錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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評価☆10 トコロテンさん 
評価☆9 孤高の牛さん
感想 TRANS-AMさん
ありがとうございます!

今回の話は多少胸糞要素ありです。読まれる方は注意してください

追記 R-15タグ追加しました 


幕間 もし次があるのなら…… 

《???side》

ある日、私の父が再婚した。相手は父と同じくらいの年齢の人で、私より少し年上の娘さんがいた。だから彼女は私の義姉という事になるのだろうか。初めは仲は悪くなかったと思う。私は姉さんと呼んで慕い、姉も私のことを可愛がってくれた。でも少しづつ、それは壊れていった。

理由を上げるとするのなら、両親だろうか。姉は世間で言う天才の部類に入る人だった。何をやっても、何をやらせても一番は当たり前。そんな姉を、両親は甘やかした。それは理解できる。自分の娘が天才ならば、親としては誇らしいだろう。娘が天才だともてはやされれば、自分たちも良い思いができる。なんせ”天才”の親なのだから、何かを言うだけでも周りは褒め称える。

 

そうして蜜の味を知った両親は、その蜜をもっと求めた。そして蜜を啜るために向けられた矛先は、私だった。両親は私にも姉と同じことを求めた。しかし現実とは非常なモノ。1番がいれば、その下の2番、3番がいるのは当たり前。私がどれだけ努力をしようと、姉を追い越すどころか追いつくことすらできなかった。最初は私を励まし、応援してくれていた両親だったが、彼らにとって重要なのは結果であり、過程を褒めることはしなかった。

やがて両親は私に見向きもしなくなり、両親は姉にばかり目を向けていた。きっと私は家族とすら思われなくなったのだろう。最初は仲の良かった姉も、両親に言われたからか言葉を交わす機会も減り、ついに私は一人になった。

 

家の外でも同じだ。姉に追いつきたくて、褒めてもらいたくて、いろんなものを顧みず切り捨ててきた。姉とは違う学校だったため、私はその学校での成績は首位だったが、代わりに私に対するいじめが発生していた。姉に追いつくために、友達付き合いといったことは私にとっては邪魔にしかならなかった。そのため親しい人がいない私を庇う人もおらず教師は黙認、成績トップで自分たちを見下しているいけ好かない奴と認識された私に、味方などいるはずもなかった。

 

徐々に私の精神は弱っていき、気づいた時には目の前に吊り下げられたロープで作った輪っかがあった。そこで気づいた。私はもう限界なんだと。気付いたところで私は、抗うこともしなかった。

 

――――ああ、神様。もし次があるのなら、その時はどうか…………”家族”と、いっしょに幸せになれますように。

 

輪っかを首に掛け、せめてあまり苦しまずに逝きたいなぁと考えながら目を瞑った時、私の意識は闇に落ちた。

 

 

 

目を開けると、私は見知らぬ場所にいた。周りを見回すとあたり一面が真っ白である。その白さに汚すことすら禁忌だと思えてしまう。

 

「私は、どうしてここに・・・」

「どうやら気づいたようですね。という事は、意識の転移は成功したという事ですか―――――」

 

 

 

 

 

《???side》

ある日、私の母が再婚した。相手は母と同じくらいの年齢の人で、私より少し年下の娘さんがいた。だから彼女は私の義妹という事になるのかな?初めは仲は悪くなかったと思う。妹は私を姉さんと呼んで慕ってくれ、私も妹のことを可愛がった。初めての妹なのだ。過保護気味だったかもしれないけど、それも仕方のないことだ。でも少しづつ、それは壊れていった。

 

理由?それはきっと両親のせいじゃないかな~。少なくとも姉妹仲は良好だったし。ただ、自分で言うのもなんだけど、私は世間一般的に言う天才の部類の人間だったらしい。何をしても、すぐに一番になってしまう。非常につまんない、というかメンドクサイ。私が”天才”として少しばかり話題になれば、良い思いができると学んだ両親は、私にいろんなことをやらせてきた。芸術やスポーツ、他には家事といったことも。そのどれをも簡単にマスターし(とは言っても、その道のプロには勝てないけど)、私は通っていた学校でもちょっとした有名人だった。男女関係無しに告白されたことなんて星の数。全部断ったけど。テレビで取り上げられたこともある。

ただ、私は飽き性だった。何をしても簡単に出来てしまう故なのだろう。そういうわけで、私は日々に退屈していた。私を褒め称えては機嫌を取ろうとする両親、私を神聖化し何だかんだと騒ぎ立てる同級生。ホントめんどくさかった。

 

私が妹に興味を持ったのはそんな時だ。おそらく、もっとおいしい思いをしたい両親が妹に「お姉ちゃんのようになるよう努力するのよ」と言っていた。よく言うよ、私の努力を誉めたことなんて、一度たりともなかったくせに。しかしその言葉を真に受けた妹は、私に追いつくために努力をし始めた。驚いたことに妹は、だんだんと私に追いつき始めた。私は飽き性だが、妹は努力にかけては私を越えていたのだ。勿論私だって努力はする。幾ら天才だとしても、いきなり0の状態から完璧にこなすことなど無理な話だ。ただ私においては一定の努力でよかった。しかし妹は並以上に出来るようになっても、努力をやめなかった。それを知った時、何故だか私は心が躍った。初めて私を負かす相手になるかもしれない。それは私の退屈な日々を、急に賑やかにした。いつ私を越えてくれるのだろうか、毎日が楽しみで仕方なかった。

 

しかし、それを遮る馬鹿が現れた。私たちの両親だ。両親は結果を優先し、結果が伴わなければ過程の努力を認めることはない。いつまでたっても私に追いつくことすらしない妹を、だんだんと両親は罵倒するようになっていった。私は両親の行動が妹のやる気を削がないよう、私に目を向けるようにした。……今思えば、それが間違いだったのだろう。妹のやる気はその程度で削がれるほど、やわじゃなかった。

 

ある日、私が妹の部屋の前を通りかかった時、バタンッと何かが落ちた音がした。気になった私は、扉をノックするが反応がないことを不思議に思い部屋に入ると、そこには天井から吊り下げられたロープと地面に倒れた妹がいた。急いで駆け寄るも、妹は息をしておらずすでに死んだ後だった。そこで叫ぶことをせず動揺が比較的小さかったのは、最低な両親と接していたおかげで精神が早熟していたおかげか。

ともかく私が最初にしたことは、部屋の物色だった。妹が自殺したのだとしたら、おそらく遺書か何かを残していると思ったからだ。そして思った通り数分で遺書は見つかった。そしてすぐに両親に妹が自殺していることを伝えた。両親は慌てて部屋に行き、妹の死体を見て慌てふためいていた。私はすぐに警察に通報しようと言ったが、両親によって止められた。どういうことか聞き返すと両親は必死な顔で、公にすれば私たちの経歴に傷がつくと言い始めた。

………私は目の前の動物が何を言っているのか理解できなかった。自分の娘が自殺したというのに、何を言ってるんだ?というか私たち(・・・)?ナゼワタシガハイッテイルンダロウ?…………ふざけるな!!そう言ってやりたい気持ちだったが、ここで言ったところで効果は薄い。なんせ私の妹の死を蔑ろにしたのだ。簡単に終わらせてなるものか。

 

……きっとこの時から、私は狂い始めたのだろう

 

妹の遺体は、猿2匹が車に乗せて近くの山に運んで行った。おそらく山に埋めて隠すつもりなんだろう。私は最後ぐらい傍に居たいと言ってついて行った。そして着いた山で猿2匹は大きな穴を掘り、そこに妹の遺体を乱暴に落とし、土を被せて埋めた。私は車内でそれを眺めながら、妹が残した遺書を読んだ。内容としては、あの猿どもからの理不尽な期待、そして家族と思われなかったこと、学校でのいじめといったことに耐え切れなかったという内容だった。すべて読み終えた時、私は遺書を握る手に力が籠り、遺書はグシャグシャになっていた。その後、戻ってきた猿どもが決して口外しないように言ってきた。そんなに甘い蜜を啜っていたいのだろうか?私はどうでも良いけど。

 

それからの私の行動は早かった。今まで培ってきた人脈で妹の周囲を洗い、妹を虐めていたやつらにしっかりとお仕置きをした。あの猿どもによる虐待、あの時撮っておいた遺体遺棄の証拠等を警察に送りつけておいた。猿どもは妹の死を誤魔化す為に失踪届を出していたので、少なくとも悪戯とは思われないはずだ。

そうこうしていると、家のインターホンが鳴った。部屋の窓から外を窺うと、パトカーと数人の警察官がいた。予定通りになったことに満足し、私は最後の作業を済ませることにする。机の引き出しから取り出したのは、黒光りする拳銃。私が一から作ったものだ。こういう時に私の才能は役に立つ。

拳銃の銃口をこめかみに当てる。私の最後の作業、それは私の自殺である。そして私が残した遺書で猿どもは確実に罪に問われる。これを行う理由は2つ。1つは妹の遺書には私に関することが書いてなかったが、気づかなかった時点で私も同罪だから。

2つ目は私が死への好奇心に囚われたから。妹の自殺、いじめ加害者たちをお仕置きする際にやり過ぎて自殺する子が出ていた。それを知った時、狂っている私は死への好奇心に囚われた。やっぱ私っておかしい。

 

さて、さっさと終わらせましょうか。こめかみに当てた拳銃を握りなおして、特に何の感傷もなく引き金を引く。自作だからか、かなり大きな発砲音が鳴り、身体が倒れるのを感じる。意識が遠くなる中聞こえるのは、誰かが廊下を走る音。

 

―――ああ、神様。もし次があるのなら、今度は普通な人生を歩みたいよ。

 

そして私の意識は闇に落ちた。

 

 

目を開けると、私は見知らぬ場所にいた。周りを見回すとあたり一面が真っ白である。その白さに汚すことすら禁忌だと思えてしまう。

 

「なに、ここ・・・?」

「気づきましたか?初めまして、黒夜さん」

 

 




話が長くなったのって、この設定のせいだと思う。

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  • もうちょっと更新頻度を早くしてほしい
  • 戦闘描写をもっと濃く
  • キャロルと百合百合せえや
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