そんなノリです。
願わくば、この作品が呼び水になりますように。
来るよ、来るよ、やってくる。
侍狐がやってくる。
困って弱っているとこへ。
困った顔してやってくる。
ノイズを斬りに、やってくる。
屋根を伝い、壁を蹴り、道路を飛び越えて。
駆け抜ける。
見えてきたのは、騒ぎの渦中。
全世界を悩ませる特異災害『ノイズ』が、我が物顔で蹂躙している現場だ。
逃げ遅れた人々を、どう救出するかと素早く思考しながら。
「た、たすけ・・・・おかあさ・・・・!」
まずは、腰が抜けたらしい子どもに目を付けた。
「――――全集中 水の呼吸」
鯉口を切り、抜き放つ。
ヒュウ、と吐息を漏らしながら、大きく跳躍して。
「壱ノ型 水面切り」
ノイズの首を、跳ね飛ばした。
水飛沫が上がったと思ったら、ノイズが切られていた事実にぽかんとする子ども。
そんな心境を知ってか知らずか、無事を一瞥で確認してから、次。
「漆ノ型 雫波紋突き」
「うわぁッ!?さ、侍狐!?」
避難誘導していた、自衛隊員の背後に迫る一体を一突き。
次。
「玖ノ型改 水流加速」
「皆さん、もう大丈夫です!侍狐が来てくれました!」
「落ち着いてください!慌てなくて大丈夫です!」
少しの距離も瞬く間に詰めて、一閃。
次。
「捌ノ型改 滝登り」
「続けて陸ノ型 ねじれ渦」
大きく飛び上がり、続けて体をねじって斬撃を放つ。
次。
「参ノ型 流流舞い」
そこから更に足運びを変化させ、舞うような体裁きで纏めて片づけてしまった。
まだまだ。
「いつもご協力感謝します!」
「御武運を!」
ここまで時間を掛ければ、避難も終わる。
自衛隊員に頷きだけで返事をし、未だ迫るノイズへ立ち向かう。
「ヒュウウウウウウゥゥゥゥ・・・・!」
これで決めると言わんばかりに、呼気を強めれば。
練り上げられた闘気が、激流となってざぶざぶ暴れる。
「流れて、舞え・・・・!」
誰もいないのをいいことに、少しかっこつけてしまったりして。
「
どう、と。
津波が顕現した。
波が駆け抜ける度、刀を振るう度に。
ノイズ達は哀れ、呑み込まれて失せていく。
「・・・・ッ」
仕上げだと、派手に地面を踏みしめながら振りぬけば。
理不尽な死をばら撒くサイケデリックな死神達は、あっという間に全滅してしまった。
「・・・・ふ」
ダメ押しの残心で、敵の駆逐を確認。
少なくとも、駆けつけてからの人的被害はなかったはずなので。
来た意味があったことにも安堵した。
ノイズを征伐し終えたのなら、もうやることは一つだ。
「よっしゃ、あいつまだ――――」
「――――玖ノ型改 水流加速ッッッ!!!!!」
「――――って待ちやがれコラアァッッ!!!!!」
「ちょ、あの!話だけでもー!!!」
叫ぶ橙と、引き留める青を無視してやるのは。
全力離脱ただ一つである。
「~~~~ッ!次は逃がさねぇぞ!侍狐エエェェ―――ッ!!!!」
――――『侍狐』。
その名の通り、困り顔の狐面をかぶった剣士だ。
人間を炭にして殺すノイズが現れた現場へ、学ランに羽織というハイカラな格好で駆けつけては。
水面を写し取ったような蒼い刀身の刀で、次々ノイズを討伐していく謎の存在。
出現初期こそ、眉唾物の都市伝説として語られていたが。
彼に助けられたという証言が増えた現在では、一定の支持を集めつつあった。
何故ノイズを狩るのか、そもそもどうやってノイズを倒しているのか。
何も知らぬ人々は、口々に噂しあうことしか出来ない。
ましてや、そんな噂の渦中にいる彼の胸中など。
誰にも推し量れない。
(ヤベェヤベェヤベェヤベェッ!!っぶねー!ギリギリセーフ!)
量れないったら、量れないのである。
連載になるかは反応次第、なるならタグが増える。