錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

103 / 103
前回までのあらすじ

精霊 四糸乃の力を授かり、仮面ライダーグリスブリザードに変身した七海。

その圧倒的な力と、キャロルたちの援護もあり、勇は凛祢を救出することに成功した。

残るはスピリチュアルスマッシュことフィーネのみ。

精霊と仮面ライダーの邂逅から始まった戦いは、ここに終わりを迎える……


私たちの未来へ、歩いていこっか?

 

「キャロル、凛祢を頼む」

「勇……分かった」

 

勇君は抱いていた園神凛祢をキャロルちゃんに預け、再びこっちに戻ってきた。

 

「いいの?守りたいんでしょ?」

「大丈夫です。キャロルは強いですから。それに、僕はあの人のことも救うつもりですから」

「わお、よくばりさんだ」

「それが僕のやり方です」

「貴様らぁああああ!!殺す!貴様らはここで殺す!」

 

凛祢を奪われたことに、フィーネは怒り心頭な様子だ。

だけど凛祢が奪われた今、彼女は大幅に弱体している。

 

「勇君、はいこれ」

「うわっと…ってこれ、七海さんのビルドドライバー!?」

「それとこれも」

「このボトルは……ブラッドに奪われた精霊の力!?」

「さっき戦った時にさ、くすねておいたんだよ」

「でも、何でビルドドライバーまで……」

「精霊と仮面ライダー…ベストマッチだと思わない?」

「はは……確かにそうですね!」

 

勇君はそう笑うと、ビルドドライバーを腰に巻き、自身の懐からもフルボトルを取り出して、振りだした。

なんで彼が持っているのか気になったけど、私は敢えて何も言わなかった。

 

《精霊!》

《希望!》

《ベストマッチ!》

 

2つのボトルをドライバーにセットし、レバーを回していく。

 

「救います……それが僕の覚悟で、願いなんですから」

《Are you Ready?》

「変身ッ!」

《繋がるココロ!デート・ア・ライブ!イェーイ!》

 

勇君を光が包み、その身には光り輝くアーマーが装着されていた。

彼もまた、仮面ライダーへと変身したのだ。

 

「感じます。凛祢の思いを……みんなの希望をッ!」

「なんだ、この光は……私と、同じ力だと?」

 

勇君の光に怯んでいるフィーネに、勇君は毅然と言い放つ。

 

「セイヴァー……確か意味は救済者を表す言葉。そして、これが僕の変身するライダーです。なら……改めて名乗ります!僕は〈仮面ライダーセイヴァー〉だ!救うと決めたモノを救う精霊で、仮面ライダーです!」

「仮面ライダーセイヴァーか。いいんじゃない?」

「七海さん……」

「うん。一気に決めようか!」

《絶滅天使!メタトロンイングリスチャァァアアジ!》

 

私もグリスメタトロンチャージに変身し、スクラッシュドライバーのレバーを下ろす。

勇君もドライバーのレバーを回していく。

 

《Ready Go!》

「「ハッ!」」

 

同時に跳躍した私たちは、横並びでキックの体勢を取る。

 

「「ハアアアアアアアアアアッ!!!」」

《エクスターミネーションフィニッシュ!》

《ボルテックフィニッシュ!》

「この……私があああああああああああああああっ!!!」

 

私たちのキックはスピリチュアルスマッシュを貫き、フィーネは爆発の中に沈んでいく。

そして私たちは、着地した体勢のまま無言で拳を打ち合わせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――<《封解主(ミカエル)》>、<(ラータイプ)>……これを通れば、それぞれの世界に帰れるはずです」

 

そう話す勇君の前には、ぐにゃぐにゃとした穴が開いていた。

 

「今回の件、いろいろとありがとう」

「そんな、お礼を言うのはこっちの方ですよ。今回のことは、僕達だけだときっと厳しかったと思います。ありがとうございました」

 

お互いに礼を言い握手する。

何となく気恥ずかしくなって、キャロルたちはどうだろうかと見てみると、案の定と言うかまた喧嘩していた。

 

「いいか?今回の件など、別にお前たちがいなくとも、オレたちだけで片付けられていたさ」

「ほう?ブラッドを一人で倒せないような奴が、偉そうだなぁ?」

「ふ、ふふ……構えろ。今度こそ叩きのめしてやる」

「上等だ!あの時の戦いの決着、今こそつけてくれるわ!」

「まったく……仲が良いのは分かったが、戯れるのもほどほどにしておけよ」

「「良くない!というか、お前が一番何もしてないだろッ!」」

「なんだとッ!もう一回行ってみろ!」

 

すっかりお馴染みとなってしまったこの光景に、私たちは思わず吹き出してしまう。

大声を上げて笑う私たちに毒気を抜かれたのか、キャロルたちはすっかり喧嘩をやめてしまった。

 

「じゃあな、未来。お前の夢、叶えて見せろよ?」

「……はい。奏さんも、歌手活動頑張ってください」

「おう!当たり前だ!」

「はぁ~!まさかお前とエルフナインがなー」

「ふふふ……とっても可愛いんです。ああ、早く会いたいです。クリスさんの恋も、応援してますから」

「ま、お前んとこに負けないぐらいにはラブラブになってやるさ」

 

奏たちの方も、短い間に仲良くなったようで別れを惜しんでいた。

だけど私たちは、そろそろ帰らないといけない。

 

「それじゃあ、寂しいけど……」

「お別れ、ですね」

 

私たちは、それぞれの世界へと続く扉の前に立つ。

 

「本当にありがとう!このことは、絶対に忘れない!」

「僕達も、ありがとうございました!きっといつか、また会える日まで!」

「貴様とはもう二度と会わないことを祈ってるぞ。()()()()()()()

「それはこちらのセリフだ。()()()()()()()()()()()()()()()()()

「これだから素直になれないやつらは……」

「「うるさいぞ!()()()!」」

 

最後まで賑やかな雰囲気なまま、私たちは同時に穴に飛び込んだ。

 

「………ん?戻ってきた、のかな?」

「どうやら、そうみたいだな」

 

ゆっくりと目を開けると、視界にいつもの街並みが映った。

どうやら、無事帰ってこれたみたいだ。

 

「おーい!七海ちゃーん!」

「奏!良かった、無事だったか!」

「セレナ!どこに行ってたのよもう!」

 

聞こえてきた声に視線を動かすと、響と翼とマリアが走ってくるのが見えた。

すでに奏やセレナは笑顔を浮かべて、彼女たちの方に向かっている。

 

「……ねえ、キャロル」

「なんだ?ナナ姉え」

「今回のことでよく分かったよ。私たちの享受している幸せは、本当に儚い…それこそ、吹けば簡単に飛んでいっちゃうような、脆い奇跡なんだって」

「だからどうした?オレたちがこうしてここにいるのは、奇跡なんて偶然じゃない。オレたちが戦い抜いて、自らの手で掴みとったものだ」

「そうだぞナナ姉え。たとえこの奇跡が崩れようとしても、またオレたちが作り直す。なぜならオレたちは錬金術師で、仮面ライダーなんだから、だろ?」

「……そうだね。なら2人とも、これからも付いてきてくれる?」

「愚問だな」

「オレたちの答えなど、とうの昔に決まっている」

「「いつまでも、いつまでも一緒だ、ナナ姉え」」

 

私たちは手を繋いで歩き出す。

光のある明日へ、希望のある未来へ。

だって、それが私たちが作り上げるべき、”幸せ”なんだから。

 

 

 

<シアワセという名のキセキ ~精霊と人の輪舞~ 完>

 

 

 




はい!タク-Fさんとのコラボ章『シアワセという名のキセキ ~精霊と人の輪舞~』、無事に完結しました~!
タク-Fさん側のキャラクターもとても個性豊かで、書いていてとても楽しかったです!
今回はありがとうございました!

そして、このコラボ章をもって、『錬金術師と心火を燃やしてみよっか?』は本編完結となります!
ここまでついてきてくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!
これからの予定ですが、一応この作品は完結と言う扱いにしておきます。ただし、この先気が向けば、番外編も書くかもしれません。その際は、また読んでいただけると嬉しいです。

それでは皆さん、また逢う日まで!


勇君視点もこちらから!
タク-Fさん投稿「マジで……この世界!?」
https://syosetu.org/novel/234619/


何も言わずに選んでください

  • ゲーマーキャロルちゃん
  • 原作開始前に命題に気づいたキャロルちゃん
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。