パナケイアダンガンロンパ   作:ろぜ。

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Chapter6 終焉の幕引き、合図は銃弾 意志は芽生えば何処へ行く?
非日常編


静かすぎる病棟。

足音はもう5人分しか鳴らない。

 

この病棟に隠されたものがきっとあるはず。

その先の真実が何だったとしても、必ず俺達の手で終わらせるんだ。

 

それから俺達は学園の中を隈なく探した。勿論、開かない部屋もあった。それでも、「何か」を求めていた。

 

しばらくして俺達は捜索結果を持ちよった。まずは看薬院から。

「それぞれの研究教室や更衣室も一応見ておきましたが、特に怪しいものもありませんでした♡」

そう言うと、残念そうに首を振る。

 

「教室や視聴覚室とかも見たけどな!」

「何もありませんでした。」

安心院と相模も首を振る。

 

「他の部屋もゼロだよ。」

愛教も同じく成果の無さに睫毛を伏せた。

俺も機械室など怪しそうなところを探してみたがそこにはいつも通りの景色があるだけだった。

 

俺達はがっくりとうなだれる。

そんな空気をかき消すかのように愛教が人差し指を立てながら言う。

「ま、まだ諦めるのは早いよ。もしかしたら新しい部屋へ続く隠し扉とかがあるかも!」

「隠し扉か?」

「…そんなもんあるわけ……」

 

「…あった。」

倉庫の段ボールの山の下。地下へと続く階段。

「ほ、本当に行っていい場所なんでしょうか…?」

「皆で行けば大丈夫ですよ♡」

体を震わす安心院に看薬院が微笑む。さあ行きましょうと安心院の手を引き、下へと降りて行ってしまった。

 

「よし、俺達も行こうぜ!」

「う、うん…。」

相模も2人に続き降りて行く。愛教はそんな相模を追いかけるように急ぎ足で降りていった。そして俺も少し不安を抱きつつも4人を追った。

 

地下は意外と広く二部屋に分かれていた。

そこまで暗いわけでもなく、埃っぽいわけでもない。…誰かが、黒幕が、行き来していたからだろうか。

 

安心院と看薬院、そして相模は右の部屋に。

俺と愛教は左の部屋に、二手に分かれて捜索することとなった。

 

部屋の中にはまず大きなスクリーン。そこに映し出されていたのは16人分の病気の詳細や進行状態だった。

決していいとは言えない皆の病状。

俺はため息をついた。

 

部屋の中を捜索すること数分、相模がいきなり扉を開けて入ってきた。

「2人ともこれ見てくれよ!」

 

相模が何枚かの紙切れを見せる。

いや、紙切れだと思ったそれは写真だった。

 

「こんな写真いつ、誰が撮ったんだ?」

写真の中では談話室だろうか、そこで笑っている祇園寺と海老塚、そして普段より少し柔らかい表情で海老塚を見つめる繰生。

2枚目には図書館で大量の本を抱える砂切と御伽。

3枚目は食堂で飯を食う糸針と俺。

そんなものが続いていた。

 

「あとはこれかな。」

ファイリングされた紙にはモノアピスのデータ。難しい単語が並んでいるが、よく読み込んだ結果、あいつの正体は“患者サポートプログラム”だった。

 

つまりは、はじめからコロシアイのために作られたAIではなかったということだ。

この病棟とモノアピスが関連づいているのなら、この病棟も初めからコロシアイのためのものではなかったということだろうか。

 

相模はスクリーンの方に目をやると、少し癖のかかった髪を触りながら言う。

「モノアピス…?かな。ここで病状を確認していたみたいだな!」

「でもそのモノアピスは実際には何者かに改造された姿だったんだね。」

 

その後相模はもう少しあっちを捜索してみると戻っていった。

 

暫く散らばった本棚を捜索していたが、どれもこれも普通の本ばかり。特にこの病棟に関わるものはない。俺は中身を確認するようにペラペラと適当にページを捲った。

 

カサ、と音を立てて、何かが落ちた。

「…なんだこれ?」

 

それは一枚の手紙だった。

その手紙の主は_______。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

「黒幕がわかったって本当ですか、楼くん♡」

「…なんだか…ドキドキしますね…。」

「正直めちゃくちゃ不安!でも、俺達なら大丈夫だよな!」

「うん!がんばろう!」

 

俺は恐らく最後となるであろう裁判に、深く息を吸った。

 

「俺が黒幕へとたどり着いた理由は祇園寺の手紙だ。その手紙は地下室の部屋の中、一冊の本の間に挟まっていたが、まず一つ言えるのはあいつは黒幕を突き止めていた。」

悲痛な叫び。黒幕がどう思ったのかはわからない。ただ祇園寺の悲しみだけが、ひしひしと伝わる、そんな手紙だった。

 

「その手紙さえ見つけてしまったら後は簡単だ。その手紙の宛名の人物が、黒幕なんだ。」

 

「……事件の黒幕は……このコロシアイを始めたのは………。」

 

その人物はいつだって、その場の空気に溶け込む人間だった。今も“誰なんだろう“という顔のまま、俺の方に顔を向けている。

 

俺は、意を決して指さした。

 

「相模迅。……お前なんだろう。」

 

「俺が黒幕?そんなわけないじゃーん!結構協力的だったと思うんだけど?」

相模は冗談めかして笑うが、俺の表情を見ると悲しげな顔をしてみせた。

 

「ひどいぜ楼!俺達ずっと一緒に過ごしてきたじゃないか!」

更に相模は裁判台を叩くと悲痛な叫びを上げた。まさか…とでもいいたげに看薬院は俺の方を見る。

 

その時、ただ響く低い声。

 

「…なーんてね。」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「じ、迅くん……?」

安心院は目を見開いたまま、相模を見つめる。そんな安心院を相模は目に映すことなく次の言葉を吐き出した。

 

それはあまりにも、信じがたい言葉。 

 

「でも俺だけじゃないよ。」

 

「出ておいで。」

 

裁判場の壁沿い、俺達が使ったことのない扉からその人物は俯きがちに出てきた。本来であれば存在しているはずのない人物。

 

「…皆、ごめんなさい………。」

 

「…なんで……。」

そこには、

 

死んだはずの蓮桜が立っていた。

 

 

【挿絵表示】

 

 

_生存者

 

【挿絵表示】

 

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