《七海side》
「ふぅ~。やっと会えたね……って言っても、私が勝手に会いたがってただけなんだけど」
「その姿……」
「初めまして?仮面ライダーグリスさん?」
何で?何で?何で? 私の頭の中をぐるぐると疑問が回っていた。
赤と青の装甲、複眼にはウサギと戦車がモチーフとされた装飾、そして腰にはハンドルがついたベルト。
目の前の人物から発せられた声は女性のモノだったけど、その姿には見覚えしかない。
「………仮面ライダー、ビルド」
「やっぱり知ってるか。それもそうだよね~。ふっ!」
「なっ!」
何かを呟いていた仮面ライダービルドは、一足跳びで私の目の前まで跳躍し、右手に取り出したいかにもな形の武器「ドリルクラッシャー」を振り下ろしてきた。
慌ててガードしたけど、ビルドは初撃の勢いのままドリルクラッシャーを何度も振り下ろしてくる。最初は何とか防げていたけど、防御を崩されてイイのをもらってしまった。
「あぐっ!?」
「どうしたの~?貴方の力はこれくらいじゃないでしょ?……ん?」
「はあ、はあ……一体何者……?」
「そうだね~。さしずめ……」
「っ!?それ、私の…!」
「
カシャカシャと小刻みの良い音に、ビルドに顔を向けると、2本のボトルを振っているビルドの姿があった。はっとして慌てて腰のあたりを確認すると、いくつかのフルボトルがなかった。おそらく先ほどの攻撃を食らった際に落ちたボトルを拾ったのだろう。というか今なんて言った。同じ?いったい何が同じだと言うのだ?……まさか!
そうこうしてる間に、ビルドは振っていたボトルを腰の「ビルドドライバー」にセットする。
《海賊!》
《列車!》
《ベストマッチ!》
ビルドがハンドルを回すと、ビルドの周囲にパイプが展開され、その中をマリンブルーと黄緑の液体が流れていく。
《Are You Ready?》
「……ビルドアップ」
《定刻の反逆者 カイゾクレッシャー! イェーイ!》
ビルドの前方と後方に形成された装甲が、ビルドを挟み込むように合わせられ、煙を吹きだしながら仮面ライダービルド カイゾクレッシャ―フォームへと姿を変える。
更に海賊ボトルをドリルクラッシャーに装填し、構えを取る。それに気づいた私も急いでツインブレイカ―に、消防車ボトルをセットする。
《Ready Go!》
《シングルッ!》
「ハアアア!」
「く、あああ!」
《ボルテックブレイク!》
《シングルブレイクゥ!》
ビルドの振り下ろす激流の如き水の刃と、私が振り上げた燃え盛る炎の球体がぶつかる。つばぜり合いの模様は拮抗しているように見えて、じりじりと私が押されていた。
「ぐううううう!」
「ははっ!この威力、ビルドドライバーと一緒に私が作ったんじゃ絶対に引き出せなかった!」
「答えて!なぜあなたがそれを知ってる!?」
「あいにくと、ここで答えることは出来ないかなぁ。でも――――――」
「っ!?何を!」
私はビルドの言葉に驚き、問い詰めようとしたけど、ビルドが強引にドリルクラッシャーを振り抜きツインブレイカ―が弾かれる。
「ハア!」
「ガハッ!」
そしてがら空きとなった私の胴に、水の刃の3連撃が入る。攻撃をまともに食らった私は吹っ飛ばされ、地面を転がる。何とか変身は解除されなかったみたいだけど、ダメージのせいか目の前が霞む。
このままではまずい。何とか状況を打破するために頭を働かせていると、私を守るように周囲で強い風が発生し思わず目を瞑る。
「無事か?」
「あ……」
目を開けるとそこには、大きなとんがり帽子をかぶり、仕事服だと言っていたコートを着て、腰に
《キャロルside》
「くそ!なんだこいつは!」
七海が押されている。その普段は起こらない状況に、オレは焦りを感じていた。
突如現れた、オレが知らない仮面ライダー。七海はどうやら知っているらしく、「仮面ライダービルド」と呼んでいた。どういうことだ?仮面ライダーは「ライダーシステム」によって変身できる戦士。ライダーシステムのデータを持っているのは、オレたちだけのはずだ。
だが今重要なのはそこではない。七海が押されているという事実。”あの時”のような焦燥感がオレを追い詰める。セレナが天羽奏にやられた時のような、恐怖が私を包む。
……いやだ、いやだ、いやだいやだいやだ!!もう
思い立ってからの行動は早かった。エルフナインに、急いで連絡を入れる。
「おいエルフナイン!」
『キャロル?一体どうしたんですか?今は確かナナ姉えのオペレー「オレは今から七海の援護に向かう。お前がオペレートを引き継げ!」っ!?分かりました!』
最初の不思議そうな声から一変、緊張感をもったエルフナインは理解の旨を述べると、すぐに連絡を切った。普段、七海の援護に向かうことはほとんどない。だからエルフナインもナナ姉えが危険だと、すぐに察してくれた。
オレは戦闘時に着ていくコートを羽織り、帽子をかぶる。この時間がもどかしいが、この衣装には様々な効果が付与されているため、着て行かないわけにはいかないのだ。
「よし、待っていろ七海!」
着替え終わり、そばに置いてあったモノを手に取り、テレポートジェムを使って転移する。
オレを包んでいた光が晴れると、目の前には倒れている七海とおそらく七海を攻撃したと思われるビルドがいた。急いで錬金術で暴風を発生させ、七海を守るようにビルドを遮る。さらに身体能力を強化して、七海の前に移動する。
「無事か?」
「あ……」
どうやら無事らしい。だが七海は私が腰に巻いているモノを見て、驚いた様子だった。とにかく無事という事が確認できた私は、安堵するとともに”敵”に目を向ける。
「ふ~ん。なるほど、ね。そうなってるんだ」
「お前が何者かは問わん。だが――――」
ビルドは何かをぶつぶつ呟いていたが、どうでも良い。なぜなら――――
「お前をぶっ潰す!」
《
エルフナインの協力を得て作成した「シューティングウルフプログライズキー」をキー状態に展開、腰に装着した「ショットライザー」に装填する。
《オーソライズ》
《Kamen Rider…Kamen Rider…》
バックルから、ショットライザーを外し銃口を真上に向ける。
「……変身!」
《ショットライズ》
引き金を引くと一発の銃弾が放たれる。それはまるで意志を持ったように曲がり、ビルドに向かっていく。しかしビルドは首を傾けただけで、銃弾を避ける。すると銃弾がカーブを描きながら、今度はオレへと向かってく「危ない!」…ええい余計なことをするな!
割り込んできた立花響を華麗に避けた銃弾が、私に命中する。……が、私にダメージはなく、逆に銃弾は弾けてスーツを形成する。
《シューティングウルフ!》
《The elevation increases as the bullet is fired》
「仮面ライダー……」
「……バルカン」
七海とビルドが呆然と呟く。ぐっ、ダメージがないとはいえ、やはり変身時の”これ”は慣れんな……。しかし―――
「知っていたのか?私がこれを作っていたこと」
「あ、いや…」
「まあ良い。まずはあいつを退けてからだ!」
手始めにショットライザーを数発撃ってみたが、躱されるか弾かれた。
「だったら!」
「おっと、接近戦?見たところ銃が主武装見たいだけ…っ!?」
オレが放った拳を受け止め、お返しとばかりにビルドも拳を放ってきたが、オレはそれを受け流していなす。ふふ……驚いているな。
「は!甘く見るなよ。これでもそれなりに鍛えてるからな」
「そうみたいだね~」
今度は武器で斬りかかってきたのを、半身にして避ける。と思ったら、今度は蹴りを放ってきたため、上半身を逸らして回避、反撃として蹴りを入れる。
「っ…とと」
「止めだ!」
《バレット!》
横一線にショットライザーを振りながら、4発の銃弾を放つ。オオカミ型のエネルギー弾が、ビルドに突進していく。その猛攻はビルドの武器を弾き飛ばし、体勢を崩させるほど。
それを尻目に、ショットライザーを両手で構えトリガーを引く。直後オレをとてつもない反動が襲い、強烈な一撃が撃ちだされる。
「ぐうぅう!」
「く、ぐううう、ああああああ!」
ビルドは、急いで両手をクロスさせるが、そんな防御は容易く貫通し突き刺さる。
バ
レ
ッ
ト
シュ ー ティ ン グ ブ ラ ス ト
爆発が起こり煙が晴れると、そこには膝をついたビルドがいた。さすがにあれだけの威力の攻撃なら、当然だろう。
さて、こいつをどうするか……。
「Gatrandis babel ziggurat edenal Emustolronzen fine el baral zizzl――――」
歌が聞こえた。その瞬間、オレの体をゾワゾワとおぞましいほどの何かが駆け巡った。
急いでテレポートジェムを地面に叩きつけ、七海と俺を転移させる。魔方陣が展開されオレたちを光で包んだ次の瞬間―――――
無慈悲な光が、全てを覆った。
翼さんガン無視されたうえに、気づいたらいつの間にか絶唱使ってるという。
翼「解せぬ」
そしてまさかのバルカン変身者はキャロルちゃん!
でも変身ポーズとかいろいろ違う。この意味、分かるよなぁ(ニチャア)
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最近の悩み、新しい作品の構想は浮かぶのに手が出せない(さすがにこれ以上の同時連載は無理)こと。
同時連載中の「仮面ライダーディケイド 現実と幻想の狭間」もよろしくお願いします!
無印編が終わったら番外編を入れる予定ですが、どんなのが良いですか?※あくまで参考です。必ずアンケの結果通りとは行かないのであしからず。
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イザーク存命の頃の七海とキャロルの過去話
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イザーク死後の七海とキャロルの過去話
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装者たちとの絡み
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キャロル以外とのカップリングの短編
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