砕蜂から迫られて困っています 作:柳之助@バケつ1~4巻発売中
自分たちの現が、羽搏く胡蝶でないと信じているのだろうか。
その顔をこの100年忘れたことはない。
この男に全ては歪められ、多くの人が命を落とし、人生を歪められた。偽りの仮面で尸魂界を、瀞霊廷を、護廷十三隊を謀った張本人。
「藍染……!」
「100年振りか、生きていたようで何よりだ宵丸君」
藍染惣右介。
その男はかつての優しい笑みで宵丸に語り掛ける。
「派手にやったものだね。それに」
彼は瓦礫だらけになった周囲を見渡した後、倒れたギンに視線を向け苦笑する。
「まさかギンを倒すとは。正直想像以上だよ」
「いやー、えろうすいません。愛染隊長。宵丸さん、思った以上に大分強かったですわ」
「うん、まぁこれは仕方ない。ギンで倒せないとなると、要でも無理だったろうしね」
仰向けに倒れてまともに動けないままに、右腕だけをひらひら藍染へと手を振る。
敗北したというのにまるで気負いのない姿に彼は一度嘆息し、
「さて」
「っ……!」
宵丸へと視線だけではなく、霊圧が圧し掛かる。
それはただの感覚による受信ではなく、物理的なプレッシャーとして襲ってくる。鬼道や斬魄刀の能力ではない。純粋に大きすぎる霊圧が、ただ発しているだけで周囲を圧倒しているのだ。
改めて、感じる。
宵丸はかつてこの男と実際に対峙したわけではない。
敵であることは知っていたが、しかして藍染本人は宵丸を死んだと思っていた。
だから、初めてなのだ。
四楓院宵丸と藍染惣右介が敵同士として向き合うのは。
「宵丸君。砕蜂君と共々、生きていたのは聊か驚いたが、同時に納得したよ。100年前、浦原喜助を助けられる者の候補はそういなかったからね。握菱鉄裁よろしく時間停止や空間転移で虚化を逃れたのかな?」
「……さてな」
「ま、それくらいしかここに君がいられる経緯は存在しないんだがね」
「……」
藍染のそれは問いかけではなく確信からの確認だ。
彼は全て把握しているのだろう。起こり得る可能性と過程、そして今の状況から逆算し、宵丸と砕蜂の経緯を確信している。
「浦原喜助は息災かな?」
「あぁ勿論。そりゃあ元気だぜ」
「だろうね。君や砕蜂君、それに旅禍の少年たちもアレの手によるものだろう。いやはや、彼は楽しませてくれる。流石は唯一、私の頭脳を上回る男だ」
「喜助さんが聞いても嬉しくないだろうな」
会話をしながら、体内で霊圧を練り上げる。
卍解は解けており、宣告破棄はできない。だがそれでも四楓院宵丸は鬼道の腕では尸魂界において他の追随を許さない。歩法も白打も上から数えた方が早い。
斬術は置いておく。
藍染がどう動こうと、対応できるように腰を落とし、
「――――――」
肩を斬り裂かれた。
「君は賢いし、強い。だが、迂闊だったな」
刀を振るい、血を払う背中だけが崩れ落ちる宵丸に見える。
「―――君も、僕の鏡花水月を見ている。故に、完全催眠は掛かっているのだよ。どう対策しようと、全ては無意味だ」
「っ……藍染……!」
「おや、とっさに体をずらしたかな? ま、いい」
興味なさげに肩をすくめる藍染だが、宵丸の傷は浅くはない。右肩がざっくり斬り裂かれている。反射により致命傷ではないが、右肩が動かせないだけのダメージを受けていた。
「ギン? 彼の能力は解ったかな?」
「あー、はいはい。鬼道系卍解による宣告破棄と融合鬼道」
それにと、彼は目を開き、
「夜一隊長と同じ瞬閧―――――そしてそれを伴う虚化」
「――――ギン坊」
「あはは、ごめんねぇ宵さん」
「なるほど。砕蜂君と同じか」
「―――!」
「隠し玉のつもりだったかな? 彼女は四楓院夜一との戦いで一瞬だが虚の霊圧を放っている。で、あれば把握は容易だ。所詮、失敗作だがそれが奥の手ならもういい」
藍染が宵丸から視線を外す。
興味はもう薄れたと言わんばかりに、周囲を見回す。
「もうここに用はない。そろそろ時間だ、行こうかギン」
「はーい」
よいしょ、とふらつきながら立ち上がったギンがたたまれた帯らしきものを取り出し、中空に放り投げる。それは音を立てて伸び広がり、ギンと藍染を包み込んだ。
「っ―――ギン坊!」
「ごめんなぁ、宵さん」
にへらとギンが笑う。
「僕はもう坊と呼ばれるほど子供やないんやで」
●
「ふぅっ――ふぅっ――――」
一人残された中、宵丸は呼吸を整える。
流血と痛みを無視しつつ、体内の霊圧を練り上げ得手ではない回道を組む。宵丸の回道では精々が止血程度の応急処置だ。戦力の大きな軽減は否めない。
だから、励起した回道に――――虚の霊圧を織り交ぜる。
虚化をしてないとギンに言ったが、あれは嘘だ。
悪いとは思わない。虚化は宵丸と砕蜂の奥の手の一つ。
できるだけ隠しておきたいものだったから。
そもそも嘘をついたのは向こうが先だから問題もない。
元々虚が持つ超速再生を回道をきっかけとして発動する。虚化を掌握すると再生能力が消えるのだが、それはその再現だ。
傷口の肉が膨らんだ後にしぼみくっつく。一瞬後には傷一つなかった。
「それが、虚化ですか」
声の主は四番隊隊長卯ノ花烈。そしてその傍には副隊長の虎徹勇音も控えている。
卯ノ花には既に事情を話しており、こちらの味方と言える存在だ。暗躍し、準備をしていた宵丸よりも先に四十六室に侵入していたのだが、
「そいつは……日番谷冬獅郎ですか」
質問に答えない宵丸に嘆息し、自身の斬魄刀肉雫唼――エイのような半透明の生物の中に銀髪の少年が収まっている。
「えぇ。致命傷を受けていたので応急処置をしましたが、後は彼の生命力次第でしょう。そちらは」
「おおむね
「結構です。次は?」
「手筈通りに。先にポイントに向かってください、その時が来たら卯ノ花隊長からも言伝をお願いします」
「解りました。貴方は」
「―――藍染を追います」
両手を合わせ、霊圧を練り上げる。
「あいつはやはり双極だ。時間はない、止めないと」
「って、あの! 四楓院さん! ここから双極までは瞬歩でも追いつけないと思うんですが!」
「あぁ」
それは間違いない。
瞬歩では間に合わない。
だから、
「禁術使って空間転移するので、内緒でお願いします」
「えっ」
「どうぞ」
「えぇ!?」
●
そして宵丸が双極へ転移した時――――役者は揃っていた。
四、十、十一、十二番隊の隊長格はいないがそれ以外、護廷十三隊の総力が結集している。
その内三、五、七の隊長が裏切っており、この場にいる副隊長は七番隊の檜佐木修兵だけ。
藍染を夜一が、ギンを乱菊が、要を修兵が拘束している。
最も十三隊の方も万全ではない。狛村左陣は藍染の黒棺を受け倒れ伏し、白哉、恋次、一護もまた重傷だ。
それでも、この戦力差はあまりにも大きい。
当然ながら砕蜂と、そして宵丸もいる。
凡そ100年振りに見る顔もいれば、副隊長は初見の者が多い。
それらを見渡し、
「姉上」
「―――宵丸」
姉の姿に思わず涙が滲むのを実感する。
100年間ずっと会いたかった、誰よりも敬愛する姉。彼女が藍染を拘束していなければ今すぐにでも抱きしめたかった。
が、今は状況が許さない。
全てが終わってから。
そう、姉弟が視線を交わしただけで互いに理解し、
「ダァアアアアアアアアアアアリィイインン!!」
小柄な影が宙を舞った。
張り詰められていた緊張の中、全員が思考停止してその影を追い、
「んちゅ」
影―――砕蜂が宵丸に抱き着き、思いっきりキスした。
「んん」
舌も入った。
宵丸も別に抵抗せずに受け入れた。
凡そ約15秒、十三隊の前で濃厚なキスシーンが繰り広げられた。
反応はそれぞれ。
目が点になる者、顔を真っ赤にする者、おほーと声を上げてガン見する者、思わず吹き出しちゃう者。
大半が前者二つで、ガン見は春水、吹き出したのがギンだった。
「ふっ……ん」
唇を離し、唾液の糸が伸びる。
ふうと、砕蜂は息を吐き、
「よし! ダーリン成分補給! これで後5時間は戦える!」
アホなのかこいつ? とその場の全員が思った。
対し、宵丸は真顔で首を振り、
「いいやハニー。この三日の欠乏分を忘れるな――――もって三時間だ」
「確かに」
アホかこいつら、と全員が思った。
それから視線をずらして――藍染さえも――夜一に向けた。
四楓院夜一。彼女は尸魂界でも最速と謳われた白打と歩法の達人である。
その彼女が、
「……! ……!」
顔を真っ赤にしていた。
弟と義妹のキスシーンってだけでなく、状況を選ばない空気の読まなさに、会話のアホ度合いに。
「やれやれ。緊張感がないね、砕蜂君」
顔を真っ赤にしながらも拘束自体に緩みはない夜一へ、哀れみの目を向けてから砕蜂へ苦笑する。
「随分と奔放になったものだ」
「は! お前に言われたくないわ韓流スターもどきが!」
韓流スター? と全員は首を傾げ、ギンだけが堪えきれずにお腹を抱えた。
「よくもまぁ好き勝手やってくれたな! そもそもなんだ完全催眠って! どうせそれを使ってエロいことをしていたのだろう! 薄い本みたいに! 薄い本みたいに!」
ごみを見る目が藍染へと向けられた。
だが、それを受けても涼しい顔で彼は口を開く。
「下品だね。程度が知れる」
「貴様! 夜一様を侮辱するか!?」
「!?」
え!? 儂!?
という顔で全力で夜一が砕蜂を見た。
スルーされた。
藍染はもう一度可哀想なものを見る目で夜一を一瞥し、
「失礼なことを言うものだね、僕はそんな浅ましい理由で鏡花水月を用いたことはない」
そもそもと、藍染は笑う。
「――――女性に対し、催眠を用いる理由なんぞ僕は持ち合わせていない」
「――――」
藍染の言葉に砕蜂は一度目を細め、宵丸の耳へと口を近づけた。
「どうしようダーリン、あのヨン様私の精神攻撃がまるで通じんぞ」
「もうやめとけ」
「うぅむ、仕方ない」
「あぁ、茶番は終わらせよう―――時間だ」
「っ!」
刹那、夜一が何かを察知し、大きく飛び退いた。
それは天から藍染へ降り注ぐ光。
そして―――――空が割れた。
「大虚……!」
誰かが空の亀裂の中に蠢くものの名を叫ぶ。
ギリアンと呼ばれる虚の集合体。それが数十体。さらに、その奥にもまた巨大な瞳らしき光が潜んでいる。
次いで光がギンと要へ。要を抑えていた修兵はとっさに飛び退き、ギンを抑えていた乱菊は、
「もうちょいこうしててもよかったのになぁ」
ギン自身が振り払うことで光から逃れた。
目を細めた彼は笑いかける。
「さぁ―――どうなるやろなぁ」
乱菊を見つめ、視線は藍染と宵丸へ。
藍染たちの足元の岩場が浮く。
その光の名は『
大虚が同族を助ける際に用いる空間断絶。これにより分けられた内外は、どうあっても互いを干渉できない。
故に、最早死神たちに為す術はなく―――――、
「細工は流々、茶番は終了――――本番は此処からだ」
●
瞬間、双極を中心とした半径2キロほど先から8本の光の柱が起立した。
『―――鏡が水面、映る花と月』
双極にいる全員が、それぞれの光の柱に目を奪われる中、四楓院宵丸だけは動いていた。
両手で連続して印を結び、詠唱を謳いあげる。
『見つめる眼に曇りはなく、額に開く唯眼に惑い無し。六神通じて天耳を澄ませ。水面は水面。鏡は鏡。花月は夢のまま、夢に沈め!』
両腕を大きく広げ―――手を鳴らした。
『結べ――――花天月地!』
パァン、と済んだ音が鳴り響いた。
「――――」
双極にいる中で理解したのは術者である宵丸と事前に知っていた砕蜂。
そして、声も漏らさず驚愕する藍染だけだ。
その上で尚、さらに宵丸は5指を躍らせる。
この双極へ転移するよりも前、事前に詠唱を終わらせ発動待機していた術を解放する。
『禁道の弐―――神足天威!』
この場に6人を残し、それ以外の全員がこの場から消失した。
●
「――――え!? なに!?」
気づいた時、目の前には雑木林の中に松本乱菊はいた。
目前、地面に突き刺さり、天へ光を放つ杭。
それが膨大な霊圧を放っていることは解る。
だが、その霊圧は、
「……これ、虚の……?」
『四番隊副隊長、虎徹勇音より通達します!』
「!」
『現在、四楓院宵丸が設置した反『反膜』発生装置の前に皆さんはいます! 詳細は省きますが、これにより藍染惣右介らを回収する『反膜』を無効化させられます! さらに、大規模結界としての強度を高める為に転移された者は目前の杭に触れ、可能な限りの霊圧を注ぎ込んでください!』
「天挺空羅……? って、結界を強化? 逃さないならみんなで囲んで叩いた方が――」
『本行為は卯ノ花隊長、京楽隊長、浮竹隊長も承認済みです! 迅速な対応をお願いします! ――――いやほんとマジで早くしてください! 宵丸さんの狙いは――――』
続く言葉に、
「―――!」
乱菊だけで無く、各地の全員が杭へと飛びついた。
●
「これの結界は……虚の霊圧かい?」
「仮面の軍勢、8人の霊圧の凝縮体だ」
平子真子。
猿柿ひよ里。
愛川羅武。
六車拳西。
久南白。
鳳橋楼十郎。
矢胴丸リサ。
有昭田鉢玄。
かつて護廷十三隊と鬼道衆の主戦力だった者らが虚化した上で、その霊圧を蓄積凝縮させて作成した8本の結界起点杭。
大虚の『反膜』は同族を救う為に発せられる虚の霊圧で作られたものだ。そしてそれを破壊するのはほぼ不可能。虚化という手段にあたり、藍染が虚と手を組む―――虚を制圧下に置くのは想定できる。
だから尸魂界で崩玉を手にした彼が、『反膜』を使って安全に逃れることも。
そうなると、どうやってそれを阻むか。
前提として藍染が崩玉を手中に収めるという目的を達成されると打倒が非常に難しい。死神と虚の境界を崩すそれを用いられて死神の力を手に入れた虚、破面を量産されたら尸魂界壊滅の危機だ。
故にそれを止めるために、喜助は、宵丸は、鉄裁は考えた。
考えて、考えて―――出た結果が反膜を壊すのではなく、広げて静止させるということ。
「仮面の軍勢の霊圧が反膜を拡大し、死神の隊長格の霊圧がそれを留める――――これで、お前は逃げられない」
それこそがこの三日間、砕蜂との時間さえも犠牲にしてまで準備していたものだ。
「なるほど。それだけではないね? 先ほどの鬼道も」
藍染の眼鏡の奥の瞳が細まる。
笑みはもう、消えていた。
「――――
「あぁ」
にやりと宵丸が笑う。
「アンタの鏡花水月の完全催眠は本当にどうしようもない。催眠されてるかも気づかないんだからな。だけど幸いなことに、アンタが俺らを追放したから時間だけはあった。――――鏡花水月の対策鬼道を作る時間が」
他人の感覚を100%支配する鏡花水月。
それに対して先ほど宵丸の放った鬼道『花天月地』は掛かった人間の感覚をリセットし、100%正常な感覚を受信させるもの。
無論、簡単なものではなかったがヒントは平子真子の斬魄刀『逆撫』だ。あれも嗅覚をトリガーとする感覚支配の力だから。
「これで逃亡と完全催眠を封じた」
で、あれば。
「後は、ここでお前を倒すだけだ藍染惣右介」
「――――ふむ」
藍染は頷き、そして口端が歪む。
「認識を改めよう、四楓院宵丸。―――君は私の敵に相応しい」
滲み出る霊圧が宵丸に圧し掛かる。
それは威圧ではなく、純粋に漏れ出した藍染の興味から生まれたもの。
「―――――それで、どうするつもりかのぅ」
藍染の霊圧に耐えていた宵丸に、声が届いた。
重く静かな、押しつぶすような藍染の霊圧とは違う、静かに燃える灼熱のような声。
髭を抑えた老人――――十三隊総隊長山本元柳斎重國。
十三隊で唯一この場に残っている彼は宵丸を見据え問う。
「四楓院宵丸。儂を残したという意味を解っておるのかの」
「……えぇ勿論」
敵意は向けられていないのに灼熱であぶられた気分を味わう。
元柳斎の背後、砕蜂がダブルピースと口パクで『がんばれがんばれ』してた。
それで精神を保ちつつ、
「俺が総隊長殿に伝えるべきは一つです。この結界は元隊長格8人と、先ほどあの場にいた隊長陣らで作られたもの」
だから、
「――――総隊長殿の炎は一時、結界内に封じられます」
「――――――――カッ」
宵丸の言葉に元柳斎は笑った。
「面白いのぅ。儂を利用しおうたか」
「えぇ。尸魂界を護る為に、護廷の為に、藍染を倒すためには貴方の力が必要でしたから。……事前に話したとしても四十六室を藍染に押さえられた以上は貴方は四十六室の指示を優先したでしょう」
「ふん。十四郎や春水がそちらについたのも道理というわけか」
髭を一撫でし、宵丸と砕蜂をそれぞれ見やる。
「主らも転移しとけばよかったものを」
「いやー、それがこの結界起点になってる俺が中心点からあんまり外れるわけにはいかないんで」
「それに私もダーリンもあのヨン様の顔面を張り倒さないと気が済まん。あ、総隊長殿。終わった後に私たち結婚式するので、その時は瀞霊廷貸し切りお願いします」
「うんむ。宵丸よ、嫁は選んだ方がいいのぅ」
「ま、選んだのがシャオだったので」
「きゅーん!」
そして四楓院宵丸、砕蜂、山本元柳斎重國が並び立つ。
「儂と並ぶなら気張れ、小童ども。気を抜けば死ぬぞ」
「えぇ、準備はしています」
「やるぞ、ダーリン」
3人の霊圧が高まる。
元柳斎の杖が太刀となり、宵丸は右手を眼前に緩く開いて掲げ、砕蜂が左手の中指を右頬に添え、
太陽が生まれ、拳を作り、指を左に滑らした。
『雀蜂雷公鞭改メ―――瞬閧纏装・無窮轟嵐ッッ!!』
尸魂界を焼き尽くし得る炎が太刀の切先に収束。環刃やロングコート、加速具足を宵丸と砕蜂を纏い、それだけではない。
宵丸に鉢巻が伸びる武人のような仮面が。
砕蜂に蜂を模した仮面が、それぞれ被り霊圧が飛躍的に上昇する。
尸魂界最強の死神にして最強最古の斬魄刀。
尸魂界最速にして白打と歩法の達人。
尸魂界最巧の鬼道の担い手。
斬拳走鬼。死神の戦闘術において各種の最高峰たる3人が一堂に並び立った。
「―――面白い」
「藍染様!」
「いいよ、要。君は結界ギリギリまで逃げるなり霊圧を張っていたまえ。彼ら相手では、余波だけで死ぬよ」
「うわおっかなー。そうさせてもらいますー」
「ギン!? 貴様――」
「はいはい、逃げるでー」
ギンが要を捕まえて瞬歩で逃亡する。結界内は外に出られないので、どこかで結界を張らないと藍染の言葉通り、元柳斎の卍解の余波だけで死ねるだろう。
だが、藍染は揺らがない。
笑みを深め、冷や汗一つ流さない。
「高みで散々見下ろしてくれたな、藍染。――――お前はもう大地に引きずり下ろした」
「傲慢だな、四楓院宵丸。君も私も、神すらも天に立っていない」
だが、と藍染は言葉と共に眼鏡を外し、髪を掻き上げる。
そして、手にした眼鏡を握り砕き、
「これからは――――私が天に立つ」
次いで手にするのは斬魄刀。
鏡花水月は封じられた。
で、あれば、
「あまり使いたいものではないんだが、君たちが相手では仕方あるまい。崩玉が使えないこの現状、私としてもそれなりに必死でやらざるを得ないからね」
眼鏡が無くなり鋭くなった目が3人を貫く。
握る斬魄刀を刃を下に向けて構え、
―――――そして、次の瞬間には山本元柳斎重國は即死した。
宵丸裏でこそこそめっちゃ仕事してましさ。
真面目なバトルはあと1話だけ。
藍染との決戦をこんなにも早くしたのは
さくっと終わらせて、砕蜂との結婚式とかしたかったからです。
シリアスしているようでしない。
速くバトルとか終わらせて砕蜂といちゃいちゃさせたい私です。
やる予定がなかった藍染様の卍解である。
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