狂人共のまどろみ讃歌 作:nanimonoか
「敵だ!散れ!」
わたしが部下に警告し、分隊員が遮蔽に逃れた直後に、銃声は鳴り響いた。
この音はAK、ということは民兵かな。
一瞬、敵の練度に想いを馳せると、わたしと部下たちは銃撃の切れ目を縫って反撃を始めた。
「やっぱ、雑兵かぁ。食べごたえがないなぁ」
やはりというかありあわせの民兵だったから、わたしの口から嘲い半分に軽口が零れた。
「これじゃ第一に負けますね!もうちょっとマシなのを探さないと!」
部下も笑顔で軽口を返す。
当然だった。照準がデタラメな銃撃など、全く怖くない。
精鋭部隊相手ならやや力不足なFN-MASの5.56mm弾も『E:ぬののふく』な民兵相手なら十分だったから、30分足らずで50人ほどが戦闘不能だ。民兵たちはまだ半分も残っているのにばらばらに逃げていってしまった。
「あーあ、面倒くさ。あれも根切りにしないと駄目だよね。班毎に追撃、油断大敵!」
勝利に湧いていた分隊員たちの表情が凍った。かわいいね。
「え!?あれを追撃ですか!それは…」
「あんな雑魚共は殲滅できて当然よ?治安維持も任務の一つなんだし、さあ行ったいった!」
一瞬反論した部下は私の命令を達観した表情で受け取り、自分の班を率いて西に逃げたゲリラを追っていった。
直轄以外の班が追撃に散ったのを見送ってから、わたしは周辺をゆるりと見渡し、そして自分の班を率いて敵を先回りすべく進んだ。
暫く北に進んでから待ち伏せしていると、他の班から逃げてきたゲリラが来たから、十字砲火と銃剣で皆殺し。
そうして他の班とも集合して、無人機から残りがいない事を確認したから、わたしの分隊は基地に戻る。
どのみち、この辺りには住む人は少ないし少ない住民は武装しているから、わたしたちの任務はこれで終わりなのだ。
帰り道は特に何事もなく基地に着き、わたしたちは久々の休暇を前に多少のブリーフィングを行い、解散して各々の部屋に帰っていった。
「ふんふん、この娘可愛いなぁ…久しぶりに見たらだいぶ増えてるしあるてまに二期が生えてるし楽しみがすごい」
そう、わたしは何を隠そうがVの沼にハマっている。
わたしたち義勇軍には(不況と失業であぶれた)先進国出身者が多く所属していて、一応国連軍の端くれで(人員不足により)予算が豊富なこともあり、基地内にはWi-Fiが完備されている。
だからそれを利用して祖国のVtuberを観察しているのだ。
まあ仕事の都合上殆ど切り抜きを確認したり好きな分野だけ見たりといった程度なのだけど…
それでも『推し』はできるし、とある願望も生まれた。
つまるところ、私もVtuberがしたい。