World SoulReaper   作:阿良々木日和

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遅れました。
それと一部、一護以外の視点等初めてやってみたので相変わらずガバガバです。
どれくらいガバガバかっていうと木虎と黒江双葉が同期になってしまってるぐらいガバガバです。許して。

皆さんお気に入り登録ありがとうございます。


Enlistment and cheeky daughter

ボーダー基地休憩スペースにて少女達は甘いお菓子を頬張り頬を緩ませながら話を弾ませていた。

 

「大変だったね友子ちゃん」

「ホントよ…あんただけなら分かるけどあたしまでとは…」

「でもそんな朝っぱらからナンパなんて凄い子達ね。その人たち」

「加古さんもそんな連中に感心しないでくださいよ…」

 

たまたま一緒に集まった女子三人組の中で熊谷は頭を押えながら溜息を吐く。

自分では高校に上がったぐらいしか変化が無い日常を送ると思っていたのに、まさか自分があんな連中にナンパされるとは思ってもみなかった。

 

「でも、あたしは友子ちゃんが逃がしてくれたから良かったけど…友子ちゃんも走って振り払ったの?」

「いや、あんたを逃がした後にまた絡まれたところがたまたまお店の前でさ。 あたしとアイツらの声を聞いてか知らないけどお店の人が出てきたのよ」

「あら、それで助けて貰ったの?」

「助けてもらったというか…あたしとアイツらの顔を何度か見たら有無も言わさず店の人が蹴散らして店の中に戻ったというか…」

 

甚平?の様な物を着ていた若い男の人だったのだが腕っ節は凄く、瞬く間に男達をノシて店内に戻ってしまった為に名前も聞き損ねた。

 

「カッコイイわねその人」

「え? あぁ、確かに顔つきは良かったような…」

「そう言うのじゃなくて、サラッと人を助けちゃうところがよ。まぁ、力ずく…って所は世間的に問題かもしれないけどね」

「友子ちゃん、今度お礼言いに行かなくちゃ!」

「そうねぇ…うん、行こうか」

 

なんであれ助けてもらったのは確かだし、今朝はちゃんとお礼を言えてなかった。 なんかのお店だった様だし空いてる時間を狙って早めにお礼を言いに行った方がいいだろう。

 

「あ、話しは変わるんですけど加古さん。この前県外にスカウトしに行ったって聞きましたよ」

「加古さんの所か…凄い子なんだろうなぁ」

「そうね、双葉っていう子なんだけどとてもいい子よ」

「今日は入隊式だもんねぇ。オペレーターも何人か入るかな」

「あんたも後輩欲しがるのね…意外だわ」

「それは私だって少しは先輩って立場に憧れるし…」

「どした〜珍しい組み合わせだね」

 

飲み物片手にやってきたのは太刀川隊のオペレーターである国近柚宇さんだった。

 

「たまたま一緒になったのよ。 貴女はオペ終わりかしら?」

「終わりというより今日は非番で〜す」

「え、それじゃあなんで本部に?」

「ほら、今日は入隊式でしょ〜。 知ってる人が入るから見に来よ〜って」

「あー…ゲーム関係か親戚?」

「んーん、一回だけ仮入隊の時に会った人〜」

「へぇ、仮入隊」

 

知り合いが〜とかこのボーダーでは良くあることだ。だからあまり考えることでもないか。と思考を切ろうとした瞬間、隣に座っていた昔馴染みが声を上げて立ち上がり周囲から視線を一気に集めた。 まぁ、集まった視線も声を上げたのが何時もの子だと分かると直ぐに興味が失せたように元に戻ったけれど。

 

「なに、今度は何を思い出したの?」

「友子ちゃんとフツーに喋ってたから忘れてたけどあたし、これから混成部隊のオペあるんだった!!」

「ばっ…、あんた早く行きなさいよ!?」

「ごめんね、友子ちゃん!! 加古さん、国近さん失礼します!」

 

相変わらずそそっかしい子だ…。

 

「柚宇の知り合いってどんな人なの?」

「んー…強い人?」

「あの太刀川隊のオペレーターに強いって言わせるなんて余程の有望株なんですね」

「まぁまぁ、とりあえず見に行こ〜?」

「そうね、そろそろ時間もいい頃かしら」

 

国近さんと加古さんに連れられるように模擬戦闘ルームへと顔を出すと既に生駒さんや太刀川さん、風間さんが様子を見に立ち寄っていた。

メインルームには諏訪さんに柿崎さん、そして珍しいことに迅さんまで来ていおり、下では嵐山さんがC級隊員たちに説明をしている真っ最中だ。

 

「なんだ、お前たちも来たのか」

「なんだとは何よ。太刀川くんこそ珍しいじゃない? 何時もだったら入隊式よりもランク戦を優先してるのに」

 

あーだ、こーだと始まったのを他所に部屋の奥に座っていたのを見つけた為、私は玲の横へと腰をかけて成り行きを見守っていた。

 

「今年も戦闘訓練からなんだね」

「これも毎回恒例になっちゃったわねぇ。それにしても何だかギャラリーが多くない?」

「そう言われれば…確かに…」

 

C級の入隊式は普段でも有望な新規隊員を見つける為にそこそこのギャラリーは居たけれど、今回はそれに加えてバトルジャンキー共まで集まっているようなそんな感じだった。

 

『2号室 1分2秒』

 

『3号室 52秒』

 

持ち時間2分の中で少しサイズを小さくしたバムスターを撃破する訓練で今日入ったばかりの子達が1分を切るのはセンスがある方だろう。

そんな時入ったアナウンスはずば抜けた速さだった。

 

『1号室終了 9.6秒』

 

「あの子なんてあたしなんかよりも全然早いし…もしかして国近さんが言ってたのって、あの木虎って子…?」

「違う違う〜。イッチーさんは仏頂面のヤンキーみたいな人だから」

 

『2号室終了 11秒』

 

そうこう言っているうちにまた小さな女の子が10秒台を叩き出している。なんというか、今回入隊したメンツはかなりの有望株ばかりなのではないか。

 

「めっちゃ可愛くてセンス抜群なんてヤバいな」

「イコさんはそればっかりだし」

「えーと、木虎藍ちゃんと黒江双葉ちゃんか…」

「双葉はあたしがスカウトしてきた子ね」

「んじゃ、もう加古隊入りは決まってるんですね」

「あ、イッチーさんの番だ」

「お、黒崎出てきたか。 諏訪ちょっとこの辺弄ってだな…」

「おい太刀川、何勝手にいじって…!」

 

黒崎と太刀川に呼ばれた男性が3号室に入ったのが見えたのだが…あの眩しいぐらいに鮮烈なオレンジ髪。どこかで見たような…なんて思っていたら彼のブースにだけモールモッドが現れた。

 

「ちょ、ちょっと太刀川さん! いきなりモールモッドは不味いんじゃないですか?」

「大丈夫、大丈夫」

 

慌てる来馬さんを他所に太刀川さんと迅さんは気にした様子もなく笑ってスルーし訓練開始の合図が出されるとほぼ同時に黒崎と呼ばれた男は孤月を振るってモールモッドのブレードを掻い潜り真っ二つにしていた。

 

『3号室終了 2.4秒』

 

「嘘ぉ!?」

「さっすかイッチーさんだねぇ」

 

あまりの瞬殺劇にルームが盛り上がっているといつの間にか迅さんと太刀川さんが下で件の男性に絡んでいた。

何ともまぁ早い動きだ事か……でも、あの人…どこかで……

 

「あ…」

「どうしたのくまちゃん?」

「いや、あの人…知ってる人だなぁ…って」

 

朝の、お礼しなくちゃね。

 

 

 

■■■

 

 

入隊式当日。

筆記試験を終えて広間に集められた入隊希望者はかなりの人数が居た。これだけ集まるってんだからボーダーって組織は思ってた以上に世間へ浸透しているんだと実感させられる。年齢層は小学生から高校生成り立て、てな具合で俺だけかなり浮いている。

オレンジ髪の顰めっ面に近づく奇特な奴は居る訳もなく俺の周りにはかなりの距離を開けて人が立っていのだが…ここで逆に話しかけられても俺は気の利いた会話なんて出来ねーから助かるけどよ。

集められて暫く待っていると前の方にようやくお偉いさんが出てきた。

 

「ボーダー本部長の忍田真史だ。 君たちの入隊を歓迎する」

 

忍田本部長。太刀川慶の師匠に当るお偉いさんだそうで、その腕前はまだまだ最前線で戦えるらしい。

 

「君たちは本日C級隊員。 つまり、訓練生として入隊するが三門市の、そして人類の未来は君たちの双肩にかかっている。 日々研鑽し正隊員。目指してほしい。 君たちと共に戦える日を待っている」

 

と、まぁ…簡単な挨拶を終えるとレクリエーションなのかなんなのか、A級部隊の嵐山隊が攻撃手と狙撃手に班分けをし訓練室に連れてこられた。

 

「忍田本部長が言っていた通り君たちは訓練生だ。 B級に昇格して正隊員にならなければ防衛任務には就けない」

 

いや、仮入隊の時点で俺は防衛任務に連れてかれてんだが。

 

「どうすれば正隊員になれるか、最初にそれを説明する。 各自、自分の左手の甲を見てくれ」

 

『3700』

 

「君たちが今、起動させているトリガーホルダーには各自が選んだ戦闘用トリガーが一つだけ入っている。左手の数字は君たちがそのトリガーをどれだけ使いこなしているかを表す数字だ。その数字を『4000』まで上げるとB級昇格することができる」

 

はーん、つまり仮入隊でバカみてぇに孤月を使ってたからこんだけB級昇格に近いってことかよ。

 

「ポイントをあげる方法は2つ。週二回の合同訓練でいい結果を残すか、ランク戦でポイントを奪い合うのどちらか。それじゃあ訓練室に移動するとしよう」

 

3つに分けられた部屋に入りこれから小さめに調整されたバムスターと戦闘訓練をさせられるらしいんだが、上の部屋に迅と太刀川さんが居るのを見つけてすぐ様、嫌な予感を感じ取る。絶対碌でもないことを俺にさせるつもりだな、あいつら。

 

「対ネイバー戦闘訓練だ。再現されたネイバーと君たちに戦ってもらう。今回戦ってもらうのは『初心者レベル』の相手バムスターを訓練用に小型化したものだ。制限時間は5分。 早く倒すほど高評価で点数は高くなるから自信のあるものは高得点を狙って欲しい」

 

そう言って速攻で開始された訓練に戸惑いながら先に部屋へ入っていった奴らの動きを見るとまぁ、そんなもんだろうなって出来だった。

俺だって喧嘩をやってた程度で死神になったばかりの頃は力任せに戦っていたしあっという間にコツを掴むだろうな。

 

なんて思っていたら俺の番が来た。

まるで十戒の如く、俺の前にいた連中が左右に別れて道が出来るのだが…ものすげぇ居心地が悪い。

3号室へ入ると孤月に手を掛け構える。こうなったら目立つもなんもねぇ最速でバムスターを叩き切って、いの一番に部屋の隅に戻ってやる。

そう考えたところで現れたのはモールモッドだった。 小型化されたバムスターではなく。モールモッド。

 

『3号室 開始』

 

何がなんでも目立たせたいらしい。

あとでぶん殴ってやる。

地面を蹴り、飛び出すとモールモッドが振り下ろしたブレードよりも早く奴の内側に入り込みそのままガワの装甲ごとモノアイを真っ二つに叩き切った。

瞬歩…なんて言えないぐらい遅いが足運び次第では通常よか素早い戦闘が行えることを確かめられたので良しとしよう。

 

『3号室終了 2.4秒』

 

「あ? もう少し早く行けたと思ったんだが」

 

訓練室から出ると様子を見ていた訓練生達はわくに湧いた。 尊敬や畏怖…色んな視線が突き刺さるが特に気にせず部屋の奥へと戻ろうとすると最初に説明をしていた嵐山という人物が満面の笑みで近寄ってきた。

 

「いやー! 凄いな君っ。 戦闘訓練でモールモッドが出てきた時は止めようかと思ったけど、それを一瞬で仕留めてしまうなんて」

「あ、あぁ…まぁ、何度かやり合ってるやつだし」

「ん、それはどういう…」

「コイツ、仮入隊で何回か太刀川さん達と一緒に防衛任務に着かされてるんだ」

「迅! そうか、キミが噂の新人か!」

 

噂って…ぜってぇろくなことでは無いわな。

 

「そんで太刀川隊の期待の新人ってわけだ」

「あ?」

 

ろくでもない奴が出てきた。

 

「もう太刀川隊から声をかけられてるなんて凄いな!」

「いや、別に俺は俺で隊を作るつもりなんだが」

「なに!? いや、確かにその方が殺り合える相手が増えていいか…?」

「とりあえず嵐さん…だったか? 次の訓練行った方がいいんじゃねぇか?」

「…と、そうだったな。次は地形踏破や隠密行動訓練を行うから皆、着いてきてくれ!」

 

ってな具合で残る三訓練を行ったのだが、地形踏破は問題なし。 探知追跡に至っては霊圧感知の要領でやった為に若干ズルをした気もするがクリア。

隠密は……語る必要はないな。

 

『3780』

 

「オール1位だったら3800までいってたのか? 勿体ないことしたか」

 

4000に至るまではサクッとランク戦で稼げばいいと先程、太刀川隊の出水という奴に教わった。 テキトーなブースに入って自分とそんなに点が離れてない奴と戦って勝てばいいだけらしい。

ブースに入ろうとしたところで人の気配を感じたのでそちらを向くと勝ち気そうな…つーか、プライドの高そうな女。変に拗らせて拗ねたルキアみたいなやつが居た。

 

「失礼かもしれませんが私と一戦お願いします」

「あぁ、構わねぇぜ。015室 孤月だ」

「分かりました」

 

入って少し待つと『3660』スコーピオンが指名してきた。点がちけぇな…それ狙いか?

 

 

【対戦ステージ 『市街地A』】

【C級ランク戦 開始】

 

普通の街並みの中に転移すると目の前にさっきのやつが現れた。

 

「よろしく、お願いします…!」

 

挨拶と同時にブロック塀を蹴り、三角飛びのような動きをしながら手に握ったスコーピオンを構えて飛び込んできた。

 

「おう、来いよ」

 

そうだ、コイツ確か俺の次に戦闘訓練で早かった奴だ。

だから俺の腕試しでもしたかったのか?

動きに合わせて孤月を振るいスコーピオンを受け止める。耐久的にゃ孤月の方が上だからコイツも鍔迫り合いなんかをするつもりは無いだろう。だから…

 

「ガラ空きだぜ」

 

足を着き、後ろに下がろうと力を弛めた瞬間。

一歩前へ俺は踏み出し横っ腹に蹴りを叩き込み、先程コイツが足場替わりに使ったブロック塀へ向かってぶっ飛ばす。

ぶつかった衝撃で苦しそうに呻きながら反動で少しこちらに戻ってきたところを…

 

「あっ…」

 

スポーンっと首が上に飛んでいって俺の勝ちとなった。

訓練とはいえ人の首を跳ね飛ばすのは…

 

「いい気がしねぇな」

 

【勝者 黒崎一護】

 

 

 

 

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