錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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評価☆8 立花オルガさんありがとうございます!

思わぬ休校で書けたので投稿。今回はクライマックスへの導入。


28 陽だまりの意味、感じて見ようか?

《七海side》

……私は今どこを歩いてるんだっけ?いや、まあ、どうでもいいか。えっと、何でここにいるんだっけ……。ああそうだ、よく分かんなくなって外に出たんだっけ?…って今外にいるんだから、当たり前じゃん。は、ハハ……。

よく回らない頭で考えながら、私はただ歩く。気付けば、またあの公園に足を向けていた。確かここで小日向未来と初めて出会って、その次もまた会って、なぜか立花響も入れて買い物に行ったんだ。そして、仮面ライダービルドを倒したと思ったら姉さんで、その後キャロルたちに私が転生者だって言ったんだ。いや転生の部分は言ってなかった。

買い物の件は一週間も前のことなのに、結構前のように感じる。あれ以来、キャロルは未だに部屋に閉じこもっているらしい。食事を持ってきてくれるセレナがそう言ってた。

 

「はあ……。それにしてもなんだか熱いな。はあ、はあ」

 

なんだか眩暈がするし、頭もガンガンする。ひとまず近くのベンチに座った私は、ただただボーっと目の前を眺めていた―――――

 

 

 

 

―――――なんだか頭に柔らかいものが乗っかっている気がする。その割には重さは感じない。……ああ、そうか。これは何かが乗っかってるんじゃなくて………

 

「う、ううん」

「ん?なんだ、起きたのか?」

 

………私が乗っかってるんだ。

 

「よー。ねぼすけ」

「雪音、クリス」

 

いつの間にか閉じていたらしい目を開けると、一番に飛び込んできたのは強烈なお日様の光。そして輝くような銀髪を持った雪音クリスだった。その雪音クリスが、私を見下ろしていた。という事は今の私ってもしかして。

 

「あんま無理しねえ方が良いぞ。結構ヤバそうだったしな」

「……じゃあ、お言葉に甘えるとするよ」

 

膝枕されてた。もう一度言う。膝 枕 さ れ て た 。なんで?なんで?なんで?全く状況が呑み込めないので、素直に聞いてみることにする。

 

「どうして私膝枕されてるの?」

「たまたま見つけたんだよ。お前が一人でいたの」

「ふ~ん。じゃあ私は拘束されるのかな?」

「安心しな。おっさんらには言ってねえし、とっつかまえたりもしねえよ」

 

ふむ、つまり2課には連絡していないということか。どういうつもりかは知らないけど。というかこの子って、誰かを介抱できるような子だったっけ?

 

「……なあ」

「んー?」

「黒夜…お前の姉ちゃんどこにいるか知らねえか?」

「知らない。というか聞いたんだ」

「そりゃあ、あんなことあったら聞くだろ。そんでまあ、お前があいつと家族だったとか、この世界の人間じゃないとか」

「それだけじゃないでしょ」

「……あいつって、狂ってんのか?」

 

なるほど。そこまで知ったのか。そう。この世界であの姉はなぜか狂ってる。何で狂ってるのかは知らない。何かあったとしたら、私が死んでからだろう。

 

「それを知ってるのは貴方だけ?」

「おそらくな。すげえ悲しそうで、苦しそうだった」

「………それで、姉さんがどうしたの?」

「ああ。しばらく帰ってこねえんだ、家に。」

「……それって―――」

「おーい!クリスー!」

 

遠くからクリスの名前を呼ぶ声が聞こえた。この声は聞き覚えがある。

 

「なんだよ。遅かったな」

「ごめんね。自販機が思ったより見つからなくて。あ!七海ちゃん起きたんだ!よかった~」

「小日向未来。貴方もいたんだってなにこれ?」

「スポーツドリンクだよ。心配したんだよ?七海ちゃんの顔すっごい熱かったし、たぶん熱中症になったんだとは思うけど…」

 

つまり私はここで軽めの熱中症になって、気を失っていたと。今日は結構気温も高いし、フラフラと外を歩いていたからなっちゃったんだろうね。私は起き上がって、小日向未来がくれたスポーツドリンクを飲む。冷たいドリンクが喉を通り、火照った体が冷えていくのを感じる。気分が落ち着くと、ふと聞いてみたいことが浮かんできた。

 

「……ねえ」

「うん?どうしたの?」

「あなたは、どうやって仲直りしたの?立花響と」

「響と?……う~ん。気付いたら仲直りしてた気がする。ほら、前に七海ちゃんが言ってくれたでしょ?気になるなら聞いちゃえばいいって」

「……ハハッ。そっかぁ」

 

立花響が彼女を陽だまりと言っている意味が、分かった気がする。それにしても結局のところ、あんまりいい答えは得られなかった。まあ、今回のは身から出たさびだ。仕方ない。

 

「そろそろ帰るよ。ありがとう。2人とも」

「体調は大丈夫なの?」

「ええ。雪音クリスの膝枕のおかげでね」

「けッ!さっさと行きやがれってんだ」

「はいはい」

 

背を向けてこの場を立ち去ろうとした時、甲高い音を響かせてサイレンが鳴りだした。

 

「ッ!これって……」

「ノイズか!小日向、シェルターに行ってろ!いいな!」

「クリス!?」

「お姉ちゃん!」

「セレナ!」

「ようやく見つけました。心配したんですよ!急に居なくなるから!」

「ごめん。でも今は」

「分かってます。行きましょう!」

 

私を探していたらしいセレナを伴い、ノイズが現れた場所に向かう。きっと今日は何かが変わる。そんな勘を感じながら。

 

 

 

《弦十郎side》

 

「急ぎ近隣住民の避難を進めろ!それから、装者たちにも出動要請だ」

 

ノイズ出現の連絡を受け、すぐさま指示を飛ばす。ここ一週間、ノイズの出現がなかったことが、ここにきて出てきたか。しかし、相変わらず妙だ。ノイズがこんなに間を開けずに出現することなど、今まで無かった。……それに例の件もある。考えすぎだと思うし、違ってほしいとも思うが、オレは2課の司令という立場だ。ならば、目を逸らすことだけはしてはいけない。

その時、ケータイの方に連絡が入った。相手は翼のマネージャーである2課のエージェントの緒川からだった。

 

「…………そうか」

 

緒川のメッセージに目を通した俺は、息を吐き覚悟を決める。どうやら、現実とは非常なものであるらしい。

 




クリスって、響を馬鹿1号って呼んだりするから、時々人を名前で呼ぶんだっけ?って戸惑うことがある。

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  • 戦闘描写をもっと濃く
  • キャロルと百合百合せえや
  • 早く話を進めてほしい
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