銀子ちゃんを可愛い可愛い×5するだけの話(+短編集) 作:銀推し
「それともなに!? 八一は幼女はセーフでも小学生の私とは一緒に入れないとでも言うの!? どっちも子供なのに!」
JS銀子ちゃんのそんな言葉を前に、俺は次なる言葉が思い浮かばずにしばし口籠る。
幼女も小学生もどっちも子供。それは確かに……確かにその通りだと言う他無い。
女の子とは言っても相手は小学生。所詮は小学4年生の9歳、何処からどう見ても子供だ。
……そう、JS銀子ちゃんは小学4年生の9歳だ。
そんな小さな子供なんて、18歳になった俺が変に気にするような相手ではないはずだ。
こうして本人が俺と一緒にお風呂に入りたいと言ってるんだ、なら一緒に入ればいいじゃないか。別になにも問題なんて無い。
……のか!? 本当にそう言い切れるのか!?
だって小学4年生だぞ!? これってもう十分に危ない年齢じゃないか!?
いやでも待てよ……やっぱり問題無いか?
ふと思い出したんだけど、小学4年生と言えば俺と出会った時のあいの年齢(厳密に言うと進級間近の3年生だったけど)だ。
当時のあいは俺に裸を見られても気にしていなかったし、勿論それを見ちゃった俺だって何も気にしていなかったし……。
そうだ、そう考えれば小4と一緒に風呂に入る事なんて大した問題では無いのかもしれない。
むしろ変に意識し過ぎる方が危険というか、その方が却ってロリコン疑惑が高まるような。
そして俺は……俺はロリコンじゃないッ!
「……分かったよ」
「え?」
「JS銀子ちゃん。なら一緒にお風呂に入ろっか」
だから俺は頷いた。あぁ、頷いてやったとも。
当然そこには反響もある。JKとJCの銀子ちゃん二人は即座にギョッとした顔になった。
「な、なな、八一、あんたマジで言ってんの!?」
「八一、そ、そんなの、そんな事したら本当に本気で逮捕されるわよ!?」
「二人共、言いたい事はよく分かるよ。けれども信じてくれ、俺はロリコンじゃない。それを今日ここで証明しようと思うんだ」
JS銀子ちゃんと一緒にお風呂に入って、俺のドラゴンが目覚めなかったらセーフ。
もし目覚めてしまったらアウトだ。その時は大阪府警のお世話になる事だろう。
「そんな……そんなの危険よ! そんな危険な賭けに挑む必要なんてないわ!」
「確かにそうかもね。……でもJK銀子ちゃん、俺はやっぱり棋士なんだ。心が勝負師なんだよ」
「八一……」
たとえロリコンの汚名を確実なものにしてしまう危険性を孕んでいようとも、それでも小学生の銀子ちゃんと一緒にお風呂に入りたい。そう思ってしまう俺を一体誰が責められようか。
そんな俺の揺るぎない覚悟を察したのだろう。JK銀子ちゃんもこれまでとは違って不安そうな、あるいは怯えるような表情になった。
「本当に……? ねぇ、本当に信じていいの?」
「銀子ちゃん……」
この子の不安は痛い程に分かる。というか正直に言うと俺だって怖い。
仮にもし俺のロリコン疑惑が真実になったとしたら……それはもう大変な事だ。
現在俺には小学生五年生の弟子が二人も居て、更にその片方とは内弟子として一緒に暮らしている訳で、その師匠がマジロリコンともなれば将棋界を揺るがす大事件になってしまうだろう。
……けどッ! それでも大丈夫なはずだ! 自分を信じろ九頭竜八一!!
お前は絶対にロリコンじゃない。だってこれまであいや天衣、JS研のみんなと触れ合ってきたけど何も問題なんて起きなかったじゃないか。
そうだ、周囲にロリが多くいるからそう見えちゃうだけで、俺の属性は至ってノーマルなんだ。
なんて言ったって俺の恋人は空銀子。俺が好きなのは後にも先にも銀子ちゃんただ一人で──
「ね、ねぇやいち、は、早く……早くしてよぉ。早く……一緒に、お、おふりぉ……」
「……銀子、ちゃん、ただ一人、なの、に……ぐぐ、ぐ、ぐぐぐ……!」
「……やいち?」
駄目だ、可愛いが過ぎる……。顔中もう真っ赤なのに、恥ずかしい気持ちをひた隠して俺を急かしてくるJS銀子ちゃんを見ると……!
心底俺は空銀子という生き物に弱いのだなと実感してしまう。気の強そうな眉毛に長い睫毛、大きな灰色の瞳に美しい銀色の髪……。
俺が見慣れていたはずの、けれども今は慣れない小学生の銀子ちゃんの顔を見ると、先程までの決意がガラガラと音を立てて崩れ始めてしまう。
──どうする? どうすればいい!?
相手はそんじょそこらの小学4年生じゃない、空銀子(小学4年生の姿)なんだ。
そんなロリロリな銀子ちゃんを前にしても、俺の自制心ならば発揮する事は出来る。彼女に手を出す事は無いというのは120%断言出来る。
けれども俺の意思の及ばぬ部分、俺のドラゴンが目覚めぬか否か。
これは正直言って100%の断言は出来ない。だって意思が及ばぬ部分だしさぁ!
とはいえ一度「入ろうか」と言っておいて「やっぱ無理」というのもなんか情けない……。
……というか、むしろその方がロリコン疑惑を高めてしまいそうな気がするし……。
「や、やいち、早くぅ……!」
「はやくしろ、ばかやいち」
「ぐぅぅ……! どうすれば……!」
急かしてくる小学生と幼女の言葉に俺は追い詰められていく。
そしてさも対局の山場に入ったかのように、必死に思考を巡らせていると──
「──はっ!」
途端に思い付いた。
俺のロリコン疑惑を闇に封じて、それでいて更に素晴らしい事となる必殺の鬼手を。
「JK……いや、銀子ちゃん」
「なに?」
「銀子ちゃんも一緒にお風呂入らない?」
「ひゃっ!?」
このタイミングでまさか自分に飛び火するとは思っていなかったのだろう。JK銀子ちゃんが驚きのあまりしゃっくりになったような声で鳴いた。
「なな、なんで、なんで私があんたと一緒に風呂入んなきゃいけないのよ!」
「だってその方が安心出来るでしょ? 俺が幼女や小学生の空銀子と一緒に入浴して変な気を起こさないか、それが不安ならいっそ銀子ちゃんも一緒にお風呂に入っちゃえばいいじゃん」
竜王が走るなら銀の合駒で防げばいい。そんな理論を俺は至極真面目な表情で語る。
だってこの方法カンペキじゃない? この方法なら万が一の事があっても幼女や小学生の身の安全は守られるし、高校生の銀子ちゃんだって不安な思いをしないで済む。
そしてもし仮に俺のドラゴンが目覚めてしまったとしても「これはJK銀子ちゃんに反応してしまったんだよ」という言い訳が立つ。ほら、みんなにとってメリットがある素晴らしい一手でしょ?
「そうだよ銀子ちゃん、絶対にそれが良いって。君も一緒にお風呂に入ろうよ」
「でもっ、だって、私、お風呂なんて……!」
「別に恥ずかしがる事ないでしょ。だって俺達は……恋人同士なんだからっ!」
「んにゅ……!」
そして──そう、この手を成立させる一番大切な要素、俺達は恋人同士であるという事。
恋人だったら一緒にお風呂に入る事だってあるだろう。互いに想いあっているのなら混浴だってイチャつきの一環になるはずだ。
……という建前が俺にはある。これはJK銀子ちゃん相手に強力な武器となるはずだ。
この状況を逃す手は無い。ここでなんとしてもJK銀子ちゃんとの混浴を実現させてみせる!
銀子ちゃんと、銀子ちゃんと一緒にお風呂っ! 幼女や小学生も良いけど、やっぱり彼女と一緒にお風呂に入ってみたいよね! ね!
「ねっ!」
「ね! じゃなくて! 八一、あんた本気で言ってんの!?」
勿論俺は本気だ。
本気じゃないのにこんなトチ狂った事を銀子ちゃんに対して言えるものか。
「だって銀子ちゃん、俺達は……なんだっけ?」
「え?」
「ほら、俺達の関係ってなんだっけ?」
「そ、それは、こ、こ──」
こ?
「……こ、こいびと……」
「そう! 恋人なんだよ! だったら別に良いじゃんか! 幼女より小学生より、高校生の銀子ちゃんと一緒に入る事こそが一番自然な形なんだよ! それが恋人ってもんでしょ!」
「そ、そう……なの?」
「そうだよ!」
俺は力強く頷いて断言する。
まぁ実情は知らないけど……つーか16と18のカップルなら普通一緒に風呂入ったりはしないと思うけど……それでもここは強気で押すべき局面だ。
恋愛話に疎い銀子ちゃんは世のカップルの普通なんて知らないはず。なんのかんの言ってチョロい性格のこの子だったら絶対に押し切れるはずだ。押せっ……押せっ……!
「幼女や小学生の自分だって一緒なんだし、だったら高校生が躊躇う事なんてないはずだよね?」
「う、うぅう~……! や、やいち……ほんとに……ほんとに本気、なの?」
「うん。俺は君と一緒にお風呂に入りたい」
「……う、に、にゅ……にゅにぃにゅ……!」
余程悩んでいるのか、銀子ちゃんは真っ赤な顔で唸りながら両目をぎゅっと瞑る。
だがそれでも先の言葉が、彼氏から突き付けられた一緒にお風呂入りたいです宣言が効いたのか、
「……分かったわ。入ってやろうじゃないの」
やがてそう言い切った。
大分自棄っぱちになっているようにも見えるが、とにかくそう言わせた以上は俺の勝ちだ。
ていうかマジかマジか、マジで銀子ちゃんと一緒にお風呂なんて……!
幼女銀子ちゃんの流れからこんな展開になるとはまるで想像していなかった。なんかここに来て一気に緊張がマッハ、心臓がバクバク鳴ってる。
だってだって、JK銀子ちゃんと一緒にお風呂だなんて初めての事だし……。
……あ、いや……シャワーはあったかな? うん、シャワーはあったような気がする。
けど湯船に浸かった経験はまだないし、たとえ一度経験していたとしてもドキドキしちゃう出来事である事に違いはない。
ただまぁそうは言ってもね。俺と銀子ちゃんはもう大人の関係な訳だからね。
互いの裸だって何度も見ているし、初体験に比べたら一緒にお風呂ぐらい大した事ないはずだ。
そう、風呂ぐらい大した事ないはず……よしっ!
「……さてと。それじゃあ銀子ちゃん達、お風呂に行こうか」
「ん」
いつも通りの顔で頷く幼女銀子ちゃん。
「……うぃ」
かなり恥ずかしそうな顔で頷くJS銀子ちゃん。
「……良いわよ。どこからでも掛かってきなさい」
そしてJK銀子ちゃん、この子はどうして喧嘩腰になっているのだろうか。
とにかくそんな三人を連れて、いざお風呂場へと向かおうとした……その時。
「……あ」
「………………」
部屋の隅っこ、むすっとした仏頂面で俺を睨むJC銀子ちゃんが目に入った。
「……なに?」
「あ、いや、なにって事は無いんだけど……」
考えてみるとこの状況、俺と幼女と小学生と高校生が一緒に風呂に入るとなると……。
それは何と言うか……中学生のこの子だけが仲間外れになっちゃうという事なのでは……。
「……ええっと」
「……どーせならJC銀子ちゃんも一緒にお風呂入らない? ……とでも言いたいの?」
「い、いやいやっ! そんな事は無いっすよ!」
俺は慌てて首を振る。
というか鋭いな。確かにふとそんな事を考えてしまったのは事実だ。事実……なんだけど。
けれどもJC銀子ちゃんとのお風呂は駄目だ。この子と一緒にお風呂に入ってはいけない。
この子の前ではさすがに俺も反応しない自信が持てない。……いや、そういう言い方で誤魔化すのはよそう、JC銀子ちゃん相手だと俺のドラゴンは間違い無く反応してしまうだろう。
だってJC銀子ちゃんは……ねぇ? 見た目がほら、もうなんというか……ねぇ?
中学生とは言ってもJC銀子ちゃんは中学3年の14歳。その外見は高校1年16歳であるJK銀子ちゃんと殆ど違いが無い訳で。
これは俺のドラゴンが反応するのも致し方無いと言うものだ。そもそも銀子ちゃんの身体なんてJCでもJKでも大差ないようなもんだし……。
「ぶちころすわよ」
「すいません」
すると瞬時に俺の思考を読んだJK銀子ちゃんからのお叱りの言葉が飛んできた。
さすがに俺の恋人は鋭い。というかもうエスパーに片足突っ込んでるような気がする。
とにかくそんな訳で中学生との風呂は厳しい。
それにJC銀子ちゃんの方だって、俺と一緒にお風呂なんてとても耐えられないだろう。
この子はもう子供だからで済ませられる年齢では無いし、さりとて恋人でも無いのだから。
「じゃ、じゃあ俺達は風呂入ってくるから……」
「……勝手にどうぞ」
それだけ言って、JC銀子ちゃんは手に取ったタブレット端末に視線を移す。
……うーん、この子一人だけをのけ者にするみたいでちょっと気がかりなんだけど……。
でもなぁ。誘ったら誘ったで何おかしな事言ってんだって話にもなるしなぁ。
本人がどうぞと言っているんだし、別に気にするような事でもないのかな……。
「やーいーち」
「あ、うん。行こっか」
腕の中に居る幼女の早く風呂入るぞオーラがキツくなってきた。
これ以上この子を待たせるのは良くないな。さすがにそろそろ風呂に向かおう。