World SoulReaper   作:阿良々木日和

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評価等ありがとうございます!
評価や感想をもらえるとやらなければ…という強迫観念から更新が早くなるのは締切に追われるのとなんか似てる気がする今日この頃です。

今回は説明回…?
ガバい設定ばかりですが許してください。


改めての始まり

司令や各室長に迅を始め、A級からは太刀川さん、風間さんに嵐山と木虎、それから秀次。

B級からは二宮さん、東さん、あと次いでに香取が居た。オペレーターもチラホラと居るし井上なんて昨日突然音信不通になったのを心配半分怒り半分の瞳でこっちを見ている。

 

そんなメンツが俺を取り囲むように席に着き、ボーダーの上役達も簡単に口を開けないような重苦しい空気が部屋を満たしていた。

 

「先ずはご苦労だった」

「労いはいらねぇ、この空気を何とかしろ。 重苦しくてやってらんねぇ」

「では、私から質問させてもらおう。 黒崎隊長、君が昨日使用したトリガーはなにか」

「トリガーじゃねぇっすよ。 ありゃもっと別…なんつーか説明しにくいが…見せちまった方が早いか」

 

チラリと城戸司令に視線を送ると無言で首肯する。

忍田本部長の疑問を分かりやすく説明するのに死神化を行う。 その様はトリガーの換装に似てるだろうか? 隊服の代わりに死覇装が身を包み斬月を背負う。

 

「俺の…いや、死神の力だな」

「死神って何言ってるんですか」

「何って言われてもな。 俺は死神代行 黒崎一護だって事ぐらいしか説明してやれねぇ」

 

木虎の若干馬鹿にしたような口調にイラッとしたが…まぁ、俺は死神だ!なんて痛いにも程がある。

 

「近界民なのか?」

「近界民じゃない…とは言いたいが線引きが難しいな。 俺は確かにこの世界で産まれてもいないし生活したのはここ一年ほどだ。 風間さん達と出会ったばかりの時だな」

 

近界民なのか、という風間さんの問に上手く答えられずにいると隊員の面々の顔が険しくなる。まぁ、そういう反応になるだろうな。

特に秀次はどういう感情をしていいのか分からない顔つきになっていた。

 

「落ち着けお前たち。黒崎、お前だけでは説明が出来んだろう。 人を呼んでおいた」

「…ァ? 本吉のおっさん…?」

 

意外にも隊員達を制したのは鬼怒田本吉開発室長だった。

 

「はいはい、皆さんこんにちは。 いやぁ、先日の戦いぶり拝見させて頂きましたよ。 あ、申し遅れましたアタシは浦原喜助。黒崎サンが住んでいる浦原商店の店長でス」

「浦原さん? なんでこんな所に」

「黒崎サンが近界民ではないと説明する為に来たッスよ。とりあえず端的に言えば『この黒崎一護』は並行世界の黒崎一護でス」

 

ここって並行世界だったのか…?

俺自体も初耳なんだが?

 

「並行世界…そんなSFでもあるまいし…」

「木虎サン、アタシ達の世界からすれば年端もいかない少年少女達が武器を持って怪物と戦っているこの世界の方こそ物語のような世界、SFみたいなモノなんですよ」

 

…確かに、俺やチャド、井上に石田と戦いに巻き込まれることは多々あったが普通あの年頃の子供は戦いなんざに巻き込まれることなんて普通ではないのだ。

 

「浦原さん、と言ったな。 黒崎が死神というのは?」

「言葉のままでスね。 正確には死神代行ですが…簡単に言えば現世で迷っている霊を尸魂界、つまりはあの世に送ってあげたり…昨日風間サンや香取サン達が戦った虚から現世を護り、あちらとこちらの均衡を調整するもの…って感じでしょうか」

 

んな事言ったって理解出来るのか?と首を傾げるが風間さんはそれ以上の質問はせず黙りこくる。

 

「俺からも質問いいでしょうか浦原さん」

「はいはい、質問をしてくれる子は好きっスよ嵐山サン」

「先程、並行世界…と言っていましたがこちらとは何が違うんですか」

「そうでスね…生活水準や科学の進歩はこちらと全く同じですがたった一つ完全に違う部分が有ります。 それはこちらの人間には例外なく、強弱の差はあれど全員があちらの人間とは比較にならない水準の霊力を持っているということですかね」

「待て待て、こいつら全員が? どういう事だよ」

「いやぁ、黒崎サンだって散々見ているでしょう? ここにいる全員が『トリガー』を使ってトリオン兵と戦っている姿を」

 

コホン、と軽く咳払いをして浦原さんは仕切り直すように口を開く。

 

「アタシたちの正体も含めて全てを話しましょう。 有り得ないと思うのなら信じなくても構いませんが…ま、黒崎サンが皆さんの敵じゃないという事だけは保証しまス。なんたって黒崎サンは井上サ「フンッ!!!!」 あ痛ァ!? もう冗談が通じないんッスから…」

 

何言おうとしてやがるこのゲタ帽子。

 

「はぁ…では、話しましょうか。 我々の世界では『魂魄消失事件』というものが起きていまス。 魂魄…つまるところ人間の魂でスね。 これを抜き取られている人間や人知れず姿を消した死神達もいて尸魂界でもちょっとした問題となっているんですよ」

「魂が無くなった人間はどうなるんだ?」

「あの世に行くことも出来ず、人間の場合は抜け殻になった身体だけが残ります。 変死…という扱いになりますかね」

 

会議室にいる面々の顔が強ばる。

 

「そして魂魄はこちらの世界で言うトリオン供給器官として多くの人間に認知されています。 トリオン供給器官を取り除かれた人間も死んでしまうでしょう?」

「つまり近界民の仕業…」

「だったら単純でよかったんでスけどねぇ…近界民と第三者がこの件には絡んでいる様なんですよ」

「黒崎はその事件を解決するためにここに来てボーダーに入ったって訳か」

「まぁ、簡単に言えば…?」

 

東さんの問い掛けに自分でもよく分からないが肯定をしておく。

 

「納得出来ない者は居るだろう。 だが彼は昨日の近界民撃退に尽力し、今日までの一年の間も防衛任務や模擬戦で皆が彼と共に過ごして来たのは事実だ。 黒崎隊長にはこれからも協力者としてボーダーに居てもらいたいと私は考える」

 

根津情報室長と秀次、香取は顔を顰めているが会議室の面々は凡そ俺を認めてくれているようだ。 ここに居る連中の事は嫌いじゃねーし、そっちの方が助かる。

 

「黒崎サンの事は3日程借りていきまスね。 死神化を使ったので限定霊印が外れてしまいましたし、また印を押してきまス」

「げっ、またやるのかよ…」

「この度の会議内容の各隊員への報告はキミ達に一任しよう。黒崎、浦原の両名は準備出来次第休暇に入って構わない」

「あ、そうそう提案なんですが、ボーダーの隊員を1人か2人お借りして頂けません? 実際にその目で別の世界を見てみた方が黒崎サンが敵じゃないって認識できると思うので」

 

浦原さんの突然の提案に会議室がザワっと沸き立つ。 先程の緊張感が走った感じとは違ってこちらは好奇とかそういう感じだったが。

 

「はいっ!」

「はい、井上サン早かった! でもすみません。 井上サンだけは諸事情で連れて行けないんッスよ」

「えぇ!?」

「代わりに黒崎サンが帰ってきたら2日、3日一緒にデートとか何ならお泊まりと「月牙…」はいストップ! 黒崎サン? 冗談冗談ッス!!」

「で、デート………」

 

顔を赤らめるな井上。俺はどうしていいか分からん…

 

「とりあえず井上サンは後で黒崎サンから謝罪とお話があるので別の方!」

 

スッ…と手を挙げたのは意外にも風間さんだった。

 

「A級部隊の隊長がいいのかよ」

「休暇だ」

「…そうっすか」

「三上を同行させる」

「「風間さん!?」」

 

俺も驚いたが三上が突然の巻き込まれに驚きすぎて立ち上がってしまっている。

 

「それじゃあ今晩零時に浦原商店前に集合ということで。あ、黒崎サンとお話したい方沢山いると思うんでしっかり相手してから帰ってくるんスよー」

「浦原さん…ってあぁ、もう消えやがった!?」

 

すたこらと会議室から出ていった浦原さんを追いかけるように廊下に出るもその姿は既に無く、煙のように消えていた。

クソ…っ!

 

「く、黒崎くん…」

「あー…井上…とりあえず隊室に行くぞ。 いいよな城戸司令」

 

軽く頷いたのを確認すると井上を引き連れ退室し部屋を移った。移ったのだがかれこれ一時間ほど無言が続いている。

 

「………」

「………」

 

井上が用意してくれた茶を飲みながらとりあえず待っていると意を決したように彼女が口を開いてくれた。

 

「黒崎くん、私怒ってます」

「……おう」

「もちろん黒崎くんにも事情があって他の世界のことを言えなかったりしたのかもしれないけど…この前急に通信が取れなくなって私…びっくりして…」

「……すまねぇ」

「今度からはちゃんと頼ってください」

「わかった」

 

井上に、しかも此方では年下の女の子に頭を下げさせてお願いされてしまった。 情けないもんだ。

 

「以上です!」

「以上なのか? ほら死神ってなんだーとか、並行世界って…とか聞かねーのか?」

「うん、きっと分からないし。 それでも黒崎くんは黒崎くんだもん。街の人のために戦ってくれていたのはボーダーの皆が知ってるから」

 

どこの世界でもコイツは井上織姫なんだな。

 

と、思っていたところで部屋のインターホンが鳴った。

 

「お、お客さんだね!? 開けてくる!!」

「あ、あぁ」

 

突然顔を赤くした井上は足早に扉を開けに行った。同時に騒がしい声が聴こえてきた…めんどくせぇのが来たな…?

 

「お、黒崎。お前って近界民…じゃなくてなんつーかビックリ人間だったんだって?」

「近界民じゃないならウチの隊長もそこまで敵視しないから大丈夫ですよ黒崎さん」

「ヒメも大変だなー。 黒崎さんが隊長だなんて」

「…いったいどういう組み合わせなんだよ」

 

隊室に入ってきたのは諏訪さん、米屋に仁礼の3名。 なんだこの闇鍋みたいなパーティーは。

 

「東さんに聞いて」

「秀次から」

「東さんから聞いたカゲから聞いて珍獣見たさに」

「誰が珍獣だ!?」

 

ドカりと俺の横に腰を下ろす諏訪さんに、客だからとお茶を入れに行った井上を手伝う米屋と我が物顔でテーブルにあった菓子を頬張る仁礼とカオスだった。

 

「つーか、情報統制はどうしたんだよ。俺の正体を全隊員に周知でもするのか…」

「ンな訳あるか。一部のB級…ま、お前とよくツルんでた連中とA級の部隊長ぐらいだ。 俺は隊の日佐人が黒崎に世話になってるしな」

「アタシもカゲがよくクロさんとツルんでたしなー? それにアタシ自身も店によく行くしっ」

「俺は言わずもがな…ってことで」

「はぁ…で、何が聞きてぇんだ?」

 

もう面倒だ。コイツらに説明して、コイツらから他の連中に伝えてもらった方が説明を何度もするより楽だろう。

そう判断して質問を待つと三人は顔を見合わせて首を捻る。

 

「「「さぁ?」」」

「本当に何で来たんだよ!?」

「アレだアレ。 昨日の黒トリガー使いとか人型近界民は角が生えてたり服装が全然違ったろ」

「その点、黒崎さんはこっちの人間と全く同じ出で立ちだし」

「なんて言うか、話だけ聞いてれば隣町からやってきた〜とあんまり変わらないんだよなぁ…。 まぁ、見た目はユバさんと二大巨頭だねど」

 

弓場、黒崎。

C級の中で見た目が怖い先輩として囁かれているがこの際どうでもいい。

並行世界を隣町…か、なんつーか楽観的なこいつらには本当に助けられているな。

 

「あぁ、でもあれだ。 お前の入隊試験の時の結果がようやく合点がいった。 ありゃ仮入隊よりも前から何かと戦ってたんだろ?」

「まぁな。 高一の頃と三年の終わりか…? 色々とあって」

「はぁ〜、歴戦って感じだもんな黒崎さん」

「俺からしたらここの連中もかなり手練だけどな」

「あ、そうだ。折角だからその死神? 状態で手合わせしてくださいよ」

「バカ言うな。 手合わせ中にお前が俺の首を取ってみろ。そのまま俺はお陀仏だ」

「「「は?」」」

 

なんつーアホ面三人。

 

「だから死神化した状態でやられたらそのまま俺は死ぬんだっての。 緊急脱出なんて便利なもんはねぇからな」

「おいおい、マジかよ。初期のトリガーと同じじゃねぇか」

「何度も死にかけたけどな。まぁこうして生きてるし」

「え、なに。クロさんの世界ってそんな殺伐なの!?」

「いや、俺とか特異な体質をした人間だけだっての。気が付かねぇ連中は平和だ」

 

愛染のせいで空座町がヤバい事になったのは言わないでおくがそれを除けばたつきや啓吾、水色は基本平和に過ごしてた筈だ。…井上が居るってことはたつき達や銀城とかもこの世界のどこかに居るのだろうか?

 

「そういやカゲを待たせてるんだった!」

「んだよ、アイツ待たせると大変だろ。早く行っておけ」

「あぁ、いやいや。 クロさんをランク戦室に呼んで来いって言われてた」

「俺かよ!!」

「お、それじゃあ俺ともやりましょう黒崎さん」

「少しの間こっち離れるんだろ? 俺ともやろうじゃねぇか黒崎」

「ヒメも一緒に観に行こ!」

 

事情を知ってる奴、知らない奴関係なくかなり多くの連中とランク戦をする事となった。

 

 

限定霊印が外れ、制限がないトリオン量(霊力)でメテオラのトリガーを使ったら手前も相手もなんならフィールドも丸ごと吹き飛んだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいはい、この度は浦原喜助が提供する空座町旅行に御応募いただきありがとうッスよ。 風間サン、三上サン」

「わ、私は応募した覚えないんですが…」

「なんで三上を同行させたんだよ風間さん。特に危険がないとはいえ」

「三上はかなりの期間休暇を取っていなかった。 無理にでも休ませなければ隊に取っても本人に取っても良くないだろう。それに三上は優秀だ」

「風間さん…ありがとうございます」

 

深夜零時。

月の下、浦原商店にやってきた二人を出迎え中へと入れると浦原さんが軽く説明をし始める。

 

「向こうに行っても特に気を付けることはありません。 緊急時はトリガーを使用しても構いませんし行動の制限なんてのも付けません。本当にただの旅行とでも捉えてください」

「浦原さん、貴方と黒崎はどうするのですか」

「我々は向こうの浦原商店の地下にある修行部屋で黒崎サンに施術をしまス」

「施術…とは?」

 

三上が不思議そうに首を傾げ、軽く挙手をした。

 

「黒崎サンの霊力、つまるところトリオン量はとんでもなく多いんでスよ。霊力バカなんでス。 これを放置しておくとこちらの世界やボーダー、なんなら近界にまで迷惑をかけるぐらいに。 だからそれを押さえ込むために鍵をかけるんですよ」

「鍵…」

「えぇ、だから丸二日ほど店の地下で霊力を使いまくってもらってガス欠になった所で限界値を決めた封印を施す訳でして…アタシと黒崎サンは向こうに行ったら暫く出てこれないんでス。 もちろん知らない世界に放り出すのは酷いのでガイドは用意しましたけどね」

 

と言うわけで行きましょう!なんて張り切っている浦原さんに大人しく従順に着いて行く三上、それを見守るように後ろを歩く風間さんは店の一番奥の襖の前で立ち止まった。

なんでかって? そりゃその襖の奥は何も無いからだろう。

 

「ささ、飛び込んでください」

「え、えぇ!?」

「これは…」

「大丈夫ッスよ。死にませんから」

 

真っ暗な穴の中に飛び込めって言われて飛び込む奴はいないと思う。

 

「あー…先に行ってる」

 

ひょい、と飛び込めばあとを続くように風間さんが。その後から悲鳴をあげながら三上が落ちてくる。

 

 

もう少しで久しぶりの空座町だ。

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