艦隊これくしょん【艦これ】 汎用決戦重巡洋艦が建造されました!(リメイク版)   作:ライドウ

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海軍紋章に限っては皆さんのお好きなイメージで。


第16話

意識が・・・海の上にでる。

 

目を開ければ、見たことのある天井、聞いたことのある電子音、見たことのある点滴スタンドが目に入る。

・・・硫黄島の・・・あ、でもあの壁掛け時計の海軍紋章*1は横須賀かな?

 

天井から釣られている右足は、包帯にまかれており何か視界がおかしいと思ったら、左目が包帯で覆われていた。

 

(私は、救助されたの・・・?)

 

コンコン・・・

 

ドアをノックされたので、音の方向を見る。

そこには、天龍さんがおり右手には手提げを手にしていた。

 

「て、んりう・・・さ?」

 

声を出そうとして、上手く言葉が出なかった。

 

「声を出すな、怪我に響く。頷くか首を振ってくれ。」

 

目をつぶりながら、私のそばに来てくれる。

このしゃべり方は、間違いなく私がよく知る天龍さん(硫黄島の天龍)だ。

手提げをサイドテーブルに置き、中からきれいな花束を取り出す。

 

そして、多機能エンドテーブルの上に置いてある花瓶の花を取り換え始めた。

声を出そうとして迷っていると、天龍さんが無言でメモ帳とペンを渡してくる。

相変わらず、口数は少ないけど気遣いのできる人だ。

 

《何か月間、私は眠っていましたか?》

 

「おおよそ、1か月。秋シーズンは中止、冬シーズンも場合によっては見送るそうだ。」

 

《そうですか》

 

言葉が続かない、そうなってしまったのは間違いなく私のせいだ。

私が、深海棲艦になってしまったから・・・いや、そもそも警備府正面海域だと侮って単艦出撃したせいだ。

・・・それよりも、あの子たちはどうなってしまったのだろう。

 

《私を撃った》

 

そこまで書いたところで、天龍さんに止められる。

 

「その二人ならすでに、解体・・・そのあと軍警察にしょっぴかれた。命令を出した呉提督もだ。交戦派の過激な連中も、大本営に潜んでた呉のクソ爺の間者もな。」

 

悲しそうに左手を血が出るほど握りながら、冷静に語る。

 

「・・・すまない。こういう時、どうすればいいのか・・・」

 

天龍さんが、目を細めて私を視界から外す。

・・・ここだけの話、天龍さん(硫黄島の天龍)鉄血海峡の悪夢(ナイトメア・アイアンボトム)の2%・・・2人のうちの一人だ。

もう一人と共に、破損した背部艤装を破棄し脚部艤装と刀。そして、艤装ともに右腕を失った今の横須賀の新兵育成教官”龍田”さんを守りながら鉄血海峡の悪夢(ナイトメア・アイアンボトムサウンド)を突破した。

その後、彼女たち二人しかいない海軍戦力のうち、天龍さんに敵の討伐命令を下した。

天龍さんは、死ぬ覚悟であの深海棲艦(って名前のナニカ)と交戦し続けた。そのせいで、天龍さんは戦闘に特化”しすぎてしまったのだ”。その結果、天龍さんは感情が欠如し、戦闘に特化した艦娘になってしまったのだ。

私は、天龍さんの腕を引き抱きしめてあげる。

 

「っ、あまり無茶はっ!」

 

よしよし、と頭をなでてあげると天龍さんはおとなしくなる。実を言うと、私と天龍さんはそう言った関係(大人な関係)である。それこそ馴れ初めこそ最悪なものだが、今では愛し合う関係となっている。私の左腕は動くので動かして、天龍さんの頭をなでてあげる。・・・視界に入った私の腕にちょっとだけ驚きながら。

 

「ぐっ・・・すまない。桜・・・桜っ!!」

 

天龍さんが首に両手を回し、泣きついてくる。

ようやく、泣いてくれた。多分、この一か月間、ずっと泣いていなかったのだろう。

彼女はうまく隠していたみたいだけど、目の下のクマが濃かった。多分3徹以上はしていると思う。

 

 

「お前の、左腕と右足を斬り飛ばしたのは、オレだ!!すまない・・・すまない・・・・・・」

 

小さな泣き声と共に後悔の言葉が飛び出して来る。

おそらく、私を”私という記憶”を持たせたまま救助するには、それが最適だったんだろう。

だからこそ、彼女は”私の右足と左腕を斬り飛ばした”そして、私は助かったが・・・・・・

完全に救助できず、斬り飛ばしたからこそ・・・このまさに深海棲艦の”左腕と右足”という状態なのだろう。

足が痛いわけでもないのに右足をつるされているから、何となくは勘づいていた。

 

それでも私は天龍さんの頭を撫で続ける。

でも、深海棲艦の腕で撫でられるのはイヤかな・・・?

 

======

 

しばらく天龍さんを抱きしめて安心させたところで、天龍さんはいつものキリッとした表情に戻る。

 

「すまない、また。だな」

 

そういう天龍さんの言葉にクスリと笑う。

 

トントン「ノックしてもしもーし。なぁんちゃって・・・」

 

2人してノックされたドアを見れば、また懐かしい人。右腕に義足をつけた龍田さんがいた。

 

「龍田・・・お前。」

 

「もぉ、天龍ちゃんったら怪我人の桜さん相手に本気で抱きしめてぇ・・・怪我を悪化させる気なの?」

 

「うっ・・・」

 

《龍田さん、あまりそのことは・・・》

 

私がそうメモに書いて見せると、あら〜、と穏やかな笑みを浮かべていた。

 

「そういえば、私が来た理由はお見舞いだけじゃないわ〜」

 

龍田さんは持っていた紙を私に渡してくる。

そこには、私を救助するために発生した損害。それと深海化した私が召喚した深海棲艦による被害と、こと細やかに書かれていた。幸いけが人は出たものの死人は出なかったようだ。

 

そして、私の他にも救助された艦がいるらしく救助艦娘名の文字が私と・・・えっ、この名前って。

 

「そうよ〜、あなたの危機って聞きつけたみたいで第1防衛艦隊全員が現れたの。」

 

今は、あっちで(硫黄島で)旅館業務の特訓をしているらしいわぁ。という言葉が耳に入るが、その言葉はあまり聞いていなかったりする。今まで1人だったのだがついに私以外の防御型戦闘艦が現れた。しかも私の顔馴染みの面々。

 

私はその名前を見つつ少しだけ涙をこぼしたのであった。

*1
海軍のそれぞれの軍港によってそれぞれの紋章がある。提督たちがデザインしたものでたまにダッサイものがある。なお、説明に関しては今さら感が酷い。




ちなみに、作戦時のお話は・・・
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