不平等な世界はいらない   作:はすきるりん

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事の始まりは中国、軽慶市。『発光する赤児が産まれた』というニュースだった。

以降各地で「超常」は発見され、いつしか「超常」は「日常」に、「架空(ゆめ)」は「現実」となった。

 

そんな超常社会の中、人通りが少ない路地裏に複数の子供たちが輪になって3人の子どもを囲んでいた。

 

「こいつ無個性なんだぜ!ダッセーよな!無個性は害虫だから俺らが駆除してやろうぜ!」

 

「しかもその弟2人も無個性らしいぜ!」

 

「「マジかよ!それじゃ駆除しなきゃだなー!」」

 

「「「おー!」」」

 

周りを囲むいじめっ子たちはその中心にある3人の子どもに向かって、個性を使って攻撃していた。

その攻撃を3人の中で1番大きい男の子が身を盾にして、弟たちを守っていた。

 

「うぅ…」

 

「兄ちゃん!守んなくていいよ!このまんまじゃ兄ちゃんが死んじゃうよ!」

 

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

 

守られている弟たちは泣きながら、兄の服を引っ張っていた。

だが兄はそれでも弟たちを守っていた。身体中からは傷ができ、血が吹き出していた。いじめっ子たちはまだ子供だからか個性の加減ができてないようだった。

 

「もうやめてよ!なんで無個性ってだけでこんなことするんだよ!…兄ちゃんも僕らもなんもしてないじゃないか!」

 

二番目に大きい男の子、次男の子が今もなお攻撃を続けるいじめっ子たちに訴えた。

兄は無個性故に学校でいじめられていた。そのイジメは日に日にエスカレートしていき目立つ傷もあったのに担任含む教師たちはみんな気付かぬふりをしていた。

 

「お前らが無個性だからだよ!無個性なお前らは生きてる価値がねえ!それにそいつは無個性なくせにヒーローになりたいって言ってたんだよ!困ってる人を助けるヒーローに!って!」

 

「無個性がヒーローになれるわけねえだろ!無個性は夢見てんじゃねえよ!」

 

次々といじめっ子たちは悪口を言いながら長男を攻撃していた。

そしていじめっ子の誰かの個性が、威力を増して長男の頭に直撃し、頭からは血が流れ倒れた。

 

「に、兄ちゃん?兄ちゃん!頭が!血が!おい兄ちゃん!」

 

「お兄ちゃん!死なないで!お兄ちゃん!」

 

次男と三男は止まらない涙をなんとか拭って、兄を起こすため呼び続けるも全く答える気がしない。頭からは血がどんどん流れ顔の色は白くなっていく。

 

それには流石にいじめっ子たちもやばいと思ったのか慌て始めるが、いじめっ子の大将的な子は足で長男をげしげしと蹴っていた。

 

「どーせ気絶しただけだろ?こんなんで死なねえよ!こいつは無個性だけど親はヒーローだからな!体が丈夫なだけがこいつの取り柄みたいなもんだしな!…だから起きろよ!」

 

いじめっ子の大将は今もなお蹴り続けていると三男が足を掴んだ。

 

「もうやめてよ!お兄ちゃんを虐めないでよ!」

 

「無個性が俺に触れんなよ!汚えな!」

 

足を掴まれてた大将は個性を使って脚力を上げると三男を壁に蹴り飛ばした。

大将は壁に少し強く当てるだけの力だったようだが、怒りのあまり脚力を上げすぎて三男は頭を強打した。

ドンっ!と鈍い音がしたかと思えば、当たりどころが悪かったのか、三男も頭から血を流し始めた。

 

「あ…ぁぁ…」

 

次男は三男の方に急いで駆け寄り、傷口を一生懸命押さえた。がそれでも止まる勢いを知らない血はどんどんと地面に流れていった。

 

次男は三男を抱えて長男の方に移動した。2人とも血は止まらず肌は白くなって冷たくなりはじめていた。

 

いじめっ子たちも現場を察したのか、恐怖で腰を抜かしその場に座り込んだ。

 

「起きてよ…2人とも起きてよ…なんで…無個性のなにが悪い!クソ親父もお前らもなんで無個性ってだけでこんなことできるんだよ!なんで!!」

 

次男のその言葉にいじめっ子たちは何か言い返すわけでもなく、ただ怖がって泣いていた

なぜ次男はクソ親父と言ったのか、それはこの兄弟の家庭は父しかいなく、その父はヒーローという職業だった。普段優しく人を助ける地元ではちょっと有名なヒーローだった。だがその父親には裏の顔があり、家では兄弟に暴力を振るっていた。理由は仕事のストレスもあったが、よく兄弟たちに叫ぶように口にしていたのは、

「なんでお前らは無個性なんだ!」

そんなことだった。無個性というだけでヒーローでもある実の親から暴力を、長男は学校でいじめも受けていたのだった。

 

「起きて…1人にしないでよ!無個性だからって…なんで死ななくちゃいけないんだよ!起きてよ…起きて……」

 

長男と三男の瞳からは光が宿っておらず体は完全に冷たくなっていた。

 

うあああぁぁぁぁぁぁぁああ

 

次男はただただ泣き叫んだ。冷たい2人を抱き抱えながら、喉が潰れてしまうんじゃないかと思うぐらいしばらくの間叫び続けた。

 

「…おかしい…おかしいよねやっぱり。優しい2人が死んで、お前らみたいなのが生きてるのはおかしいよ。そうだ…駆除しよう。僕の家族を傷つける奴は駆除しなきゃ」

 

次男は泣き止むと、手のひらから変わった形のナイフを出現させた

いじめっ子たちは恐怖で声は出ず、涙を流す子や、失禁する子がいた。

次男はそんな子供たちを、絶対零度のような冷たい目で見ていた。

 

「僕は兄さんが大好きだったから。兄さんを傷つけると思ってこれは誰にも言わなかった。だって僕には兄さんたちがいればよかったから、こんなの必要なかった!だけど…もうどーでもいいや。最初に言っとくけどこれ、僕にも制御できないから」

 

すると次男は出現させたナイフを使って自分の首を切った(・・・・・)

次男は切った首から血が吹き出すとその場に倒れた…が切った傷から花弁が出て舞いはじめた。

すると次の瞬間次男は立ち上がった。

 

いじめっ子たちはみんな恐怖のどん底に叩き落とされたような絶望の表情をした。

それはそうだろう、首を切ったら本来死ぬはずなのに、次男は生きているのだから

 

「ば、ばけもの…」

 

いじめっ子の誰かが呟いた。だが次男はそれを無視し、順番にいじめっ子たちの顔を見ていった。

 

「…お前ら全員………死んじゃえよ」

 

すると地面から鋭い串のようなものを出していじめっ子全員を串刺しにし吊るし上げた。その場は血の雨が降り次男は血だらけになった。

そしてその場所に大人が2人来た。

 

「な、なんなんだこれは」

 

「まさか…お前、シロか?お前これは一体…なにを…」

 

そこにはヒーローが2人、うち1人は自分たちの親だった。

この状況を聞かれた次男のシロは血だらけの状態で父親の顔を見ると、

 

「こいつらが僕たちを虐めて2人を殺した。だから僕は、僕の家族を奪ったこいつらを駆除したんだよ?無個性は駆除だって言ってたからやり返したの。僕はなにも悪くないよ?…悪いのは2人を殺したこいつらだ…ねえお父さんもそう思うよねぇ?」

 

シロは真顔で淡々と答えた。その目はもはやなにも写していなかった。

 

「お前は取り返しのつかないことを…お前が殺したのか?…個性が今発現して暴走で家族だけでなく周りの子も!お前のそれは敵と同じだ。よってヒーローである俺がお前を捕まえるぞ」

 

父親はそう言ってもう1人のヒーローに警察を呼んでもらうよう指示を出した。

 

「…え?違うよ?なんでそうなるの?お前はなにも知らないからそんなこと言うんだ。ヒーローのくせになにも知らないから……あ、そっかこいつは家族でもヒーローでもじゃない…家族はもういない…それじゃこいつらはなに?……家族でもなければヒーローでもない…もしかしてこいつらと同じで僕たちを殺す?それだけはだめ…家族は守らなきゃ…僕が…僕が守らなきゃ!家族を守らなきゃ…そのためには殺さなきゃ…殺すんだ…殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す」

 

シロは壊れたおもちゃのようにただずっと同じ言葉を呟き始めた。そんな異常性から2人のヒーローは急いでシロを取り押さえようと飛び出す。

 

「…………死ねよ!」

 

シロは先ほどと同じように地面から鋭い刺を出して2人のヒーローを串刺しにした。

 

シロの周りには地面から無数に生えた真っ赤に染まる刺しかなかった。死んだ2人の家族をずっと抱いていると、シロの前に立つ者がいた。

 

「これは君がやったのかい?」

 

「うん…家族を殺したから僕が駆除した」

 

返したからして男だろう。シロはなんとか冷静になるとその男の顔を見た。

 

「…僕の顔は怖いかい?」

 

「別に…僕はもうなにも怖くない。僕はずっと家族がいなくなることだけが怖かった、だけどそんな家族ももういないから…もう僕は生きる意味がない…家族を失った僕はもう生きたくない…」

 

シロは虚無を見つめながらポツポツと呟いていった

 

「そんなことを言ってはいけない。君はまだ子供なんだ。家族がいないことが嫌なら…僕と家族にならないかい?兄が2人ほどいるけどきっと君と仲良くなれる」

 

そう言って男はシロに向かって手を差し出した。

 

「家族…」

 

「そう。僕と2人の子供たちが君と家族になろう。決して君を1人にしない、君は生きていいんだ」

 

「僕は…生きてていい…家族…僕はもう…1人になりたくない!」

 

シロは男の手を取った。

 

「改めてよろしくね。えっと「夜桐シロ」夜桐シロくん。僕の名前は…オール・フォー・ワン。今日から僕たちは家族だ」

 

こうしてシロは、悪の帝王であるオール・フォー・ワンと家族になった。




名前: 夜桐シロ (ヤギリシロ)
個性: 輪廻の集 (リンネノシュウ)
容姿: 175cm(雄英襲撃時) 瞳→赤 髪→綺麗な銀髪(目が隠れるぐらいは長い)
イケメン 普段パーカーやロングコート着てる
性格: 基本落ち着いてる…? 自覚ないが戦闘狂、ヴィラン連合のみんな結構好き 女顔ゆえに性別を間違えられることが悩み

個性能力
自らの首を切ることで発動する。切ったところから花びらが舞っている
『リンカネーションの花弁』のキャラ達の才能が使える。
(オリ才能入れるかも)
才能を切り替えたり複数同時の才能を使える。
個性が使えるのは1日1時間の制限付き。
さらに強威力な才能は同時には使えない。
※盗人の能力は主にコピー系にしますね(強すぎなので)

(リンカネーションの花弁を知らない方は、いろんな個性能力が使えるぶっ壊れだと思って下さい)
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