【全知全能】になった俺がアイドルになって人生を謳歌していく【書直し版】 作:PL.2G
ではどうぞ。
「ジャーン!!」
「そっ!? それはぁ!?」
「そーでーす! 騎士様のライブチケット!!」
「すごいじゃんよ未央! それどうしたのっ!?」
「お父さんの知り合いが行けなくなったからって譲ってくれたんだー。もう感謝感謝ですよー」
「いいないいなー」
「やぁやぁ、なんか申し訳ないねぇ」
「お金渡すからシャツ買ってきてよ」
「この未央ちゃんにまっかせなさーい!」
「そう言えば未央、前に言ってたオーディションの話って結局どうなったの?」
「そうそう、その話もあったんだった! なんとっ……」
「なんと?」
「一次審査通りましたー!!」
「おおー!!」
「へっへー。これから本田未央の快進撃が始まりますよー!!」
「まだ一次審査でしょ? まぁ頑張れ未央、応援してるよ」
「おうよ。でもまぁそれよりも、今週末が楽しみだなー」
「それは正直うらやましすぎる……」
8X―………………
「おっす凛。あのさ、今週末暇か?」
「奈緒、おはよ。それで、藪から棒にどうしたの?」
「あぁ。週末に騎士のライブがあるの知ってるだろ?」
「?」
「……えっ?」
「えっ?」
「なに? 凛……おまえまさか、知らなかいのかぁっ!?」
「知らない、けど……、ライブ? それに騎士って……なにそれ? あれ……? でもそれ……そういえばどこかで……」
「まじかー。前々からそう言う事には無頓着だとは思ってたけどさー、さすがに騎士すら知らないとは……アタシにも想像できなかったわー!」
「奈緒はさっきからいったい何なの?」
「いやだからさー、その騎士……あー、アイドルなんだけどさ。その人のライブがあって、なんとアタシの手元にはそのライブのチケットが三枚っ!! で、暇なら行かないかって誘いだよ。ちなみにもうすでに加蓮は誘ってあってオッケーは貰ってる。後は凛次第」
「別に私じゃなくても良くない?」
「いいやこの際だ。お前も騎士のすばらしさを知って貰うために意地でも連れて行くと決めた。 今決めた。 もう決めた。 で、暇か?」
「気合入ってるところ悪いんだけど、週末は大量のフラワースタンドを届ける手伝いをする……って……そうだ、思い出した」
「ん? なんだ? どうした?」
「その騎士って人、あそこのスタジアムでそのライブしたりする?」
「なんだよ凛。やっぱ知ってたんじゃんかよ! またアタシを貶めようとしてたのか!? でたでた、そーやって凛と加蓮はアタシをいぢめて楽しむんだから……」
「そうじゃないって。先月くらいに家にさ、大量のフラワースタンドの予約が入ったんだよね……」
「凛の家に?」
「そう。で、そのフラスタ、届日が今週末で場所がそのスタジアム。宛名が、確か……一ノ瀬、騎士……」
「まじかよ!? すげぇじゃんかっ! それってもしかして本人に会えるのかっ!? それならあたしも手伝うぞ!! あれ、でもそれだとライブが……ああぁぁでももし目の前で本人に会えるなら吝かでも……」
「ぶつぶつ言ってるところ悪いけど、たぶん本人には会えないと思うよ。こう言うのって本人宛の贈り物だからスタジオの受付とかに渡して終わりでしょ?」
「なんだそっかぁ……ん? でも待てよ。それなら終わったあと一緒に行けるんじゃないか? なぁなぁ、試しに親に聞いてみてくれよ。なっ! この通り!!」
「ん。まぁ、聞くだけ聞いてみるよ。期待はしないでね」
「うっし! けってーい。遅刻すんなよ! グッズ買いたいから早めに行くからな!!」
「……もし行くことになったとしたら、私は現地で待ってるよ。いちいち家に戻るのも面倒だしね」
「たしかにそれもそーだな。じゃ、話もついたし教室戻るわ。また放課後な。今日は帰りにメック寄るからな。忘れんなよ」
「はいはいわかったわかった。……はぁ……アイドル……ね……」
8X―………………
「1・2・3・4・5・6・7・8」
「はっ……はっ……はっ……」
「はい、ターン」
「タ──ーああぁわわぁっ」
「卯月ちゃん大丈夫?」
「えてて、えへへへ大丈夫です。はぁ……また失敗しちゃいました……」
「今日はいつもより集中できてない気がするんだけど、もしかして……卯月ちゃんの大好きな騎士様関連?」
「うぐっ……」
「え? 図星……?」
「え……えへへへ……私ってそんなにわかりやすい、ですか……?」
「んーとね、何となく話題作りの為に冗談で言ってみただけなんだけど、これが嘘から出た実ってやつね」
「んもぅ、トレーナーさん酷いですよーっ!」
「あはははっごめんごめん。で、何考えてたの?」
「はいっ! 週末に騎士様のライブなんです。で、なんと! 私そのライブのスタッフのバイトに受かって参加出来ることになったんですっ!!」
「あら、良かったじゃない!」
「はいっ! ライブチケットがとれなかった時はこの世の終わりかと思いましたけど……こう行った形ででも参加出来ることになって良かったです!」
「(この世の終わり?)ま……まぁ、楽しみがあるのは良いことね。でも、卯月ちゃんがスタッフ……ってなんか危なっかしそうね……」
「うぐっ……」
「うそうそ。卯月ちゃんなら大丈夫。レッスンだってちょっとずつだけど、着実に確実に成長してるしね。だからその調子でバイトもレッスンも頑張ってね」
「はいっ! 島村卯月、頑張ります!!」
「でも少しくらい肩の力は抜いてもいいかもね」
8X―………………
「おはよう」
「おう騎士。おはよう」
皆様こんにちは。一ノ瀬騎士です。本日は俺の誕生日会が終わった翌日。
俺が所属する
「相変わらず
「そんな事無いぞー。今回のアメリカでの仕事だって俺が取って来たんだからな? お前のプロデューサーとして」
英雄は腕を組み満足げに頷く。
「くだらない嘘吐くな。あっちでディレクターが『Thank you for accepting the offer』って言ってたぞ」
「……いやすまん。英語で言われてもわからん。俺ってば日本人なもんで」
「おいっ。英語を喋らずにどうやって仕事取って来たんだよ。むしろこの程度の英語は理解しろよ」
「そこはあれだよ──」
と、今俺と喋っているこいつ──
俺の所属するプロダクション【
『
英雄……この名前に似つかわしくない程にコイツは非常に非常識な奴だ。こいつの説明はこれで良い。コレで十分だ。
と言う訳にもいかないので少しだけ、身長は170㎝、髪はスポーツ刈りで銀縁の細い眼鏡をかけている。
あと、本当に開いてるのかわからないくらい細い目をしていて、何が面白いのか常ににやけ面だ。
「どこかで誰かに失礼な事言われた気がする……」
「おっ? さすがに勘が鋭いな。非常識な奴だと思って居た所だ」
「わーお辛辣ー。俺泣いちゃうぞ?」
「勝手に泣けばいいだろう」
ソファーに腰掛け、持ってきたお土産を広げる。
「そう言えば次の仕事だけど……」
「
アメリカンサイズのポテトチップスの袋を開け食べ始める。
うむ、油分多めの塩味。旨いな。
「なーに言ってんだ騎士。俺はいつだってやる気に満ち満ちているさ!!」
「
どこぞのなるほどな異議あり弁護士ばりに指をさす。
ポテトチップスを食べ終えたので次のお土産に手を付ける。
チョコクッキー。……めっちゃ甘っ!! しかし旨いな。
「ひっど。んで、冗談はさて置き……週末のライブだけど……」
「ライブ?」
今何かすごい単語が聞こえた気が……えっ? ライブって言った? えっ? 週末? HAHAHA、そんなまさか……
「待て英雄。お前今ライブって言ったか?」
「ん? 言ったぞ? それが?」
「つかぬ事を聞くが、誰の?」
まさか俺のなんて言うわけ無いよなー。流石に非常識な奴だからって本人に何も言わずにライブ開催なんてするわけ……
「お前のライブに決まってるじゃん。何で俺が他人のライブの話をせにゃならんのよ」
「ぶっふぉーーっ!! げほっえほっ!!」
超絶非常識でしたーー!!
「きったねぇなぁ。ちゃんと掃除しとけよ? で、そのライブなんだけど」
「おい、その大事な話を俺は聞いてないけど……?」
「だろうな。言ってないもの」
とてつもなく良い笑顔でそんな事を言う英雄。ソファーから立ち上がり、奴の前に立ち無言で胸ぐらを掴む。
「おげー!! ぐるじいぐるじい。ギブギブっ!!」
英雄は俺の手をパシパシと叩く。
「お前はっ! 非常識にも程があるだろうがっ!!」
そのまま突き放し、椅子に放る。
「あーぐるじがった。別に良いだろうが。お前はレッスンとか特に必要ないし。こんなん抜き打ちテストみたいなもんだよ。去年ライブやってから、今年は一回もやってなかったんだ。年末年始は場所とれなかったし……ファンの需要の為を思った俺の行動は褒められこそすれ、怒られる筋合いはないねっぶふぉふぇーっ!」
殴った。デコピン程度の痛みを伴う顔面パンチ。ただし衝撃はある為、椅子に座ったまま奴は後ろの壁に激突する。これぞ【全知全能】のなせる業である。まぁ、無駄遣いと言われればそうである。
「お前のその説明、情状酌量の余地有りと言うことで今回はコレ位で勘弁しといてやる。で、詳細は?」
ソファーに戻り、お土産のピーナッツバターカップを食べ始める。
「いててて……ほら、これだ」
ヨロヨロと英雄は立ち上がり、俺の方へ近寄って十枚綴りの紙束を机に起き、対面のソファーへ腰掛けた。
机に置かれた紙束を手に取る。
『騎士が送る、今年最初で最後のライブステージ ~Knight’s 20th Celebration~』
最初に目に付くデカデカと書かれたタイトル。
両面印刷されたページをパラパラとめくり、内容を確認していく。
「何ら難しいことはないだろ? 衣装はもう準備できてるしな」
「俺が太ってたりしたらどうすんだよ?」
英雄は小さくため息を吐き机の上のお土産の山を見る。
「毎度毎度これだけモノ食って体型変わらないんだ。気にするだけ無駄だろ」
確かに……まぁそもそも太らないし……は語弊か。太ることも出来るけど、この体型がベストなので変わる気はない。
「それに、体型維持できないアイドルはアイドルじゃないってどっかのばっちゃが言ってたしな。俺のばあちゃんは絶対そんな事言わないのであしからず」
英雄はくだらないことを言いながら、お土産の『タイヤ味のグミ』を開け齧り始める。
「うっわなにコレっ!? かったっ!? くっさっ!! まっずっ!!」
「人のお土産勝手に開けて食っておいて感想がそれか」
「お前の偏食は本当に……なんと言うか……サイコだな」
「サイコとは失礼な、サイコなお前に言われたくない」
そう言って英雄の手からグミの袋を奪い食べ始める。
うわ、このタイヤ感……再現率が凄いな。うむ、個性があって旨いな。
さて、ここで一つ俺の話をば……
【
いくつかある内の一つを今ここで。
それは、食事だ。
諸君、私は食事が好きだ……ってこれは止めておこう。これ以上語ると100行くらい使いそうだし……
と言う訳で食べる事は俺の楽しみの一つである。人の作り上げたものって言うのは感情と同じでわからない事が多かった。
俺の若かりし頃、日常的にさも当たり前のように現母さんの料理を美味しい美味しいって食べてたけど、当たり前すぎて食に意識を持って行けていなかった。
あの当時、これに気づけていたらもう少し違う今があったのかと思う。
閑話休題──
「で? 騎士よ。答えは分かり切ってるけどどうする?」
英雄はピーナッツバターカップを片手に俺に問いかける。
「分かり切ってるなら聞かなくても良いだろ」
俺はピーナッツバターカップを一つ頬張る。
「俺はお前の口から聞く義務があんだよ。社長兼プロデューサーとしてな」
口の中身が空になったと同時に溜息を吐く。
「やらない訳ないだろ、俺は【
「うわ、自分で言いやがった。はっずぎょべへーっ!!」
ぶっ飛ばした。
さて、皆さん疑問に思ったかもしれないが、別段【
かと言って、完全に【全知全能】だと言う事が世界にバレれば面倒になる事も間違いでは無いのは確かである。
しかし、世界は意外にも【
この世界の一般常識でこの状態の人間を【全知全能】と言う。
「誰のせいでこのセリフを言わなきゃいけなくなっていると思ってるんだ。俺は今だに根に持ってるからな」
「【全知全能】の癖にみみっちい男だなぁ騎士は。良いじゃねぇか【全知全能の
「笑ってんじゃねぇか……ったく……」
そう、以前話したあまり好きではない二つ名【全知全能の偶像】、名付けた張本人こそ、今正に眼前にいる
最初は英雄の
それを、フォローしていた他のファンが拡散。光の速さで広まる事となった。
そしてそこから始まるファンたちの二つ名つぶやきの応酬。
それを見た英雄は悪乗りし、その数ある二つの名の中から騎士公認の『正式な二つ名を選ぶ』と大々的に8723プロより公表。
集まった二つ名の総数実に三万。皆さんのボキャブラリーが凄すぎました。
一つ一つ見ながら選ぶのは正直しんどかったので、発端の英雄に、せめて百位に絞れと命じ、その百の内からくじ引きの要領で何も見ずに二つの箱から一枚ずつ引く事で【全知全能の偶像】と【世界の騎士様】と言う二つが選ばれる事となった。
ここまで聞いていると、別にそこまで英雄に根に持つ事は無いのでは無いかと思うかもしれない。
しかし話はそこで終わらない。
実はこの用意された二つの箱、【全知全能の偶像】BOXと【世界の騎士様】BOXだったのだ。
どういう事かと言うと、勘の良い人は既に解っていると思うが、要はその箱の中にはそれしか入っていなかったのだ。
英雄自身が三万の中から百選ぶの怠かったらしく、『【
【
閑話休題──
「まぁ、冗談はさておきしっかり頼むぜ」
「はいはい。しっかり働いてきますよ」
俺は知っていた。ライブがある事がじゃなく、誕生日の後の仕事、正確には二十歳になって最初の仕事で俺の人生が楽しくなる出来事が始まる……と。
この為だけにアイドルになったと言っても過言ではない事がコレから起きうる。
その全貌を【全知全能】である俺は
それ自体が楽しくて楽しくて仕方がない。正直【
たとえレールの上だろうが俺は俺の人生を謳歌する。この先どれだけ【
【全知全能】には世話になっている分、あんまり文句は言えないけれど……言った処で【
それでは今日も今日とて楽しい事が起こるようにと【
最後までお読みいただきありがとうございました。
TPの三人は同じ学校と言う設定で行きます。
ちなみに構想はそこそこ出来ていますが、内容までは出来ていません。
ご承知おきください。
では失礼致します。