パナケイアダンガンロンパ   作:ろぜ。

19 / 31
非日常編

「バレてしまったのなら、潔く全てを話そう。さぁ、最後の物語さ。」

御伽は人が変わったように饒舌に喋りだす。浮かべた笑顔が奇妙だった。

 

〜御伽月羽視点〜

 

まず、御伽月羽は奇病じゃないのさ。勘違いなんだ。医者の誤診。

いわば精神疾患ってやつかな?今この世に蔓延してる病気になんか罹ってない。

だから、特効薬も必要ないし、誰かを殺す必要なんてなかった。

 

でもアイツあんな性格だから2度の学級裁判で疑われたから、あぁ。2度目は"君たち"は疑ってなかったね。

疑われて疑われて。そんな矢先彼女に病気がバレた。そう、あの超高校級の新聞記者にさ。

 

万が一の為に、別の偽の病気を用意していたんだ。瞳孔が2つある病気だ、ってね。それでずっとコンタクトをいれてたんだけど、練習後1人になったし、流石にずっとこれをつけている訳にもいかないから、取ったんだ。そうしたら、遊戯室に忘れ物をとりに来た新聞記者に見られてしまった。

 

彼女は鋭いね、さすがは超高校級だ。彼女の嘘が嫌いな性格もあるのかもしれない。怪しい、とその場で問い詰めてきたよ。

でもその日は劇の前日だったから、「明日劇が終わったらみなさんにお話しします。」ってかわして、渋々だけど了承を得たんだ。

 

病気を隠してることがバレたら…。と偽物が焦り出した。そして、あいつは図書室に向かったんだ。そこで毒のある宝石の存在を知った。

 

真夜中に超高校級の宝石鑑定士の研究教室に忍び込んで、毒のある宝石を探したよ。あとはうまく紅茶と混ぜるだけ。まぁ大変だったね。

皆にも飲ませてしまって悪いけど、そうでもしないと僕からたった1人へ渡すものなんて、受け取ってもらえないと思ったから。

 

でも解毒薬があったから助かってるだろ。そのことだけど…薬品保管庫が閉まってたと言ったね。確かにそうだ。だけど、そこの院長にあけてもらったよ。

 

まんまと紅茶は皆が飲んでいるからと、新聞記者も口に含んだ。そして飴は予想通り、受け取らなかった。

 

嘘を見抜くという点では、この中でもかなり優れているだろうね。何か、“殺されてしまうかもしれない”という嫌な予感があったのかもしれない。

本当に、彼女は優秀な新聞記者だよ。

 

でもそれが仇になって、利用されて殺されるとはね。

 

あぁ、でも…。

 

「一緒に病気を治す方法、見つけませんか?」

紅茶ものみ終わった後、新聞記者はそう言ったっけ。

彼女なりに歩み寄ろうと考えていたのかもしれないね。

少し遅かった。

 

…仲良くなれた未来があったかもしれないのに。

砂切さんとお友達になれたかもしれないのに……。

ごめんなさい……。

 

るうは…なんてことを………。

 

黙れよ。

 

失礼。

 

あぁ、君達が出した推理でひとつだけ違うのはね、あの宝石鑑定士は飴を食べていたよ。

その後自ら毒をもつ宝石を含んだんだ。

そう、彼はたまたま自殺したわけなんかじゃない。

 

棺の中の新聞記者が息絶えている事に気づいたんだろうね。そしてその犯人が僕であることも。…どこかで見られていたのか。何か知っていたのか。

 

それでも尚彼は、

 

僕を庇ったのさ。

 

僕を庇って………。

 

あぁ、舞台袖にいた僕だけにしか聞こえない声だったなぁ。

その言葉は……。

 

〜御伽月羽視点終了〜

 

「長くなったね。最後はオシオキだったかな?…オシオキを受けるのは御伽月羽。だから僕じゃない。なんてね。」

へらりと笑ったままだった。

 

語られている間、誰もが長い物語を読み聞かせられている感覚だった。何もかも、知らなかった。

 

砂切と月陰が物語の中にいて、次のページには結末があり、そしてその作者になる御伽は……御伽は…。どこにいった?

 

御伽から告げられた事実は全て衝撃的で、だから、誰も何も発言ができなかった。

その時、また御伽が口を開く。砂切と月陰は見ることの無かった笑顔で、いや、今度は笑っていなかった。

 

「あの…るう……あのとき…月陰さんに言われたんです…『貴方は悪くない』って…。とっても…優しい声…でした…。るうは…二人に天国で謝らなきゃいけません…。」

 

俺達と過ごした御伽月羽だ。

あいつはそこにいた。

ちゃんと、いたんだ。

 

***

 

「あっ、るうは地獄行きでした。」

 

 

▼オトギさんがクロに決まりました。オシオキを開始します。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

「手に持たれた無罪の板には小さく死刑と刻まれていた。」▼

 

 

【挿絵表示】

 

 

俺は最悪すぎるエンドを見届け、重いものが心にあったが、御伽の自白で気になったことが一つあった。それを聞かずに、自室に戻るわけにはいかない。

「…お前は殺人に関与しないといったよな?」

 

「うん、言ったよ!いんちょーは約束破らないし!解毒薬は殺人に関係ないと思ったもーん!だから、彼女に薬品保管庫への入室を許可した!実際用途はちゃんと解毒薬だったじゃん!」

モノアピスは相変わらず、幼い顔で笑っていた。顔だけは愛嬌たっぷりで、子供向けの番組に出ていそうだ。

 

この“院長”は何者で、一体どこからきたのか、もしくは誰が作ったのか。

俺達はそれを知る事ができるのだろうか。

 

「知っていたんだろう。御伽が砂切を殺そうとしていた事も。」

「君達のことはなーんでも♪いんちょーは知ってるんだよ!」

 

「いつ、どこで手に入れたっていうんだ。お前は何者なん…「裁判も終わったし、いんちょーは帰ろっかな!じゃ、おっさきー!」」

俺の追及を無理やり自らの言葉で切り、手を振ると、モノアピスは軽やかな足取りで何処かへ消えていってしまった。

 

今、これ以上モノアピスに聞いても無駄だと思い、俺も裁判場を後にしようとしたが、蓮桜はまだ台に立ったまま、両指を絡ませ、何かを祈っていた。

「…なにしてるんだ?」

 

「白雪姫と王子様が目覚めてまた愛し合えますように。」

 

 

Chapter 3

 

毒林檎はゆっくり甘い夢を見る

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

残り9人

 

【挿絵表示】

 

 

 

三章シロ 砂切ひなのさんの裏シートでございます。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

三章シロ 月陰美尽くんの裏シートでございます。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

三章クロ 御伽月羽さんの裏シートでございます。

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

 

【挿絵表示】

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。