銀子ちゃんを可愛い可愛い×5するだけの話(+短編集)   作:銀推し

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19. 仲直りした幼女との話

 

 

 

 

「幼女銀子ちゃん!」

 

 俺が元気よくそう声を掛けると、

 

「なに?」

 

 幼女銀子ちゃんはこてりと小首を傾げる。

 この仕草からしてもう可愛い。くりくりなおめめで俺を見上げる表情がめちゃ可愛い。

 これはもう日本一、いやもうこの子は世界一ぷりちぃーな幼女だ。絶対に間違いない。

 

 とそんな世界一のぷりちぃー銀髪幼女、空銀子ちゃん(4歳女の子)なのだが……。

 つい先日、ちょっとした一件から俺はこの子を泣かせてしまった。そしてお前とは会話するのも嫌だというかのように避けられていた、嫌われちゃっていたんだけど……。

 

 それでも、俺達の間にある問題はやっぱり将棋が全て解決してくれた。

 幼女銀子ちゃんとの対局……というかJK銀子ちゃんとの代理対局によって(というか俺がぼこぼこにされる事によって)機嫌も直り、無事に仲直りする事が出来た。本当に良かった。

 

 ……いやホントに幼女銀子ちゃんと仲直り出来て良かったよマジで……。

 幼女にぷいっと避けられる、拒絶される辛さといったらもう……本当にシンドかった……。

 もうこの子に嫌われるような事をするのだけは止めよう。俺はそう強く心に刻んだ。

 

 とはいえまぁ心配せずともそんな事はもう無いと思うけどね。

 俺と幼女銀子ちゃんはもうすっかり仲良しこよしな関係に戻ったのだ。だからこの通り、俺がこの子の名前を呼んだらちゃんと返事をしてくれる。

 

「幼女銀子ちゃん!」

「なに?」

「幼女銀子ちゃーん!」

「なーにー?」

 

 かーわーいーいー。

 もう素直に返事してくれるだけで可愛い。ていうか何をしていても可愛い。

 幼女がちゃんと返事をしてくれるのが嬉しくて、俺はついつい何度も名前を呼んじゃう。

 

「幼女銀子ちゃーーんっ!」

「なんだってきいてんだろ」

 

 キレられた。

 あんまりしつこいと幼女銀子ちゃんもキレる。この辺は幼女であってもその身体には空銀子の血が流れている何よりの証だろう。

 

 まぁ時々怒らせちゃうのはご愛嬌として……。

 それでも確かに、間違いなくこの子とはちゃんと仲直りを済ませた。

 そして昨日の一件で幼女銀子ちゃんは更に心を開いてくれたのか、仲直りする前よりも距離が縮まったような感じがしている。

 

 例えば今、幼女銀子ちゃんは座布団に座って将棋の本を呼んでいる最中なんだけど……。

 こういった読書中に俺が声を掛けた場合、以前までならシカトされたり「うるさい」と言われたりしていたのだが、今では先程の通りちゃんと返事を返してくれる。

 

 いや、それどころか……。

 

「ねぇ幼女銀子ちゃん。その本、良かったら俺と一緒に読まない?」

 

 俺がそんなお願いをしてみると、幼女銀子ちゃんは再びこてりと首を傾げて。

 

「本? やいちも読みたいの?」

「うん。是非と銀子ちゃんと一緒に読みたいな」

「いいよ。ほら」

 

 この通り、簡単にOKしてくれた。

 幼女銀子ちゃんはおててに持っていた将棋の本をちょこんと横にずらして、隣に座る俺にも見やすいように角度を付けてくれる。

 

「みえる?」

「うん、見えるよ。ただ……」

 

 これはこれで悪くないんだけど……ね。

 でもさ、やっぱりこんなに分厚い本を幼女に持たせておくなんて駄目だよね、うんうん。

 

「幼女銀子ちゃん、その本は俺が持ってあげるよ。それで君はこっち」

「わっ」

 

 俺は幼女銀子ちゃんをひょいっと抱え上げ、あぐらを掻いた自分の膝の上に座らせる。

 そうして両手をこの子の前に回して、この子が見やすいように本を立ててあげる。

 

「ね。これならもっと読みやすいでしょ?」

「うん。ひざの上、わるくない」

 

 こくりと頷く幼女銀子ちゃんもにっこり笑顔。

 ……ではないけど、まぁ嫌がってないのなら概ね満足してくれているという事だろう。

 俺の膝をお尻の下に敷いて、更には両手が手ぶらになった事もあって快適そうにしている。

 

 これぞ伝統の研究スタイル、腰掛け銀。

 それも大変希少な幼女版だ。高校生も良いけど幼女バージョンにはまた違った趣がある。

 この通り、俺は幼女銀子ちゃんと腰掛け銀だって出来るようになったのだ。

 

「やいち、めくって」

「うん」

 

 一ページ読み終わる毎に、幼女銀子ちゃんが次を促すように俺の太腿をポンポンと叩く。

 改めて思うけど……こうして愛しの銀を膝の上に腰掛けさせる、この充実感たるやもう。

 

 身体が密着する事でその感触を、その体温を余す事なく感じられる。それがまずグッド。

 特に今は幼女という事もあって幼女特有の軽さというものを存分に味わえる。最高か。

 そして本を読む銀子ちゃんは何ら気にする事なく身体を俺の方へと預けている。そこから伝わる信頼感みたいなものがとても良い。

 この子が安心して身体を委ねられる、言わば背もたれに俺がなれているという事実が嬉しい。

 

「……(くいくいっ)」

 

 ん? 幼女銀子ちゃんが無言で俺の服の袖を引っ張ってくるぞ?

 と思ったら本のある一箇所をピッと指差した。そこに書いてあるのは……。

 

「えっと、その漢字はげんみつ(厳密)だね。厳密に言うならば、ってのは正確に言うなら、とか、厳しく言うなら、とか、そういう意味かな」

「……別に。しってたし」

 

 すんとすました顔でそういう4歳の銀子ちゃん。

 相変わらずの意地っ張りさんやなぁ。『厳密』なんて漢字は4歳なら読めなくて当然なのに。

 けれどこの子は知らない読めないとは言わない、そういう意固地な所が可愛い……んだけど、あえてここはちょっとからかってみる。

 

「ほんとにぃ? ほんとに知ってたぁ?」

「ほんとだし。ナメんな」

「じゃあこれは? 『戦型』この漢字は読める?」

「せんけい」

「おー、正解」

「これぐらいよゆう」

 

 ふふん、と無表情ながらに胸を張る銀子ちゃん。

 さすがは漢字に強いスーパー幼女。小学校で習うような漢字だってお手の物だ。偉いなぁ。

 偉いので俺はその頭をよしよしと撫でてあげる事にした。よしよし、よしよし。

 

「……んにゅ、ふぅ……」

 

 そうして綺麗な銀髪を梳いてあげると、幼女銀子ちゃんは心地よさそうに目を細める。

 その仕草は全年代の銀子ちゃん共通の反応で、度々目にする俺としてはちょっと面白い。まぁ同一人物なんだから当然なのかもしれないけど。

 

「よしよし、よしよし」

「んぅー……」

「よーしよし、よーしよし」

「……もう。よみにくい……」

 

 幼女銀子ちゃんはそう文句を言うものの、頭の上にある俺の手を振り払おうとはしない。

 むしろ俺が片手を使えないのを察してか、自ら次のページをめくり始める。

 

 とこのように、俺と幼女銀子ちゃんは仲直りした事でより一層距離が近付いた。

 これぞ怪我の功名、あるいは雨降って地固まるというやつだろうか。

 

 そうしてその後は暫くの間、腰掛け銀スタイルで仲良く読書を楽しんで。

 昼の12時頃、出前で注文したお昼ごはんをこれまた仲良く食べて。

 

 そして。 

 

「……ねむい」

 

 時計の針が一時を回った頃。

 そろそろ電池が切れる頃、毎度のように幼女銀子ちゃんのおめめがしょぼしょぼしてくる。

 という事でお昼寝タイムだ。俺は食器を片付け次第すぐにお布団を敷いてあげる。

 

「はいどーぞ、幼女銀子ちゃん」

「……ん」

 

 するとお布団の上に横になって、枕の上にぽすんと小さな頭を下ろして。

 普段の幼女銀子ちゃんなら、ここで布団のすぐそばを指差して「やいちはここ」と言ってくる。

 配下に見張りをさせるかの如く、自分のそばで待機する事を俺に命じてくるのだが……。

 

「………………」

 

 しかし今日は違った。

 幼女銀子は何事かを考えた後、俺に向かってこう言い放った。

 

「……やいちも一緒におひるねする?」

 

 な、なんですとッ!?

 いっしょに、一緒にお昼寝ですと!?

 

「お、俺も一緒に寝てもいいの?」

「とくべつにゆるす」

 

 日頃の行いのおかげなのか、どうやら特別に許されたようだ。やったね!

 ならば遠慮なくと、俺は幼女が眠るそのすぐ隣に身体を寝かせた。よっこいせっと……。

 

「ここに寝ても大丈夫? 邪魔にならないかな?」

「ん、だいじょうぶ」

 

 平然と答える幼女銀子ちゃんの一方、俺は……あぁ駄目だ、なんか緊張する。

 だって隣には幼女が、幼女の頃の銀子ちゃんが無防備にも身体を横にしていて……。

 

「……やいち」

 

 するともぞもぞと動く気配、見れば幼女銀子ちゃんがこちらに距離を詰めてくる。

 そして、お、俺の腕を取って、ぎゅっと、ぎゅっとしてくるではありませんか!

 

「んー……」

 

 そのまま幼女銀子ちゃんは目を閉じちゃった。

 はわわわ、幼女が、幼女銀子ちゃんが俺の腕を抱きまくらにしながら眠ってるよぉ……!

 

「か、くぁわいい……」

 

 あ、いけないいけない。いくら幼女が可愛すぎるからといって声を出しちゃ駄目だ。この子のお昼寝の邪魔をしては本末転倒ではないか。

 けどマジで可愛い。十分になつき度が上がった幼女銀子ちゃんというのはもう可愛さMAXだ。この子が見せるあらゆる姿が俺の理性を狂わせる。

 

「くぅ……くぅ……」

 

 幼女銀子ちゃんはすでに夢の中にいるのか、小さな寝息を立てている。

 対して俺はとてもじゃないけど眠れそうにない。まぁそもそも俺は眠くないんだけどね。

 

 ただ俺も当時は、つまり6歳の頃はこの子と普通にお昼寝したりしてたんだよなぁ。

 その頃の事はもうあんまりよく覚えてはいないんだけど、それでもこんなふうに緊張したりドキドキしたりはしていなかったと思う。

 ただそれは当時の俺が鈍かった、銀子ちゃんとのお昼寝タイムを貴重なものだと思っていなかったからで……なんだか勿体無い。12年後も覚えていられる位にちゃんと味わっておけよ、当時の俺。

 

 とそんな事を考えながら、俺は幼女銀子ちゃんの隣で横になっていたんだけど……。

 そうして時間が経って、時刻は2時頃。

 

「ただいまー」

 

 お、JS銀子ちゃんが帰ってきたな。

 俺は早速出迎えに行こうとして……気付く。

 

「あ……これ動けない」

 

 幼女銀子ちゃんが二の腕をガッチリホールドしている為、身体を起こす事が出来ない。そんな事をしたら幼女も一緒に起こしてしまう。

 結果として俺はそのままの姿で寝ている事しか出来なくて……。

 

「八一、ただい、ま──」

 

 改めてただいまの挨拶をしようとしたJS銀子ちゃんだったが。

 

「お、おかえり……」

「……むぅ」

 

 幼女と一緒に眠る俺を目にした途端、そのほっぺたをぷくっと膨らませた。

 ……あれ、もしかして……拗ねてる?

 

 

 

 

 

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