結論から先に行っておく。私はシロッコにメス堕ちした。最初の一年くらいは彼は気の置けない友人くらいの関係だった。
しかし一年が過ぎ戦争が始まり情緒不安になった私はシロッコと一夜を共にしてしまった。おかげさまで初夜明けの朝は歩き方が変になったりした。初めのころには同僚にはバレたくないという恥ずかしさが有ったけれど、だんだんと時がたつにつれどうでもよくなりシロッコを拘束したいという願望が生まれてきた。
私の性自認は男よりだったはずなのにシロッコのせいで私は女になってしまった。だから許さない。絶対に私からは離れさせない。
木星へ赴く採掘船の過酷な環境が影響したのだろうか、私はニュータイプに覚醒した。何となく人の考えてることが分かるくらいの曖昧なものだ。それをシロッコに伝えたら、彼は狂喜乱舞していた。
「へえ。そうなんだ。それよりも私は貴方が欲しいの」
「あ、ああ」
「ではいただきます」
シロッコの首筋に私の存在している証を残すことが最近の楽しみになっている。シロッコは私から逃げようと首筋を気にしているけれど、そうはいかない。これは私の首輪なのだ。
シロッコに依存している間に一年戦争が終わったという知らせが入った。ムーア出身で生き残った人はどれくらいいるだろうか?私の結婚式の新婦の友人枠が残っているくらいはいて欲しい。
ムーアは無くなって私の帰る場所はシロッコだけとなってしまった。しかし彼は私を見ないでどこか遠くを見ている気がする。私に目を向けさせないといけないのだ。
避妊具に穴を開けてしまった。そうしたら私はおめでたになった。シロッコは面白いくらいに狼狽えていた。
「これで私のことを見てくれるよね?」
「あ、ああ勿論だとも」
あらぬ方向を見て空笑いするシロッコ。
彼もこれで私からは逃げられない。
ランディという女の初対面の印象は、利用できそうだというものだった。パプテマス・シロッコからみて少女は明らかに不安定だった。
傷んでも美しい金髪に、目の下の隈をものともしない美貌。おまけに実家は上流階級だった。それは大いにシロッコの自尊心を満たすモノだった。
戦争が始まって女はますます不安定になった。シロッコが優しくしたら女はそのままコロりとこちらに転がった。シロッコを避けていた筈の女は、簡単に彼に依存した。
そして、その女は今シロッコの子を身籠ったと言っている。狭いジュピトリスの船内で女に堕胎を迫った男としてシロッコは知られたくなかった。そうしてその内に子供が生まれた。
シロッコは子育てに追われた。女性を尊重するイメージのシロッコが当然取らねばならない選択だったからだ。子育ての中で、ジュピトリスがティターンズという連邦軍の一部に雇い入れられそうになったがシロッコは拒否し、木星圏へと戻った。
子育てで死ぬほど忙しかったからだ。それに妻子を戦争に巻き込みたくなかった。それくらいの情をシロッコは備えていた。自分の野心のためにジュピトリスの乗組員や妻子を戦火に曝す気は無かった。
シロッコは今日もジュピトリスで一日を過ごす。彼の背負うものは彼の野心よりも大きくなっていた。
シロッコにメス堕ちするルート。多分、ハッピーエンド……?