パナケイアダンガンロンパ   作:ろぜ。

3 / 31
ワクワク!コロシアイ宣言

「ここが講堂みたいだな。」

「はい、少し迷ってしまいましたね〜。入りましょうか〜。」

和やかな口調を心掛けるが、どうも不安が募る。

「大丈夫だ。」

それを見透かしたように私に呟くと、楼さんは扉を開けた。

 

中にいたのは先程話した人達全員。

雑談をしていたり、1人佇んでいたりそれぞれだ。

 

「…これで16人。男女比はピッタリなんだね!」

雪雫さんが言うので私はそういえば、皆に言っていなかった事実をもう一度説明する。楼さんに言ってたので忘れてしまっていたのだ。

 

「私は男なので男の子が1人多いですね〜!」

「え?」

「マジで!?」

「緋巴銉ちゃん男の子だったの〜?」

 

「はいはーい!皆おしゃべりはストップ〜!」

さっき放送で聞いた声と同じ声がし、スモークがどこからか勢いよく噴射される。

「やっほー!オマエラ全員揃ったみたいだね!」

現れたのは

「こ、こども……!?」

 

【挿絵表示】

 

 

「ぷんぷん!モノアピスだよ!!子供じゃなくていんちょーだし!」

モノアピスと名乗るその幼い容姿の子は拗ねたように頬を膨らませた。

「よろしくね!」

そして近くにいた楼さんと、半ば無理やり握手をした。楼さんは怪訝な顔をする。

 

「…あいつ本物の人間じゃないな。精巧に作られているが……、手が冷たく硬い。」

楼さんはこっそり私に耳打ちする。

ただの人間の子供ではない…アンドロイドといったところだろうか?

 

「何故僕たちをこんなところに連れてきたのですか?」

「此処はどこですか?」

「何のため?」

「これは紛れもない誘拐だ。」

次々に口走る生徒。私も同じ気持ちだ。

 

「んもぉ!知りたがりだなぁ!此処はしあわせ病棟!超高校級のオマエラの病気を治す為だけに作られた素敵な病院だよ!…オマエラ患ってるでしょ?」

 

「…治るのですか?」

「……。」

「それってすごいことなの〜!」

もしその話が本当なら嬉しいことだ。だからといって、勝手に連れてこられては困るのだが…。

 

「でもね!万能な特効薬ってすっごくすっごく開発が難しいんだ!だから世界の感染者どころかオマエラの分も全然足りないの!だからね、ある方法で薬を投与する人物を決めたいと思うの!」

 

「ある方法ですか〜?」

「えへへぇ、ドキドキするなぁ!言っちゃおうかなぁ!言わなきゃなぁ!!…よーく聞いてね!!」

モノアピスが大きく息を吸う。(本当に吸えてるのかは定かではない。動きだけだろうか。)

 

「オマエラにはこれからコロシアイ病棟生活を送ってもらいまぁす!」

「コ、コロシアイ……!?」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

“コロシアイ”

日常生活において使うことのないであろうその単語。

その言葉の意味が信じられず、何を言っているのかと耳を疑った。冷や汗が出るのがわかる。周りの皆も張り詰めた空気で息を呑む。

 

「そしてこれは簡単なルール!!いんちょーの手書きだよ!!嬉しいでしょ!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

「そうそう、間違ったクロを指定したりしたら、オマエラ全員オシオキだよ!いくら超高校級でも許されないからねっ!いや、超高校級だからこそ許されないのか!アハハッ!」

モノアピスはくるくると回りながら言う。

 

「オ、オシオキ……?」

「あら、それってどういうことですかぁ?♡」

藍さんとカルテさんがモノアピスに返す。そんな2人を見て、モノアピスは嬉しそうに笑った。

 

「アァ、そうか!実際に見せてあげたほうがいいよね!うーんそうだなぁ……じゃあそこのおねえちゃんでいいや!」

そしてモノアピスは私を指差す。

 

ゾクリ

嫌な予感がした。

 

「こーんな感じだよっ!」

モノアピスの言葉と共に天井から槍のような尖ったものが降る。

_______嗚呼、私には逃げられない。

 

……

ドンッと誰かが私を突き飛ばす。一向に痛みはやってこない。

「え?」

私が目を開けるとそこには右手で抑えた左腕からタラタラと血を流す伊織さんの姿があった。

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 

そう、私を突き飛ばし身代わりになってくれたのは伊織さんだったのだ。

「いっ!伊織さん……!」

「おい仍仇!大丈夫なのか?」

「痛そうです……。死なないですよね?」

「この程度の痛みなんてどうってことない。」

 

表情こそ歪むものの、淡々と伊織さんは言う。

「なっなんで代わりに刺されるような……あぁ……本当にごめんなさい!」

私は罪悪感で胸がいっぱいになる。

「…気にするな。」

 

「おにいちゃんかっこいいね!でも本当のクロにはこんな程度じゃ済まされないからね〜!あくまでこれは優しいいんちょーのお試し!!」

 

「そうそう、この規則を破ったりしてもオシオキが待ってるよ〜!ワクワク〜!」

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

「ね!見てわかったでしょ!いんちょーの言うことは絶対なの!逆らったらどんな超高校級だって殺すよ?」

私に平気で槍を落とし、それはいとも簡単に伊織さんの腕を傷つけた。殺すというその選択は、モノアピスにとって簡単なことであり、いつでも実行できるということなのだ。

 

「あ!おにいちゃんは手術室行ってね!モノアピスまだ殺人いんちょーになりたくないからっ!アハ!皆もこのおにいちゃんみたいに痛い痛いのヤでしょ?生きたいでしょ?治したいでしょ?それならこの中の誰かを殺すのみ!わぁ!かんたーん!!」

 

 

こうして私達の「コロシアイ病棟生活」は

 

 

絶望は

 

 

始まった。

 

 

 

▼残り16人

 

 

▼電子手帳にて規則や生徒のプロフィール、マップを見ることができます。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。