征服者ー皆さん、ゲームの時間ですー   作:火壁

1 / 2
モチベーションがアレになったので短編でつなごうと思います。十話で終わると思いますがお付き合いください。


GAME START

物語における主人公とは悪意に負けず前を向き立ち向かう者だと思う。それを考えると僕はそれに該当する器じゃない。

 

 

 

 

 

 

 

でもこれは、この日起こった()()は、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

少なくとも僕を前に進める切っ掛けになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それがたとえどんな結末を迎えたものだとしても。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはこの僕、小野智司(おのさとし)が体験した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

狂気に立ち向かう人たちの記録だ

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

いつものように流れる昼休みの学校の風景。カースト上位のグループは教室の一角を占拠し、女子たちは各々のグループで姦しく騒いでいる。

 

僕はいつものように昼食をとった後、図書室に行ってお気に入りの小説を読んでいる。

 

……別に教室にいるのが居たたまれない訳じゃない。

 

最近のお気に入りはホラー小説。アメリカ発祥のホラーは日本と違ってただやられるだけじゃないし怖いのが苦手な人でもまだ楽しめると思う。

 

「よお、やっぱりここにいたか小野」

 

秋葉(あきば)君。別に僕がどこにいても僕の勝手だろう? 教室にいるよりずっとマシだよ」

 

「それあいつらが聞いたら調子乗るなって殴りに来そうだな。聞かれないようにしろよ?」

 

「そうする。僕だって痛いのは嫌いだし」

 

僕の友人である秋葉智一(あきばともかず)と談笑を交えながらグループへの愚痴をこぼす。この時間は教室にいたグループとも会わなくて済むし、静かな時間を堪能できる。一人や少人数の時間は良い。喧噪を聞かずに済むし、窓から吹く風が心地良……ここ……ち……?

 

「今日は風強いな。ページが一気に飛ばされてら」

 

「そ、そんなぁ……」

 

肩を落としながら窓を閉める。このまま風を感じるのもいいけど他の生徒の迷惑になってもいけないし、本の続きも読みたいし。

 

そんな折、秋葉君が楽しそうに話してくる。

 

「てか知ってるか? ()()()()()の噂」

 

「殺人ゲーム? FPSかなんか?」

 

(ちげ)えよ。なんか二ヵ月前にヨーロッパの方で四回くらい起きた大量殺人事件だよ。で、起きた場所が学校だったり会社だったりって人の集まる場所なんだってさ」

 

「へー、でもなんでそんな事起きたんだろうね」

 

「何でも事件の首謀者は自分の事を『コンキスタドール』って呼んでそこにいた人たちに自分がゲームマスターのゲームをさせるんだってよ。

 

そしてそれの参加者は一人を残して全員死んでしまうとか」

 

「コンキスタドール……征服者か……でも噂なんでしょ? 実際に起こった訳じゃ」

 

「いや、ヨーロッパで起きたのは本当らしい。しかも犯人はまだ捕まっていないんだ」

 

「ええ! でもそんな事件警察が黙ってないんじゃ……」

 

「ああ、正に今全世界で指名手配がかかってる。懸賞金は一千万ドル。どんな犯罪者だってここまでの懸賞金はそうそうかけられてねえぜ?」

 

「一千万ドル……日本円で……じゅ、十億!?」

 

「図書室ではお静かに!」

 

「わ! す、すいません……」

 

怒られてしまった。まあ声を上げたのは僕だけど、秋葉君が原因なのに……

 

「怒られてやんの。で、話を戻すけど日本の警察組織も当然捜査を始めたわけだ。それで俺の父さんから聞いたんだけど、日本にMI6やFBIなんかの海外組織が捜査に来てるらしいぜ」

 

「てことは……そのコンキスタドールが日本に?」

 

「ネットじゃあ可能性は高いって。ま、噂だし本当だとしてもここに来る訳ないだろうさ」

 

そう言いながら秋葉君は「来るんだったらあいつら殺してくれねーかな」と零していた。不安はあるけど秋葉君の言うように都心ならまだしもそこからとても離れているここに来る理由がない。もしそのコンキスタドールが快楽殺人者のような殺す事に意味を求めるならやっぱり人が多い方が良いだろう。

 

でも秋葉君本当に彼らが嫌いだなあ。僕も苦手だし、梶村(かじむら)君をいじめていたのもあるけど、僕としては卒業した後に関わることが無ければそれでいいな。そんな事を考えていると昼休み終了のチャイムが鳴る。結局続き読めなかったや……。

 

「っと、まあコンキスタドールと出くわすなんて有り得ないって。じゃあ放課後な」

 

「うん、また放課後」

 

 

 

 

五時間目の授業だけどそれをまともに聞いているのは半分もいない。小声でおしゃべりしていたり、隠れてスマホをいじっていたりと先生もそれを無視している。こういうの本当に何とかしないのかなあ。

 

「さて、theに比較級と主語と動詞の文を二つ使うことで『すればする程~する』という文になる。ここテストに出すからスマホ弄ったりお喋りする暇があるならメモっとけー」

 

先生の気力のない声に応える声はなく、目の前の生徒も先生を馬鹿にするような事を話している。これもいつもの日常だ。いつもの

 

ジリリリリリリリリリリリリリリリ!!!

 

「「「「!!!」」」」

 

これは……避難訓練でなった警報!

 

「おい、今日って訓練あったっけ?」

 

「朝はそんな事言ってなかったよな」

 

僕もそんな事聞いた覚えはない。聞きそびれないようにしていたけど避難訓練の報告はなかった。って事は

 

『校内に凶悪犯が侵入! 全校生徒と教師は慌てずに避難経路を通り避難してください! これは訓練ではありません! これは……

 

ヒッ……やだ……やめtヒギャッ!!

 

ぐちゃり、と肉が潰れるような音と共に放送していた先生の声が途切れる。その後間の抜けたような機械音が流れた。

 

あーあー、皆さん聞こえていますでしょうか。こちら『人類ゲーム協会』ゲームマスター

 

コンキスタドールでーす

 

人類ゲーム協会? ってコンキスタドール!? 昼休みに秋葉君が言ってた……でもなんでこんなところに!

 

「なんだこれ。もしかしてテレビ? うっおおおおテンション上がってきたあ!!」

 

「でもヒギャって言ってたぞ? 何かあったんじゃ」

 

「ばっかおめえドッキリだよ。先生には言ってて俺たちに伏せてリアクションを撮ろうって魂胆だって。先生、もっかいやってもらえるよう言ってくれません? 今度は上手く演技するんでwww」

 

「い、いや先生も聞いてない。テレビが入るなら少なくとも一週間前にはこちらにも伝えるはずだ」

 

「はあ? てことは先生もドッキリ対象なのかよ。あーあもうちっとリアクションしたかったんだけどなぁ、つまんねえ」

 

そんな風にこれはドッキリだというが恐らくヨーロッパの事件や噂を知らないという事なんだろう。

 

コンキスタドールという名が本当なのだとしたらこれから始まるのは

 

「どうしたんだ小野? 凄い冷や汗掻いてるけど」

 

「うぇ!? な、何でもない! 何でもないようん!」

 

「そんなどもってりゃそれが嘘だってすぐバレるぞ。何があったんだよ」

 

「え、ええと……」

 

言葉に詰まる。コンキスタドールが本当だと秋葉君は言っていたけどネットの情報自体がデマだとしたらただ混乱を招く事になる。でもこのまま何も話さずコンキスタドールが本当だとしても混乱は避けられない。どうすれば

 

「おい早く言えよ!」

 

「もったいつけてんじゃねえ!」

 

僕が言わない事に痺れを切らした皆が急かしてくる。そう言ってもさっきの声もあるし本物な気もするけど違ったら? そう逡巡しているとまた音声が流れる。

 

えーニュースを見ている皆さんなら私の事を存じていると思いますが、

 

私はヨーロッパ四ヶ所で起きたゲームの首謀者でーす

 

……音声から流れる台詞に僕は戦慄した。コンキスタドールは実在して、今僕たちの学校にいて、これから殺人ゲームが始まる。現実じゃないような感覚に血の気が引いてくる。

 

「ゲーム? 何の事だ?」

 

「……秋葉君が言ってたんだけど、二か月前に四回あった大量殺人事件……その首謀者がコンキスタドールって名乗ってたって」

 

「つまりあいつは、その殺人鬼だってのか!?」

 

「確証はないけど……本物だとしたら、僕たちは一人になるまで殺され続ける……」

 

「おいなんだよ、ふざけんな!」

 

そういって僕の胸倉を掴みかかる。僕だってふざけるなって言いたいのに……。

 

今回こちらに来た理由ですが、皆さんには

 

鬼を倒してもらいます

 

鬼を倒す……? 殺し合ったり自分が殺しに行くんじゃないの? その答えはすぐに帰ってきた。

 

鬼の数は、さんたーい。制限時間は七十二時間。それを過ぎたらゲームオーバーですー。では

 

 

 

 

 

 

 

ゲーム スタート

 

すると天井から吊り下げられたテレビに72:00:00と表示されカウントダウンが始まった。

 

こうして、僕たちは

 

 

 

 

命を賭けた戦い(殺人ゲーム)に身を投じる事になったんだ。

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「おい、殺し合うんじゃなかったのか?」

 

「いや、僕も全て知ってる訳じゃないし……事件では一人残して全員死んだとしか聞いてなくて」

 

「ッチ……使えねえな。兎に角鬼を倒せばいいんだろ。やってやろうじゃねえか」

 

舌打ちしながら鬼を倒すと意気込んでいるクラスの問題児足立宏伸(あだちひろのぶ)君は鞄の中からメリケンサックを取り出して指にはめ込んだ。大量殺人をこなすような殺人鬼にそんなもので足りるのか。

 

「いけーひろちー! お前の力見せてやれー!!」

 

「足立なら余裕だぜ!」

 

「あいつって他校の不良十七人をまとめてボコしたんだってな? ならどんな奴でもやっつけちまうな!!」

 

「俺はヤクザのアジトを爆破したって聞いたぜ? まあなんにせよ足立に任せておけば余裕だよな」

 

皆口々に足立君を祀り上げ自分たちに火の粉が降りかからないようにしている。でもその鬼が何者か分からない。人間でもリミッターが外れるとどんな恐ろしい事も平然とやるらしい。実際に見たことはないけどそれが本当なら常人に太刀打ち出来る訳がない。

 

でもここでそれを言って皆が僕を生贄にするように話が進んじゃいけない。僕は空気のように気配を消す。ずっと皆と話してこなかったから皆が僕を認識しないよう隅に隠れる為に身につけた特技だ。

 

今まで問題に関わらないようにする為に身に着けていたけどまさか自分の身を命掛けで守る為に使うことになるなんて……。

 

そのまま僕は教室をこっそりと抜け出して秋葉君のいる隣の教室を覗く。そこには秋葉君が知っている情報を皆に伝えている姿が見えた。良かった。まだ生きて……!

 

「何か……いる……!」

 

素人の僕でも分かる程の殺気が下の階から伝わってくる。まるで心臓を鷲掴みにされたような恐怖が姿が見えなくても身体が動かせなくなる。

 

「に、逃げなきゃ!」

 

ここは二階、下の階で人がいる場所は職員室と用務員室。それにコンキスタドールがいるであろう放送室だろう。まだ足音や悲鳴が聞こえない事から先生たちは逃げおおせたか先生たちは参加者とされていないのかな、兎に角鬼に見つからないように反対側に行って階段を確認する。

 

「……まだ見えない。さっきよりは殺気が消えた。反対側に向かったのかな。秋葉君に連絡入れなきゃ」

 

スマホを開いてLINEで秋葉君に外に逃げるように伝える。でも秋葉君は外に出られないように工夫しているはずだと言われてハッとした。そうだよ。逃げるということをさせないようにしているに決まってる。玄関が開いてもその先に何かあるはずだ。下に行かなくて良かった……。

 

まだ殺気は感じない。鬼も見えないから大丈夫だと思う……でも

 

「あの角が凄く怖い……!」

 

というか僕なんで一人で行動しているんだ! ホラーものでソロなんて死亡フラグの代名詞じゃないか! 戻ろう。人が多い方が死ぬ可能性が減る……

 

うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!

 

「!!」

 

誰かの悲鳴が聞こえた! 声音からして先生、それも中年っぽいから多分氏原(うじはら)先生だ!

 

「助けに……いや僕が行って何になる? 何も出来ずに死ぬだけならこのまま……」

 

思考を巡らせていると僕のクラスのドアが開く。

 

「鬼が来たかあ! よし、ぶっ殺してやるぜえ!!」

 

意気揚々といった面持ちで足立君が悲鳴のした方へ走っていく。それに続いて彼の取り巻き六人も武器になるものを持って走っていった。それに気づいてか秋葉君の教室のドアも開き、秋葉君が僕に気づいた。

 

「小野! 大丈夫だったか!」

 

「秋葉君! 足立君たちが……勝てると思う?」

 

「いや、今までの事件だって何らかの手段で戦ったとは思うけどそれでも一人しか生きられなかった。それはつまり」

 

「普通の手段じゃ勝てない。若しくは本当に一人になるまで殺し合わないといけないってこと……?」

 

「かもしれない。でもまずは足立たちを追いかけよう!」

 

「う、うん!」

 

怯えながらも僕たちも足立君を追いかけ悲鳴がした方の教室『科学室』に入る。でもそれは

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

地獄の扉を開くに等しい行為だったんだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何……これ……?」

 

「これが……()?」

 

それは二メートル五十センチ程の巨体を鎖やプロテクターのような装甲を身に着けてそれとミスマッチと言わんばかりにエプロンには可愛らしいクマのワッペンがあしらわれている。顔は布袋で隠されているけど内側から滴る液体はすぐに血液だと分かってしまった。鬼の腕は僕の太ももくらいの太さでそれは氏原先生の首を締め上げていた。

 

「ぐ……ぐぎぎ……」

 

「……」

 

鬼は何を言うでもなく空いている手で持って来ていたであろう肉切り包丁を取り

 

 

 

 

 

きゃぶっ!!

 

 

 

 

 

 

先生の首をいとも簡単に切り落とした。

 

「……え?」

 

「嘘……だろ……?」

 

先生の身体は力なく崩れ落ち、そこに血だまりをつくった。僕も秋葉君も現実離れした事態に付いていけなくなっていた。

 

それがいけなかったんだ。

 

……

 

うわあああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

 

足立君の取り巻きがそう叫んだのを皮切りに皆蜘蛛の子を散らすように逃げたした。足立君自身は辟易したようにこちらを睨みつける。

 

「へっ、氏原を殺したからなんだってんだ。こちとら暴走族十人まとめてぶっ殺したんだよおおおおおおおお!!!」

 

取り巻きの人が落としていった釘バッドを持ち、足立君が鬼に向かって駆けだす。身長百八十の彼でも七十の身長差は圧倒的でここでの突撃は蛮勇にしか見えない。

 

「おい止めろ! 死ぬぞ!!」

 

「へっぴり腰が抜かすんじゃねえ! いくぞおらああああああああああ!!」

 

足立君の釘バッドを勢いよく振り下ろし鬼の胴に釘が深く突き刺さったバッドを鬼を蹴り飛ばすように引き抜くが

 

「! は、放しやがれ! このっ、くそっ!」

 

バッドを力強く握る鬼の手は微動だにせず、足立君は拳で抵抗を示す。

 

「あ、秋葉君。今のうちに逃げよう! このままここにいたら……」

 

「だけど足立は! あいつを見殺しにするのか!」

 

「でも……!」

 

そう言い争っているのも束の間、遂に鬼が動いた。

 

「うお! おいやめろ! 放せ!」

 

足立君の腕を掴み、人形のように持ち上げる。布袋に穴は開いていなかったけどまるで見えているように首を傾げる。仕草からまるで

 

「子供……みたいだ……」

 

「はあ? あいつがガキだってのか?」

 

「というより精神の話。今だって知らないものを見つめるみたいな、そう……トンボやバッタを捕まえて観察するみたいな……」

 

「待てよ……つまりこれからあいつがやろうとしてる事って……」

 

そう言いながら僕たちは顔を見合わせて青ざめる。このままだとマズい! そう思っている時にはもう遅かった。

 

「うあああああああああああ!! やめ、やめろ! やめろってこの! ふざけんな!」

 

足立君の両腕を掴んでいた鬼は子供がロボットの玩具(おもちゃ)を扱うように反対側に引っ張っている。足立君の腕も筋繊維がミチミチと悲鳴をあげているようだ。

 

「ああああああああぁぁああああああああぁあぁあぁぁあぁあぁあぁああああああああああ!!! クソ! 殺す! てめえ絶対に殺してやる! その達磨(だるま)みてえな顔ぐちゃぐちゃに踏みつぶしてやるからなああああああああああああ!!!」

 

そう罵声を浴びせているけど正直言って限界だろうというのは明白だ。鬼ははしゃぐように足立君を振り回す。

 

そしてその時がきた。

 

 

 

 

 

 

ブチィッ……!

 

 

 

血しぶきが僕たちの顔にかかる。血糊が眼鏡にかかり目の前が真っ赤に染まった。

 

「あ……ああ……」

 

足立君の腕があったところは血液が流れ足立君も泡を吹いて痙攣している。

 

鬼は足立君を振り回し、その場で小躍りしだしている。

 

「逃げよう……秋葉君!」

 

「あ、ああ!」

 

僕たちは鬼が足立君に注意が向いている隙に科学室から抜け出した。心臓がうるさい。思考するために酸素を供給しようともそもそも思考がまとまらない。このままだと死ぬのは間違いないけど、どうやって切り抜ければいいんだ……!

 

「……とりあえずすぐに出られないように扉につっかえ棒で止めとくか。先生に鍵借りて……何とかなるか?」

 

「それよりもバリケードをつくろう。簡単に出られないようにしておけば倒し方を模索する時間が出来る」

 

「……そうだな」

 

こうして僕たちは急いで科学室に椅子やら机やらで急ごしらえのバリケードを設置して、各教室で鬼の倒し方、コンキスタドールが何者かを考え始めた。

 

「嘘だろ……足立が死んだなんて……」

 

「お前、なんで助けなかったんだよ!」

 

「僕だって死にたくないよ! 作戦を考えて、道具を集めて、やっと倒す確率が出てくるような怪物をどうやってステゴロで倒すって言うんだ!!」

 

ここにいる皆はあの鬼の恐ろしさを知らないからこんなに僕を責めるけど実物を見て同じ事が言えるのなら是非そいつに倒して欲しい。

 

「兎に角どう倒すか考えよう! 少なくとも出てくる鬼は三体! 一体だけじゃないんだから」

 

「ふざけんな! どうして殺す前提なんだよ! 俺は帰る! お前は無駄にその鬼を殺す方法でも考えてろ!」

 

そういって何人かが教室から出ていく。でも今までの事件でも同じことをやっていた人がいないわけがないんだ。だから僕も秋葉君も一緒に考えた時にその案は真っ先に捨てたのに……

 

そんなことはつゆ知らず、皆が玄関に向かいその扉を開く。でもやはりというかいつの間にやったんだというか

 

「なんだよ……これ……」

 

グラウンドを含めた校舎の周りを囲うように高さ三メートルのフェンスが立てられていた。

 

僕たちはもう、ここから逃げられない。

 

鬼を全て倒すまで。

 

 

 

残り時間:七十一時間二十二分

生存者:八百十四人

鬼:三体




こんな感じで書きます。本当はもう少し書きたかったけど設定練り上げないといけないので次回に回します。では次回も読んでやってください。

キャラクター紹介

小野智司(おの さとし)
高校二年生。俗にいう陰キャで臆病な性格。本から得た知識でメタい部分から今回のゲームを攻略していく主人公。

秋葉智一(あきば ともかず)
小野の友人。高校からの仲だが普通の幼馴染より仲いいレベル。口では悪く言いながらも人を見捨てない正義感が強い子。普通ならこっちが主人公。

梶村浩平(かじむらこうへい)
高校入学からいじめを受けて引きこもりになった小野の幼馴染。小野は今でも家に行って様子を見ようとするが一向に梶村は心を開こうとしていない。


ヨーロッパで起きた大量殺人事件

イタリアの大学、フランスの中小企業、ドイツの工場、スペインのデパートで起きた大量殺人事件。規模は米国の同時多発テロや地下鉄サリン事件の比ではなく、死者五百人を超える事件となった。小野や高校の生徒が知らないのは日本ではそこまで大きく取り上げられていないためである。理由としては色々あるが事件の凄惨さにメディアが取り上げる事を渋ったのである。これにより事件を知る日本人は警察組織や政治家、趣味で事件やニュースを見る者に限定されてしまった。犯人は自身を「コンキスタドール」と名乗り。犯人はイタリア人ではないかとされている。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。