パナケイアダンガンロンパ   作:ろぜ。

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Chapter5 ユメの内、晨星落落
(非)日常編


「今日も全員揃いませんね♡ 現くんは最近毎日ですけど…今日は藍くんもいないのですか…私、寂しいです♡」

ふぅ、と珍しく看薬院がため息をつき、今日は始まった。

ちょこちょこと誰かが抜けることはあるが、最近、俺たちは食事や昼行動を集団で行動している。

 

「祇園寺は、部屋に篭ったきり出てこない。」

「片倉さんは…昨日は一緒にお昼を食べたけど、それ以降見てないな。もしかすると研究室にいるのかもしれないね。ほら、あの子何かを忘れようとするたびに掃除しだすから…。」

 

2人はどうやらそれぞれ別の場所にいるようだった。こんな状況だ。2人も何か思うことがあるのだろう。…思い詰めすぎていなければいいが。

 

…それから。

ただこの場に俯いて、不自然に言葉を発しない人物がいた。

 

「……っ…。」

安心院だった。

額にうっすらと汗を浮かべ、いつもの笑顔はなく、ただ青い顔をしていた。不謹慎といえばそうなのだが、今にも死にそうだ。

「お、おい。大丈夫か?」

 

「…フッー……フッー……ッ…。」

「安心院さん…?」 

「日和?大丈夫か?」

肩で呼吸をし、苦しそうな安心院を愛教と相模が不安そうに見つめる。

 

そしてふらっと

 

倒れた。

 

突然の出来事に俺達は思わず立ちすくむ。このまま死んでしまうのではないか、毒を盛られてしまったのでは……嫌なことばかりが頭を過ぎる。どれもこれもこの生活のせいだ。疑うことは何も生まないのに。

 

「日和ちゃん!…意識は…!」

そんな中、超高校級の看護師である看薬院だけは、立ちすくむことなく慌てて駆け寄り脈を測る。

 

「脈はあります…気を失ってるだけでしょう……♡」

俺達は安心院に命の危機が無いことを安堵した。

「保健室に連れてってあげよう。」

「俺が行くよ。」

愛教の言葉に相模が頷くと、そっと安心院の体を抱え保健室へと歩いて行った。

 

大きな相模の背中とそれにすっぽりおさまった小さな安心院の体。それを見つめながら、愛教が言う。

「安心院さん、大丈夫…じゃなさそうだったよね。心配だな。」

 

「…病気が現れているのかもしれないな。」

そう、時間は無情にも進む。今俺たちが此処で言葉を交わす日常でさえ、蝕まれているのだ。

 

「え〜と…。とりあえず、お昼にしませんか?♡ お腹が空いたでしょう♡」

空気を読むように看薬院が提案する。時刻は12時過ぎ。たしかに腹が減った。

「そうだな。…あの2人も呼びに行った方がいいか?」

「うん、お昼くらいは一緒に食べたいし…呼びに行こうよ。」

愛教が同調する。

 

明るい相模と話術に長けた安心院が消え、更に静かになった食堂。人数はいた方がいい。

 

「僕が声をかけた時もあまり反応はなかったし、来るかはわからないぞ。」

「一応、行くだけいってみるか。」

仍仇がそういうが、とりあえず残っている4人で祇園寺と片倉を呼びにいくことにした。

 

「現くんの行方はわかっていますし…まず現くんの自室から訪問しましょう♡」

祇園寺の部屋の扉を叩くと、応答はなかった。

「…おかしいな。確かに中にいるはずだが。」

仍仇が怪訝そうに首を傾げドアノブを捻った。

 

扉は開くことなく、物々しい雰囲気を漂わせる。

どことなく、嫌なものを感じた俺は扉を叩き、大声を出す。

「おい!祇園寺聞こえるか!いるなら返事だけでもしてくれ!」

 

のほほんとした声も、しっかりとした声も聞こえない。

返事はないのだ。

 

何度ドアノブをガチャガチャと回しても開くことはない。部屋の主はただ単にいないのか、それとも……。

 

「べ、別の場所に移動してしまった可能性もありますし…♡ どうか落ち着いてください♡」

そういう看薬院も同じことを考えているのだろう。少し声が震えている。

「ぼ、ぼくが鍵をとりに、モノアピスのところへ行ってくるよ!きっと保健室だよね…!」

 

しばらくして愛教が息を切らして帰ってきた。

受け取った鍵でドアを開けると、アナウンスが待ってました、と言わんばかりに鳴り響いた。

 

なんで

 

そこにいるはずのない人物が、死んでいるんだ?

 

 

【挿絵表示】

 

 

首を吊られ、俯いたままの片倉。

 

片倉だけじゃない。

 

「なっ、なんで…ですか……。」

看薬院の甘い声も今は掠れている。

 

 

【挿絵表示】

 

 

部屋の主であるが、四肢がもげ、血だらけのベッドに横たわる祇園寺の姿。

 

その部屋は、地獄のようだった。

 

 

_生存者

 

【挿絵表示】

 

 

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