《七海side》
朝ご飯を食べ、昨夜何があったのかをキャロルとエルから聞くことにした。
どうやら、キャロルが仮面ライダービルドを倒した後、風鳴翼が絶唱を使ったらしい。キャロルは絶唱のことを知らなかったみたいだけど、歌が聞こえた瞬間身の危険を感じて咄嗟に撤退したんだって。まさかそんな土壇場で賢明な判断ができたとは……さすがはキャロル。お礼もかねて、頭を撫でてあげたら顔を赤らめて、気持ちよさそうに目を細めた。何この可愛い生き物?
そして話はネフシュタンの鎧を纏った女性のことへと変わった。まず一つ、あの女性は人間じゃない。データを見るに生体反応が検知されなかった。つまり、あの女性は機械ということになる。そしてもう1つ、ネフシュタンの鎧は2年前のコンサートで、2課が起動実験してたものだと判明した。そしてこの前、フィーネと久しぶりに接触した時の会話から、あの時ノイズを出したのはあの女性だと予測できた。ソロモンの杖も向こうにあると考えた方がよさそう。
次にキャロルが変身した仮面ライダーバルカンについて。あれはキャロルがエルに声をかけて、共同で制作したものだって。ショットライザーは私がすでに制作案を出していたから、それを元に完成させたみたい。ちなみに、スラッシュライザーも私が制作案を考えた。
「ひとまず、昨日のことに関してはこれくらいかなぁ」
「あの…ナナ姉え」
「まだもう一個残っているぞナナ姉え」
「まだですよ、お姉ちゃん?」
……そうですよねはい。そして私は仮面ライダービルドに関して、徹底的に問い詰められた。何故名前を知っているのか、だとしたらあれはなんなのか。馬鹿正直に前世のこととか言っても信じて……いや、彼女たちなら信じてくれるだろう。でも言わない。言ったところで何かが変わることがないのなら、言う必要がない。
ということで、あれは過去に私が制作案を考えたけど、破棄したものと伝えると3人は完全には納得していないものの一応納得してくれた。
そして一旦お開きになり、私は街に出ていた。基本的には家にいるけど、私もたまには家から出かける。ずっと家にいたんじゃ、引きこもりだしね。
「やっぱり外に出るのは楽しいな~。……ん?あの子は……」
とある公園の傍を通った時、ベンチに座る女の子が目に入った。落ち込んでいるように顔を俯かせ、綺麗な青空とは対照的に暗い表情をしている女の子。…小日向未来がそこにいた。
「どうしたの、お姉さん?」
「……え?」
声をかけるかどうか迷っていたが、結局声をかけることにした。仕方がないでしょ?ほっとくわけにもいかないし、なんか落ち込み方がすっごいの。心なしか彼女の周囲に影がかかってる気がするもん。
「どうしたの?そんなに落ち込んで。何かつらいことでもあったの?」
「え、あ、いや、その……」
「話したら楽になるかもしれないよ?」
「……あのね」
小日向未来はポツリポツリと語り始める。まあ私にとっては予想してたことだった。曰く立花響…彼女の友達が、どうも自分に隠し事してるらしい。その友達は書く仕事が上手くなく、明らかに何か隠してると思われるが、逆に聞きにくいとのこと。
……うん。どうやらこの子も気づき始めているみたい。しっかしどうするかねぇ。聞いちゃった以上、何も言わないわけにはいかないし。
「そんなに気になるなら聞いちゃえばいいんじゃない?」
「で、でも……」
「良くないと思うよ。そうやって一人で抱えちゃうのはさ。その抱え込んだものはいつか爆発して、取り返しのつかないことになるよ」
私はそれを知っている。抱えて抱えて、ついには誰にも打ち明けることのなかった私には、それが危険だという事を知っている。
「そう、かな?」
「うん。だから思い切って聞いちゃいなよ。もしそれで後悔してしまったら、また私が話を聞いてあげる」
「……うん、そうだよね!ありがとう、なんだかすっきりしたよ!あ、そう言えばまだ名前知らなかったね。私は小日向未来って言うんだ!」
「それはよかった。私は…白黄七海」
「ありがとう、七海ちゃん!」
一瞬、立花響と関わりのある彼女に名前を伝えて大丈夫かと思ったけど、そんなに問題はないかと考え私の名前を教えた。
「それじゃあ、そのお友達と話してみると良いよ」
「うん、そうしてみる!」
「あ、ただ私のことは内緒にしてほしいなぁと」
「え?どうして?」
よくよく考えたら、彼女が立花響に私のことを話してそれを2課に伝えたら、彼女に監視がつきそうだという考えに至ったので、やっぱり口止めはしておく。多分ないだろうけど、彼女が私のことを伝えたところで、私に害はない。でも、彼女に監視がつくのはかわいそうだ。どっちみちフィーネが私のことを伝えているだろうし。
ただ目の前の少女は事情がよく分からず困惑しているけど、私はそれを無視してこの場を立ち去る。
……さて、私も目の前の問題に目を向けないとね。あの仮面ライダービルド、錬金術を使用してないことは分かってる。私には数百年ライダーシステムを使ってきたアドバンテージがあった。にもかかわらず私は負けた。
「……ッ!」
無意識に歯を食いしばる。自分が有利な状況で負けてしまった。なんて情けないんだろう。
おまけに向こうは、おそらく私のフルボトルを何本か持ってる。家を出る前に確認してみたら、何本かフルボトルがなかった。これだと次戦うときは、セレナやキャロルだときつくなるかもしれない。私でさえ勝つのが厳しくなるだろう。……それはダメだ。守ると誓った。大切な家族を、妹たちを、私は護ると決めているんだ。
……よし、やろう。ここで立ち止まることは出来ない。あの子たちを守るためには力がいる。新たな力が――――
はい、小日向さん出てきました。
どうせなのでこの際言いますが、グリスブリザードやパーフェクトは本編では出ません。まあ、どちらも好きなフォームなので番外編で出します。ああ、番外編書きたいぃぃぃ!
黒夜ちゃんってどんな感じ?
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狂気のマッドサイエンティスト
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実は悲しい過去が……
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ほんとはハッピーエンドの為に動いてる
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普通に外道
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面白そうなことに興味が尽きない