エリちゃんとブタの家庭教師   作:ゼロん

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エリちゃんの小説が少ない! エリザ分がたりねぇ!
エリちゃんが好きすぎて勢いで書いた。後悔していない。

ロビンかザビ男以外はエリザちゃんに触れるんじゃねぇよど畜生が! という方。作者も同感だが、しょうがないじゃないか。エリちゃん可愛いんだもの。裸族よりマシだろ(暴論)!

エリちゃんが救われるならいい、と思う聖人の方。
細けぇことは気にしねぇ! って方。
暖かく見守ってください。

今話はプロローグ的な感じで。次から本編になります。




エリザベート・バートリーという女……的な!? 

 人類史に恐るべき殺人鬼として名を残す反英霊。鮮血魔嬢、またの名をランサー。

 

 彼女の名はエリザベート・バートリー。

 

 ハンガリーの指折りの大貴族たるバートリー家の息女にして、のちに処女の血を求め数百人の女性を殺戮した大量殺人犯。

 

 その最期は自らの城の塔にて幽閉。発狂死とも、獄中死とも。

 

 ────なぜ……なぜなぜなぜ、なんでなんで、なんで!? 私はあなたたちが望んだように、美しくあろうとしたのに!! 

 

 彼女は人を人と思わず、なぜ自分が罰せられているのかもわからず、誰にも思われることなくただ一人、自分のなにが間違っていたのかわからぬまま。

 

 

 ────ゆっくりと死んでいった。

 

 

 彼女はその悪辣さと偉業とはとても言えぬほどの業によって、死後、サーヴァントと呼ばれる存在に押し上げられた。

 

 サーヴァントとは過去に死んだ偉人有名人などの霊、英霊の分霊を召喚したもののことだ。

 

 真っ当な偉業を為した英霊とは真逆の存在、つまりは、エリザベート=バートリーなどの物語で言うところの悪役を、反英霊と呼ぶ。

 

 全ての願いを叶える願望機、聖杯を求める七人の魔術士は一体ずつサーヴァントを召喚し競わせ奪い合う。これを聖杯戦争。

 

 聖杯の性質にもよるが、英霊も反英霊も垣根なく召喚されることが多い。彼らはあらゆる時代、あらゆる世界に、そして聖杯戦争があるならば必ず呼ばれる。

 

 つまり、サーヴァントは聖杯戦争用の超強力な最上位の使い魔なのだ。

 

 そして────その聖杯戦争にて、エリザベート=バートリーは若い十代の身体で蘇る。

 

 結果、現代知識を得たエリザベートはアイドルに憧れ、自称拷問系ドラ娘なんちゃってアイドルとなったのだ! 

 

 ……歴史家、大困惑であろう。

 皮肉にも歴史家は、過去の事実は読み解けても、人柄は完全には読み解けないもの。

 

 彼女曰く、初出の聖杯戦争は月らしい。

 月にも聖杯戦争があったなんて驚きだが。

 

 そして────皮肉にも月の裏で生前と同じ最期を辿ったという。

 

 欲望のままに殺戮し、

 欲望のままに拷問し、

 欲望のままに恋をして、

 

 ────君は救われない。

 

 皮肉にも愛した者の手で討たれ幽閉された。

 

 ────いや……いやぁ!! 幽閉はいやぁ!! あんな暗いところに戻るのはいやぁ! あそこじゃ誰も私の歌を聞いてくれないの! お願い……やめて、お願い! せめて、せめて殺して! あのブタたちみたいに殺して!! 

 

 泣き叫び懇願し彼女が幽閉される直前に彼女を討ったサーヴァントは彼女をひどく憐んだ。

 

『もしそなたにも良き師がいたならば。余が愛でるに美しい女性になっただろうに』と。

 

 そんな彼女に唯一救いがあったとすれば────

 

「────っ」

 

 彼女が恋した者が、彼女への罰に悲痛に顔を歪めていたことだろう。

 

 それだけで……もう彼女の心だけはほんの一時の間、救われた、いや安らいだのだ。

 

 それ以降はサーヴァント以前にアイドルとしてと、自らの行いを自重したらしい。

 

 アイドルごっこ卒業だとか。

 

 ────代わりに今はサーヴァント界のアイドルofアイドルを目指すのよ! 

 

 ……訂正。全く懲りてない。

 拷問系路線から清楚系に変更。多少は反省して拷問やブラッドバスなどの外道行為は鳴りを潜めたようだ。

 

 本人曰く、幽閉後もなんやかんやあったり暴れたりしたそうだが面白かった、色々学べたので満足らしい。どういう愉快犯の思考回路だろう。

 

 普通サーヴァントは召喚され帰るたびに記憶は引き継がれない。帰る場所にある英霊本体には記録が蓄積されるらしいのだが、次のマスターを選べないサーヴァントにとって前マスターの記憶はあまり都合がよろしくないのだろう。

 

 あったとしてもその実感はなく、記録として読んだ程度の認識が残るのみである。

 

 例外はいるが。実はエリザベートも実感をもってきっちり記憶を保持している一人だったりする。

 

 真っ当な英霊でないほどルールは守らないものなのかもしれない。

 

 これが、彼女が僕に語ったあらまし。

 巻き込まれてしまった聖杯戦争で敵から僕を庇い、閉鎖空間にて無惨にも殺された彼女の。

 

 トラウマを再びほじくり返され、悲痛に叫ぶ彼女はとても見ていられるものではなかった。

 

 そんな彼女が少しでも救われてほしい。夢見る少女であった彼女が人を無惨に傷つけずに済む優しい世界があるなら。

 

 せめて、最期は誰かに思われてと。

 救われた僕は願った。

 

 

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