それとツインブレイカ―の必殺技って、アタックモードとビームモードで名前違うんですね…(初知り)
《七海side》
「つゥ!こいつら、強い!」
「アハハハ!おねーさん弱ーい!」
目の前で無邪気に笑うネリを見据え、体勢を整える。カイザーリバースの力は、私が思っていたよりも強力だった。まあ、原作映画の方じゃラスボス(の一部)だしね……。セレナの方も手こずっているみたい。
「この……!いい加減にしろ!」
「へへえ~!やーだよ!」
ネリの戦い方は分かりやすい。攻めを念頭に置いた連続攻撃で、攻めて攻めまくる戦法。単純だが、それで実際苦戦しているため、ネリの戦闘能力の高さが窺える。しかし……。
「だからこそ、分かりやすい!」
「うきゃあ!」
ネリがスチームブレードを振り下ろした瞬間を狙って、カウンターを叩き込む。ネリと距離を話すことに成功し、私はクラッシュブースターを取り出しロンダリングダイヤルを回転させる。
《チャージ!》
「こんなところで時間を食っていられないんだ。一気に突破する!」
《オーバーグリスゥ!》
《オーバーチャージィ!》
私を巨大なガラスの筒が覆い、中身にマグマニックジェルが注入される。そしてクラッシュプレスによって筒が破壊され、マグマニックジェルが流れ出る。ボコボコと音を立て爆発し、飛び散るマグマニックジェルがアーマーを形成し、身体の至る所から蒸気が噴き出る。
《限界ブレイクゥ!激熱突破ァ!オーバーグリス!》
《ウラアアアアアアア!》
「心火を燃やして、ぶっ潰す…」
―――残り300秒
オーバーグリスへと変身した私は走り出し、ネリに拳を叩きつける。少し後ろに下がったネリはネビュラスチームガンを撃ってくるけど、それに構わず銃弾の中を突き進む。
「ちょっ!?」
「うらああああ!」
「ぐはっ!」
銃弾をものともしない私に怯んだネリに飛び蹴りを食らわせ、そのままスチームパンツァーを何度もたたきつける。止めにアッパーの要領で拳を振り上げ、ネリを吹き飛ばす。
―――残り250秒
「ハアアアア!」
「グアアア!」
「一気に終わらせてやる!」
《ブースト!》
ロンダリングダイヤルのメモリを「ブースト」に動かし、スクラッシュドライバーのレバーを下ろす。
《オーバーブースト!》
《ブーストアタック!》
「なっ!?消えたっ!ガッ!」
超高速でネリの背後に回り打ち上げ、そのまま数回打ち上げると地面に向かって殴り飛ばす。ネリは背中から地面に激突し、苦しそうに悶える。しかし油断はしない。続いてスチームパンツァーにロボットスクラッシュゼリーを装填する。
―――残り155秒
「はあ、はあ。これが、仮面ライダーグリスか。でも、あの赤い方は貴方ほどじゃないみたい。なら、まずはそっちから……」
「”家族”を、やらせるわけないでしょ!」
《スクラッシュゼリー!》
ネリを倒すために接近し、「パンツァーブレイク」をぶちかまそうとする。ダメージからか膝立ちのネリに向かって、スチームパンツァーを振り下ろそうとした瞬間、私の頭にある場面がよぎった。
『ナナ姉えの、ばか……』
「……ッ!」
「……?そこぉ!」
「しまっ!があああ!」
”家族”という言葉で頭をよぎった、キャロルが泣きそうな顔を背け私から離れていく場面に、私の動きは一瞬止まる。その隙を狙われ至近距離でネリのスチームガンの連射が、私に突き刺さりたまらず後退する。しかし、先ほど見たイメージが頭を離れず私は立ち尽くしてしまう。
……自分では決着をつけているつもりだったけど、思いのほか私の心の奥底にこびりついていたのだろう。私が思い描いてしまった、最悪のイメージが。
「アハハハ!なによ、急に動かなくなっちゃって。つまんないの」
《エレキスチーム》
「ハア!」
「ああああッ!」
ネリがスチームブレードのバルブを1回転させトリガーを引くと、刀身に電撃が発生する。ネリに電撃を纏ったスチームブレードを叩きつけられた私は、地面を転がる。体を走る電撃のせいで、身体が痙攣してうまく立ち上がれず、更には変身まで解除されてしまった。
「お姉ちゃん!くぅ…」
「ウフフフ…。よそ見している余裕があなたにあるんですか?」
「きゃあ!」
私が倒れたことに気を取られたセレナが、モネのスチームガンでの精密な銃撃を食らい、私同様変身解除に追い込まれてしまう。これまで、なのかな……?家族を守れず、泣かせてしまう私の限界なの?やっぱり、私に幸せな家族なんて勿体なさすぎたんだ。
…………そんなの嫌だ!!
「グ、グウウアアアア!!」
「アハハハ!まーだ立ち上がるの?」
「ウフフフ…。もう勝負はついていますのに、まだ無駄な努力をすると?」
当たり前だ!私は守れなかったことを悔いるために、家族が欲しかったんじゃない!私は前世で
キャロルを助けたのも、原典で家族の愛を奪われたキャロルを自分に重ねていたからだ。家族の愛を失うことが、どれだけつらく苦しいことか知っているから!助けたいと思った!私がどれだけ絶望に叩き落とされようと構わない!でも、あの子たちにこの絶望を味わって欲しくない!
………はは。結局どれだけ姉だとか言っても、そうなんだ。キャロルを守りたいという事も、私のエゴに過ぎない。それでも……!
「それでも……私は大切な家族を守り抜いてやる!」
「ふーん。じゃあ、その大切な家族の目の前で、貴方を殺してあげる!」
「いーえ。どうせなら目の間で、大切な家族を殺してあげましょう」
「ガッ!ア、アア……」
「お姉ちゃん!」
ネリが私の首を掴み持ち上げる。喉が圧迫され、うまく呼吸ができずに苦しい。それでも意志は失わない。錬金術で突風を起こして、ネリを引きはがそうとするけど、それを察したネリにお腹を蹴り飛ばされる。
「アハハハ!もー。余計な悪あがきはしちゃだ・め~」
「ウフフフ…無様ですねぇ。ほんとうに」
ネリとモネが私を嘲笑いながら、スチームブレード片手に私に迫ってくる。きっと止めを刺すつもりなんだろう。酸欠からか目の前が霞む。くそ、こんなところで……。
「それじゃあね。おねーさん!」
ネリがスチームブレードを高く掲げ、勢いよく振り下ろし私は―――――
《3人称side(エルフナイン)》
「そんな、ナナ姉えが!………こうなったら」
七海たちとネリたちの戦いをモニタリングしていたエルフナインは、七海が地面に倒れる様子を見て何かを決心すると、近くに置いてあったプログライズキーを手にある場所へ向かった。
そして、キャロルの自室では、部屋の主がベッドに膝を抱えて転がっていた。
(…………………)
その心は無。何を考えるでもなく、行動するわけでもなく、ただただボーッとしているだけだった。何故かといえば、キャロルにも理由が分からないのだ。
自分の中でグルグルと渦巻いている感情が、自分たちを騙していた七海に対する本気の怒りかといえば、一概にそうとも言えない。ほんとうに分からないのだ、自分の気持ちが。
キャロルは七海家の中でも、一番に七海と同じ時間を過ごしてきた。幸か不幸か、その時間の長さがキャロルを迷わせた。
(ナナ姉え。私のこと、怒ってるかな?それもそうだよね。ナナ姉えにだって何か事情があるはずなのに、それを聞かずにナナ姉えを悪く言ったんだ。嫌われたって……嫌、われた、って……)
ここ一週間、何度目かも分からない同じ思考にハマったキャロル。しかし、今日は違った。ポロポロと涙を流し始めたのだ。いつもなら「嫌われても仕方ない」という答えにたどり着き、そして虚無の時間を過ごし、また同じ思考にループしている。ほんとうは理解しているのだ。七海が自分たちを騙し、何かに利用するような人間ではないことくらい。
だからこそ、今自分の中に渦巻くの感情がなんなのか、理解することができずに――――
(本 当 に そ う か ?)
何かがキャロルに語りかけた。
「ッ!?う、あ……。これは、なんだ。頭が、痛い………!」
(本当にあいつが騙していないと言えるのか?)
(よーく思い出せ)
(パパが流行病から救った村のやつらは、パパの研鑚を奇跡と一蹴しあまつさえ火刑に処したことを)
「パパが、火刑にかけられた…?そんなことはない!確かにあの時、パパはあの村の人達に殺されそうになったけど、ナナ姉えが助けてくれたんだ!お前は誰だ。私の中から出て行け!…ぐっ……う、あああ!」
今にも意識が飛びそうなほどの頭痛を耐え、頭の中に聞こえる声を必死に否定する。しかし、声はキャロルを侵食するかのように語りかける。
(本当にそうか?人間は他人を切り捨てても自分たちが生き残ることに執着し、自分たちの理解が及ばないことは必死に排除しようとするような愚か者ばかりだ!)
「だとしても、ナナ姉えは違う!」
ドンドン!
「キャロル!いますかキャロル!聞こえていたら開けてください!」
「ッ!?エルフナイン、か……?」
(ちっ。邪魔が入ったか。まあいい。せいぜい裏切られた時に後悔しないようにしないようにするんだな)
エルフナインが来たことに気付くと、頭に響いていた声はすーぅと消えていき、キャロルを蝕んでいた頭痛も収まった。今のは一体なんだったのか調べたかったが、エルフナインの声が切羽詰っているため、ただ事ではないと考え部屋のドアを開ける。
「キャロル!」
「なんだ、エルフナイン」
「ナナ姉えとセレナ姉さんがピンチなんです!お願いします、2人を助けてください!」
「なっ!?ちょっ、落ち着け!」
キャロルはエルフナインの言っていることがよく理解できず、いったん落ち着かせてから話を聞いた。
「ナナ姉えが……?」
「そうです。このままじゃあ、ナナ姉えが殺されてしまいます!僕たちが記憶の転写を行うホムンクルスは、まだ完成していません!もしそんな状況で死んでしまったら……!」
「……だが、オレは…」
「……キャロル?どうしたんですか?…ねえキャロル!」
キャロルの様子がおかしいことに、エルフナインは気づく。いつもなら、真っ先に飛び出すであろうはずのキャロルが、躊躇う様子を見せているのだ。明らかにおかしいと確信できるほどには、キャロルという人間をエルフナインはよく知っている。
「キャロル、お願いします。このままじゃ、2人が」
「しかし……」
(やはり、今のキャロルは……セレナ姉さん、お願いします。僕にほんのちょっとの勇気をください)
なんど声を掛けようと、キャロルは怯えた表情のまま動こうとしない。しかし、エルフナインとて退けないのだ。このままいけば、大切な家族を失うだけでなく、それによりキャロルが壊れてしまうかもしれないのだ。エルフナインはセレナの言葉を思い出し覚悟を決め、息を大きく吸う。
「キャロルッ!!」
「ッ!?」
普段のエルフナインからは考えられないほどの声量に、キャロルはビクリと体を跳ねさせる。こちらも普段のキャロルとは思えない反応に、エルフナインは彼女が余程精神的に弱っていると悟るが、遠慮せずにまくしたてる。
「何をウジウジしてるんですかキャロル!」
「な、何を……」
「こんなところでくすぶっている暇があったら、さっさとナナ姉え達を助けに行ってください!」
「い、一体どうしたというのだエルフナイン!」
「それはこちらのセリフです!」
急に憤慨しだしたエルフナインに、キャロルは困惑を隠せない。しかしエルフナインは、ズイッとキャロルに一歩詰め寄る。
「何を怖がっているんですかキャロル!白状しなさい!」
「こ、怖がってなどいない!」
「嘘です!ナナ姉えから拒絶されることを怖がってるくせに、何言ってるんですか!」
「は、白状しろと言っておいて、決めつけるのか!?」
「じゃあ、違うんですか!?」
「そ、それは……」
あまりのエルフナインの剣呑にキャロルが怯えるという、珍しい光景がそこに広がっていた。エルフナインはそっと、怯えるキャロルを優しく抱きしめる。
「エ、エルフナイン?」
「良いですかキャロル?知りたいことがあるなら、聞いてしまえばいいんですよ」
不思議なことに、キャロルの胸にその言葉はストンと落ちた。しかしエルフナインはキャロルの様子に気づかず、しゃべり続ける。
「キャロルが不安なら、僕が宣言します。ナナ姉えはキャロルを拒絶なんてしません」
「おまえ……」
「僕だって、”家族”の一員なんです。キャロルが苦しんでるなら、全力で支えます。応援します!でも、僕にはキャロルたちのように、戦闘になればできることはほとんどありません。だから……」
「……エルフナイン」
エルフナインの声が、キャロルの胸にじわじわと沁みるように入ってくる。もう、キャロルの不安は消えていた。エルフナインをギュッと短く抱きしめたキャロルは、壁に掛けていた仕事服のコートを素早く羽織り大きなとんがり帽子をかぶる。
「…キャロル」
「家族から応援されたんだ。いい加減立ち上がらなければな。……オレは、寂しかったんだろうな。ナナ姉えがオレを頼ってくれなかったことが。拒絶されることが怖かったが、オレも勇気を出してみるとしよう。」
「きっと、キャロルなら大丈夫ですよ。……これを」
「このプログライズキーは!だが、これは作業が難航していたはず。それに、このグリップは一体……?」
エルフナインがキャロルに渡したのは、1つのプログライズキー。プログライズキーはシューティングウルフに似ており、左側には片手で握れるぐらいの大きさのグリップが備え付けられている。
「僕がナナ姉えから任されていた仕事が何なのか、忘れたんですか?ボクの役目は、ライダーシステムの研究。戦闘になればできることは少ないですが、その前ならいくらでもあります。行きましょう、キャロル。ナナ姉えの”家族”として」
「ふっ…。そうだな。……ありがとう、エルフナイン」
「?、どうしましたか?」
「いや、なんでもない」
ぼそっとエルフナインへの感謝を呟き、キャロルはテレポートジェムを使い転移する。大切な家族を守るため、仲直りするために。
《3人称side(七海)》
「それじゃあね。おねーさん!」
逆手に持ち高く掲げられたネリのスチームブレードは、倒れている七海に勢いよく振り下ろされる――――
「うがッ!」
「何が…!」
―――ことはなかった。スチームブレードに銃弾が当てられ、ネリの手から弾かれる。さらに、突然のことに硬直したネリとモネに、大量の銃弾が浴びせられる。
「ふん!ボーッと立ち止まっていたら、いい的だぞ?」
「キャロ、ル……?」
後ろから聞こえた声に、七海は後ろを向く。そこには、ショットライザーを構えたキャロルが立っていた。そして離れた場所には、私と同じように倒れているセレナの元に向かうエルフナインがいた。
「無様な格好だな、七海」
「………キャロル、どうして」
「ん」
「え?」
七海の疑問に答えず、ぶっきらぼうに手を差し出すキャロル。七海は何の手か分からず、首を傾げるのみ。やがて痺れを切らしたのか、倒れる七海の手を取り、強引に体を起こさせる。
「あ……」
「七海が何を思い、何のために黙っていたのかは知らん。しっかり話したわけじゃないしな」
「…………」
「だから、決心がついた時で良い。ちゃんと話してくれ。それまで、しっかりと待っているから」
「キャロル…」
「なあに。
「ふふ…なにそれ。でも、ありがとう。キャロル」
「ッ……!?(な、何を生娘のような態度を取っているのだオレは!?)」
キャロルの言葉に七海が憑き物が晴れたように微笑むと、キャロルはボッ!と顔を赤くしそっぽを向いてしまう。
(な、何故胸がドキドキするんだ!?お、おおおお落ち着け!オレは数百の時を生きる錬金術師!胸の鼓動になどま、負けけけけることなど、あああありえん!な、ななな何するものぞ、胸の鼓動ぉー!?)
「キャロル?」
「ひゃい!?な、なんでもな…ッ!七海伏せろ!」
キャロルが前に飛び出て片手を突き出すと、2人を守るように魔方陣が展開されそこに多数の銃弾が突き刺さった。
「アハ、アハハハハ!……コケにしてんじゃねえぞぉ!」
「ウフ、ウフフフフ!ここからは一切の慈悲もなしですよぉ?」
壊れた人形のように狂った笑い声を上げるネリとモネ。しかしキャロルはその様子を見ても、不遜に鼻を鳴らすだけだった。
「ふんっ。その程度で脅しになると思っているのか?悪いがそんなものは、生きてきた中で飽きるほど見てきた!」
《バレット!》
《オーソライズ》
《Kamen Rider…Kamen Rider…》
「今度は後れを取らないよ!」
《ロボットゼェリィィ!》
2人のベルトから待機音声が鳴り、七海はネリとモネを左手で指差し、キャロルはショットライザーの銃口を真上に向ける。
「「変身!」」
《ショットライズ》
《潰れるぅ! 流れるぅ! 溢れ出るぅ!》
七海を覆ったビーカーに液体が注がれ、キャロルが撃ちだした一発の銃弾がキャロルの身体にぶつかり分解、アーマーを形成する。
《シューティングウルフ!》
《The elevation increases as the bullet is fired》
《ロボッットォイングゥゥリスゥゥゥ!》
《ブルァァァァァ!》
仮面ライダーグリスと仮面ライダーバルカンに変身した2人は、それぞれの武器を掲げる。
「心火を燃やして……」
「……ぶっ潰すぞ!」
「「ハアアアア!」」
2人は同時に駆けだし、ネリとモネも臨戦体勢を取る。
「アハハハ!今度は楽しませてよぉ!」
「うるさい!」
ネリがネビュラスチームガンを撃つが、七海は跳躍して避け、更にその勢いを利用し拳を放つがネリは半身になって回避。しかし七海は途切れることなく拳打を繰り出す。
勢いを載せた回し蹴りを放つもネリは身体を逸らしてスレスレで避ける。だがそれだけで終わらず、空振りの回転を利用し左手で裏拳を放つ。意表をついた攻撃に、ネリは両腕をクロスさせて受け止める。
「くっ…!この私が受けに回るなんて…!」
「私とあなた!どちらの攻めが苛烈か、決めようじゃない!」
「舐めるなぁ!」
ネリは強引に腕を振りほどき、スチームブレードのバルブを半回転させる。対する七海も、ツインブレイカ―にラビットスクラッシュゼリーとタンクスクラッシュゼリーを装填する。
《シングルゥ!ツゥイン!》
《アイススチーム》
「神経の先まで凍りつけぇ!」
タッチの差でネリの必殺技が発動。振るわれたスチームブレードから、振れたものを凍らせる冷気が噴射し、七海は直前でスクラッシュドライバーのレバーを下ろし、無謀にも逆に冷気に突っ込んでいく。そして冷気を浴びた七海は、すべてを死へと至らしめる絶対零度の氷に閉じ込めらる。
「アハハハ!カチンコチン!さあ、後はゆっくりと…ッ!?」
「…激情…激烈…撃破ぁ……」
「ま、まさか…そんな……!」
《スクラップフィニッシュ!》
勝利を確信したネリは、ビキビキッと亀裂が入る氷の塊に後ずさる。その一瞬後、氷が粉々に砕け七海の姿が現れる。
「な、なんなのよあんたはぁああ!!」
ネリは生まれて初めて、アンドロイド故に感じることのない恐怖を感じそのあまり錯乱し、叫びながらスチームブレードで斬りかかる。七海は冷静にツインブレイカ―を装着した左腕を引き絞り、振り下ろされたスチームブレードを躱し、カウンターの必殺技を叩き込む。
「…一撃ぃ、必殺ッ!」
《ツインブレイクゥ!》
「アアアアアッ!!」
ネリの腹部に直撃した必殺技は、その衝撃を全身に伝える。堪えきれなかったネリの身体は吹っ飛び、瓦礫の山に激突した。
一方キャロルとモネの方でも、戦闘は激化していた。
「ハッ!」
「ウフフフ…」
「何ッ!?」
キャロルがショットライザーで放つのと同時に、モネはスチームブレードを合体させるライフルモードのネビュラスチームガンを構える。ほぼ同時に銃弾が撃たれるが、なんと撃たれた銃弾全てが空中でぶつかったのだ。そのありえない現象にキャロルが驚きの声を上げる。しかし、すぐに気を取り直しショットライザーを発砲する。だがその全てを、またもやモネは撃ち落とす。
「貴様、味な真似を……」
「ウフフフ…。これが私とあなたの力の差ですよ」
「ほざけ!ならば接近すれば…!」
キャロルはショットライザーを連射しながら、モネに接近する。さすがのモネも近づかれると反応が間に合わなくなるのか、敢えて近づくことでキャロルの銃撃を躱そうとする。キャロルは接近されたにも関わらず、冷静に蹴りを放って迎え撃つ。モネは、両手で構えていたネビュラスチームガンで防ぎ、スチームガンを銃剣のように振るい斬撃で攻撃する。
この攻撃をキャロルは躱すことができず食らってしまい、さらには零距離での銃撃で吹き飛ばされる。
「うわっ!」
「私、銃が得意ですが接近が苦手というわけではないのですよ?まあ、ネリには負けてしまいますが…」
「だったら…。セレナ、借りるぞ!」
「えっ!?何で先生持ってるんですか!?ス、ストップです!それは――!」
「あとでちゃんと返してやる!こいつでも食らうわッ!?!?」
キャロルが取り出したのは、セレナが制作したアタッシュウェポンの一つ「アタッシュショットガン」。セレナが何かを言いかけたが、キャロルは聞く耳持たずアタッシュモードから展開し、ショットガンモードにしたアタッシュショットガンの銃口をモネに向けて引き金を引く。…と同時にキャロルを凄まじい反動が襲い、後ろに吹き飛ぶ。勿論銃口は思いっきりぶれたので、弾は見当違いの場所に飛んでった。威力はとてつもない反動があるだけに、着弾したビルの壁を粉々にしていた。
着弾時の爆音にモネが動きを一瞬止めたと言えば、凄まじさが分かるだろうか。
「……あちゃ~」
「おい、なんだこの反動はッ!」
「それは、威力をとことん突き詰めたせいで反動が凄まじいんですよ」
「それを早く言え!」
「言う前に使ったのは先生じゃないですか!」
「むぐっ…。ぬぉ!」
アタッシュショットガンの反動に文句をつけるが、セレナにものの見事に言い返される。その時キャロルの背中に銃弾が命中する。
「ウフフフ…。嫌ですよ。無視しちゃ」
「だったら構ってやる」
「フッ!」
モネがライフルモードのスチームガンで斬りかかる。キャロルはアタッシュショットガンをアタッシュモードに戻し、盾のように掲げ斬撃を防ぐ。
《チャージライズ!》
「どけ!」
「うぐぅ!」
モネはキャロルに蹴り飛ばされるも、スチームガンを素早く構えてキャロルを狙い撃つ。キャロルはそれを見越していたように、前転でモネの懐に跳び込み、アタッシュショットガンを素早く展開する。
《フルチャージ!》
「しまッ…!」
「この距離なら外さん!さっきのお返しだ……!」
《カバンショット!》
「アアアアッ!」
アタッシュショットガンの銃口をモネに押し当て、一切の慈悲なく引き金を引く。巨大な銃弾が撃ちだされ、モネは爆発と共に吹き飛ばされる。
「キャロル!」
「はあ、はあ、はあ…。七海か。やったのか?」
「く、くぅ。このぉ……」
アタッシュショットガンを肩に担ぎ周りを見渡すと、七海がキャロルと合流する。そしてネリとモネもボロボロになりながらも立ち上がる。
「アハ、アハハ…!まだ、まだよ……」
「ウフフ、ウフフフ…。まだ付き合ってもらいますよ…」
「ちっ、しぶとい奴らだ」
「こーんなに楽しいんだからぁ、もっとつき合いなさいよー…」
「しかし私たちが押されているのも事実…こうなったら奥の手ですねぇ」
「奥の手…?」
ネリとモネは再び、ギアをネビュラスチームガンのスロットに装填する。
《ギアリモコン!》
《ギアエンジン!》
《 《ファンキーマッチ!》 》
「「バイカイザー!」」
2体が口にしたのは「カイザー」ではなく、「バイカイザー」。ネリがモネにネビュラスチームガンを向け引き金を引くと、モネの姿が赤黒いスライムのようなものに変わり、ネリに吸収される。そしてネリの姿が煙に包まれる。
《フィーバー!》
弾ける火花と共に煙が晴れると、そこにはカイザーの左半身とカイザーリバースの右半身が合わさった姿があった。
《パーフェクト!》
『あぁ……。これがバイカイザー、帝王の力ぁ…』
うっとりとした声が七海たちの目の前にいるバイカイザーから発せられる。ネリとモネの声が合わさったような声だった。
『さあ、第2ラウンドを始めましょう?』
戦いはまだまだ終わらない―――
バイカイザー戦は、さっさと終わらせます。長すぎるから。
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なんか当てはまるものがある?
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もうちょっと更新頻度を早くしてほしい
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戦闘描写をもっと濃く
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キャロルと百合百合せえや
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早く話を進めてほしい
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特にないなぁ