《3人称side》
《スプリングフィニッシュ!》
《バーニングレインラッシュ!》
「うらぁああああ!」
スクラッシュドライバーのレバーを下ろした七海が、スクエアスマッシュの懐に潜り込み勢いよく蹴り上げる。
「はああああ!」
バ ー ニ ン グ レ イ ン
ラ
ッ
シ
ュ
空へと打ち上げられたスクエアスマッシュは、セレナのキックによって撃破される。
「やりましたねお姉ちゃん!」
「うん。後はキャロルの方を―――」
《Ready Go!》
《ボルテックフィニッシュ!》
その時、とてつもない勢いで一体のスマッシュが、七海たちのもとに飛ばされてきた。飛ばされてきたのはフライングスマッシュ。飛行能力を持ったスマッシュだが、フライングスマッシュはダメージからか粒子となって消えた。いきなりスマッシュが飛ばされてくるという不可解な状況に、咄嗟に2人は身構える。
そんな2人に空から声がかけられる。
「久しぶりだね~」
「っ!?貴方は……」
2人の目の前に降り立ったのは、昨夜とは姿は違うものの仮面ライダービルドだった。七海とセレナは知る由もないが、変身者は宵姫黒夜という少女である。半身は白の装甲。もう片方は水色の装甲を纏い、右手には巨大なクローを、左手にはロケットのようなアミュレットを装着している。そのフォームの名がロケットパンダフォームであることを、七海は知っている。使われている2つのボトルは、なくなっていたいくつかのボトルの内の2つだ。
七海の元からはラビット、タンク、ゴリラ、ダイヤモンド、ニンジャ、コミック、タカ、ガトリング、ライオン、パンダ、ロケット、海賊、電車、ウォッチ、潜水艦、マグネット、ヘリコプター、クジラのボトルが無くなっていた。無くなり過ぎだと思った人、考えてはいけない。
「まさかこんなにも早く出会えるなんてね」
「……ほんとうに、最悪だね」
「あの人が、仮面ライダービルド…」
「へぇ……」
黒夜はセレナを興味深そうに見る。セレナはその視線に、何かゾクゾクとする何かを感じる。その様子を見ていた黒夜は、右手のクローで器用に2つのボトルを振り、ベルトにセットする。
《ラビット! タンク!》
《ベストマッチ!》
黒夜がベルトのレバーを回すと、彼女の周辺にパイプと装置が展開され、赤と青の装甲が前方と後方に形成される。
《Are You Ready!》
「ビルドアップ!」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》
装甲が黒夜を挟み込むように動き、彼女はその姿を変える。ラビットタンクフォームへと変わった黒夜は、ドリルクラッシャーを召喚し2人に斬りかかる。
「くっ……!」
「ははっ!」
黒夜が最初に狙ったのはセレナだった。思っていた以上の黒夜の移動速度に対応できず、攻撃を食らってしまう瞬間に七海が割り込み、ツインブレイカ―で受け止める。しかしすぐにツインブレイカ―を弾き、七海を斬り飛ばす。
「がっ!」
「お姉ちゃん!」
「よそ見してる暇はないんじゃない?」
黒夜がセレナに向かってドリルクラッシャーを振るうが、セレナもスラッシュライザーで応戦する。次々と斬りかかる黒夜とそれを防ぐセレナが切り結んでいく。
「はああ!」
「があ!」
振り下ろされたドリルクラッシャーを受け流したセレナが、返す刀で黒夜を捉えたセレナは次第に攻勢に出る。セレナの連撃が黒夜の装甲と当たり火花を散らせる。
「はは……やるね。でもこれなあぐっ!」
黒夜はそう言ってドリルクラッシャーにフルボトルをセットしようとすると、どこからか飛んできた砲弾によってドリルクラッシャーを手放してしまう。砲弾が飛んできた方向を見ると、2台の小さな戦車「マウントキャタピライザー」が、七海の周囲を旋回していた。
《注ぐぅ!狙うぅ!撃ち放つぅ!》
《タンクゥイングゥリスチャァァァジ!》
《ドォッガアアアンン!!》
「おおう。物騒なことで」
「はっ!」
七海の両肩の砲塔「ブレイクゲイザー」から砲撃が行われるが、黒夜はそれを跳躍して難なく躱す。しかし、跳躍した先には主翼「バーニングスクランブラ―」を広げ、飛行しているセレナが待ち構えていた。
「うそ!?」
「そこです!」
「がっ!」
袈裟切りに振るわれたスラッシュライザーは、黒夜を切り裂き、黒夜は地面に叩きつけられる。荒い息をつく黒夜は、ゆっくりと立ち上がり、七海とセレナに向き合う。
「ははっ……。想定以上だね」
「貴方の感想はどうでも良い。さっさとどいてもらうよ」
「やれやれ、せっかちだね。せっかくなら、私が”これ”を作れた理由を教えてあげる」
《マックスハザードオン!》
黒夜は赤いL字状の物体を取り出し、角にあるスイッチを押す。セレナは何をするつもりかと警戒するが、”それ”を知っている七海は体を強張らせてた。
黒夜は取り出したモノ「ハザードトリガー」を、ビルドドライバーにセットし再びボトルをセットする。
《ラビット!タンク!》
《スーパーベストマッチ!》
《ガタガタゴットン! ズッタンズタン! ガタガタゴットン! ズッタンズタン!》
黒夜がレバーを回すと、前後に鋳型のような専用のフレーム「ハザードライドビルダー」が形成される。
《Are You Ready?》
「……ビルドアップ」
《アンコントロールスイッチ!ブラックハザード! ヤベーイ!》
ハザードライドビルダーが黒夜を挟みこみ、収納されるとそこには、黒い仮面ライダービルドがいた。複眼はラビットタンクフォームと変わらないが、真っ黒で刺々しい姿は明らかに危険だという事を示唆している。さらには禍々しいオーラまで放っており、その威圧に七海とセレナの2人は思わず後ずさる。
「な、何あれ……」
「これは…まずいかな」
「さあ、少しは耐えて……私の好奇心をしっかりと満たしてよ」
(好奇心……?)
七海は黒夜の呟きが気になったが、黒夜が2人に向かって走ってくるのを見て、頭を切り替えた。
そして別の場所では……
「はあ!甘い!」
仮面ライダーバルカンに変身しているキャロルが、ショットライザーの銃撃をバーンスマッシュに叩き込む。バーンスマッシュはダメージと衝撃に押され、地面に倒れこむ。
そもそもなぜ戦っているのか。今日はいつも通り工房で研究にいそしんでいたら、唐突にスマッシュとノイズの反応が現れた。複数の場所でその出現が確認されたため、数が多い方に七海とセレナが向かい、少ない場所にキャロルが向かった。そしてその向かった先に居たバーンスマッシュと戦闘になったのだ。
「さっさと終わらせて、七海たちの方に行かないといけないな……」
「でやあああああ!」
キャロルがバーンスマッシュに追撃しようとすると、キャロルとバーンスマッシュの間を”何か”が横ぎった。ビルにぶつかって止まった”何か”を見ると、炭化しているノイズだった。
何故ノイズが飛んできたのか、キャロルは先ほどの声で誰の仕業か分かっていた。
「あ!あなたあの時の!」
「……やはり貴様か、立花響」
「お前は・・・!」
「司令たちが言っていた通り、貴方たちもいるのね」
キャロルの元に来たのは3人。キャロルが予想していた立花響と、キャロルにとっては(主にセレナと七海関係で)何かと因縁がある天羽奏と風鳴翼だった。おそらく彼女たちはノイズを倒しに来たのだろう。スマッシュはあのビルドとかいうやつが、戦っているのだろう。
(となると、七海たちと接触してる可能性があるな)
一刻も早く合流しなければと考えていると、バーンスマッシュが放った火球が迫っているのに気付いたキャロルは、バックステップで回避する。奏者たちもそれぞれ回避した様だった。
「ちっ、邪魔をするな!」
「ねえ!私たちも手伝うよ!」
「立花、彼女はまだ味方かどうかわからないんだぞ!」
「でも、スマッシュと戦ってますし、私たちとも戦おうとしてません!だったら、協力できるはずですよ!」
そんな奏者たちの会話をよそに、キャロルはショットライザーを撃ちながらバーンスマッシュに接近する。十分に接近すると拳打を浴びせていく。バーンスマッシュも負けじと右腕を振るうが、キャロルは左手で受け止める。そして受け止めた腕を振り払い、回し蹴りを叩き込む。
「せっかくだ。こいつで止めを刺してやろう」
《パワー!》
《オーソライズ》
《Kmen Ridar......Kmen Rider......》
シューティングウルフプログライズキーとは違うプログライズキーをショットライザーにセットし、キャロルが引き金を引くと一発の銃弾が撃ちだされる。
「ふん!」
《ショットライズ》
《パンチングコング!》
《Enough power to annihilate a mountain》
軌道を変え、キャロルに向かってくる銃弾を裏拳で弾く。弾かれた銃弾はアーマーへと変わり、キャロルの新たな姿を形成する。
「さあ……ぶっ潰すぞ!」
黒夜ちゃんってどんな感じ?
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狂気のマッドサイエンティスト
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実は悲しい過去が……
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ほんとはハッピーエンドの為に動いてる
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普通に外道
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面白そうなことに興味が尽きない