「……来たな」
試験から数日後、アパートに届いた手紙をポストから取る。
おおよそ、試験の合否なんだろうが……。実際に見に行く、と言う方式じゃないんだ。まぁ、あんだけの人間がいれば学校は押し合い圧し合いになってしまうことが目に見えているからな。……個人的には、青春漫画とかに描かれている風景だからちょっとした憧れはあるけど。
……因みに、オレは恋愛感情をそもそも存在しない。元が男だから、と言うよりも心のどこかに緋色の鳥の特性が混ざっているからだろう。あれにとって人間は餌にすぎないからな。餌に欲情することはない、と言うことだろう。
「っと、さっさと開けよ」
床に座り、手紙を開ける。
『私が投影された!!』
「……投影するための機械か」
中にあった円形のプレートの中心を押すとオールマイトがホログラムで現れた。
成る程、こうやって合否を言っていくのか。No.1ヒーローであるオールマイトから合否を伝えたほうが、合格した人は喜ぶし、不合格でも頑張ろうと言う気持ちになるのだろう。
そして、オールマイトの説明によればあの試験ではロボット破壊のポイントと救助活動のポイントがつけられていたらしい。
まあ、合理的だな。純粋な戦闘能力は勿論だが、ヒーローにとって何よりも大切なのは『誰かを助ける』と言う心だ。それが試験でも実戦でもそれは変わらない。誰かを助けないでヒーローにはなれない。そう言う事らしい。
『君のヴィランポイントは26点。そしてレスキューポイントは40点。合計66点。おめでとう、合格だ!』
「っしゃ!」
オレは部屋の中で拳を突き上げて喜ぶ。
これでヒーローへの道のりの第一歩を踏むことができた、と言うことか。
「とりあえず、電話するか」
オレはテーブルに置いておいたスマホを手に取ると通話記録から電話をかける。
合否の通知を最も気にしていた人に言わないとな。
『お、もしもし。どうしたんだ、緋鳥』
「ルミねぇ、合格したよ」
『マジか!良かったじゃねぇか』
電話の先にいるルミねぇは嬉しそうな声音で喋ってくる。
オレがヒーローになろうと決意した日から一番オレを指導してくれたのはルミねぇだ。叔父や叔母に連絡するよりも先に連絡した方が良いだろう。
『これでやっと有精卵になった、と言うことか』
「まぁ、そうなるな」
『とりあえず、私のところまでかけ上がってこい!』
「……ああ!」
オレはルミねぇから激励をもらい、電話を切る。
さて、次は叔父たちに電話をしないとな。