精霊 四糸乃の力を授かり、仮面ライダーグリスブリザードに変身した七海。
その圧倒的な力と、キャロルたちの援護もあり、勇は凛祢を救出することに成功した。
残るはスピリチュアルスマッシュことフィーネのみ。
精霊と仮面ライダーの邂逅から始まった戦いは、ここに終わりを迎える……
「キャロル、凛祢を頼む」
「勇……分かった」
勇君は抱いていた園神凛祢をキャロルちゃんに預け、再びこっちに戻ってきた。
「いいの?守りたいんでしょ?」
「大丈夫です。キャロルは強いですから。それに、僕はあの人のことも救うつもりですから」
「わお、よくばりさんだ」
「それが僕のやり方です」
「貴様らぁああああ!!殺す!貴様らはここで殺す!」
凛祢を奪われたことに、フィーネは怒り心頭な様子だ。
だけど凛祢が奪われた今、彼女は大幅に弱体している。
「勇君、はいこれ」
「うわっと…ってこれ、七海さんのビルドドライバー!?」
「それとこれも」
「このボトルは……ブラッドに奪われた精霊の力!?」
「さっき戦った時にさ、くすねておいたんだよ」
「でも、何でビルドドライバーまで……」
「精霊と仮面ライダー…ベストマッチだと思わない?」
「はは……確かにそうですね!」
勇君はそう笑うと、ビルドドライバーを腰に巻き、自身の懐からもフルボトルを取り出して、振りだした。
なんで彼が持っているのか気になったけど、私は敢えて何も言わなかった。
《精霊!》
《希望!》
《ベストマッチ!》
2つのボトルをドライバーにセットし、レバーを回していく。
「救います……それが僕の覚悟で、願いなんですから」
《Are you Ready?》
「変身ッ!」
《繋がるココロ!デート・ア・ライブ!イェーイ!》
勇君を光が包み、その身には光り輝くアーマーが装着されていた。
彼もまた、仮面ライダーへと変身したのだ。
「感じます。凛祢の思いを……みんなの希望をッ!」
「なんだ、この光は……私と、同じ力だと?」
勇君の光に怯んでいるフィーネに、勇君は毅然と言い放つ。
「セイヴァー……確か意味は救済者を表す言葉。そして、これが僕の変身するライダーです。なら……改めて名乗ります!僕は〈仮面ライダーセイヴァー〉だ!救うと決めたモノを救う精霊で、仮面ライダーです!」
「仮面ライダーセイヴァーか。いいんじゃない?」
「七海さん……」
「うん。一気に決めようか!」
《絶滅天使!メタトロンイングリスチャァァアアジ!》
私もグリスメタトロンチャージに変身し、スクラッシュドライバーのレバーを下ろす。
勇君もドライバーのレバーを回していく。
《Ready Go!》
「「ハッ!」」
同時に跳躍した私たちは、横並びでキックの体勢を取る。
「「ハアアアアアアアアアアッ!!!」」
《エクスターミネーションフィニッシュ!》
《ボルテックフィニッシュ!》
「この……私があああああああああああああああっ!!!」
私たちのキックはスピリチュアルスマッシュを貫き、フィーネは爆発の中に沈んでいく。
そして私たちは、着地した体勢のまま無言で拳を打ち合わせた。
「―――<《
そう話す勇君の前には、ぐにゃぐにゃとした穴が開いていた。
「今回の件、いろいろとありがとう」
「そんな、お礼を言うのはこっちの方ですよ。今回のことは、僕達だけだときっと厳しかったと思います。ありがとうございました」
お互いに礼を言い握手する。
何となく気恥ずかしくなって、キャロルたちはどうだろうかと見てみると、案の定と言うかまた喧嘩していた。
「いいか?今回の件など、別にお前たちがいなくとも、オレたちだけで片付けられていたさ」
「ほう?ブラッドを一人で倒せないような奴が、偉そうだなぁ?」
「ふ、ふふ……構えろ。今度こそ叩きのめしてやる」
「上等だ!あの時の戦いの決着、今こそつけてくれるわ!」
「まったく……仲が良いのは分かったが、戯れるのもほどほどにしておけよ」
「「良くない!というか、お前が一番何もしてないだろッ!」」
「なんだとッ!もう一回行ってみろ!」
すっかりお馴染みとなってしまったこの光景に、私たちは思わず吹き出してしまう。
大声を上げて笑う私たちに毒気を抜かれたのか、キャロルたちはすっかり喧嘩をやめてしまった。
「じゃあな、未来。お前の夢、叶えて見せろよ?」
「……はい。奏さんも、歌手活動頑張ってください」
「おう!当たり前だ!」
「はぁ~!まさかお前とエルフナインがなー」
「ふふふ……とっても可愛いんです。ああ、早く会いたいです。クリスさんの恋も、応援してますから」
「ま、お前んとこに負けないぐらいにはラブラブになってやるさ」
奏たちの方も、短い間に仲良くなったようで別れを惜しんでいた。
だけど私たちは、そろそろ帰らないといけない。
「それじゃあ、寂しいけど……」
「お別れ、ですね」
私たちは、それぞれの世界へと続く扉の前に立つ。
「本当にありがとう!このことは、絶対に忘れない!」
「僕達も、ありがとうございました!きっといつか、また会える日まで!」
「貴様とはもう二度と会わないことを祈ってるぞ。
「それはこちらのセリフだ。
「これだから素直になれないやつらは……」
「「うるさいぞ!
最後まで賑やかな雰囲気なまま、私たちは同時に穴に飛び込んだ。
「………ん?戻ってきた、のかな?」
「どうやら、そうみたいだな」
ゆっくりと目を開けると、視界にいつもの街並みが映った。
どうやら、無事帰ってこれたみたいだ。
「おーい!七海ちゃーん!」
「奏!良かった、無事だったか!」
「セレナ!どこに行ってたのよもう!」
聞こえてきた声に視線を動かすと、響と翼とマリアが走ってくるのが見えた。
すでに奏やセレナは笑顔を浮かべて、彼女たちの方に向かっている。
「……ねえ、キャロル」
「なんだ?ナナ姉え」
「今回のことでよく分かったよ。私たちの享受している幸せは、本当に儚い…それこそ、吹けば簡単に飛んでいっちゃうような、脆い奇跡なんだって」
「だからどうした?オレたちがこうしてここにいるのは、奇跡なんて偶然じゃない。オレたちが戦い抜いて、自らの手で掴みとったものだ」
「そうだぞナナ姉え。たとえこの奇跡が崩れようとしても、またオレたちが作り直す。なぜならオレたちは錬金術師で、仮面ライダーなんだから、だろ?」
「……そうだね。なら2人とも、これからも付いてきてくれる?」
「愚問だな」
「オレたちの答えなど、とうの昔に決まっている」
「「いつまでも、いつまでも一緒だ、ナナ姉え」」
私たちは手を繋いで歩き出す。
光のある明日へ、希望のある未来へ。
だって、それが私たちが作り上げるべき、”幸せ”なんだから。
<シアワセという名のキセキ ~精霊と人の輪舞~ 完>
はい!タク-Fさんとのコラボ章『シアワセという名のキセキ ~精霊と人の輪舞~』、無事に完結しました~!
タク-Fさん側のキャラクターもとても個性豊かで、書いていてとても楽しかったです!
今回はありがとうございました!
そして、このコラボ章をもって、『錬金術師と心火を燃やしてみよっか?』は本編完結となります!
ここまでついてきてくださった読者の皆様、本当にありがとうございました!
これからの予定ですが、一応この作品は完結と言う扱いにしておきます。ただし、この先気が向けば、番外編も書くかもしれません。その際は、また読んでいただけると嬉しいです。
それでは皆さん、また逢う日まで!
勇君視点もこちらから!
タク-Fさん投稿「マジで……この世界!?」
https://syosetu.org/novel/234619/
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ゲーマーキャロルちゃん
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原作開始前に命題に気づいたキャロルちゃん