錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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今回は装者側……のほぼほぼダイジェスト


35 命を懸けた歌、聞いてみよっか?

《響side》

 

どうしてこうなってしまったんだろう……。

朦朧とする頭で考えてみる。

 

「出来損ないどもめ、やってくれたな!しかし、デュランダルを探し時と時間を変え、再び計画を進めれば良い。装者も所詮はこの程度!私の力の前にはひれ伏すのみだ!ハハハ!」

 

私の目の前で了子さん…フィーネさん、だっけ?ともかくフィーネさんが笑ってる。でもあれは嬉しいから、とかそんな笑いじゃない。

あの笑い声を聞いてると思い出す。2年前、コンサートでの事件で生き残った私を虐める同級生を。私をよってたかって虐めて、悦に浸る声を。

そう考えたら、体が震えてきた。怖い…こわい…コワイ…。未来と家族に心配を掛けたくなくて、未来や家族の前だと無理矢理笑ってた。

でもほんとは怖かった。怖くて心細くて……周りはみんな敵で…。

 

(でも今は違う。…私のことを気にかけてくれる、カッコいい先輩たち(憧れの人たち)がいる。…なんだかんだ言って、最後は助けてくれる優しい先輩(照れ屋で意地っ張りな人)がいる。…こんなどんくさい私を支えてくれる頼りになる皆さん(優しい大人たち)がいる。…差し出した手は握ってもらえなかったけど、私を妹みたいに接してくれる頭のいい人(姉のような人)がいる。……どんな時でも私を照らしてくれる、大切な大切な親友(私の陽だまり)がいる。………そして、私の戦う理由を見出すキッカケをくれた友達になりたい人(2年前の命の恩人)がいる!)

「ぐ、うううう!」

「ん?…ふん!」

「ガハッ!」

 

手を立てて何とか立ち上がろうとしたら、それに気づいたフィーネさんにお腹を蹴飛ばされ、地面を転がる。

蹴られたお腹がジンジンと熱を持つ。痛い、いたい、イタイ……。

 

「…まったく、無駄なことをする。戦おうとしても、残ったのはもはや貴様1人だというのに」

 

フィーネさんの言葉に、誰もいないと分かっていても周りに目を向ける。やはり、誰もいなかった。奏さんも、翼さんも、クリスちゃんも、皆いない。

皆、フィーネさんと戦って、そして見えなくなった。

 

 

 

クリスちゃんは、命を懸けてデュランダルの攻撃を防いだ。

 

『ハハハッ!世界を壊す準備は整った!デュランダルよ!その力を、死の雨を私に見せて見ろ!』

『させるかよ!』

『煙幕代わりか…。だが、それはもう見ている(・・・・)!』

『なッ!?』

『ハハハッ!貴様が何をしようかなど、すでに分かっている。貴様の足となるミサイルが無ければ、貴様は何もできん!』

『なめるなぁ!!』

『何ッ!?ミサイルを装着したままブースター代わりに…!』

『パパ、ママ…。私に力を貸してくれ。歌で、世界を平和にすること。その夢を、引き継ぎたいから!』

『この旋律は……まさか絶唱か!だが、貴様程度でデュランダルを止められると思うのか!』

『絶唱だって!?おい、やめろクリス!』

『まさか死ぬ気なの!?』

『クリスちゃん!』

『~♪(悪いな。こうする方法しか浮かばねえんだ。……黒夜、何やってんだよ。道草食ってねえで早く来いよ。早く来て、アタシの時みたいにアイツらを救ってやってくれ…。頼んだからな。アタシの、ヒーロー………)』

【絶唱・イチイバル】

 

 

そしてクリスちゃんが放った特大のビームは、デュランダルが撃ちだした光弾を撃ち落とすも、クリスちゃんはその時の爆発に巻き込まれた。クリスちゃんが煙の尾を引いて付近の森に落下、その地点は爆発した。

 

 

翼さんと奏さんは、その命を燃やしてデュランダルの次弾の発射を防いだ。

 

『ふっ……。その命を犠牲に、デュランダルの攻撃を防いだか。しかし、デュランダルの持つエネルギーなら、連続の発射は可能。所詮は無駄死にだ』

『無駄、死に?……それが』

『取り消せよ、今の言葉』

『かな、で?』

『奏、さん…?』

『なんだ?出来損ない。お仲間を侮辱されてお怒りか?』

『てめえがあいつを罵っていい権利なんかねえんだよ。それに、アイツは死んでねえ』

『ふん。ついには現実を直視できなくなったか。貴様が何故未だにガングニールを纏っていられているか分からんが、もうLiNKERは切れかけているのだろう?スカイタワーでの陽動のノイズ、そしてリディアンに放ったノイズ…。途中でLiNKER補充していたとしても、貴様にシンフォギアを纏って戦う余裕など……』

『……さっそく、使わせてもらうぜ。ぐ、ううう…』バシュッ!

『私が作ったLiNKERではない、だと?』

『奏さん!』

『うううう!翼、響!あとは任せ…ッ!?』

『奏1人に背負わせはしない。さっき言ったばかりじゃないか』

『翼……そうか。響、先に謝っとくぞ』

『奏さん?何を、言って…』

『お前に全部背負わせちまうことになるが、お前を信じてる。誰とでも手を繋ごうとするお前なら、なんとかできるってな。だから、託すぞ、響!』

『何をする気だ?出来損ない』

『(分かってるな翼)』

『(ああ。やつがわざわざデュランダルを近くに持っておかず、リディアンの屋上に設置している(・・・・・・・・・・・・・・・)こと)』

『(そして、何故かそのあたりだけ被害が少ない(・・・・・・・・・・・・・・・・)ことを考えると、それはつまり……)』

『貴様ら…デュランダルを狙う気か!だが貴様らに破壊などできはしない!』

『だったら……ッ!』

『(バリアがリディアンを包んだ!これで確信したぞ!)』

『(ああ!おそらくデュランダルを使うために、置いてある場所周辺を何かしらの装置にしてるんだ!あれを破壊できれば……)』

『たかが装者2人ごときに、私の障壁が敗れるはずがない!』

『そいつはどうかな!』

『私たちは1人ではない!』

『『両翼がそろったツヴァイウィングに、出来ないことはない!うおおおおおお!!』』

【双星ノ鉄槌-DIASTER BLAST】

 

2人の連携技はリディアンに張られたバリアを破壊し、爆発と共にデュランダルを崩落したリディアンの下敷きにした。だけど、肝心の2人の姿が見えない。崩落に巻き込まれたか、それとも爆発に巻き込まれたか。どちらにしても無事ではないはずだと、直ぐに分かってしまった。

 

 

 

 

そして私は、皆がいなくなってしまったことにショックを受け、その隙にフィーネさんの鞭で吹き飛ばされて、こうして情けなく横たわっている。

クリスちゃんの覚悟を見て、翼さんと奏さんに託されたというのに、何もできなかった。

自分の情けなさが嫌になる。

 

「奴らはこいつに何を期待していたのやら。やつらの犠牲は無駄となったか」

「無駄……?」

「そうだ。貴様のせいでやつらの死は無駄となったのだ。手を繋ぐなどという、貴様の下らん夢のせいで…!」

「うああああああ!そんな、私の、私のせいで……」

 

フィーネさんの振り上げた足が、私の左腕を踏みつける。

私のせいで、3人の頑張りが無駄になった…?

アハハ、やっぱり私、呪われてるかも…。

 

「…………うう、グス。ごめん、なさい。ごめんなさいごめんなさい……」

「絶望したか。いくら泣きわめこうと、貴様を絶望から救うものはいない。どれだけ手を伸ばそうと、その手を掴むものなど―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ここにいるよ」

「キサマ……」

「あ………」

 

そこに居たのは七海ちゃんだった。何故か体はボロボロで、息も荒かったけど、そこに居たのは確かに七海ちゃんだった。

 

「彼女が手を伸ばすなら、私がその手を掴む。絶望に沈んでいるなら、そこから引き上げる」

「また貴様か…。お前は何者だ?貴様が出てきたせいで、私の計画は全て狂った」

「知るか」

《ロボットゼェリィィ!》

「変身」

《ロボットイングゥリスゥ!》

「おおおおお!」

 

仮面ライダーに変身した七海ちゃんは、フィーネさんに向かって走り出す。

戦っている。私も戦わなきゃいけないのに、腕や足が震える。

どうして!?どうして私がこの力を手に入れちゃったの!?もっと、私よりもうまくこの力でみんなを助けられた人がいたはずなのに!どうして……。

 

「うぐあ!」

「ふん。その怪我で私を倒そうなど。現実は見ることだな」

 

七海ちゃんが攻撃を立て続けに食らっていた。助けなきゃって思うのに、身体が動かない。

 

「はあ、はあ…。現実だけ見たって、何もなせやしない!夢を見たっていいんだ。理想を描いたって良い!その思い描いた未来の為に、力の限り戦うことに意味がある!」

 

でも七海ちゃんは諦めることなく、キレを欠いた動きで抗う。

 

「立花響はその夢を見たことで、絶望に沈んだ。顔も知らぬ者とも、敵対するものであろうと手を繋ぐ。そんなものはありはしない!痛みという現実こそが、人間を繋ぐ唯一のつながりだ!」

「だったら私が手を繋ぐ!誰かの手を繋ぐことは、彼女にしかできないことじゃない!彼女が誰かに手を差し伸べられてはならないなんて、そんな決まりはどこにもない!…だったら!彼女が伸ばした手を、私が掴んでやる!あいにくと、そういうのは得意なんだよ!」

「やかましいわ!」

「ぐあああああ!」

「七海ちゃん!」

「やはりキサマは、私の計画には邪魔だ。ここで排除……ん?」

 

フィーネが七海ちゃんに止めを刺そうとした時、歌が聞こえた。

 

「この歌は、なんだ?やめろ…やめろ!この歌は、私の心を刺激する!」

「リディアンの校歌……?」

 

生き残っていたらしいスピーカーから、学校の校歌が流れてくる。

……これ、CDとかじゃない。歌ってるんだ。シェルターに避難した人たちが。

 

「聞こえる…みんなの声が……。感じる…たくさんの人達の思いを……。……私は、1人じゃない!皆が唄ってるんだッ!だから、まだ唄える…ッ!頑張れるッ!戦えるッ……。へいき、へっちゃらだ―――ッ!」

 

その時、私の身体から大きな光の柱が上った。私だけじゃない。他の場所でも、赤、青、朱の光の柱が立ち上ってるのが見える。

 

「ええい!やはり私の邪魔をするのは貴様らか!させるもの…ッ!?貴様、離せ!」

「やらせない!ぐうっ!……立花響ぃ!声に出して叫べ!貴方の手が握るものを!貴方の夢をガッ!。はあ、はあ…!貴方が、纏うものをぉ!」

 

七海ちゃんがフィーネさんにしがみ付き、背中を殴られながらも時間を稼いでくれた。

私は心に浮かぶ歌を、心の命ずるままに口ずさむ。

 

Balwisyall Nescell gungnir tron(喪失までのカウントダウン)

Croitzal ronzell Gungnir zizzl(人と死しても、戦士と生きる)

Imyuteus amenohabakiri tron(羽撃きは鋭く、風切る如く)

Killter Ichaival tron(銃爪にかけた指で夢をなる)

 

「あぐ!」

「ちぃ……!なんだというのだ。…なんだというのだ!それはなんだ!?意志1つで、何でもできるようなものではない!貴様らは、何を纏っているというのだ!何なのだあああ!」

 

七海ちゃんを振りほどいたフィーネさんが、取り乱して激昂しながら私たちに叫ぶ。それはなんだと、一体なんなんだと。なら、教えてやる……。

 

「これが、私の、私たちの……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「シンフォギアァァァァァァッ!!」

 

 




というわけで、エクスドライブ登場。
お次はキャロル&セレナVSアウラネル、シェルター内での会話ですね。
おそらく今日中に、もう一話投稿できるかも

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  • 戦闘描写をもっと濃く
  • キャロルと百合百合せえや
  • 早く話を進めてほしい
  • 特にないなぁ
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