「「「「個性把握テストォ!?」」」」
(あー、やっぱりな)
グラウンドでオレ以外の全員が相澤先生の言葉に驚き、オレは納得する。
だがまあ……オレの個性は純粋な肉弾戦はできるけどこう言ったテスト形式には弱いんだよな……。ウサギの特性も姉には勝らないし。
「爆豪、『個性』を使って投げてみろ」
爆発頭の爆豪に相澤先生がボールを渡したのを見て何となく察する。
見た目から考えて爆豪は爆発系の個性。起点となる部分は掌と言ったところか。手には汗腺が集中していることから汗がニトロのような物質になっていると考えて良いだろう。
見た目もド派手で純粋な戦闘向き。ヒーロー向きの個性ではあるな。
「死ねぇ!!」
まあ、性格はヒーローとしては凶暴過ぎる気がするけど。
けどまぁ、威力としては申し分ないな。精神を食べたら美味しそうだ。
「700メートルだ」
「すっげぇ!」
「何か、面白そう」
相澤先生がタブレットをいじって記録を言うと、他の奴らが少し興奮し始める。
面白そうはねぇだろ。……まあ、オレも少し興奮しているな。
「面白い、か」
あ、何だろう。とんでもなく嫌な予感がする。
「ヒーローになるための3年間、そんな腹積もりで過ごす気でいるのか? ……よし、トータル成績最下位の者は見込みなしと判断し…………『除籍処分』としよう」
「「「「はあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」」
嫌な予感、的中。てか、『自由』な校風は先生にも適用されているのか。除籍処分は困るし、キチンとやらないとな。
○一種目目:50メートル走
「よろしくな。えっと……麗日」
「うん!よろしくね緋鳥ちゃん」
丸っぽい少女の隣にたち、地面に右手をつけ、胸を地面すれすれまで近づける。
オレの走りは基本的に高速の反応と脚の跳躍力を活用したものだ。こっちの方が飛び安い。
「よーい、スタート」
「ッ!!」
ト、の部分で地面を蹴り疾走する。
ウォルターの特性で兎に近い筋肉をしている。それが人間サイズになれば瞬発力だけでもかなりの速度を出せる。
「……タイム4秒29」
「まあ、ぼちぼちだな」
ゴールを通りすぎ、足の裏に力をいれて速度を落とす。
意外とタイムが良かったな。速度系の個性持ちである飯田の方がタイムが良いだろう。
「すげぇ……滅茶苦茶揺れた」
「お、おい見てた上鳴!」
「あ、ああ……無茶苦茶揺れてたな」
「予想以上だった……!この学校に入って良かった……!」
○二種目目:握力
個性の適用外だから43kg。
○三種目目:立ち幅跳び
ウォルターの個性で大跳躍で60メートルか。
そして、オレが着地した時に男子どもの視線が集まっていた。思春期だし一々注意するのも面倒だ
からスルーするが、後で紫ブドウだけは撃っておかなければ。
○四種目目:反復横飛び
「百九回」
うん、それなりに高いな。
「あんた、胸がそんなに動いても大丈夫なの?」
「サラシだからな。ブラジャーだとすぐに壊れる」
「そ、そうなんだ。発育の暴力」
何か、耳朗から怨めしそうな言葉が言われたような気がするけど……気のせいか。
○五種目目:ボール投げ
「先生、ボールが投げてから地面につかなければ他の場所で触っても良いんですよね?」
「ああ、そうだ」
先生から了承をもらい、円の中に入ってオレはボールを
足に乗っける。
投げても良いけど……!
「せいっ!」
乗っけたボールを真上に上げて右足を構える。
「穿て!!」
落ちてきたタイミングを見計らい最適な位置でボールを蹴り飛ばす。
態々投げなくても蹴り飛ばしたほうが簡単だ。個人的に蹴りの正確性を上げるために野球のボールでリフティングしたりしていたから、この程度造作でもない。
「503.8メートル」
記録を聞いてオレは円の外に出る。
予想していたよりも高い記録だったな。まあ、この程度ならパワー系の個性の使い手なら容易く越えれる。
「まさか、蹴りでするとは……お見事ですね、緋鳥さん」
「練習の応用だよ」
凄いものを見た、みたいな顔をしている八百万と話す。
速度、パワーがオレよりも上である姉と対等にするにはそれ以外のもので勝ってないといけない。正確性はそれが原因で手に入れたものだ。
それにしても、さっき緑谷が指を腫れ上げてボールを投げていたな。個性と体が馴染んでいないようだが……まるで、途中から与えられたような異質さだ。
まあ、オレには関係ないから気にしないが、ちゃんと制御できるようにしろよ、緑谷。