ありふれた職業と共に一刀両断!!   作:籠城型・最果丸

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この後、また新しくありふれの二次小説を投稿します。

追記
ステータスを修正しました。



キャラ紹介

名前 坂上龍太郎
性別 男性
年齢 17歳
身長 190cm
体重 72kg
天職 拳士
得意武器 籠手
得意属性 不明
好物 団子(来と仲が良くなってからハマった)

原作でもおなじみ脳筋。自分よりも体格の小さい来に敗れてからそれなりに仲が良くなった。その為ハジメに対しては表向きは興味なさげにしているが、裏では大切な仲間だと思っている。
性格の方は熱血漢で、やる気のなさそうな者は嫌いなタイプ。
本作ではハジメの努力を知り、陰ながらハジメを支えている。雫の次に良識がある。


第二十陣 兎に課せられた試練

樹海の中で、金属が強く打ちつけ合う音が響いた。刀で打ち合う音だ。野太い樹は幾本も斬られ、地面はクレーターで穴だらけのぼこんぼこんだった。

 

現在刀を用いて戦っているのは兎耳の少女と、狐の面を被った白髪の人間の青年だった。

 

「でぇやぁああ!!」

 

裂帛の気合とともに刃渡り三尺(約九十センチ)の野太刀が振り下ろされる。それを白髪の青年が打刀で弾き返す。腰に差している黒い刀ではなく、練習用の打刀である。

 

「まだです!」

 

兎耳の少女が居合の構えを取る。そして大きく息を吸う。

 

「【鳴ノ舞 〝紫電一閃〟】!!」

 

少女は雷を纏い、青年に向かって勢いよく突進してきた。青年は高速で向かってくる少女を跳んで避けた。

 

「えっ、ちょっ……止まらないですぅ~!!」

 

少女は止まり切れずに向こう側の樹に激突してしまった。普通なら死んでもおかしくない。だがこの少女はしぶとく生き延びた。

 

「……〝鳴時雨〟」

 

そこへ追い打ちを掛けるかのように雷が降り注ぐ。少女はそれを全て躱した。

 

「いきますよぉ~!!」

 

少女が再び小太刀を構える。そして青年に飛び掛かった。

 

「【鳴ノ舞 円転電環】!!」

 

刀身に雷を纏い、青年に向かって斬りかかった。

 

「【鳴ノ舞 轟大車輪】」

 

少女は横方向に、青年は縦方向に刀を振り下ろした。刀身と刀身のぶつかり合う音が響く。

 

(腕はまだまだだな……)

「もらいましたぁ!」

「!?」

 

少女は青年の隙を突いて文字通り突きを繰り出した。青年は咄嗟に回避行動を取ったが、狐面の右半分を掠ってしまった。面に傷が付いた。

 

「……やったぁ! やりましたよぉ! 遂にお面に傷を付けることができましたぁ!!」

 

兎耳の少女、シアはぴょんぴょん飛び跳ねて喜んでいた。

 

「……見事だった。呑み込みの早い奴で良かった……さあ、第二回戦だ」

「え!? まだ続くんですか?」

「当たり前だ。()には傷を付けられたが、肝心の()()()には掠り傷一つ付いていない」

「そ、そんなぁ~……」

 

訓練開始から十日目の今日、最終試験として模擬戦を行っていた。内容は、シアが狐面の青年、来の身体に傷一つ付けられれば勝利、合格というものだ。先程シアは、狐面に切り傷を付けることができた。だがそれだけでは合格というには程遠い。故に第二回戦という形で模擬戦を続行したのだ。

 

第二回戦のゴングが鳴る。来は狐面を外し、懐へ仕舞う。そして雷が時雨の如く降り注ぐ。

 

シアが直径一メートルの樹を次々と上に投げ飛ばし、その上に飛び乗った。そして更に樹から樹へと飛び移る。それを来が手から放つ雷弾が撃ち落とす。雷弾が当たった樹は粉々になった。シアは更に上へと目指す。ある程度高く昇ったところで、シアは野太刀を上に投げ、両手持ちの鶴嘴を取り出した。鶴嘴を強く握り、勢いよく地面に向かって振り下ろした。重力に引っ張られて鶴嘴とシアは地面に引き寄せられる。摩擦熱で鶴嘴の金属部分が赤くなる。

 

「うぉりゃぁぁぁぁ!」

 

途轍もない運動エネルギーを持った鶴嘴の激烈な衝撃で大地が裂けた。生じた地割れは来の真下にまで達すると、轟音と共に溶岩が間欠泉のように噴き出た。また、衝撃波も同時に放たれ、砕かれて宙を舞う石の一部が四方八方に飛び散る。

 

「〝稲鎖〟」

「ふぇ!ちょっ、まっ!」

 

相手の妖術に気がついて必死に制止の声をかけるが、聞いてもらえる訳もなく問答無用に発動。シアは鶴嘴を手から放して離脱しようとするが時すでに遅し、雷を纏った鎖で身体を縛られた。

 

「あばばばばばばば、し、痺れるぅ~、早く解いてくださいよぉ~、来さ~ん」

「……勝負あったな……!?」

 

来が左足を軸に身体を時計回りに回転させると、回転した野太刀が降って来て、来の髪を数本切った。シアが投げた野太刀だ。野太刀は地面に突き刺さり、地面に罅を入れた。

 

(まず樹を次々と投げて飛び移っていき、鶴嘴を振り下ろす直前、そこから更に天目掛けて野太刀を投げた。野太刀がないのを悟られないよう振りかぶった体勢で背中に鞘を隠し、鶴嘴に刻まれた土属性と炎属性の複合魔法の陣を発動させて地割れを起こし、溶岩を噴き出させた。真向から挑んで僕に勝てないのがわかっていたからだ。自分が捕らえられた後で僕を倒そうとした……この娘は……)

 

「うぅっ、来さん…やっぱり、私は連れていってもらえないんですね……」

 

鎖から解放されたシアはぽろぽろと涙を零す。狐面には傷を付けられたが、肝心の来自身には傷は付いていない。普通なら不合格だが、シアの頭には来の手が乗せられた。

 

「……本当は、君を連れて行くつもりはなかった。もうこれ以上大切な仲間を喪いたくなかった。僕に傷一つ付けられないと思っていた。だから無理難題を言って、君の方から諦めて貰おうと思っていた。本当はあの時、合格にするべきだったが、まだ僕には迷いがあった。それでも君は、全力で試験に挑み、終いには僕の髪を数本切った」

「……うぅっ……」

「シア、お前は凄い娘だ。これからの旅、無事に生きていてくれ」

 

シアと来は、一つの約束をしていた。それは、シアが来に対して、十日以内に模擬戦にてほんの僅かでも構わないから一撃を加えること。それが出来た場合、来の旅に同行することを来が認めることである。だが彼の言った通り、行かせるつもりなど毛頭無かった。これ以上自分の仲間の犠牲を見たくなかったからだ。しかもシアはまだ16であり、戦いの面でもまだまだ未熟だった。

 

対するシアは、本気で来と旅がしたいと強く願っている。これ以上家族に負担を掛けたくないという想いが半分、もう半分は単純に来の傍にいたい、もっと彼と仲良くなりたいという想いから出たものだ。

 

(……膵花……僕は寂しいよ……絶対に離れないと固く誓ったのに……)

 

いつの間にか来は狐面を再び被っていた。自分の泣き顔を見られたくなかったからなのだろう。狐面の下から涙が滴り落ちる。

 

「来さん……ありがとうございますぅ……」

 

こうしてシアは、旅への同行を認められたのだった。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

シアが旅の支度をしている最中、来は近くの切り株に座り、瞑想をしていた。瞑想している間、来はシアの総合評価を纏めていた。

 

身体強化に特化しているが、魔法への適正は薄かった。だがその分、身体強化をすれば、来の素の力の一割程度なら引き出せる。しかもまだ伸びしろがある。これは全力で強化したバカ勇者の二倍以上の力だった。

 

ちなみに、現在の来のステータスは以下の通りである。

 

 

===============================

辻風来 17歳 男 レベル:18

天職:剣士

筋力:4200  [+龍化状態18940]

体力:4500  [+龍化状態17420]

耐性:6800  [+龍化状態8750]

敏捷:7100  [+龍化状態6120]

魔力:4750

魔耐:4270

技能:雷属性適正・全属性耐性・剣術[+抜刀術][+斬撃速度上昇]・天歩[+空力][+縮地]・剛腕・先読・気配感知・気配遮断・幻術・妖術・龍化・暗視・熱源感知・魔力感知・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・胃酸強化・自己再生・魂の回廊・思念通話・睡眠覚醒・錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・纏雷・風爪・石化耐性・毒耐性・麻痺耐性・言語理解・生成魔法

===============================

 

 

あれだけの強さを誇りながら、まだレベルが限界の五分の一にも届いていない。そしてそれは膵花も同じ。彼と彼女は生まれつき他の者よりも()()()()()()()()()()()()のだ。その分レベルの数値の上昇が遅いのだ。

 

そして、現在の膵花のステータスはこうなっている。

 

 

===============================

辻風膵花 17歳 女 レベル:18

天職:幻術師

筋力:4130  [+龍化状態18860]

体力:4790  [+龍化状態17860]

耐性:6970  [+龍化状態9700]

敏捷:6420  [+龍化状態6080]

魔力:4950

魔耐:4760

技能:水属性適正・炎属性耐性・回復魔法・魂の回廊・思念通話・剣術・幻術・妖術・龍化・魔力感知・気配感知・気配遮断・夜目・熱源感知・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮]・言語理解

===============================

 

 

「そう言えば来さん、この前言ってた〝膵花〟さんってどんな人なんですか?」

 

シアが唐突に聞いてきた。膵花、という名を聞いた瞬間、瞑想を止め、来は彼女について語り出した。

 

「膵花はな、僕の一番大切な人なんだ。街でも評判の美人だったんだよ。彼女は初めて出来た女の子の友達だったんだ。出会ってから何年か経って、僕も彼女も大人の身体に近づいてきた。膵花は益々綺麗になった。その綺麗さと彼女の優しさに、僕は惹かれていった。昔一度生き別れたこともあったし、今もこうして生き別れているけど……無事に生きてさえいれば、何時かはまた彼女と巡り会える。そう僕は信じている」

「へぇ~、その膵花さんとはどんな関係なんですか?」

「彼女は僕の、最愛のお嫁さんだよ」

 

シアは何度目かも判らない叫び声を上げた。

 

「えっ、えっ、えっ、ところで、年齢はいくつなんですか?」

「今は二十一だよ」

 

ちなみに二十一というのは肉体年齢である。

 

「どうしたんだ? そんながっかりしたような顔をして……」

「……」

 

どうやら年齢差は精々二つ三つかと思っていたが、六つも上だったことにシアは少ししょげていた。

 

何やら急にモジモジし始めるシア。指先をツンツンしながら頬を染めて上目遣いで来をチラチラと見る。あざとかった。

 

「……ずっと、気になっていたんだけど……どうして僕に付いていきたいって言いだしたのかな? 今なら一族の迷惑にもならないし、その実力なら大抵の魔物はどうとでもなる」

「で、ですからぁ、それは、そのぉ……」

「……」

 

もじもじとしながら中々答えられないシア。だが、我慢の限界で遂に思いの丈を乗せて声を張り上げた。

 

「もう、師範と弟子の関係などこの際関係なく言います! 来さんの傍にいたいからですぅ! しゅきなのでぇ!」

「……えっ!?」

 

言っちゃった、そして噛んじゃった!と、あたふたしているシアを前に、来はかなり驚いていた。

 

「いいのか? 僕は既に妻帯者だけど……」

「この世界では一夫多妻制が認められているんです。でも、やっぱり()()はその膵花さんって人なんでしょうね……」

「うん、そうだよ」

 

(ああ、〝膵花さん〟にお許しを貰えるのかな……)

(この世界って一夫多妻制が認められているのか……でも僕は膵花一筋だ。流石に嫁とまでは行かなくても、〝仲間〟までだったらまだいいか……)

 

どうやら来には妻を多く持つという気は無いようだった。膵花の方は正妻を狙っていなければOKらしいが、来の方は膵花一筋で今後も新たに妻を迎えることはしないのだそう。かつて召喚初日の複数のメイドに男子勢は見蕩れていたが来は見向きもしなかった。

 

「……危険だらけの旅だ。それでも行くのか?」

「はい! 貴方が化物でよかったです。お蔭で貴方について行けます」

「褒められているのか恐れられているのか……」

 

元より彼は人の範疇を超えた化物。そしてその妻も同様に化け物だ。

 

「僕の望みは膵花と合流して旅を続ける。もう家族とは会えないかもしれない。それでもいいのか?」

「話し合いました。〝それでも〟です。父様達もわかってくれました」

 

今まで、ずっと守ってくれた家族。感謝の念しかない。何処までも一緒に生きてくれた家族に、気持ちを打ち明けて微笑まれたときの感情はきっと一生言葉にできないだろう。

 

「人間族から差別の目を向けられることになるが、それでも行くか?」

「何度でも言いましょう。〝それでも〟です」

 

シアは頑なに〝それでも〟と思いを曲げなかった。彼女の想いは既に示した。そんな〝言葉〟では止まらない。止められない。これはそういう類の気持ちなのだ。

 

「……」

「ふふ、終わりですか?なら、私の勝ちですね?」

「勝ちってなんのことだ……」

「私の気持ちが勝ったという事です。……来さん」

 

もう一度、はっきりと告げよう。彼女シア・ハウリアの望みを。

 

「……私も連れて行って下さい」

 

蒼穹の瞳に迷いを感じなかった。やはり彼女は本気で来に付いていく気のようだ。

 

そしてしばらく沈黙が流れ、来が口を開く。

 

「……これからの旅路に幸あれ」

 

シアの頭に手を乗せて告げた。彼の顔は、笑っていた。シアは、認められたのだった……




次回
第二十一閃 刃卯鱗亜

IF編を書くタイミングで迷ってます。何時書いた方がいいですか?(但し書くなという意見は一切受けつけません)

  • 外伝をある程度進めてから
  • 今でしょ!
  • 別途執筆
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