だらだらと伸ばすのもあれなのでいい加減アンケートを終えます。
皆様の投票の結果、ミレディの追加が決定しました。皆様あんなどうでもいいアンケートに投票してくださりありがとうございました。
オリ主が鱗滝左近次になってしまった……そして安定の駄文です。
キャラ紹介忘れてました。まあこいつならいいか。
キャラクター紹介
名前 天之河光輝
性別 男性
年齢 17歳
身長 178cm
体重 68kg
天職 勇者
得意武器 剣
得意属性 全属性
好物 膵花の弁当(勝手に食べる)
ご存知おバカ勇者。三大女神の中で膵花を一番気に入っているようで(度合は三人共あまり差はない。)、膵花といつも一緒にいる来を敵視している。過去に決闘を申し込んだが、あっさりと破れてしまった。
性格は来と少し似て誰にでも優しいが、光輝の優しさは一度きりで何の解決にもなっていないことが多い。自分の力を正しく把握できていないうえに自分にとって都合の良いようにしか考えることができないという致命的な玉の傷がある。
本作でも安定のバカっぷりを披露した光輝。武器は原作と同じく王国の所有するアーティファクト、〝聖剣〟を使用する。
フェアベルゲンを追われた来率いるハウリア達は大樹近くに拠点を構えていた。拠点とは言ってもさり気無く解析して複製してきたフェアドレン鉱石で結界を張っただけの粗末なものだが。
「さて、今から君達に戦闘訓練を受けて貰う」
その中で切り株や石に腰掛けながら、ハウリア達はポカンとした表情を浮かべていた。
「え、えっと……来さん。戦闘訓練というのは……」
困惑する一族を代表してシアが尋ねる。
「読んで字のごとくだ。大樹へ向かうには十日待たなければならない。その間に
「な、なぜ、そのようなことを……」
「いいか、僕が君達を守れるのは大樹への案内が終わる時までだ。僕の庇護を失った瞬間、君達の人生は終わったも同然。逃げ場も隠れ家も庇護もない、魔物も人間も容赦なく襲い掛かる。悪意や害意に対して逃げるか隠れるかしかできない君達では確実に淘汰される。弱さを理由に淘汰されることを受け入れるか? 一度拾った命を無駄に散らすか?」
誰も言葉を発さず重苦しい空気が辺りを満たす。そして、ポツリと誰かが零した。
「そんなものいいわけがない」
その言葉に触発され、次々と顔を上げていく。シアは既に決然としていた。
「そうだ、受け入れたくないだろう。ならば、どうすればいいか。簡単なことだ、強くなれ。襲い来る数多の障壁を破り、自らの手で生きる権利を掴み取れ」
「……ですが、私達は兎人族です。虎人族や熊人族のような強靭な肉体も翼人族や土人族のように特殊な技能も持っていません……とても、そのような……」
自分達の弱さが、来の言葉に否定的な感情を生む。弱い、戦えない、どんなに足掻こうが来の言うように強くなんてなれるはずがない。
「これでも僕はまだまだ弱いし、親友はかつての仲間から、〝無能〟と呼ばれ、虐げられ、蔑まれてきた」
「え?」
「親友、南雲ハジメはステータスも技能も平凡極まりない一般人。仲間内で最弱。僕の指南が無ければ足手纏い以外の何者でも無かった」
ハウリア達は皆、驚愕を表にする。ライセン大峡谷の魔物、戦闘能力に優れた熊人族の長老を瞬殺する程の実力の持ち主が〝弱い〟、親友が最弱と、誰が信じようか。いや、信じないだろう。
彼がまだまだ弱い、これはまだ伸びしろが残っていることを意味する。今でも十分に強いのにこれ以上強くなったらトータスでは誰も彼に敵わなくなるかもしれない。
「僕でさえ幼い頃はかなり弱かった。大切な人を一度失ってから死ぬほど剣術の修行をしてきた。数多の修羅場をくぐって来た。……その結果が今の有様だ。ハジメも厳しい鍛錬に耐え、力を付けた」
淡々と語られる内容に、しかし、あまりに壮絶な内容にハウリア族達の全身を悪寒が走る。一般人並のステータスということは、兎人族よりも低スペックだったということだ。とても弱かったかつての少年が、自分達が手も足も出なかったライセン大峡谷の魔物より遥かに強力な化物達を相手にして来たというのだ。実力云々よりも、実際生き残ったという事実よりも、親友が最弱でありながら、厳しい指南で戦力を大きく上げたことにハウリア族は戦慄した。自分達なら絶望に押しつぶされ、諦観と共に死を受け入れるだろう。長老会議の決定を受け入れたように。
「君達の状況はかつてのハジメと似ている。約束の内にある今なら、絶望を打ち砕く手助けはできる。全滅してもいいのなら、無理だと言ってくれて構わない。約束を果たしたら確実に君達を守り切る保証はできない。それで、君達はどうしたい?」
自分達が強くなる以外に生きる術はない。来だって何時まで樹海に留まるかわからない。故に確実に守って貰える保証など、何処にも無い。そうは分かっていても、温厚で平和的、心根が優しく争いが何より苦手な兎人族にとって、来の提案は未知の領域に足を踏み入れるに等しい決断だ。心は簡単には変わらない。
黙り込み顔を見合わせるハウリア族。しかし、そんな彼等を尻目に、先程からずっと決然とした表情を浮かべていたシアが立ち上がった。
「やります。私に戦い方を教えてください! もう、弱いままは嫌です!」
樹海の全てに響けと言わんばかりの叫び。これ以上ない程思いを込めた宣言。シアとて争いは嫌いだ。怖いし痛いし、何より傷つくのも傷つけるのも悲しい。しかし、一族を窮地に追い込んだのは紛れもなく自分が原因であり、このまま何も出来ずに滅ぶなど絶対に許容できない。とあるもう一つの目的のためにも、シアは兎人族としての本質に逆らってでも強くなりたかった。
不退転の意を眼差しに宿し、真っ直ぐ来を見つめるシア。その様子を唖然として見ていたカム達ハウリア族は、次第にその表情を決然としたものに変えて、一人、また一人と立ち上がっていく。そして、男だけでなく、女子供も含めて全てのハウリア族が立ち上がったのを確認するとカムが代表して一歩前へ進み出た。
「来殿……宜しく頼みます」
少ない言葉に秘められた、固い意志。襲い掛かる理不尽と戦う意志だ。
「ハウリア族、お前達を認める。だが、これから待っているのは苦行だ。投げ出しても引き留めなどしない。期間は十日と短いが、死に物狂いで訓練に励め」
来の言葉に、ハウリア族は皆、覚悟を宿した表情で頷いた。
訓練初日。
来は、ハウリア達に〝八咫〟から取り出した小太刀と和服を手渡した。いずれ新たな仲間が出来た時のために鍛冶の練習も兼ねて打った打刀だ。錬成の力を借りずに自力で打ち上げた刀で、舞鱗程ではないものの、切れ味は抜群である。そしてタウル鉱石製なので衝撃に強い。細身ながら折れず、曲がらず、よく切れるその性能を誇る。和服の方は、破れてしまった自分の和服の代用品として大量に試作していた。ちなみに、来も申し訳程度に繕った自分の和服に着替えている。
ハウリア族は高い隠密性と索敵能力を持っている。そして動きも素早い。指南役の来は武術に秀でている。ハウリア達の強みを最大限に活かせる武術、それは来が最も得意とする抜刀術である。抜刀術なら、茂みに隠れてもあまり目立たず、突進と共に敵を斬ることができる。おまけに武器の摩耗も抑えられる。抜刀術はスピードが命。故に、ハウリア達の強みを引き出すのに最も適した剣術なのだ。他にも基礎的な剣術を身体に覚えさせる。
シアに関しては抜刀術に加え、来が専属で魔法、妖術、幻術の訓練をしている。亜人でありながら魔力があり、その直接操作も可能なシアは、知識さえあれば魔法陣を構築して無詠唱の魔法が使える。特訓は順調だった。
訓練二日目。
この日は適度に弱らせた魔物をハウリア達に倒させていた。抜刀術の腕前を確かめるにはいい訓練だ。だがここで、最大の壁が立ちはだかった。
「ああ、どうか罪深い私を許してくれぇ~」
一体の魔物を居合で斬り捨てたハウリアの男が殺した魔物に縋りついた。
「……」
また魔物が一体、打刀の錆となった。
「ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! それでも私はやるしかないのぉ!」
首を裂いた打刀を両手で握り、わなわなと震えるハウリアの女。
「……」
瀕死の魔物が、最後の力を振り絞って己に深手を負わせた相手に一矢報いる。カムは体当たりで吹き飛ばされた。だが魔物の方は、傷の深さが祟り、直後に力尽きた。
カムは少し自嘲気味に呟く。
「ふっ、これが刃を向けた私への罰というわけか……当然の結果だな……」
その言葉に周囲のハウリア族が瞳に涙を浮かべ、悲痛な表情でカムへと叫ぶ。
「族長! そんなこと言わないで下さい! 罪深いのは皆一緒です!」
「そうです! いつか裁かれるとき来るとしても、それは今じゃない! 立って下さい! 族長!」
「僕達は、もう戻れぬ道に踏み込んでしまったんだ。族長、行けるところまで一緒に逝きましょうよ」
「お、お前達……そうだな。こんな所で立ち止まっている訳にはいかない。死んでしまった彼(小さなネズミのような魔物)のためにも、この死を乗り越えて私達は進もう!」
「「「「「「「「族長!」」」」」」」」
(初日からずっと思っていたが、弱いとかそういう以前の問題だこれは……初日は大目に見たが流石に二日連続とはいかない……)
いい雰囲気のカム達に、平手打ちが入った。ほとんど同時に音が響き、まるで落雷のような轟音となる。
「「「「ひぃっ!!」」」」
「どうしたんだ?」
「いや、何処かで
「そう、まるで
「ん。ハジメ、この気配に覚えはある?」
「さあな、分からん(ひょっとして
「情けが深すぎる。そして鈍い」
ヒリヒリと痛む頬に手を当てながらやれ「そうは言っても……」だの「だっていくら魔物でも可哀想で……」だのブツブツ呟くハウリア達。
「お前達は兎に角情けが深すぎる。魔物を殺す度に大袈裟な芝居をするな。今の平手打ちに反応できなかったのは何故か? お前達の情けが深すぎて周りが見えていなかったからだ。襲い掛かる魔物の前に為すべきことは二つ。情けを捨てる。戦い以外のことを戦いの最中に考えない。強敵と戦うというのはそういうことだ。しかし自らの情けで仲間の首を絞めるということは絶対にあってはならないと肝に銘じておけ。情けをかけたが故に仲間が犠牲となる、それだけは絶対にあってはならない。僕の言っていることが解るか?」
「「「「「「「「「……はい」」」」」」」」」
見かねたハウリアの少年が来を宥めようと近づく。ライセン大峡谷でハイベリアから救った少年で、特に来に懐いていた。
しかし、進み出た少年は来に何かを言おうとしたところで突如、その場を飛び退いた。
「どうした」
少年はそっと足元のそれに手を這わせながら来に答えた。
「あ、うん。このお花さんを踏みそうになって……よかった。気がつかなかったら、潰しちゃうところだったよ。こんなに綺麗なのに、踏んじゃったら可愛そうだもんね」
来は無表情だが、顔には青筋が浮かび上がっていた。
「うむ、花か」
「うん! 来兄ちゃん! 僕、お花さんが大好きなんだ! この辺は綺麗なお花さんが多いから訓練中も潰さないようにするのが大変なんだ~」
ニコニコと微笑む少年。周囲のハウリア達も微笑ましそうに少年を見つめている。
「……時々、お前達が妙なタイミングで跳ねたり移動しているように見えたが……この少年の言う〝花〟とやらを避けていたのか?」
確かに、訓練中にハウリア達は妙なタイミングで歩幅を変えたり、移動したりしていた。次の動作に繋がっていたので、間合いを探るためかと大して気にも留めていなかったが。
「いえいえ、まさか。そんな事ありませんよ」
「そうか、どうやら僕の思い違い……」
「ええ、花だけでなく、虫達にも気を遣いますな。突然出てきたときは焦りますよ。何とか踏まないように避けますがね」
ハウリア達に少し緩んだ表情を見せる来。ハウリア達も安心した表情を見せた。だが、来の姿が一瞬ブレた後、べちん(ぺちん)、という音と共にハウリア達の左頬が赤く腫れた。流石に少年の方は手加減したが。
「一体何を!」と驚愕の表情で来を見るハウリア達。
「お前達は僕の言ったことが
「ら、来殿……」
「師範と呼べ」
来の貫禄の前にカムが下がる。
「別に花や虫を無闇に踏み潰せとは言わん。だが戦いの最中はそういったものは思考の範囲から追いやれ。今後、一人でも花だの虫だのに僅かでも気を逸らしてみろ、
跳躍素振り千本という言葉にハウリア達が顔を引き攣らせ、震え上がる。初日にやったのだが、これが物凄くきつかった。
「解ったら早く魔物を狩れ」
ハウリア達の近くに雷が時雨のごとく降り注ぐ。妖術 〝鳴時雨〟だ。
ハウリア達は蜘蛛の子を散らすように樹海へと散っていく。足元で震える少年が来に縋りつく。
「来兄ちゃん! 一体どうしたの!? 何でこんなことするの!?」
周囲に生えている花のすぐ横の地面が黒く焦げていた。
「何だよぉ~、何すんだよぉ~、止めろよぉ来兄ちゃん!」
「いいか、お前が無駄口を叩く度に花が一輪散ると思え。花を愛でていいのは休憩時間と訓練が終わった後だけだ。ぼんやりとせずに一体でも多くの魔物を殺せ」
長老衆を怯えさせた目で少年を睨み、少年は泣きながら樹海へと消えていった。
(許してくれ、でもこうするしかないんだ)
それ以降、誰かが情けを見せる度に雷で死なない程度に
それから大樹周辺の霧が弱まる時まで、樹海にはハウリア達の悲鳴と雷鳴が響いた……
次回
第二十閃 兎に課せられた試練
IF編を書くタイミングで迷ってます。何時書いた方がいいですか?(但し書くなという意見は一切受けつけません)
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外伝をある程度進めてから
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今でしょ!
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別途執筆