艦隊これくしょん【艦これ】 汎用決戦重巡洋艦が建造されました!(リメイク版) 作:ライドウ
先ほどまでの、提督さんと戦艦棲姫の様子から心機一転。
提督さんの執務室では、重く息苦しい雰囲気が流れていた。
「横須賀提督閣下、こちら深海棲艦・太平洋中央方面軍最高司令官の戦艦棲姫です。
で、こちらの方が、日本海軍本土防衛最重要拠点横須賀司令長官兼第1艦隊提督の新高 昇様だ。」
提督さんが、まるでお見合いの司会のように二人に説明をする。
説明を受けた二人は、お互いに目を見て頭を下げた。
「お初にお目にかかる、いつも我が海軍の艦娘が”お世話”になっているようで。」
「イエイエ、コチラモアナタ方海軍ヲ相手二、”苦労”ヲシテオリマス。」
目と目の間からは火花が散りあいお互いの組織のトップという立場から、皮肉を言い合う。ちょっとだけ、怖いけど体が震えるのを抑えてその場を見続ける。
「「・・・」」
しかし、二人はなんかこれじゃないな。という顔をした次の瞬間。
「やめだやめだ、堅苦しいのは苦手でな。先ほどの姿を見てしまった以上、これ以上やるのは辛いわい。」
「ウゥ、モウシワケナイ。コウイウ交渉ノ席ニツイタノハコレガ初メテナノダ」
先ほどまでの殺し合い一歩手前の空気から和気藹々とした雰囲気となる。
まあ、仕方ないよね。新高さんは元々1日だけの休暇のつもりで来ていたし。
本当は、戦艦棲姫さんも新高さんのような組織のトップが来るなんて思いもしないはずだ。
それからしばらくの間は、雑談と交流が続いた。
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「ほう、あの強さの秘密とはやはり」
「アア、生マレツキノ奴モイルガ、鍛エテ強クナッタ奴モ多イ。」
でも結局、互いの組織についての話しかしとらず。
私たち相手には決して売らないと豪語していた深海棲艦太平洋中央方面軍の情報もついポロリとこぼしてしまっている。
多分、新高さんが聞き上手なのと互いに自分の部下たちが可愛いのだろう。
「コホン」
「ああ、すまない。そういえば交渉の席じゃったわ。」
「ハッ・・・メンボクナイ」
提督さんが咳払いで話を中断させ、本来の目的について話し合う。
戦艦棲姫さんの目的はあくまで、太平洋中央方面軍は人類に対して敵対心を持つ者はすでにいないこと、何なら協力をする手はずだってあるということである。
「ふむ、儂はいいと思うな。」
自慢のひげを触りながら新高さんはそういう。
「デハ」
「しかしじゃ」
笑顔で、受けてくれるのか?と聞こうとした戦艦棲姫さんの言葉を止めた後話を続ける。
「儂以外のろうが・・・あー、モグラ共がいい顔をするかと言われたら、間違いなく嫌な顔をするじゃろうな。」
そう深海棲艦軍が思うより以上に、日本海軍・・・だけではなく、世界中の海軍は複雑怪奇なのだ。日本海軍の中でも、攻撃戦派*1、防衛戦派*2があるのだ。イギリス海軍・・・というより、英政府*3なんて言ったらもっとひどいと思う。徹底防戦なドイツ*4がまともに見える。
「ウムゥヤハリ、一筋縄デハイカヌノカ。」
「それこそ、彼奴らにも意地とプライドというものがある。形は違えど、彼奴らが思っていることは自国の為なのじゃ。」
まあ、やりすぎる奴もおるがのと言って、ほほほと笑いだす。
「結局のところ、君たち深海棲艦太平洋中央方面軍は戦う気は毛頭ないのだね?」
「アア、コレ以上我ラノ故郷デアル太平洋ヲ汚シタクハナイ。シーレーンモ解放シヨウ。ソノ代ワリニ海洋汚染ヲシナイデクレルト助カル。」
その後の話し合いによって、大まかな条約が形作られた。
密約という形であったが、硫黄島鎮守府が補完する形として、双方の同意とその条約の内容について書かれた書類もつくられた。
横須賀提督は、このことを広めるべく防衛戦派から和平派へと派閥を変える行動し始め硫黄島鎮守府は実験的なこととして深海棲艦太平洋中央方面軍との中立地点に設定された。
その後の横須賀提督の動きは速かった。
硫黄島鎮守府の帰りに、所属不明の謎の艦娘により新高提督は漂流、そこを戦艦棲姫さんが助け、深海棲艦中央方面軍の実情を見てきた。
このためにわざと骨折してきたらしく、痛々しいギプスとついていった戦艦棲姫さんの存在がそれが本当の事だと証明されていた。
国民は、これ以上自身の近くに戦争があるという事実を重く受け取り、そして少なくとも一つの戦争を終わらせたのだ。
このことを国民は両の手をたたいて喜び、新しき隣人である”非交戦派の深海棲艦”を快く迎え入れた。
しかしそれが、のちに大きな反響を招くことを・・・
まだ、誰も。思いもしなかったのである。
戦争が一つなくなったよ!!やったね桜ちゃん!!