がっこうぐらし!RTA『オヤシロモード』覚醒素材生存ルート 作:シグアルト
「こんな大きなシャッターが地下に繋がっていたなんてなー」
「ええ、搬入口にしてはいつも閉まってて先生もおかしいなとは思っていましたけど・・・」
「ここまで堂々としていれば気付かれない・・・・って事ですかね」
「そういうことだと思います。事実、私達は誰も気づきませんでした。気を付けて進みましょう」
「うむ。妾からあまり離れるでないぞ。二人共」
ラストダンジョンに挑む様な気配の中、オヤシロRTAはーじまーるよー!!
現在、めぐねえと
緊急避難マニュアルに記載されたこの学園の謎を体現するかのような場所、通常プレイであれば14日目の『あめのひ』でどのルートでも大活躍してくれる場所です。ですがこの『オヤシロモード』においてはこの施設、ハッキリ言って無用の長物ですね。なぜなら──────────
「ふむ、ここには不浄の気配はないようじゃな。ならば《神域化》! ・・・これで安全じゃ」
校舎の一階全域が安全地帯になっている上に、探索が完了次第《神域化》をかけるため不意打ちを受ける理由がありません。やっぱチートスキルだわ、これ。
他の要素も追い風となり、おかげで僅か『5日目』にして地下探索まで出来ているスピード対応です。本RTAを行う前の試走でもここまでの早さで突入できなかった事からも、本ルートの順調具合はおわかり頂けるかと思います。
あー、もうイイゾコレ。勝ったな。
「ところで恵飛須沢さん。葛城くんを一人にしても本当に大丈夫なの?」
こちら側が順調に進んでいるので、お留守番組のお留守番組となった覚醒素材先輩の心配を始めるめぐねえ。
そうなんです。今回くるみもついてきたため覚醒素材先輩に拠点を任せて来たんですね。
・・・・・はいはい、わかってますよ。
皆さん『毎回勝手に出歩くアイツを一人にするとか正気か?』『誰かに見張らせないとダメだろ』『ガバガバじゃねぇか』『ちくわ大明神』『るーちゃん映せ』とか思ってるんでしょう。なおるーちゃんは皆さんの絆です(意味不明)
「だ、大丈夫です。先輩はまだ休まないといけない体だし、今の状況もしっかり伝えたんで勝手な事はしませんから」
めぐねえの問いに早口で答えるくるみ。今だけは森の賢者の代名詞で呼ばないでおきましょう。
何故ならスコップを持っていない手で頬をかきながら、やや赤面した様子で明後日の方を向いて答える仕草はギャルゲーヒロインとして満点のムーブだからです。スゴクカワイイ
どうやら二人っきりになった時に、
そんな感じでドギマギしてるくるみですが、覚醒素材先輩をお留守番にするのは最適解です。
ここまで見ている方々ならお分かりだと思いますが、覚醒素材先輩は自主的に行動する事はイベント以外ではありません。めぐねえと違いイレギュラーが全く起こらないテンプレ行動のモブ的存在なんですね。
そんな彼が独断で行動するイベントは初日の放浪くらいが例外で、それ以外は《だれかが助けを求める》事がトリガーです。
るーちゃんを助けに行ったのはりーさんがるーちゃんを助けたいと思ったからだし、『えんそく』も誰かに誘われなければ自主的に参加しません。
また『えんそく』に覚醒素材先輩がついていった場合、助けを求める一般救助者の求めにこたえるイベントが発生し、先輩が還らぬ人になる場合もあります。
なので、いたずらに連れまわすよりも『誰も助けを求められない状況で一人待機』が覚醒素材先輩を生き延びさせるコツです。ココ授業に出ますからね(めぐねえ風)
因みに覚醒素材先輩が昏睡時、ヤンデレ入った彼女によりつけられていた首輪は彼が目覚める前に外されています。ヤツは正気に戻ったぁ。
「そうですか・・・。それと、今回はあくまで軽い偵察です。本格的な探索は皆が還って来た後ですからね。神様もお願いします」
慌てふためく
そんな訳で、ゲーム的ラストダンジョンに
◇◆◇◆◇◆◇◆
「階段を降りた先は地下通路か、洞窟みたいだな」
「まさに地下シェルターですね。電気もしっかり通っていますし、もし何かあっても・・・・・」
シャッターを抜けダンジョンに入った先は石造りの通路でした。
しかし通常プレイでは水が溜まっていましたが、今はしっかりと床が見えています。どうやらパンデミックで排水処理が故障し7日目の『あめのひ』の時に水が溜まってしまったから原作のような下水道になってしまったんでしょう、こういう裏事情を考察できるのも一つの楽しみですね。
「・・・・まじか。これ全部、物資かよ」
「食料、水、医薬品、生理用品・・・・・こんな所に」
そして更に先に進むと、壁一面に棚がズラッと並んでいました。はい、全部物資です。
15人が1か月程度は余裕で暮らせる量なのでくるみは唖然とするばかり、めぐねえは隠された物資の山を見て顔を曇らせています。生徒達の多くを見捨てた対応だと思ってるのかな? “
さて、物質の山も見つけたので探索は終わりのカウントダウンです。
曇ったまま呆けためぐねえが正気を取り戻したら帰るように言ってくる事でしょう。
その前に奥にある扉へと進みます。目的は『冷蔵室』ですね。
この冷蔵室は電気が通ったままのため、食用可能な状態のステーキ肉が残っています。
このゲームで数ある回復アイテムの中でも『ステーキ』はSAN値と体力の回復量が優れたものになります。この後『えんそく』組は圭ちゃんとみーくんの
そんな訳で、僅かな隙をついててててーっと走り抜けます。そしてドアノブをガチャりとやって、扉をバーン!! まどろっこしくゆっくり開けたりしないぜ!
さぁ、見せてくださいそのお肉の姿を──────────
「!! これって・・・・」
「そ、そんな・・・・」
お肉はお肉でも、この部屋にあるの吊るされた腐肉じゃねぇか・・・・
はい。開ける扉間違えました。
冷蔵室はつきあたりじゃなく部屋の脇の扉だったんですね。あーちゃん身長低いから視界がわかりにくいんだよぉ(責任転嫁)
ともかくこの部屋に用はありません。さっさと閉じてお肉チャレンジを再開──────────
「・・・・・・・・・・教頭、先生ですか?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・ん? めぐねえ何て言った?
KYOUTOU? 狂闘?? バーサーカーですか?
このハングド的な事になってる人は身元不明の人物だった気がするんですが、何か追加情報でも来たんですかね?
部屋の中に視界を戻します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん? 部屋に何かありますね。
そのハングド教頭(勝手に命名)の足元に紙束がおいてあります。〇書っぽいサムシングを感じますね。
さすがに無視して扉を閉める事は出来ないので近づくと、めぐねえも震えながらついてきます。
彼女の視線はハングド教頭の足元の紙。油断せずクリアリングを行う神様を無視して近づいていきます。おぅ、もっと警戒しろや(敗走の記憶)
「・・・・・・なによ、これ」
そして手紙と思われるそれを読みふけるめぐねえが溢す言葉。
めぐねえにしては非常に珍しく、苛立ちをぶつけるように頁をめくり嫌悪感を感じさせる声を放っています。普段は庇護欲を感じさせる彼女の迫力に思わず新たな扉を開きそうになります(カナリ、アブナイ)
茅〇さん非常にいい仕事していますね。感動した!
「!! おい、めぐねえ!」
そんな感想を抱いていると先程まで微動だにしなかったハングド教頭が、ゆ~っくりとめぐねえに手を伸ばしてきました。
めぐねえは手紙を読むのに夢中で、部屋の外にいるくるみの呼びかけにも全く反応していません。
はー、つっかえ。やめたら? 覚醒
前回めぐねえは覚醒めぐねえになりました。戦闘含めた基本能力増強に加え、不意打ちやうっかり行動もなくなるようになりました。
そんな覚醒めぐねえでも、これには反応できないみたいです。強制イベントなのかな? 学園地下って絶対誰かやられちゃうジンクスでもあるの?
やれやれだぜ。
当然、神様はそんなお触り許すはずもないので持ってるスコップで腕を切り飛ばします。
原作だとハングド教頭が《かれら》化する事はなかったと思うんですけど、勘違いだったのかな?
まぁどうでもいい記憶はおいといて、物資回収の時にうろつれてても困るのでそのまま首ちょんぱ(直接的表現)です。
原作ではこの地下にいる《かれら》は
後は最後に《神域化》をかけて一時離脱といきますかー。帰るぞ、
「神様! 逃げて下さい!!!」
えっ?
────────── 状態異常《穢れ》が付与されました。
──────────────────────────────────
『
これを読む者がいる時、私は生きてはいないだろう
私は自らの生を終える事を選んでいるからだ
』
そこに置いてあった遺書は、そう始まっていた。
緊急避難区域へと向かった私が見つけたこの学園に隠された謎の手がかり。そこに書かかれてある事は私の罪だろうか、それとも・・・・・仕方なかったと許される免罪符なのだろうか。
神様と恵飛須沢さんと共に向かった学園地下の緊急避難区域。
どうして皆が『えんそく』から戻って来る前に自分は向かったのか。その理由には薄々気付いていた。
許されたかったのだ。
多くの生徒が《かれら》になり、残された生徒達に不便や苦労を強いてしまっている。肝心の
今まではそれでよかった。今の状況は《人ならざるもの》の力で起きてしまった人知を超えた災厄。只人である私には出来る事に限界がある。そう思っていた。
でも、その全てが人の業によって生み出され神様に後始末を押し付けている。
あまつさえ自分自身がその災厄に深くかかわっているのだとしたら、私はどう償ってよいのかわからなかった。
《「辛かったのぅ。だが笑え、妾のように満面の笑みを浮かべてみろ。それだけで他の皆は大いに救われる。それはお主のあずかり知らぬ所で起きた災厄の責任などより、遥かに大きく価値があるのじゃぞ?」》
そう言って笑みを浮かべながら、ずっと抱きしめてくれた神様。
おかげで私は責任に潰される事もなく、今も前を向けている。でも何もかもなかったことにしていい訳じゃない。
一体何が起こっているのか。何故こんな事になってしまったのか。
それを調べ解決できた時こそ、私は今も自分を苦しめている想いから解放され、生徒たちの笑顔をちゃんと見る事が出来る。
その糸口となる重要な手がかり、それが地下室で首を吊っていた
彼は恵飛須沢さん達が入学する頃には教頭の職を退いていたが、何か別の用事があって職員室に度々足を運んで来ていた。
私は数える位しか話をした事がないが、不摂生を体現したようなふくよかな体型と、一昔前の感覚なのか非常に近い距離間で接して来ていたため印象的だった。
退職後も何故来ているのか当時は謎だったのだが、今ならわかる。彼はこの学園の謎を知っていたのだと。
今わの際に、その謎を残そうとしたのだろうか。手が震えない様にページをめくる
『
私は憤怒する。 何故この私がこんな目にあわなければいけないのかと。
私は嫉妬する。 何故これを読んでいる君が、まだ無事に生きているのかと。
』
だが書いてあったのは、生への執着。
少し落胆する気持ちを抑えつつも、少しでも生前を知る自分が彼の想いを受け取ろうと読み進め・・・・・・・・・・後悔した。
『
この緊急避難区域にいるのは私一人だ。
一日が非常に長く感じる。 こんな事なら女生徒の一人でも
いい酒も俺の愛用する煙草もない。俺の求めるものが何一つ用意できないなんて不条理だ。
つまらない、つまらない、つまらない。怠惰に過ごす日々に生きる活力がなくなっていくのがわかる
』
「・・・・・・なによ、これ」
教職者として、聖職としてありえない言葉だった。
その後も遺書には、彼が生前行ってきた下卑た行為や傲慢極まりない思想の数々が自慢のように書き連ねてあった。
彼が自分の内面を語る一部分に私の名前を見つけてしまった時は、これまで感じた事のない程の嫌悪感を感じた。
幸い、その嫌悪感に耐えた成果はあったようで手紙の最後に『聖イシドロス大学かランダルコーポレーションに向かうべきか。あそこなら安全だろう』という記述を見つける事が出来た。
異様に感じた精神的な疲れを感じつつ、彼の最後を看取ろうと目線を上げた時──────────
「えっ?」
黒いモヤで構成されたような元教頭の
《かれら》となった彼に襲われそうになった。その事実より先に、その異常な体に目を奪われる。
その間に神様は返す刀のようにスコップでそのままトドメを刺した。ドサッという音と共にその体が部屋の隅に飛ばされる。
「めぐねえよ、その探求心は結構だが場所をわきまえよ。傍で遺物を漁られては恥ずかしゅうて成仏できないじゃろ」
カラカラと笑う神様だが私の顔は晴れない。
その不安が的中するかのように、部屋の隅で倒れていた《かれら》の体から黒いモヤだけが分離したように離れていく。
そしてそれが飛びつくように向かう先は──────────
「神様! 逃げて下さい!!!」
この時から『学園生活部』の、そして『私達』の絶対なる安全な生活は
崩壊していったのです。
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………………………………………………ザザッ
…………ザザ………………………ッ…………………
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……………ザザッ………
……………………すか…………
…ザッ……………ザザッ………………………………
……………………きこえま……すか………………ザザッ…………
穢れ:『オヤシロモード』専用状態異常。別名「負のレベルアップ」。
《かれら》を倒し経験値を得る毎にマスクデータの数値が溜まっていき、一定以上でこの状態となる。
効果は神格パワー(通称SP)が0となり、通常キャラと同じまで能力値が減少、更に他の状態異常を併発させる。
自然治療には長期的な時間がかかる為、素早い回復にはある専用スキルを取得するしかない。更にこの状態が進むと・・・・・
元教頭:『オヤシロモード』専用隠しキャラ。
《穢れ》状態になるには途方もない数の《かれら》を倒す必要があるが、このモード専用で用意されたネームドキャラの一部にはそれ一体で数百・数千人分の負の経験値をためる事が出来る。縛りプレイ等に活用される事が多い。
なお、このキャラは『最初のあめのひまでに学園地下に行く』『めぐねえを連れて行く』条件を満たさなければ死体のままであり、遺書も流されている。