SCP系転生者のヒーローアカデミア   作:丑こく参り

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SCPは狂気と邂逅する

「そんじゃ、行ってくるで」

「うん、行ってらっしゃい」

 

姐さんがジャンプして行ったのを見てオレも幼稚園の中に入る。

 

それにしても、姐さんの個性はやっぱり凄いな。

 

「さて、オレも行くか……」

「いらっしゃい緋鳥ちゃん」

 

幼稚園に歩いて行くと、保育士が出迎えてくれる。

 

名前?一々覚える必要ないだろ?興味もないし。

 

「それじゃあ、一緒に行きましょうねー」

 

保育士がオレの手を引っ張って保育園の中にオレを連れていく。

 

あーしんどい。何だってガキと一緒でなければならないんだか……。

 

==========

「…………寝れんな」

 

午前が過ぎ、昼寝の時間になったところでオレは寝付けずにいた。

 

寝れるタイミングをトイレ行ったせいで完全に睡魔が抑えられてしまった……。子供の成長において昼寝の時間は重要なんだけどな……。

 

暇だし、精神でも食べているか……。

 

「……………」

 

起き上がった状態で眼を瞑り、精神を捕食する。

 

産みの親の精神でもちゃんとした食料程度にはなる。もう少し欲しいところだけど……突然精神病になったら後々面倒な事になってしまうだろうな。

 

「イテテ……」

 

腹部から痛みを感じて捕食を止めてトイレに駆け込む。

 

(くっそ……姐さんのプロテインでも入っていたのか……?)

オレは何故かプロテインで腹を下してしまうんだよな……。ウォルターは特異性を除けば基本的に普通のウサギだし、好き嫌いのような物でもあるのだろうか……。いや、ウォルターはどんなものでも食べれる以上、そんな事はないか。となると、朝に食べたヨーグルトでも効いたのか……?

 

「ふう……スッキリした」

 

脱糞した後、手を洗ってポケットにしまっていたハンカチで手を拭きながら廊下を歩いていく。

 

うーん……何だろう。普通なら寝息ぐらい聞こえても良いはずなのに……全く聞こえないな。

 

「……ん?」

 

ふと、半開きだった園長の部屋から漂ってきた臭いに反応してしまう。

 

この臭い……。鉄のような臭いだが……

 

「なっ!?」

 

部屋の中を覗きこんだ瞬間、眼を見開いて驚愕する。

 

園長室の中は()()()だった。園長は部屋の中央で刃に切り裂かれており既に事切れていた。

 

この傷の感じだと一辺に刃物を突き刺したような傷だな。となると、刃物に関するヴィランか……。って、何で俺はこんなにも冷静なんだ?人の精神を食らう緋色の鳥の力を保有している影響で罪悪感とかを感じにくいのか?

 

「取り敢えず、警察にれんらがっ!?」

 

園長室に備え付けられていた電話のボタンをプッシュし始めた瞬間、背中から何かを刺される。

 

「肉ぅ……もっと綺麗な肉を見せてぇ……」

「ムーン……フィッシュ……!?」

 

倒れながら背後を向いてヴィランの姿を見て驚愕する。

 

前世でたまたまアニメを見たときに爆発少年と紅白饅頭と闘っていた全身拘束具で拘束された脱獄した死刑囚。それがムーンフィッシュである。

 

そんなヤツが……でも、今のムーンフィッシュは血濡れたシャツを着てる。恐らく、まだ捕まえられる前なんだろう。

 

「もっと……見せてぇ!」

「がああ!?」

 

倒れたオレに更に刃を突き刺される。

 

まずい、このままでは死んでしまう……!これでは確実に……!仕方ない、緊急手段の回避手段を使うしかないか……!

 

「はぐ……!」

 

オレはオレの手を捕食し始める。

 

ウォルターの特異性の中には『己を捕食してリスポーンできる』というものがある。それなら、食べればこの状況の回避くらいはできる……!

 

「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」

 

雄叫びをあげて背中に刺さる刃ごと喰らい、口を裏返し頭を食い、とうとう全てを食いつくす。

 

この日、オレは始めて死んだ。

=========

「リスポーン!」

 

気がついた時、オレは血が少し固まった園長室に倒れていた。

 

時間的には三十分前後か……。臨死体験したけど、食いつくした後の記憶はないな。まあ、一応死んだようだし、仕方ないか。

 

「……ごめんね」

 

息絶えていた園長の瞼を落として園長室から出る。

 

う……血の臭いがむせ返るほど漂っている。少し気持ち悪いけど、少しずつ慣れてきたな。慣れって怖い。

 

「みんな……!」

 

オレは全速力で園内を駆け回る。

 

部屋という部屋が荒らされており、園児も、保育士も区別なく刃で殺されていた。特に園児たちは保育士たちよりも深く突き刺していた。

 

酷い事をしやがる……。いや、あのサイコパスの事だから若い断面を見たがるものだろうか。理由は分かるけど理解できない。

 

「ダメだったか……」

 

最後の部屋を確認し終わり、呆然としてしまう。

 

この園内には、もう既に……オレ以外の人間は生きていない。

 

(取り敢えず、警察に連絡しようかな)

 

オレは冷静に保育士のポケットからスマホを取り出していじり始める。

 

さて……電話をかけよう。

 

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