【安価?】掲示板の集合知で来世をエンジョイする【何それ美味しいの?】 作:ちみっコぐらし335号@断捨離中
前話の加筆修正、及び前書き&後書きの追加完了。
大まかな話の流れに変化はありませんが、興味のある方は頭と尻だけでも読んでやってください。ちょっと補足入ってます。
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一昨日の晩、組織のNo.2『ラム』の右腕である構成員の『キュラソー』が日本の警察庁から機密データを盗み出すことに成功した。
NOCリスト――――日本の警察が掴んでいる組織のスパイについての情報だ。これさえ手に入れてしまえば、組織に忍び込んだネズミ共を纏めて始末できる。是が非でも入手すべき情報だった。
しかし、彼女は逃走中に起こした事故のせいで記憶喪失になってしまい、身柄も警察病院に送られてしまう。
キュラソーは逃走中にNOCリストの一部をメールで送信してきたため、三人のスパイは処分できた。
だが、メールの文末は途切れており、バーボンとキールが裏切り者だったかどうかの情報は欠けていた。
白か黒か――――情報は未確定。
だが『疑わしきは罰する』、それがジンの信条だ。
そのため、彼は倉庫に捕らえたバーボンとキールの二人を処刑しようとしたが――――それは叶わなかった。
「――――ジン、待って! 撃ってはダメ、ラムからの命令よ」
「………………チッ」
ベルモットからの制止に、ジンは舌打ちを隠さなかった。
つい先程、キュラソーからラム宛にメールが届いたのだという。『バーボンとキールは
キュラソーが記憶を取り戻し、警察の隙を見て連絡してきたか。あるいは何者かによる偽装メールか。
情報が本物かどうかを確認するためにキュラソーの身柄を奪還する。それがラムからジンたちに与えられた新たな
キュラソーが搬送された警察病院の警備は厳重だが、公安警察を盗聴中のキャンティとコルンによると、ちょうど公安がキュラソーを連れ出すところだという。
公安の連中はキュラソーがどうやって情報を盗んだかも、情報の隠し場所についても知らない。
そんな奴らがキュラソーを連れていくとすれば、彼女が一度
彼は禍々しい笑みを浮かべた。
東都水族館の観覧車にはジンの『仕掛け』がある。これを利用すれば、もしもの時にも纏めて掃除できるだろう。更には『例の機体』も使う。
これで確実に任務を遂行する準備は万端だ。やり過ぎとも思えるほどに。
ジンは今夜の作戦のため、早々に倉庫から立ち去った。
そう――――キュラソー奪還については心配などいらないのだ。しかし、ベルモットには一つ気掛かりなことがあった。
昨日、ベルモットがキュラソーを監視している時、彼女と対等に渡り合った一人の人間がいた。
記憶喪失中とはいえ、組織の工作員と同等の戦闘能力。
イレギュラーな事態には警戒するべきだろう、とベルモットは昨日の内にその存在をジンに伝えていた。
彼はベルモットの話を鼻で笑い、
「ハッ、どうしたベルモット? まさか怖じ気づいたのか? たかが一般人に」
「たかがって――――あなたはあれを見ていないからそう言えるのよ。あれほどの能力、もしかしたら
「忘れたのか、ベルモット。組織のことを嗅ぎ回る邪魔者は殺す。それがどんな素性の人間だろうと、な」
ジンの冷徹な視線がベルモットに向いた。
――――そうだ、ジンは一度
あの少年らしい所作の彼女も、ジンが邪魔だと感じたならば即座に殺されるだろう。その正体に関わらず、だ。
水族館でキュラソーについて回っていただけではなく東都警察病院の前でも見かけたため、早急な調査が必要だと思ったが、ベルモットが軽く調べた範囲では一般人。
彼女はどこの組織にも所属していなかったのだ。
ベルモットは己の大切な宝物、その片割れを思い出す。
無論、組織に敵対する者であれば容赦なく殺す。
だが、もしその正体がベルモットの調査通り、ただの一般人だとしたら。警察病院の前にも偶然居合わせただけだとしたら。
あの時、即座にジンに報告したのは早計だったかもしれない。
既に殺した人間を始めとして興味のない情報はまるで覚えないが、ターゲットは確実に抹殺するのがジンという男だ。
キュラソー奪還計画のためにベルモットが行う作業は幾つかあるが――――また一つ、彼女の仕事が増えた瞬間だった。
※この間、お口ゆるゆるヒーローインさんはバイクで水族館に向かっています。