この素晴らしい世界にヒロインを!   作:とあるマスター

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とマス「…いってぇ」

カナデ「…?何かあった?」

とマス「あ〜大丈夫、こっちの話」

カナデ「うん…無理しちゃだめだよ?」

とマス「そうだ!この話で10万字超えました!あとこのすばラノベ6巻まで買いました!いえい」

カナデ「おめでとう」

とマス「これからも頑張っていきます!」

あ、今日アンチ・ヘイト強めです


洗脳

 

 

 

 

 

「…知らない天井だ」

 

 具体的に言えば知ってはいるが、見たことはない場所だけど。

 

 スキルを切るのを忘れていたから人の気配を感じる。恐らく教会の休憩所のような場所だろう。

 

「カナデさん!?」

「あ…ルナさん」

「良かった…!体調はどうですか?気分は?どこか痛みがあったり、気持ち悪かったりは…」

「だ、大丈夫です!」

 

 部屋に入ってきたルナさんがすごい詰め寄ってくる。ちょっと驚いたが、とりあえず体に不調がないことを伝える。

 

「待っててくださいね、今カズマさん達を呼んできます!」

「え、あ、はい」

 

 言うが早いか、ルナさんはあっという間に部屋から飛び出していってしまった。正直状況説明をしてほしかったです…。

 

 

 

 

〜数分後〜

 

「カナデ…!良かった…本当に…!!」

「心配かけさせすぎなんですよ!!!すぐテレポートできるって言ってたじゃないですか!!!」

「あはは…ごめんね?正直それどころじゃなかったって言うか…」

 

「とにかく、無事でなによりだ。良く戻ってきてくれた」

「カナデ〜!起きたら喉乾くと思って、シュワシュワ貰ってきてあげたわよ!」

「ダクネスさん、ありがとうございます。あとアクア様?お酒はちょっと…」

「お前病人に何渡そうとしてんだ!?」

 

 没収しようとするカズマからシュワシュワを死守するアクア様。目を潤ませて手を握ってくれるめぐみんちゃん。真剣に私が帰ってきたことを喜んでくれるダクネスさん。

 

 いつも通りの皆の姿を見て、涙が出てきてしまう。

 

「カナデ!?どこか痛いのですか!?」

「ほらみろ泣いちゃったじゃねーか!!?」

「私じゃないわよ!!…違うわよね?」

「大丈夫か!?やはりダメージが…」

 

「ちが、くて…嬉しくて…!」

 

 ちゃんと、生きて帰ってこれたから。また皆と会えたから。

 

「ただいま…!」

「「「「…おかえり!」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 それからしばらくして、リーンちゃん達やクリスさんもお見舞いに来てくれた。リーンちゃんには泣きつかれちゃって、クリスさんはしばらくここで休みをとることを提案してくれた。街の子ども達が来てくれたのは意外だったけど嬉しかった。

 

 休み自体はしばらく取ろうかどうか迷っていた。あまり取りすぎてもカズマ達に迷惑がかかってしまう。だから休みは見送ろうかと考えていたのだが…。

 

 

「…………………」

「えっと…ドロアさん…?」

 

 いかにも「私怒ってるからな」と言わんばかりの形相で入ってきたドロアさんの圧に少し…いやかなりビビっています。

 

「カナデちゃん…」

「は、はい!」

「なんでも一人でしようとしすぎ!」

「…へ?」

 

 この言葉を皮切りに説教が始まった。カズマから聞き出したらしくその場の状況を詳しく知っていたドロアさんの、

「テレポートあるにしても一人の必要はない!」

「複数人で戦えば逃げれる可能性も少しはあがっていた!」

などの、元冒険者の耳の痛い指摘に、自分の未熟さを痛感させられた。

 

「…アレと()りあって無事なだけ、私なんかよりよっぽど強いんだけどね」

「え?」

「なんでもないよ。出て行ったディアクロスがカナデちゃん担いで戻ってきた時は何事かと思ったってだけさ」

「ディアクロス君が?」

 

 ここに来て、私の記憶のない状況を知ることができた。

 

 私が出て行ってしばらくした後、扉が開く音で厩舎に向かうと、ディアクロスがいなくなっていたらしい。

 

 音の後すぐに向かったのに姿が見えないのに誘拐の可能性を考えて、準備を整えていざ探そうと出発したところに私を担いで帰ってきたらしい。

 

 私がボロボロだったこともあり、急いで教会に走り込んでくれたらしい。

 

「目を覚さないもんだから心配したよ」

「えっと、どのくらい寝てました…?」

「今が夕方だから、丸一日は」

「丸一日…」

「これでも早い方らしいよ。流石エルフの回復力かねぇ?」

「そ、そうかもですね」

 

 チートのせいかも…とは口に出せず苦笑いを浮かべると、ドロアさんの手が頭に乗せられた。

 

「…とにかく、帰ってきてくれてありがとう。プリーストさんは歩けるくらいにはなってるって言ってたし、家に帰るかい?」

「…ただいまです。けど今日はここにいさせてもらおうかと思ってます。他にお見舞いに来てもらった時、いないと悪いですし」

「そっか。でもしばらくは体しっかり休めるんだよ。馬の世話の手伝いもしないように」

「…はい」

 

 休みを取ることは確定してしまったようだ。その後しばらく、休みの間することしないことの確認をしていると。

 

「失礼します」

 

 …聞き覚えのある男の人の声が聞こえた。ドロアさんは怪訝そうな顔をしてこちらを見る。

 

「男の知り合い?さっき来なかったのかい?」

「来ました、違う人です。…来るとは思いませんでしたが」

「………どうぞ〜」

「ドロアさん!?」

 

 まさか入れるとは思わなかった。とはいえ許可してしまったものを止められないので、入ってくるのを待つしかない。

 

「久しぶりだね」

「…どうも」

 

 ミツルギキョウヤ。いったいなんの用だろうか。

 

 

「…お仲間はいないんですね」

「僕が君に用があっただけだからね、彼女達を巻き込む必要はないさ。こちらは…」

「ドロアさ。この子の泊まってる家の主人の一人娘、この子の姉貴分とでも思っておくれ」

「姉…わかりました。僕はミツルギキョウヤ、よろしく」

 

 …本当に一人で来たらしい、彼女達の仇討ちではなさそうだ。…私への用は確定らしいが。

 

「それでなんの用ですか?見舞いに来られるほど良い仲ではないと思っていますが」

「そうだね。長引かせて良いことはない、単刀直入に言わせてもらおう。君に僕のパーティに来て欲しい」

「お断りします」

「もちろん、君の意思は尊重したい」

 

「だが君は洗脳されている。勇者として、苦しむ人を無視するわけにはいかない!」

「…は?」

 

 急に突拍子のないことを言い出すこの男に眉をひそめる。何を言い出すんだこいつは。

 

「今朝、僕は神託を受けたんだ。夢に女神エリス様が現れ、君が洗脳されていることを知った」

「……………」

「エリス様がねぇ…」

 

 女神エリス…この世界を支える幸運の女神、アクア様の後輩らしい。聞いた話では純粋で真面目な女神らしいが…。

 

「やはり会った時から思っていたことは正しかった!君は、君達はあの男に洗脳されているんだ!もちろん、それだけでは証拠にならないとは思ったさ」

「…………………」

 

「けど、昨日君は傷だらけで帰ってきた、仲間は先に帰ってきていたのに。あの男に命令されたからじゃないのか?彼女達も命令に逆らえず君を見捨ててしまった」

「ちょっと待て、それは…」

 

「わかりました」

「カナデちゃん!?」

「わかってくれたか!それなら…」

 

「ドロアさん、やっぱり帰ることにします。この人も連れて行って良いですか?」

「あ、あぁ…良いけど…」

 

 ベッドから立ち上がり、先に部屋から出る。喜びいっぱいの顔が腹立たしかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 今私の部屋にいるのは、私とミツルギだけ。ドロアさんには二人だけで話がしたいと言ってある。

 

「それで、話って?もしかして、あの男の…」

 

 返事をする気も起きず、机の引き出しから厚い袋を取り出し手渡す。

 

「これは?」

「…魔剣代。働いてたのなら確実に足りる。」

「…ありがとう、遠慮なく使わせて貰う。もちろんこのお金はいつか…」

 

「それと口止め料。さっきした話をカズマ達にしないで。できれば関わってほしくも無いけど」

「…そういう訳にはいかない。僕は君を…」

 

 

 我慢の限界だった。

 

「…!」

「それとも何?その喉をくり抜く方が良い?」

 

 剣を喉に突きつける。だが一瞬驚いたもののすぐにこちらを見つめてくる。

 

「結論から言う。私はカズマに洗脳を受けた覚えはない。私は貴方を信じられない。これ以上私を理由にカズマを馬鹿にするなら貴方を消す」

「…………」

「以上」

 

 言いたいことだけ言うと剣を収納する。もう話す事はないと思い部屋から出ようとすると、ミツルギに呼び止められる。

 

「僕は君を見捨てない。必ず助けてみせる」

「…なら」

「…!なんだい?」

 

 

 

 

「もう、私に関わらないで」

 

 今度こそ、部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 家の中で鉢合わせするのも嫌になり、厩舎に足を運んだ。私の姿を見てホッと安堵してくれた(ように見える)馬がたくさんいる。

 

 彼ら彼女らにただいまと言いながら、とある一頭に近づく。どうやら本人(本馬?)は寝ているようだったが。

 

「ありがとう、ディアクロス君。君のおかげで助かっちゃった」

 

 語りかけてみるものの、返ってくるのは寝息だけだ。なぜだか笑いが込み上げる。

 

「…私、最後の方の記憶がないんだ。頑張ったんだけど」

 

 ゲームキャラの真似をして、剣を振り抜いたあの一瞬。あそこ以降の記憶がないのだ。自分のことなのにと思いながら頭を撫でる。

 

「君と話せたらな…もし見てたら教えてもらえたのに」

 

 …なんて、あり得ないことを愚痴ってみる。ドロアさんが聞いたら大笑いされるだろうな。

 

「ねぇディアクロス、君はあの時何を見たの…?」

 

 

 

 

──────────────────────────

──────────────────────────

 

 

 

 もちろん、覚えているとも。

 

 もちろん、貴女の技も、危機も。その全てを見たとも。

 

 

 貴女が出発したすぐ後、言いようのない恐怖が私の中に生まれた。初めは気にすることもないかと思ったがそれはすぐに大きくなっていった。

 

 恐ろしかった。貴女になにかあるのではと、なにかあったのかと。

 

 居てもたってもいられなかった。主や仲間達には申し訳なかったが、扉を突き飛ばし走った。貴女はいつも私たちに行き先を教えてくれる、そのおかげで迷わず雪原に向かうことができた。

 

 着いた途端、貴女が吹き飛ばされるのが見えた。武士の攻撃によるものだとすぐわかった。恐怖の原因がこれだと理解するのに時間はかからなかった。

 

 守らねばと思った。だが脚は動かなかった。本能が私を走らせなかった。

 

 武士はこちらに気付いていた。武士は圧のみで私に伝えていた。

 

「邪魔をするな」と。

 

 あれほどの圧は初めてだった。農場に迷い込んだ小型モンスターのそれなど足元にも及ばない、質量を伴ったもの。

 

 

 しかしすぐに、貴女は立ち上がった。木に頭をぶつけた時は驚いたが。

 

 そこからの猛攻に、私は目を奪われた。絶え間なく光る雷が武士に走り、剣は武士を追い詰める。

 

 そして勝負を決めにきた武士の逃げ場を炎によって無くした直後、振り切られた魔法と見間違うほどの美しい光を纏った剣。

 

 武士を斬るまでには至らなかったが、大きなダメージを与えたのは見てとれた。私も確実に勝ったと思った。

 

 

 武士が吹雪によって体制を立て直し、刀を踏み台に飛んでこなければ。

 

 逃げろと私が思う間も無く武士と貴女はぶつかり合い、衝撃で雪が舞い上がった。

 

 雪煙が落ち着くと、武士は貴女の首に手をかけ、トドメを刺すために手刀を構えていた。

 

 もはや私の命のことなど忘れていた。助けなければ、救わなければと脚を動かし走り出した。

 

 

 

 

 

 

 …私と話したい、か。私もだ。そんなあり得ないことに同意する。

 

 もし、もしもだ。もしも貴女と話せる日が来るのなら教えて欲しい。

 

 

 貴女があの状態から武士を殴り飛ばすことができた理由を。

 

 その瞬間貴女の耳が主人と変わらないものになった理由を。

 

 貴女が見たことのない笑顔を浮かべていた理由を。

 

 あれは、私が見た幻覚だったのか。その答えを。

 

 




とマス「あんの聞かん坊が…」

???「あ?」

とマス「予定のオリキャラの中でもめんどくさい奴だよホント…」

???「うるせぇとっとと出せ、こっちも暇じゃねぇんだ」

とマス「へいへい…」

???「…順調なんだ、誰にも邪魔させねぇ」

とマス「………」
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