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『ボーダーのみなさん、こんばんは! 海老名隊オペレーター 武富 桜子です! B級ランク戦新シーズンが開幕! 初日の実況解説者はなんと攻撃手ナンバー1の太刀川さんとたまたま太刀川さんと小競り合いを起こしていた加古さんです』
『『どうぞよろしく』』
『さて、今回の対戦カードは間宮隊、吉里隊、そして新進気鋭 入隊から最速でB級へと上がり、更にはオペレーターのマドンナ 井上織姫ちゃんを射止めてチームを組んだ黒崎隊です。 太刀川さんと加古さんは黒崎さんのことをよくご存知だそうですが』
『そうですね、何度か一緒に防衛任務に着いたりしているので黒崎の動きは他の隊員よりは把握しています』
『私もね。黒崎くんはうちの隊にスカウトしようと何度か手合わせしたわ。どれも色良い返事が貰えないうちに隊を作っちゃったから残念ね』
『噂によれば太刀川さんもしょっちゅう黒崎さんにランク戦や十本勝負など挑んでいたみたいですね』
『そうですね。まぁ、ここでとやかく言うよりも彼らの戦いを見ていきましょう。そちらの方が黒崎の動きもわかると思いますし』
『そうですね! 今ちょうど隊員達が転送を完了したようです。ステージは市街地B、天候は晴れ! 三部隊、いったいどう戦うのか!』
「井上、どんな感じだ。 近くに3人居るのは分かった」
【えっと黒崎くんが転送された場所はMAPの南側…ほぼ端ですぐ近くに…うん、3人居るよ。 東側に1人、北西に2人居るけどショッピングモール付近には居ないみたい。あ、黒崎隊くんの近くバックワームで消えたよ!】
となると、屋外での斬り合い打ち合いがメインになるか? 狙撃手が居るようなら建物から射線を切らないといけないが…めんどくせぇ。
井上の報告で考えりゃ近場にいる3人は吉里隊と間宮隊が混在してるんだろう。合流される前に潰すのが得策か。
消えた奴は放置。 住宅地の道を走り抜け、一番近くにいる俺の感知に引っ掛かった隊員の方へと近付いていく。 この戦いは気を抜いてるわけでもねーが太刀川さんや加古さん相手には試せなかった事を試すいい機会だ。
「井上、アシスト頼む」
【うん、3…2…1…今!】
「旋空……弧月…っ!」
俺の感知に引っ掛かった奴を見つけると予め相談していた通り、俺の射線に相手が乗る瞬間を井上の合図で把握しそのまま孤月を振るう。
振るった刃が家を両断し更にその奥、一本ズレた路地に居た誰かをそのままぶった斬り空に向かって
旋空。
孤月のオプショントリガーで詳しい事は分かんねーけどトリオンを消費することで孤月の刀身を伸ばすらしい。 強度や威力が上がるわけでは無いので遠心力でぶった斬っている感覚に近く、内側だとその分威力も落ちるようだ。それに起動時間に反比例して射程が伸びるのらしく1秒で15mほど、俺は0.5秒の起動時間で射程を伸ばしている。
刀で遠距離攻撃と考えると月牙天衝をいの一番に思い出すが、旋空はどちらかと言えば
「ナイスアシスト」
【た、大した事ないよ…黒崎くん!!】
「っ!」
満足気に一護はぶった斬った家を眺めていると井上叫びと共に突如として背後にトリオン体の圧を感じる。
振り返るよりも早く、感じ取った感覚から飛び上がると足裏スレスレに孤月が通過していった。
奇襲を行ったのは吉里隊の月見花緒だったか。
「嘘でしょ…!?」
完璧なタイミングの奇襲だった。
「悪ぃな」
だが、それを掻い潜り一護は不敵な笑みを見せ飛び上がった空中で身を捻ると分割して発生させたグラスホッパーに足を乗せ、月見が振りかぶった腕を戻し切り返すよりも早く懐へ潜り込み、下から一気に斬りあげ意図せずして首を跳ね飛ばした。
瞬歩に比べりゃ大分遅いがグラスホッパーと足運び次第で擬似的に高速戦闘は可能だ。……まぁ、グラスホッパーから足を踏み外さなければだが。
玉狛のトレーニングルームで何度か踏み外し吹っ飛んだのはそう古くない記憶だ。
『しょ、衝撃ぃ!! 開始からものの数分程度で黒崎隊長が間髪入れずに2人撃破! というか北添隊員を家越しに斬りましたけど生駒旋空ばりに射程がありましたよ!?』
『生駒に比べると少し短いですがしっかりと当てにいってましたね』
『織姫のアシストもあるんでしょうけど黒崎くん、今のはしっかりそこに居るって分かってて振ってた感じがするわ』
『それに合わせて吉里隊 月見隊員が奇襲を仕掛けました。 タイミングとしては完璧だったと私は思いますが…』
『しっかりと回避してそこから相手に判断させるよりも早く叩きに行きましたね。月見隊員の奇襲は良かったですが回避された後の行動が少し不味かった。黒崎の前で一瞬でも止まればそのまま斬られるからな』
『というか、また黒崎くんは女の子の首を跳ね飛ばしたわね』
『吉里隊が2人脱落! 残された吉里隊長はかなり厳しいですね。 そうこうしているうちにMAP中央には間宮隊が集結! これは得意の「
『吉里くんも何とか粘って1点はもぎ取りたいところでしょうし、一番は黒崎くんを利用しながら間宮隊の陣形を崩すのが理想的よね』
『まぁ、下手したら黒崎がこのまま4人ぶった斬って決着もありそうですけどね』
【MAPの中央で北西の2人と南側から1人上がって合流したみたい。 たぶん、この待ちは間宮隊だよ】
「間宮隊ってーとアレか。追尾弾で三人
【うん、多分さっきの黒崎くんの動きで向こうも黒崎くんをしっかりと捉えてると思う。 射線を切っても追尾弾である程度場所は割れちゃうから…】
「まず当たらないとは思うけどなかなかめんどかそうだな…ま、なるようになれだ。俺がアイツらの陣形に入り込んだら教えてくれ」
【了解。 25m内に入ったら合図出すね。 もう1人の吉里隊はどうする?】
「俺がやるのに変わりはねーけど間宮隊を引っ掻き回してもらう」
住宅路を走り抜け、家の中を突っ切り、屋根へ飛びと最短距離でMAP中央へと向かっていく。
市街地Bは恐らく吉里隊が間宮隊に中距離戦をやらせないために選んだMAPだと考えるとまぁ意地でも残りの1人は間宮隊を狩りにくるだろう。
【相手の射程に入る! 黒崎くん気をつけてっ】
バッチリのタイミングで弾が一護目掛けて飛来、誘導には強弱があるのを逆手に取って逃げ道を塞ぐように雨霰の如く降り注いでくる。
間宮隊は2人が屋根の上、1人は引き撃ち気味に住宅路でこちらを寄せつけない。
1発1発の威力が低いが量が量だ。 食らい続ければあっという間に穴だらけになって緊急脱出は免れないだろう。
家の中へと飛び込み追尾弾の雨は止むが誘導が利いた弾は窓を割、壁を穿ち家の中へと次々入り込んでくる。 視線誘導が切れたぶんカスることもなくなったけど。
窓をぶち破り少しずつ間宮隊との距離を詰めて行く。 こちらが動けば連中は下がるかと思っていたがその様子はなく、完全に俺を仕留めようとしてる雰囲気だ。 そっちの方が有難い。
尚も続く三人同時両攻撃。しかし隙は生まれる。余程三人の息があった攻撃でなければひたすらに追尾弾を放ち続けるのは無理なのだ。 時間が長引けば長引く程、途中で攻撃が途切れるタイミングが重なり大きな隙となる。
【黒崎くん、25m。 間宮隊全員間合いに入ったよ!】
『てっきり黒崎の事だから
『黒崎隊長は住宅を利用して少しずつ間宮隊と距離を詰めてますね。 一方、間宮隊は引かずにここで黒崎隊長を仕留めるつもりで攻撃の手を緩めません!』
『吉里くんはまだ動く気配がないし黒崎くんとしてはジリ貧かしら? 射撃系トリガーを入れてる感じはしないのよね』
『しかし、この膠着状態が続くとなると……って、な、何事だぁぁぁぁ!? 突如として住宅が複数棟吹き飛んだぁぁぁぁ!!』
『これは
『焦れた間宮隊が炙り出しのためにぶっぱなした訳でもないとなると黒崎か。予想外だったな炸裂弾を入れてるなんて』
『上空に巻き上げられた瓦礫やら土砂が降り注ぎ間宮隊の射線をカットしました!? というかどんな威力してるですかっ』
『そう言えば二宮くんと同じぐらいトリオン量有るんだったかしら彼。射手の才能もあるんじゃない?』
『お、黒崎が動いた。決まるぞ』
「な、何が起きた!?」
「落ち着け。一度後ろに下がって仕掛け直せば……っ!?」
突然の爆発と文字通りの土砂降りに間宮隊の三人はちょっとした混乱を起こすが隊長の一声で冷静さを取り戻し一護が居るであろう正面を睨みながら距離を置くために後ろへと跳ぶ。
ドンッと、何かが背中にぶつかり後退が出来なかった。 背後に建物はなかった、それじゃあ何にぶつかった? 確認をするために振り向く寸前、胴体が上下に別れた。
「たいちょ…!?」
声を上げた瞬間に土砂の中から鋭い目付き、明るい橙色の頭髪を持った男が現れ、そのまま孤月が供給機関を断ち切っていき間宮隊の2人が緊急脱出していった。
もう一人、と一護が視線を移すと間宮隊の最後の一人(皆同じゴーグルをしてるせいで誰が誰だか分からない)が吉里に討たれた所が見えた。
「全員取るつもりだったんだがなぁ…っ」
『決着ぅ!! 黒崎隊、デビュー戦で生存点含め7得点! 吉里隊が1得点! 間宮隊は残念ながら得点無しでした。 太刀川さん、加古さん今試合を振り返ってみてどうでしたか』
『そうですね。分かってはいましたが終始、黒崎による力押しの戦いになってましたね』
『あら、私は意外に頭を使ってたと思うけれど』
『あれは黒崎のトリオン量が合って、さらにチームが一人、自分だけに相手が集中してたからこそ出来た力押しでしょう』
『最後、間宮隊が後退出来なくて焦っていましたね。 土砂の影響でよく見えなかったのですが何が起きてたのでしょうか』
『黒崎が仕掛けたのは間宮隊のそれぞれのメンバーから大体20m前後、炸裂弾で視界と射線を奪い相手の注意を自身に向けてる間に相手の背後にエスクードを出したんだ。 上手くいかなければ四方にエスクードを出して盾ごと旋空弧月で斬る算段だったんだろうな。エスクードの射程と旋空弧月の射程圏内に入った瞬間から仕掛けるって決めてたんだな』
『な、なるほど…確かにとんでもないトリオン消費量ですね』
『吉里くんは黒崎くんが動くまでしっかりと待った辺りが高ポイントね。黒崎くん的には背後から間宮隊を掻き回して欲しかったんでしょうけど焦らずにしっかり自分でポイントを取ってたわ。 逆に月見ちゃんは吉里くんと合流すべきで、北添くんは転送位置の運が悪かったというところね』
『間宮隊は黒崎に固執し過ぎましたね。もう少し早いタイミングで引いていればまた違った展開になってたかも知れません』
「ふぅ…初戦闘にしちゃいい感じだったな」
「黒崎くんお疲れ様っ! 凄かったよ! こう…ズバーンって切ったりして!」
「そうか? ありがとな井上」
子供のようにはしゃぐ井上を見てついつい笑ってしまう。初めてのチーム戦だったが死神代行時代にはない緊張感はあったし相手の動きもどれもが新鮮だった。
太刀川さんや加古さんを相手にするよか余裕を持てたし、こちらの世界に来て面白いことにありつけたもんだ。
解説で2人が好きかって言ってるようだがこの際、それは無視しておこう。 何かにつけて戦えだのチームに入れだの言われるから。
「あ、次は諏訪隊と生駒隊とぶつかるんだね」
「諏訪隊に生駒隊…? 後で資料見せてくれるか」
「うん、私それぐらいしか出来ないし任せてっ」
「いや井上のアシストでだいぶ助かってるんだ。 そんな卑下すんなよ」
年下井上も慣れてくれたようで口調は大分砕けた感じになった。 それでも俺が知っている井上に比べると若いって言い方は変だが幼さが残る…なんかこう……
「いやいや、何考えてんだよ」
「? どうしたの?」
つーか、浦原さんは井上が居ることを知っていて言ってたのか?
「おーい、お二人さん。ランク戦初戦大勝利おめでとう」
「あ、迅さん! お茶淹れますね」
「どうしたんだよ迅…なにか動きがあったのか?」
「いやいや、当初の予定通り。今のところ何にも動いてないよ。 黒崎が上手く隊を持てたみたいだからお祝いに来ただけだって」
「ならいいけどよ…」
「そうだ、明日太刀川さんの奢りで焼肉行くんだってさ。おれの代わりに2人で行っておいでよ」
「「へ?」」