いつも通りの目覚め。
俺が目を開くと、見慣れた木貼りの天井と、
優しく俺を照らす竜油の蝋燭の灯りを灯す燭台が目に入る、
軽く伸びをし、木製で、上に毛皮や、皮などが敷かれただけのような
ベットから降り、部屋の小窓のカーテンをめいいっぱいに開き、
扉を開き、潮風を浴びる。
水平線のかなたから太陽がじんわりと上がって行き、
まだ夜の薄暗さを残す、冷たいアステラを朝の温かさが滲んで行く。
所々に研究者や、ハンター達が外を歩き始めてきた、
俺もそろそろ動き始めることにする。
窓辺から離れ、自分の愛用するレザー1式をある程度慣れた
速度でさっさと着てしまい、腰に最近新調したばかりの
ハンターナイフⅢを軽く研ぎ、柔らかい布で拭いてやる。
前のハンターナイフに、マカライト鉱石を加えたからなのか、
僅かに光を通すと、刀身が薄く青い色になり、
なんとも言えない美しさを見せてくれる。
普段俺はモンスターを狩ることがないので、
ハッキリ言って使うこと事はないが、
一応ハンターであるからには持っておいた方が良いのであろう。
ハンターナイフをしまい、入口ののれんを通って、
早速俺はクエストボードを確認しに行く、
早朝だと、高く、そして簡単に採取出来るような素材を
納品するクエストが取れるのだ、
既にクエストボードには俺の様な採取のみで生計を立てる
ハンターが数人居たが、なんとか古代樹の森に生えている、
特産スジタケの納品のクエストを受け。
ポーチの中を確かめる、このポーチ、比較的小さく見えるが、
非常に丈夫かつ、柔軟な皮で作られているので見た目以上に
物の入りは良いのだ、今は中の薬品の小瓶をしまう用の
ポーチ内のスペースに、回復薬の瓶を2本、一応あまり持っていない
ハチミツでGまでに調合した回復薬を一本、
今回はハチミツも取っておきたいので、空の瓶を2個持って行く、
他には祖父から貰った力の護符だけはポーチに入れてある、
採取に置いてはポーチのスペースをなるべく多く空けておきたいので
不要な物は持っていかないようにする、
用意が整えばあとは出発だ、翼竜の来れるアステラの出口付近で
高い指笛を吹き、翼竜を呼ぶ、
俺が吹く指笛には、必ずこの赤い紐が首に巻かれた翼竜が
よってくる、他のハンターはそういう訳では無いらしいが、
俺はやけにコイツに懐かれている、
翼竜の頬を軽く撫でてやり、翼竜の鞍の金具に俺のスリンガーの
金具を取り付けて、ヤッと声を上げるの
ぐぁ、ぐぁと声を上げて、翼竜が力いっぱいに羽ばたき、
俺を空へと導くように引き上げてくれる、
この地面から足が離れ、不安定な吊られる感覚には未だ慣れては
いないのだが、だんだんと最初に感じていた恐怖感は薄れて
きていた、ある種、俺がコイツに落ちることはないだろうと
信頼を寄せ始めているのも理由なのだろうが、
俺がそう思い、翼竜の方を見てみると、ぐぁ、と
そうだ、と言わんばかりに鳴いてくれた。
俺は笑みを浮かべ、朝日が上り、地表が太陽が染み込んでゆき、
川が、海が、陽の光を反射してきらきらと輝く
雄大で、神秘的な光景を眺める。
暫くすると、翼竜は目的地の古代樹の森にあるキャンブに俺を
運んでくれた、ゆっくりと地面に翼竜が近づき、
頃合をみて、俺がスリンガーの金具を外して地面に飛び降りた、
重い金具の音と、鳥や、木々の木の葉が擦れる音が、
狩場に来たのだ、と実感させてくれる。
ただ、俺は狩りはしないがな。
そう心の中で呟き、翼竜に近場で待っていてほしいと、
指笛を鳴らすと、空を回っていた翼竜は
古代樹の大枝に向かって飛んでいった。
クエストの刻限は今日の日暮れまで、
夕方になるまでは採取が出来るだろう、
念の為にコンパクトツルハシを携帯してきた
ので、鉱石採取も行う事にする。
早速俺はキャンプから移動を始め、付近の木が生え、
影が多く出来ているエリアに向かう、
特産スジタケは木の根元を探せばある程度は群生しているので、
探しやすい部類のキノコだ、
俺は早速木の根元を落ちた葉を払いながら探してみる、
普段なら見つかるのだが、今日は異様に見つからなかった、
普段ならもう既に十数本は見つけていただろうが…、
どうやら何者かがキノコを全て取って行ってしまったようだ、
ハンターなら規約に従って1つの群生地から数本しか採取しない
はずなのだが…根こそぎ無くなっている。
……これはなんらかのモンスターの仕業、と考えるのが自然な所だろう。
導虫が腰のカゴから緑の光を漏らしながら飛んでゆく、
その導虫は俺がキノコを探していた木の側面に集まり、何かを見つけた事を知らせてくる。
俺は木の側面に近づくと、その木に
大きな引っかき傷が付いているのを見つけた、
これは…なんだろうか、見慣れない痕跡…、
俺はその痕跡をトラックし、
導虫に匂いを覚えさせ、その痕跡の主を探す事にした、
この森にはキノコ食の大型モンスターは存在していない、
つまり、新種か、現大陸よりなんらかのモンスターがこの古代樹の森に新たに移動してきた可能性があるのだ。
新種を見つけることが出来れば、俺にある程度の懸賞金が贈られることになる、
まさに一攫千金のチャンスだ。
そう思いながら俺は薄暗い古代樹の森の奥地へと入って行く事になる、
まだ俺はこの新大陸の異変に気づくことはなかった。
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