ない金の雛鳥は放棄する。 ヴィザ翁の回収を」

「了解しました」

 

両腕を落とされながらも冷静に卵の冠を展開し風間を足止めしながらハイレインは艇へと飛び乗る。

風間は瀕死の修、キューブ化した雨取千佳を横目にし、追撃よりも救出を選んだ。

 

 

 

ゲートが閉じ、夜の様に塗り潰されていた空が青く広がる。

大規模進行はこれで幕引きとなった。

 

 

 

 

 

 

 

「残敵処理があるんやけどね」

「うぉぉおお!? お、お前…市丸ギン!?」

「せや、気軽に市丸さんって呼んでな」

 

死覇装姿で一息ついていたらいつの間にか真っ白のスーツに身を包んだ市丸ギンが立っていた。

違和感しかねぇ…

 

「そないに身構えんでもええって。それにそっちの僕はもう死んどるんやろ? 化けて出てんとでも思っときな」

「死神が化けて出るって世も末だろ」

「確かになぁ」

「……やっぱりアンタはこっちの市丸ギンなんだな」

「市丸さんや」

「…市丸さん」

 

そうそう、と笑いながら目にも止まらぬ早さで腕を振るうと数軒の廃墟と共にいつの間にか群がっていたトリオン兵、虚を真っ二つにしていた。

 

「……斬魄刀?」

「ほんまもんやない。トリガーを使った模造品や」

「とんでもねぇな」

 

生駒旋空よりも伸びてるじゃねーか。

 

「社長お手製やから」

「分かった。分かったから社長の名前は言わないでくれ。 胃が痛くなる」

 

というか、残敵処理にわざわざ出てくる奴では無いだろう。

 

「それで本題は…?」

「忘れとった。キミ、明日朝イチで質問攻めされんで。めっちゃの人数集めて会議やって」

「めちゃくちゃ重要な事じゃねぇか!? 忘れるなよ!」

 

 

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