家族に心配させないように
姉さんが起きてくる前に部屋に戻る
ベッドの上に座っていると
ぱたぱたと足音が聞こえる
姉さんが下に降りていた
その足音が遠ざかるのお聞き終えてから立ち上がり
制服に着替える
そして俺も下に降りた
「おはよう。りゅーくん」
「ああ。おはよう。姉さん」
紅茶を飲んでいた姉さんに挨拶をする
「昨日、なんであんなに強く言ったのかな?」
姉さんは昨日の朝に妹にきつく言ってしまったことを怒っているようだった
「いや、その、なんていうか、ごめんなさい」
妹が可愛くて可愛いく仕方ないから
ツンデレしちゃうんです
涙を目尻に貯める姿に欲情しているんです
...なんて言えるわけがない
言ってはいけないだろう
「まあ、反省してるならいいんだけどね。仲良くね。」
しばらくするとぱたぱたと足音がする
「おはよう。お姉ちゃん」
と妹が挨拶する
「今日はコケなかったのかw」
「ちょっと毎日コケてるみたいな言い方やめてよ」
「そうだな。毎日じゃないな。2日に一回か?
3日に2回かな?ん?ドジちゃんですねw」
照れ隠しにすごく煽ってしまう
「ばか!ばかばか!!りゅう兄のあほ!」
精一杯怒る妹しかし...すごく萌えるな...
「こらこらー。喧嘩はメッですよ」
姉が仲裁する
一々言動があざとくないか?
と思ったが口には出さなかった
はあ毎日喧嘩してるな...
もう行くか...
「俺もう行くから」
「え!?りゅーくん朝ごはんは?」
「適当に食うわ」
いつも姉さんがご飯を作るが
今日は食べようとは思えなかった
登校して今日もどうでもいい1日が始まると思っていた
こつん...こつん...
と朝から聞いたことのある足音が聞こえ
俺は不思議と身構えていた
そこに現れたのは綺麗な黒髪の少女
美しいがなんとも怪しい雰囲気を纏う
「昨日のあいつか...」
転校生だからだろう
前の制服を着ている
上靴も違う
先生に連れられて現れた少女は自己紹介を始める
「ごきげんよう。皆さん、私は長代夜空。よろしくね。」
よろしくね。なんて言っているがその様子は
全くよろしくするような態度ではない
クラスの男子は美しいとか仲良くなりたいとか
踏まれたいと所々で声をあげている
「踏まれたいとか変態かよ...」
ボソッと呟きながら前をむくと
...見ていた、確実に目が合ったと思う
夜空が不思議な視線をこちらに向けていた
まるで追っている被食者が思わず取った行動に驚く捕食者のようだ
確実におかしい
まるで俺を狩るためにここに来たかのようなのに
なぜか驚いている
何故だろうか、なぜ彼女はそんな冷酷な目をしているのだろうか
朝礼が終わるとそのあとはいつも通りだった
ただ斜め後ろに座っている夜空からは
なにか分からない感情が投げかけられている
そんな不思議な恐怖をずっと感じていた
放課後俺はいつものように屋上へ向かう
屋上でいつものように寝ていると
もう1人ここに来た
「あなた昨日もいたわね。ここ立ち入り禁止よ?」
「お前、転校生だったのな。不審者かと思ったわ」
俺は昨日ここに夜空が来た時のことを思い出す
あいつ昨日もなんか怖かったな...
「あなたね。五十川竜二ってあなたのことじゃない。
何がそんな名前は知りませんなのよ。私嘘つきは嫌いなの」
怪しげににたりと笑った
「お前さ。怖いよ。目が」
「は?女性に向かって怖いとかよく言えるわね」
夜空は怒っていた
顔を真っ赤にして怒っていた
「ごめんなさい。僕が悪かったです!この通り!!」
とりあえず土下座した
「あなた...土下座って...キモっ...」
心底傷ついたが気にしない
出来ればこのままお関わりにならないルートがいいなあ
「とりあえず、探してたのあなただから。
明日の放課後少しお話しましょうか」
えっ...嫌だ。心底嫌だ
「誠に勝手ながら明日は重要な用事がありますので...」
ほんとはない。ないが行きたくなかったから仕方がない
「そう。死にたいのね。この屋上から突き落としてあげましょう」
そう言ってまたにたりと笑う
「ひい...すいませんでした!!明日は喜んで待たせていただきます!」
とりあえずここは相手の要求を飲んだフリだ!
「私...嘘つきって嫌いなのよ」
またにたりと笑った
あ...これ嘘ついたのバレてる?
「明日はほんとに待ちますから!」
明日待つっていうのと
用事があるっていうのどっちがバレてんだ!?
「そう。分かればいいのよ」
こいつ怖すぎだろ...
「では私はこれで!」
そう言い逃げるように屋上を飛び出す
もう目も合わせなかった