銀子ちゃんを可愛い可愛い×5するだけの話(+短編集) 作:銀推し
「……むぅ」
という呟きそのままに、むぅっとした表情になるJS銀子ちゃん。
その視線の先にはこの俺と、俺の二の腕に抱き付きながらくぅくぅと眠る幼女が一人。
「……なにしてるの?」
「え? いや見ての通り、幼女銀子ちゃんを寝かし付けていただけだよ?」
「寝かし付けてたぁ?」
小学生のじとーっとした目付きが俺に刺さる。
その視線はどの年齢であっても変わらない、銀子ちゃんが俺を訝しんでいる時の目付きだ。
「なんで寝かし付けていただけなのに八一まで一緒になって寝ているの?」
「それは……ほら、幼女銀子ちゃんが中々眠ってくれなくてさ。それで色々とあやしている内にいつの間にかこんな体勢になっちゃってて……」
幼女からお昼寝に誘われたので誘われるがままに一緒に寝ていたんです。てへ☆
などとは言えない俺はどうにかそれっぽい言い訳を考える。
けど幼女銀子ちゃんの事を寝かし付けていたのは本当だし、全部が嘘って訳じゃないよね?
……とか言うとなんか本当に言い訳くさいな。
「ふーん……」
そして案の定……というべきか、JS銀子ちゃんはその言い訳に納得していない様子だ。
背中からランドセルを下ろして、幼女と一緒に眠る俺を見下ろしながら言う。
「……八一は誰かを寝かし付けていたら、いつの間にか一緒になって寝ちゃうんだ?」
「そ、そう……だね。そういう事もあるかな」
「……そうなんだ」
すると、ぽそりと囁くように。
「……私も、夜とか、眠れない時あるけど」
「え?」
もの凄い小声だったからよく聞こえなかった。今この子はなんて言ったんだ?
「ごめん、今の聞こえなかったんだけど」
「……なんでもない」
「いやけど──」
「なんでもないっ!」
つんとそっぽを向いちゃうJS銀子ちゃん。
あぁ、なんかこの頑なな感じ……これぞ銀子ちゃんって感じがして痺れるぜ……!
「ていうか前から思っていたんだけど、八一は幼女の私に対して甘いと思う」
「そ、そうかな?」
「うん。絶対そう」
「でも幼女銀子ちゃんはほら、この通り4歳だからさ。甘くなっちゃうのも当然っていうか……」
「やっぱり八一ってロリコンなの?」
「んん!?」
な、なんですとぉ!?
今のは聞き捨てならないセリフだぞ!?
「じぇ、JS銀子ちゃん……ど、どうして、どうしてそんな事を言うのかな?」
「JKとJCが言ってた。八一はロリコンだからJSのあんたは特に気を付けなさいって」
あ、あの二人、無垢でピュアな小学生になんて事を教えてやがる……!
ていうかJK銀子ちゃん、彼氏にロリコン疑惑を掛けるのはいい加減に止めて下さい!
「ロリコンって子供が好きって意味なんでしょ? だから八一は幼女の私に対して甘いの?」
「い、いやいや。それは違うよ。てかそもそもロリコンっていうのはね、一般的には小学生とか中学生ぐらいの年代の女の子が好きな男の事を指すんだ。だから幼女銀子ちゃんみたいな4歳児ってのはむしろロリコンにとっては対象範囲外なんだよ」
小学生相手にロリコンの定義を懇々と語る俺。
するとその熱意が間違って伝わったのか、
「小学生……好きなの?」
そう言いながら、JS銀子ちゃんは俺の隣にすとんと三角座りで腰を下ろす。
ちょ、JS銀子ちゃん、その質問の仕方は色々な意味でとても危険だから……。
それになによりその位置で三角座りをするのは、スカートが、スカートの中、危ないですよ?
「ロリコンだから……私の事も好きなの?」
おぉーとぉ、これは更なる難局だな。これには如何なる応手で返すべきか。
ここで「そうだよ」と答えた場合、俺は自らのロリコン疑惑を認める事になる……が、否定すればこの子を好きじゃないと言うのも同義だ。
そしたらさぞJS銀子ちゃんは悲しむだろう。今もちらちらと期待するような目を向けてきてるし。
だったら……!
「……銀子ちゃん。残念だけど俺はロリコンじゃないんだ……」
「え──」
一瞬ショッキングな顔になった銀子ちゃんだが、
「けどね、君の事は大好きだよ!」
「──!」
続く俺の言葉を受けて、その瞳をハッと大きく見開かせる。
どうだ! こういう時は変に気取ったりしないで男らしく堂々と想いを伝える!
それが一番有効な一手なのだと俺はもう学んでいるのだ。他ならない銀子ちゃんへの告白でね!
「……う、うぅ、や、やいち……!」
りんごのように赤くなったほっぺを押さえるJSの銀子ちゃん。
どうやら効果は抜群のようだな! 俺にはこの子の胸がキュンって鳴っちゃう音が聞こえたね!
「……きゅん♡」
ほら、もう自分の口で言っちゃってるし。
「……ばか、ばかやいち。まったく何言ってるのよ……ばか、ばかばか」
そして照れ隠しのようにばかばかと呟くと、
「……もう。しょーがないわね」
おや? JS銀子ちゃんが姿勢を変えて俺の方へと近付いてくるぞ?
おやおや? そして俺の隣へと、幼女が眠る反対側のスペースへとやってきて……。
「……んぅ」
なんという事でしょう! そのまま身体を寝かせてしまったではありませんか!
俺の右腕を枕にするような形で。俺にぴたりと密着するような形で。
「ぎ、銀子ちゃん?」
「……なに?」
「なにっていうか……ど、どしたの?」
「……別に、どうもしてないけど」
顔がすげー近いっす。JS銀子ちゃんが何かを喋る度に甘い吐息が俺の首元に掛かる。
これはアカン。決してロリコンではない俺でも変な気分になってしまいそうだ。
「あ、もしかして眠たい……のかな?」
「ううん、そんな事ないけど」
「でもそれなら……」
「だって八一ってば、相変わらず私の事が大好きみたいだし? それに私は姉弟子だし? なら別にこれぐらいは、これぐらいならしてあげても良いかなって言うか……」
言葉こそ素っ気ないながらも、ぴたりと密着してくるこの子の気持ちは明らかで。
JS銀子ちゃん……この子俺の事大好きやな。
俺の事が大好きなロリロリ銀子ちゃんて、そんなん可愛すぎるて、こんなんもう反則やで。
幼女とは違ってこの子は小学生な分、自分の想いをもう自覚しているのだろう。だからこそ内心恥ずかしがりながらも、その気持ちを押してこんな事をしちゃう所とか、正直言って堪らない。
「……ん、なに?」
「あ、いや……」
何となく後ろめたいものを感じて、俺はJS銀子ちゃんからそっと視線を逸らす。
だって右腕がさぁ……俺の右腕からはJSの重みが、JSの体温が、JSの感触といったものが全て赤裸々に伝わってくる訳で……。
「…………(すやすや)」
そして左腕の中では幼女がすやすやとおねむ中。
両手に花ならぬ両手に銀子ちゃん。もはやこの状態で平然としていられる自分を褒めたい気分だ。
だってこれは王だ、王将だ。俺はもう竜王じゃない、両側に銀将を備える王将となったんだ。
「……んにゅー……」
とその時、左側にいる幼女銀子ちゃんが可愛らしい寝言と共に寝返りを打った。
こてんと逆側を向いた事で俺の腕のそばから離れてしまう。うーん、ちょっと寂しいな。
「ほら幼女銀子ちゃん、こっちこっち」
寂しかったので俺は幼女のほっぺたを優しく突っついてみた。つんつん、つんつん。
「……にぅー」
すると幼女銀子ちゃんがまた寝返りを打って、俺の方に戻ってきてくれた。
あぁ良かった。これで一安心だね……とそんな感じで俺が幼女と戯れていると。
「……むー」
今度は反対側から可愛い声が聞こえた。
そしてJS銀子ちゃんは俺の肩にぐりぐりと額を押し付けてくる。それはまるでこっちを向いてと、私に構ってと言っているかのようで。
「……やっぱり八一は幼女に甘い」
そして拗ねた声でそう呟く。
これってまさかJS銀子ちゃん、幼女の自分に対してヤキモチ焼いちゃってる?
俺に構って欲しくて幼女にもヤキモチ焼いちゃうとか、え、このJS可愛過ぎない? ヤバない?
ただこれはあまりにも可愛すぎるっていうか……正直可愛さ加減が強すぎて劇薬に近い。
こんなにも好意を明らかにする9歳の銀子ちゃんと一緒に生活していたとしたら、きっと11歳の俺は将棋なんてまるで手に付かなかっただろう。
そしたら俺は今よりももっと弱くて、そうなると銀子ちゃんの名前を取り戻す事だって出来なかった訳で……うん、中々上手くはいかないね。
何事にも適量というのがあるんだろうなぁと、そんな事を思いながら18歳の俺は手を伸ばす。
「JS銀子ちゃん、幼女銀子ちゃんはまだ眠ってるから静かにね。ほら、いい子いい子」
そしてその頭をよしよしと撫でてあげる。
「む、ぅ……子供扱いして……」
JS銀子ちゃんはそう言うが、けれど俺の右手には空銀子特攻効果が付与されている、らしい。
なのでこの右手でその頭をいい子いい子してあげれば、この子は素直に受け入れちゃうのだ。
とまぁそんな感じで。
俺はその後も右腕に小学生、左腕に幼女のキングスタイルでしばらく横になっていた。
そして幼女が目を覚ますまで、JS銀子ちゃんとのスキンシップを楽しんでいたんだけど……。
やはり子供同士……と言っては当人は怒るかもしれないけど、幼女と小学生というのはそういうカテゴリに纏められるのだろう。
だからなのか、先程のようにJS銀子ちゃんは幼女の自分に対して対抗心を見せたり、ヤキモチを焼いたりする事がある。
あくまでその感情は俺に対して向けるだけで、さすがに4歳の幼女相手になにか揉めたりする訳ではない。だから別に全然OKというか、むしろ子供らしくて可愛いなぁと思う位なんだけど。
……ただ、後から考えると。
そんな対抗心こそが、あの出来事の引き金だったのかもしれない。
さてあの出来事とはなんぞや。を語る前に……。
ちょっと話は変わるけど、つい昨日の事、俺が死にかけた事があったのを覚えているだろうか。
……そう、幼女銀子ちゃんから「……やいち、きらい」と言われたあれだ。
あの一件を振り返っても明らかなように、言葉というのは実に危険なものだ。
使い方次第によっては凶器にもなり得る。人を死なせる事だって出来てしまう。
その事を俺は改めて実感した。
どうしてかって? そりゃあ実際に俺を殺すような言葉を突き付けられてしまったからだ。
それは幼女銀子ちゃんが呟いた一言だ。相変わらず俺を殺してくるのはこの子のようだ。
それは次の日の夜。
皆で一緒に晩ごはんを食べ終わってすぐの事。
幼女銀子ちゃんは俺に対してこう言った。
「やいち。おふろはいろ」