《3人称side》
「全部持ってけぇええええ!!」
クリスが展開した銃器が一斉に火を噴き、上空を飛行するノイズを一網打尽にする。ノイズの姿が消え去り安堵の息をついたクリスに、響が抱き着く。
「ふぅ……」
「やったよクリスちゃーん!」
「なっ!?おい抱き着くんじゃねえ!」
「はは!ホントは嬉しいくせに、そう照れんなよ。ほら、私も抱きしめてやるよ」
「奏先輩も悪乗りしないでくれよ!?つ、翼先輩!こいつらどうにかしてくれ!」
「ふふ…!お前は好意を素直に受け取った方が良いと思うぞ」
「なぁ……」
クリスは響と奏に揉みくちゃにされ翼はその様子を見て微笑み、ノイズを倒したことを喜び合う。
「ノイズの反応が消えたと思ったら……何してるの?」
「ッ!お前は白黄七海、そしてキャロルとかいう錬金術士か」
「やはり俺の名前は知られているか……」
「あっ!七海ちゃん!」
「ってお前なに無防備に近づこうとしてるんだよ!?」
クリスが響の襟を引っ掴み、それによって響の首が絞まり思わず咳き込む。その様子を見た七海は思わずうわぁという顔をしてしまうが、それに大して突っ込まず翼が七海に問いかける。
「貴方たち、一体何の用?」
「決まってるでしょ。ノイズの反応があったから来たんだよ。まあ、すでに殲滅してるみたいだけど」
「お前たちも、俺たちがもう一カ所で戦っていたから、この一か所に集中していたのだろう?」
ノイズの反応の検知速度、そして現場への急行する速さはどちらも七海たちが速い。何しろ転移という移動手段があるのだから。しかしそれ故に、他でのノイズ発生を見逃してしまうことがある。おそらく二課は、七海たちが先に発生したノイズを倒していることが分かったため、この場所に奏者全員を向かわせたのだろう。
「そっか!ありがとう!」
「……何故礼を言う」
「だって、私たちの代わりに他の場所のノイズを倒してくれたから!」
「……調子の狂うやつだ」
(むっ…)
響のお礼に、キャロルは毒気が抜かれたような表情を浮かべ、その顔を見た七海は知らぬ内にジェラシーを感じる。その時、シンフォギアを解除した響のポケットから、電話の着信音が鳴る。
「わわっ!えっと、ごめん」
「……なあ、アンタ」
「何かな?天羽奏」
「何で私らと手を組もうとしない?いやまあ、アタシが言えた義理じゃないってのは分かってるんだけどな。」
「奏……」
「……敢えて言うなら、確証がないからかな?」
「確証…?おいそれって「未来?ねえちょっと未来!?」ッ!どうした立花!」
言葉の真意を問い詰めようとするが、響の焦った声が奏の言葉を遮る。七海の言葉の意味は気になるが、響が口にした未来というのは、確か響の友達だ。響の慌てぶりからおそらく何かあったのだろうと考え、響に何があったのか聞く。
「大変です!リディアンが、リディアンがノイズに襲われているって!」
「リディアンがだと!」
「おい、不味いぞ!」
「司令室、応答してください司令室!……だめだ。通信が繋がらない。二課でも何かあったというのか」
響たちが通っているリディアン女学院がノイズに襲撃されているという報せは、奏者たちを動揺させた。しかし彼女たちを冷静にさせたのは、以外にも七海だった。
「落ち着きなよ。そんなんじゃ、何もできないよ」
「……何も知らない貴方が、偉そうなことを…ッ!」
「翼さん落ち着いてくださいってわわっ!?」
「それを使えば、リディアンまで行けるよ」
「本当…!」
七海が響に投げ渡した物は、リディアンを目的地に設定したテレポートジェムだった。それに響は顔を明るくするが、翼は疑惑の目を向ける。
「罠かもしれない物を、そう簡単に使う気か…!」
「でも……!」
「……ああ、もう!キャロル、セレナ。貴方たちも彼女たちと一緒にリディアンに行って」
「お姉ちゃんはどうするんですか?」
「私はケリをつけないといけないんだ……」
「え?」
「……分かった。おい、何してるんだお前たちは」
七海の言葉から何かを察したキャロルは、セレナを連れ響たちのもとに行く。
「あ、キャロルちゃん…」
「ちゃん付けするな!…いくぞ」
「おい、なにを……」
「…翼、こうしてる時間が惜しい。早く行けるなら、それに越したことはないだろう?」
「奏……分かった」
「よし、それなら行くぞ」
「よろしくお願いしますね」
「あ、ああ……」
(この少女、よく見れば髪の色に、温和な物腰……そしてセレナという名前。さんざん聞かされた少女の特徴と酷似している。これは、偶然か…?いや、まずは目の前の危機からだな)
響の手からテレポートジェムを奪い取ったキャロルが、地面に叩きつけると魔方陣が響たちの足元に展開され、光と共に転移が始まった。
それを見届けた七海は、背後に現れた人物に声をかける。
「いいの?行かなくて。クリスのこと、大事にしてるんじゃないの。姉さん?」
「あはは。意地悪なこと言うなぁ。なーちゃんは」
七海の背後に出てきたのは、クリスが家に帰ってこないと言っていた黒夜だった。
「やめてよ。そんな風に呼ぶような仲じゃなくなったでしょ」
「……そうだねぇ」
あくまでも姉であろうとする黒夜を、七海は突き放す。…そう、もうあのころには戻れない。七海が姉を慕い、黒夜が妹を可愛がっていたあの日々には。
それを理解しているからこそ、余計な言葉を交わすことはない。……そう思っていたのに。
「ねえ……。戻れないの?」
「何が?」
「…分かってるくせに」
「なははは……。無理だよ。だって………こんなにも狂っちゃったんだから」
《ラビット!タンク!ベストマッチ!》
「…装者たちの所には行かなくていいの?」
「声が、聞こえるんだよ」
唐突に意味不明なことを話し始めた黒夜に、七海は怪訝な目を向ける。それに構わず黒夜は、どこか呆けた表情で続きを続ける。
「声がさ、望んでるんだ。なーちゃんとの決着を。その声を聞いてるとさぁ、震えるんだよ。初めて私を越えてくれそうな相手と、なーちゃんと戦えって」
黒夜の体が震え始め、自分の体を抱くように腕を回す。
「……だからさ、もう我慢ができない。いいよね?イイヨネ?タクさんガマンしたから、イイヨネ?アア、好き。ハハ…イトオシイヨナーチャン。ダイスキ。ダイスキダヨナァァアァァアアチャアアアァァアアアンッ!!!」
「…そこまで堕ちたか」
七海は自身の姉が、狂気に落ちる瞬間を見た。きっとこれは
《ロボットゼェリィィ!》
「今ここで…貴方との因縁を終わらせる」
「ありがとう…なーちゃん。今回は、本気だからね」
黒夜がビルドドライバーのレバーを回すと、黒夜の周囲にパイプが展開される。
《Are you Ready?》
「「………変身」」
《鋼のムーンサルト!ラビットタンク!イエーイ!》
《潰れるぅ! 流れるぅ! 溢れ出るぅ!》
《ロボッットォイングゥゥリスゥゥゥ!》
《ブルァァァァァ!》
仮面ライダーグリスに変身した七海と、仮面ライダービルドに変身した黒夜が向かい合う。もう、彼女たちは何も交わさない。
睨みあったまま時間が過ぎていき―――――別の場所で爆発が起こると同時に、2人は走り出した。
最初で最後の、本気の姉妹対決が始まる。
《装者side》
テレポートジェムによって、リディアンに転移した装者たちの目に飛び込んできたのは、巨大なノイズによって半壊した校舎だった。
「そんな…リディアンが……」
「ちぃ…!ノイズを片付けるぞ!」
「おいバカやろう!項垂れてる暇があるんだったら、さっさとこいつらをぶっ潰すぞ!」
「……うん!」
自分たちの学び舎が破壊されていることにショックを受けるも、なんとか持ち直した装者たちはシンフォギアを纏うべく、心に浮かぶ歌を奏でる。
「
「
「
「
各々のシンフォギアを纏った装者たちは、ノイズを駆逐するために動き出す。
「先生!私たちも!」
「…このまま見捨てるのも、夢見が悪いしな」
「あの人たちが心配ならそう言えばいいのに……」
「う、うるさい!それにお前の時のこともあったんだ。そう簡単に許せるか」
キャロルにとって、セレナが天羽奏に痛めつけられたことは、そう簡単に許せることではない。しかしだからといって、無関係な人間を見殺しにするような人間ではないことを知っているセレナは、リディアンに蔓延るノイズを倒す為、スラッシュライザーのバックルを腰に巻く。
キャロルもセレナの予想通り、なんだかんだ言いながらもショットライザーのバックルを腰に巻く。
《パワー!》
《インフェルノウィング!》
《オーソライズ》
《バーンライズ!》
《 《Kamen Rider…Kamen Rider…》 》
「「変身!」」
キャロルは銃弾をショットライザーを掴む手の裏拳で弾き、セレナは不死鳥型のライダモデルに包まれる。バルカンと迅に変身した2人も、近くにいるノイズに攻撃を仕掛けていく。
リディアンにとって、長い1日は始まりを告げたばかりである。
装者のみの戦闘は、極力カットしていく方針です。話が進まなくなるからね。仕方ないね。
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なんか当てはまるものがある?
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もうちょっと更新頻度を早くしてほしい
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戦闘描写をもっと濃く
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キャロルと百合百合せえや
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早く話を進めてほしい
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特にないなぁ