お気に入り数50件を超え、UA1万まであと少しとなりました!ありがとうございます!
《セレナside》
気が狂いそうだった。今私は地面に倒れている。
少し前に、私たちとは別でノイズと戦っているらしい装者という人物に襲われました。私も応戦したけど、相手が人間だという事で慣れていなかった私は、攻撃を受けて倒れてしまいました。
そして、天羽奏という人は私の手から転がり落ちたスラッシュライザーを拾いました。気が狂いそうになりました。スラッシュライザーはお姉ちゃんが私にくれた、大切な”力”。私が
あのとき、泣き叫ぶ私を抱きしめてくれたお姉ちゃんを、姉さんと似ていると思った。温かくて、優しいのにそれを当たり前だと思ってるような。こうするのが当たり前だと確信しているように、私を抱きしめてくれた時決めたんです。
私と、お姉ちゃんと、先生と、エルさんと、そして姉さんたちと一緒に、みんなで暮らしたい!お姉ちゃんは話し合った時、それは出来ないと言いました。だからこそ、それを他ならない私自身の手で成し遂げる。
だから、お願い……返して。それは私とお姉ちゃんと姉さんたちを繋ぐために必要な……!
「……それを返してもらおうか」
――――ああ。やはりあなたは、お姉ちゃんは。………姉さんに似ている。
それからはお姉ちゃんの一方的な展開だった。ただ、大きな男の人がお姉ちゃんの攻撃を素手で弾いていたのは驚きました。その後私たちに頭を下げて、もっと驚いたのですが。
そうして無事家に戻った私に先生が鬼気迫る顔で迫ってきました。
「おいセレナ。怪我はないか!?身体に異常はないか!?」
「だ、大丈夫ですよ先生。ですから落ち着いてください!」
「……良かった」
先生はそれだけ言うと、ポスッと私のお腹の少し上のあたりに額をあて、すがってきました。
私は先生のそんな姿を初めて見て、それがとても嬉しくて、思い切り抱きしめました。先生もそれを嫌がることなく、私を抱きしめ帰してくれました。
私には足りないものが多すぎる。戦闘技術にしても、先生から教えられている錬金術にしても。もっともっと強くならなければならない。
この人たちは私のもう一つの家族と同じです。だから、姉さんたちと一緒に暮らせるように、家族を守れるように、尽力することを固く誓いました。
この時、私のポケットに入っていたバーニングファルコンプログライズキーが、ほんのりと熱を発していたことに気付くことはありませんでした。
《弦十郎side》
重苦しい雰囲気に包まれる司令部。そんな中佇む俺の目の前に2人の少女、姪である風鳴翼と天羽奏がいた。俺は今からこの2人に罰を下さないといけない。理由は命令違反。
俺は基本彼女らの行動を咎めることはそこまでしない。勿論何も言わないことはないが、きつく言うことはしていない。緊急事態において、一番周りを見渡せているのは現場の人間だ。だからこそ、彼女らの意見も尊重しながら、指示を下すようにしている。
だが今回のことはさすがに見過ごせない。
「今お前たちがこうして俺の前に立っている理由。分かっているな」
「…はい」
「……」
「なら良い。俺はこれでも司令であり、お前たちの上司だ。だからお前たちに罰を与えにゃならん」
「……なんでだよ……」
「何?」
「旦那だって言ってただろ。警戒するに越したことはないって」
確かに彼女たちのことを了子くんから聞いていたとはいえ、俺たちはまだよく知らない。そのため彼女たちが再び現れたとしても、警戒はしておけと言っていた。とはいえ奏のしたことを認めることにはならない。
「俺は積極的に交戦しろと言ったつもりはないぞ」
「……っ」
「それでは罰を言い渡す。奏は2週間謹慎だ。翼は天羽々斬を緒川に預けておけ」
命令違反の罰という割には軽めだが仕方ない。ノイズに対抗できるシンフォギアを使えるのは現状奏と翼だけであり、そのためノイズが発生した時の為に、シンフォギアを取り上げるといったことは簡単には出来ない。翼に至っては学生であり、歌手としての仕事もあるため奏のように謹慎とはいかない・一応緒川に預けるようにさせるが、アイツなら翼のマネージャーとして離れることはほとんどないため大丈夫だろう。
だが2人とも根は真面目だ。今回のことをきちんと受け止め、反省してくれるはずだと信じている。
しばらくして2人が部屋から出ると、俺は息をはいた。
「お疲れ様弦十郎くん。……やっぱり気になる?」
「ノイズと戦えない俺たちの代わりに戦っている彼女たちに、ここで指示を出すしか出来ない俺が説教を言うのも、結構くるものがあるな」
「でも、貴方は司令だもの。彼女たちも分かってくれるわ」
「ああ……。そうだ了子くん。あの時は助かった」
「別に気にしなくてもいいわ。貴方が彼女たちの元に向かったのは驚いたけど、私としても七海ちゃんと戦うのは気が引けたしね」
俺が七海くんと初めて対面した時、俺だけでは彼女に手を引いてもらうことは難しかった。彼女が了子くん、フィーネと昔馴染みだったから手を引いてもらえたのだろう。
彼女たちとは何とかして手を組みたいからな。さすがに2課を代表する立場である俺が手を出したら、いろいろと面倒だ。
「中々に大変だな」
これからのことを考えると不安が込み上げてきて、俺は大きなため息をつくのだった。
《キャロルside》
「ふぅ・・・」
湯気が立ち上る湯に入ると、身体に染み渡る心地良さに、思わず変な声がでる。なんとなく恥ずかしくて、さり気なくナナ姉えの方を見る。
「はにゃ〜」
心配は無用だった。なんだろ、はにゃ〜って。
「………」
水滴が水面を叩く音だけが浴室に響く。
そのことについて聞くべきか、聞かないべきか。私としては聞かなかったことで後悔はしたくない。でも聞いてしまったら、今のこの関係が変わってしまうのではないかとも考えてしまう。
「……キャロルは聞かないの?」
「ふえ!?」
「なんで分かったの?って顔してる。……キャロルはオペレートしてくれているから、私たちのバイタルチェックもしてるはずでしょ?」
「………」
内心を言い当てられ黙ってしまった私の頭を、ナナ姉えは優しく撫でる。
「私の目的はキャロル、貴方と一緒にいること。そして貴方の進む道を見届けること。だから私がキャロルから離れることはないよ」
「初めて会った時からそうだった。なんで?どうして私を……」
「強いて言うなら……一目惚れ?」
ナナ姉えがなんてことないように放った一言に、お風呂で既に赤く火照っていた私の顔は、さらに赤くなった。
「うう……そんな恥ずかしいこと、真顔で言わないでよぉ」
「ごめんごめん。でも今の私には貴方だけじゃない。エルやセレナもいる。今の暮らしを守りたいって思うのは、キャロルもでしょ?」
悪戯が成功したような顔でナナ姉えが謝る。……でも、ナナ姉えが言うことは確かだ。前の暮らし、パパと2人で暮らしていた頃やそこにナナ姉えも加わった頃、そしてパパが死んじゃってナナ姉えと2人で暮らした頃。その頃だって不満はなかった。当然悲しいことはたくさんあったけど、でもそれ以上に幸せだった。
ホムンクルスの技術でエルフナインをナナ姉えと一緒に完成させ、3人で暮らすようになってからはまた違う幸せがあった。最初は私の”記憶”を複製してエルフナインの”記憶”にするつもりだったが、ナナ姉えが別の方法を提案した。私がエルフナインに錬金術を教え、ナナ姉えがその他のことについて教えるというものだった。
最初は非効率的だと思っていた。ナナ姉えと2人で暮らすようになってから、私たちの錬金術師としての力も上がっていた。なのにわざわざ一から教えるなんてと、そう考えていた。でも言いくるめられる形で納得した私は、エルフナインに錬金術を教えていった。
予定を変更したことである程度の人格の形成の為に、私とナナ姉えの記憶をベースにしたためエルフナインは錬金術に興味を持っていた。だから私が教えたことをエルフナインはスポンジのごとく吸収していった。最初はいろいろと迷うこともあったが、徐々に人にものを教えることに楽しさを見出していった。ある程度教えると、自分で研究するように言い今に至る。手取り足取り教えるだけでは錬金術は極めることなどできないのだ!
そうしてエルはナナ姉えから相談を受けライダーシステムの研究に、私はナナ姉えが回収した聖遺物の封印作業を主に時間が出来ると自身の研究に耽ることになる。
そしてつい最近、セレナが家に来て昔のようにセレナに錬金術を教えることになった。セレナはやる気がある。先生と呼ばれるのも悪くないし……。
ただ今日みたいな目にセレナがあった時は、とても怖かった。ナナ姉えは聖遺物の回収に行ってもヘッチャラな顔で帰ってくるけど、セレナが傷つけられると不安が広がった。そのせいでセレナが帰ってきたら目に見えて狼狽してしまった。でも、何事もなくて本当に良かった。
「私はキャロルの傍にいるし、そこにはきっとみんながいるから……」
ナナ姉えは私を膝の上に乗せる。私はそんなナナ姉えの胸によりかかる。
「……ナナ姉え」
「んー?」
「私もナナ姉えを守れるように、もっと強くなる」
「そっか」
私は護られるだけじゃない。ナナ姉えも、エルフナインも、セレナも大切な”家族”は私の手で守りたい。そのためには……エルフナインに協力を仰がないと……。
だけど今は、せっかくのナナ姉えとの2人きりを、堪能しても罰は当たらない…よね?
《了子/フィーネside》
2課での仕事を終え、私は家へと変える。……昔は隠れ家としか呼んでなかったのに、家と呼ぶようになったのはあの子たちのおかげかしら?
「ただいま~」
「ん?ああ帰ったのか。もう少しで飯出来るから、待っててくれ」
「分かったわ」
リビングに入ると、クリスが夜ご飯を作っていた。クリスがここまで料理が上達するなんて、あの子のおかげね。
自室に戻り動きやすい格好に着替えた私は、地下にある部屋に向かう。
「入るわよ」
「ん?どうぞー」
扉を開けると、複数のパソコンの画面が光っておりキーボードを叩く音が絶え間なく鳴る。
「そろそろご飯だって、クリスが言ってたわよ」
「おーそっかそっか。それじゃ行きますかね」
そう言ってキーボードを叩いていた少女、
「そんで私たちはいつまで2課に秘密にしてるの?」
「どうしたの?急に」
「ちょっとねー」
「まあ、そろそろ頃合いだとは思うわ。貴方が聞いてくるという事は、力を貸してくれるという事で良いのかしら?」
「そういうことだねー。なんせ、私の才能を発揮しすぎると世界の文明を急激に進めてしまうからね」
世界の文明を進めてしまう、ね。最初は半信半疑だった言葉も、いつの間にか慣れてしまった。彼女の才能は、確かにそれを成し得てしまうのだろう。本人にその気があれば、だけど。
「ま、とりあえずリビングに行こう。お腹減ったし」
「そうね」
さて今日の料理は何かしら?
今回はちょっとした寄り道。
セレナは自身の”夢”を果たすために決意を固める。
弦十郎は司令としての重責に耐えながら、仕事を果たす。
キャロルは七海によってもたらされた幸せのために、行動を開始しようとする。
フィーネこと了子サイドも、原作とは違う動きを見せ始める。
弦十郎のシーンは、実際にこう思ってそうだよなぁという感じで考えて書きました。他人よりも力があることを自覚しながらも、ノイズとの戦闘では現場に赴くことは出来ないもどかしさはあると思います。
気に入っていただけたら、お気に入り登録や高評価お願いします。感想も待ってます!
無印編が終わったら番外編を入れる予定ですが、どんなのが良いですか?※あくまで参考です。必ずアンケの結果通りとは行かないのであしからず。
-
イザーク存命の頃の七海とキャロルの過去話
-
イザーク死後の七海とキャロルの過去話
-
装者たちとの絡み
-
キャロル以外とのカップリングの短編
-
その他意見(感想などで教えてください)