大人になったAqours   作:ソレノイド

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薬指の約束 高海千歌

「ここはこうであって……」

 

教壇に立っている教授が教鞭を取っている大学の授業中、そこに俺、高海陽都はいた。

前はテスト生として浦の星女学院に通っていた。そして卒業後は付き合っていた千歌の高海家へと婿入りし、十千万をもっといい旅館にすべく、経営学を学んでいる

 

 

将来の夢の為に各自の道へ進み、バラバラになってしまったAqoursだけど、偶に連絡は取りあっているし正月や夏休みになると皆で集まってたりしている。

大学生活は楽しい事ばっかりではなく、つらい時もあるけれど、これも旅館の為千歌の為と考えると頑張れる。

そして、チラッと左の薬指に銀色の輝きを放つ指輪を見る。これを見て、千歌の為に頑張ろうと思える。

千歌も千歌で若女将として、色々学ぶ日々だそうだ。

まぁ、小さい頃から手伝いはしてたらしいから、大丈夫そうだが。

 

そんな感じで俺の生活をお見せしよう……

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

 

「よー君!朝だよ!朝ごはん冷めちゃうよ!」

「う~ん、あと五分……」

「起きなさい!」

 

グイっと布団から引き離され、どことなく寒い

仕方ないので起きることにする

 

「おはよう……千歌」

「おはよう!よー君!」

 

朝から元気いっぱいの千歌。

容姿などはあまり高校時代と変わらず、幼い顔立ちなのは高海家の遺伝的なものなのか

まぁ、そこが可愛い所だけど

 

「ご飯冷めちゃうよ!」

 

高校の時にはいつも寝坊するのは千歌で、起こして、学校へ言ってたのに立場が逆になってしまった。

若女将としての自覚が芽生えてきたのか。

朝早いらしいし、仕事。

 

カンカンとフライパンとお玉を打ち付け、けたたましく喧しい音がなり、眠い目を擦りながら朝ごはんの待つ部屋へ向かう。

そこには彩り豊かで何とも美味しそうな朝ごはんが並べられていた。

 

「おはよう、陽都君。お寝坊さんね~」

 

と志満さんにトゲを刺される。

志満さんはいつも変わらず美しい……イタッ

千歌、脇腹つねらないで

 

「よー君の奥さんは千歌だもん。志満ねえには渡さないもん。」

「あらあら……」

 

そんな可愛い嫉妬を見に受けながら朝ごはんを頬張る。

米を一口食べるとお米の馨しい香りが鼻を突き抜けた。

味噌汁も美味しい。さすが志満さん。

 

あっという間に朝ごはんを食べてしまった。

ちゃんと、ごちそうさまでした。と手を合わせてから大学への準備をする。

とは言っても特に荷物がある訳ではないのだか。

 

「あ!ちょっと待ってて。よー君お弁当!」

 

そして、千歌はお弁当を渡してくる。

 

「そんな毎日作らなくても……大変だろうに。食堂あるしさ。」

「ダメ!千歌、絶対よー君のお弁当を作るんだもん!」

「陽都君、実はお弁当もだけど、毎日朝ごはんを作っているのも千歌ちゃんなの。理由は陽都君に自分の愛情の籠ったものを食べて欲しいからなのよ?そんな健気な千歌ちゃんの気持ちを無下にするかしら」

「ち、ちょっと!志満姉それは言わない約束でしょ!」

「なんだ言ってくれれば良かったのに」

「だって恥ずかしいし……」

 

ずっと朝ごはんは昔から変わらず志満さんが作ってるのかと思った……

だから、朝早く起きて、ご飯食べる時に千歌がこっちをじっと見て、俺が美味しいって言うと照れていたのか

流石志満さんって言うと頬を膨らませて、ずっと疑問に思ってたんだよ。

 

「千歌……ありがとうな……」

「うん!だって、千歌はよー君の奥さんだもん!」

 

あ、そう言えばと千歌が前置きをして

 

「大学で他の女の人に、ゆーわくされちゃダメだよ?」

 

笑顔の千歌、でも何か隠された怖さを含んでいるようなそんな笑み

笑顔なのに、人に恐怖を与える笑顔ってあるんだね。

 

「もちろん、俺は千歌一筋だからね」

「えへへ~行ってきますのちゅーして?」

 

軽く口にキスをし、行ってきますと大きな声で言ってから家を出る。

ちゅーのおねだりは出来るのに自分がご飯を作っている事を言い出せないとは彼女の羞恥心はどうなっているのやら

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

「って事があったんだよ。千歌可愛すぎない?」

「そんな事の為に呼ばないでくれる?」

 

今は講義終わりの昼休み、庭のベンチに座りながら、同じ大学の違う科に通う渡辺曜とランチを食べている。

面倒くさそうな顔をしながら、ハンバーグ定食のハンバーグを食べている曜と対極的に俺はニコニコしながら、千歌お手製の愛妻弁当を食べている。

 

「おいおい、曜は千歌の事大好きだったろ。嫉妬か?」

「確かに、千歌ちゃんの事は好きだけど友達としてだからね。大事な用事があるからって言うから急いで来たのに……」

「でも、そう言いながら付き合ってくれる曜のそういう所好きだよ」

「千歌ちゃんに、陽都にナンパされたって言うよ?」

「それはマジ勘弁して。」

 

千歌は、何か怒ると怖いんだよ……前はあんなキャラじゃ無かったはずなのに……

 

「千歌ちゃんとそんなにラブラブなら、私も良かったよ。不幸にしてたら別れさせる所だよ。」

「お?百合か?好物だぞ…待って冗談だからその怖い目付きやめて」

 

身体が凍りついちゃう。

 

「幸せそうで良かったよ。でも惚気話はやめてね。ご馳走様でした。」

 

とトレーを持ち、片付けに向かって行った。

 

手持ち無沙汰になった俺は、指輪を照明にかざして

 

「よし、午後も頑張るか。」

 

 

 

 

☆ ☆ ☆

 

 

 

「疲れた……」

 

フラフラと帰路を辿っていく。

頼み事やレポート等で色々走り回って大変疲れた。

 

「ただいま……」

 

帰宅の挨拶と共に十千万の玄関の扉を開ける。

 

「あ、よー君お帰り!」

 

開けると同時にこちらに飛んで抱きついてくる千歌をしっかりと受け止める。

そして、にへへと笑う。

これだけで疲れが吹っ飛んでしまう。

 

「千歌、もう疲れたぁ…あのね!美渡姉がね……」

 

その後は愚痴を聞きながら、ご飯を食べ、一緒にお風呂に入り床に入った。

千歌はもう疲れているのかヨダレを垂らしながら、熟睡している。

そんな愛しき妻の髪をさらりと撫でた。

 

高校生の頃から千歌には沢山の物を貰った。

返しても返しきれない程の物を

だから、せめてもの恩返しとして、俺の夢としてこの十千万という旅館を千歌と二人三脚で頑張っていこうと思えた。

明日も大学頑張りますかね。

 

2人の夢であるもっと十千万を良い旅館にしていくために。

照明に照らされた薬指の指輪がキラリと輝いた。




離婚の危機!みたいな失恋チック的なのも面白そうですね。
あと千歌ちゃんが主役の筈が出番が……
ごめんよ…また書くからね……
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