「上地!ランク戦しよーぜ!」
「入ってくる時には落ち着いて入ってきてください……」
お昼前、勢いよく入ってきたのは米屋陽介さん。彼もA級部隊の一員だ。彼は俗に言うバトルジャンキー。個人戦に全てをかけていると言ってもいいだろう。
「私なんかよりももっと強い人が沢山いるでしょう?その方々のやってきてはどうですか?」
「えー、たまにいいだろ?上地だってたまには体動かさないなまっちまうぞ。それにあの弾バカ遠征行っちまったし緑川だってやりまくったしなぁ。」
「だからって私に来なくても……」
さて、どうやって断ろうかと考えているとケータイが震える。失礼、と米谷くんにことわってから確認すると相手は加古さんだった。
「すみません米屋くん。加古さんがすこし話がしたいらしいので今日のところはお断りさせて頂きます。埋め合わせはしますので。」
「まじかー。でもこんど必ずバトるぞ!」
「あぁ、待ってください。これ、ランク戦で疲れた時に食べてください。」
と、米谷くんに板チョコを渡す。それを嬉しそうに受け取った彼を見送ったあとすぐに来室する加古さんをもてなす準備に取り掛かる。さて、お昼ご飯は食べて起きましょう。私とて、はずれくじを引きたくないものですから。
米谷くんが退室してから数十分後、コンコンと控えめにノックがされる。
「こんにちは上地くん。ごめんなさいね?急な連絡にしちゃって。」
「いえいえ、おかまいなく。どうぞお座りください。コーヒーと紅茶どちらがよろしいですか?」
「じゃあ紅茶を頂こうかしら。」
簡単な挨拶をしたのちに加古さんを座るよう促し、紅茶を差し出す。嬉しそうな笑顔を浮かべる加古さんはやはり美人さんだと改めて思う。なんというのだろう、できる女性ってこんな感じなのだろうか。
「ごめんね。こんなおもてなしまでさせちゃって。」
「いえ、僕もよく紅茶は飲むのでストックしてあるのですよ。。……さて、今日はどのようなお話で?」
「えぇ、ちょっと暇つぶしに付き合って欲しくて。今日は双葉が来るまで暇だったの。」
「そうだっんですか。僕なんかが話し相手で良ければいいのですが……」
「本当はお昼ご飯に炒飯でもご馳走してあげようかと思ったのに、見た感じもう食べちゃったのね。」
「ええ。先程食べてしまいました。」
「残念だわ。どう?うちの部隊に入らない?あなたなら大歓迎だし、炒飯も食べ放題よ?」
あなたの実験台になるのだけは回避したい、なんてことは口が裂けても言えない。そう、加古さんが作る炒飯はまさにロシアンルーレット。八割は当たりなのだが残りの二割である外れはもう凄まじく個性的な味がするのだ。意識が飛ぶくらい。
「お断りさせていただきます。それに私はもう自分の部隊を作っていますので。」
「冗談よ。でも双葉もあなたの事を気に入ってるみたいだし私はいつでも歓迎よ?それにあなたもKだしね。」
そう、加古さんは自身の隊員の頭文字を全てKであることにこだわって編成している変わった方なのだ。僕も一応Kなのだが正直足を引っ張りそうで怖い。さて、その後も何気ない会話を続けていると加古さんのケータイが鳴る。彼女が確認するが否や笑みを浮かべて立ち上がった。どうやら今日のターゲットが決まったようだ。
「ごめんなさいね。双葉から連絡が来たからおいとまさせてもらうわ。」
「そうですか。暇つぶしになったのなら何よりです。」
「楽しかったわ。この後暇かしら?今、堤くんと諏訪くんがウチの隊室にいるのだけれど。」
「すみませんがこの後防衛任務があるのでまたの機会に。」
「じゃあまた今度炒飯をご馳走してあげるわ。」
じゃあね、と言って隊室から出ていく加古さんを見送り、防衛任務の準備をする。さて、今日の創作炒飯は当たりかどうかあとで御二方の感想を聞いてみるとしよう。
双葉ちゃん可愛いですよね。