錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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2 初変身してみよっか?

「んんっ・・・んぅ」

 

窓から差し込む日差しに、私は目を覚ます。再び眠りに誘おうとするベッドの誘惑を何とか跳ね除け、体を起こそうとする。がそれは叶わなかった。

 

(ん?・・・ああ、そうだった)

「ふにゅ・・・むにゃ」

「ん~・・・はにゅ」

 

視線を下げると、そこには天使が・・・じゃなかったキャロルとエルフナインが抱き着いていた。可愛い寝顔に顔を綻ばせ、2人を起こさないように丁寧に彼女の腕をはがし、洗面所に向かう。

やがて洗面所についた私は顔を洗い眠気を飛ばす。水の冷たさが私の意識をしっかりと覚醒させる。そして顔を上げると、目の前の大きな鏡に私の顔が映る。青みがかかった銀色のショートヘア、均衡のとれた顔立ち、そして見切れるように映る小さな膨らみ・・・何でここだけ頼まなかったんだろ、私。

何回目かもわからない、あの自称神の愚痴を心の中でこぼす。しかしそんなことを言ってばかりではいられず、朝食の準備をするために厨房へ向かう。

 

「・・・もうすぐ原作が開始する。もうすぐだ。まあ、その前にすることはあるんだけど」

 

朝食を作りながら、いろいろあったことを思い出す。なぜだろう。急にあの人のことが頭に浮かんでくる。原作が始まるからって、緊張してるのかな?

今でも鮮明に覚えている。あの日の出来事、私がこの世界に降り立った日のことを。

 

「イザークさん・・・」

 

私のその呟きは、フライパンから鳴る音によって掻き消された。

 

 

 

 

 

「ん・・・う、ぐっ。ここは・・・?」

 

私が目覚めたのは、暗い暗い森の中だった。近くには小さなバッグが落ちていて、中には要望通りのものが入っていた。この場所がどこかは分からなかったけど、とりあえずはあの自称神が要望通りにしてくれたんだろう。

 

「明かりが見える。という事はあそこが・・・?」

 

私は明かりがある方向に歩くと、すぐに村と思わしき場所についた。だが、その村の雰囲気はどこか剣呑としていた。

小さな光が列をなして村のはずれにある1つの明かりに向かっていた。恐らくそこが目的の人物が住んでいる家。そこで私は確信した。もうすぐターニングポイントと呼べる出来事が起こると。

 

「なら急がないとね。手遅れに、私がこの世界に来た意味が無くなる前に」

 

私が自称神に頼んだことの1つが、イザーク・マールス・ディーンハイムが殺される直前に送ってほしいという事。確実に私の目的であるキャロル・マールス・ディーンハイムのこの先を決定づけるであろう出来事。イザークが救った村の人々が彼を火刑にすること。

幸い私の方があの村人たちより早く着けそうだったので、全力疾走で向かった。

 

「すいません!誰かいませんか?すいません!」

 

非常識だとは思うがドアを叩き、中にいる人を呼び出した。やがてドアが開き、キャロルちゃんと思わしき少女が顔を覗かせた。

 

「誰ですか?こんな時間に」

 

さすがに怪訝な表情をされたが、速くしないとその顔は悲しみ一色になってしまうので、イザークさんがいないか聞こうとした。

 

「どうした?誰かお客さんかい?」

 

その時優しそうな顔の男性、まさしくテレビで見たイザーク・マールス・ディーンハイムが出てきた。

 

「あの!あなたがイザークさんですよね?」

「ああ、確かに私はイザークだが・・・」

「早くここから逃げて!もうすぐあなたが救った村の人々が、貴方を殺しに来る!」

「何を言って・・・」

 

イザークさんは訳が分からないといった感じで、首をひねった。それもそうだ。いきなり来た人に、貴方を殺しに来るなんて言われても信じられるわけがない。

そうこうしていると、背後から足音が聞こえ振り返るとそこには農具を持った村人たちがいた。

 

「皆さん?いったいどうしたんで・・・」

「いたぞ!魔女だ!」

「ヒッ!」

「なっ!?私が魔女だって?いったいどういう事ですか!」

「うるさい!我らを油断させて、何を企んでいる!」

 

イザークさんが説明を求めるも、彼らは聞く耳を持たない。やれやれ、自分たちを救ってくれた人に向かって何を言ってんだか。恩を仇で返すとはこのことだね。見ろ、キャロルちゃんがすっかり怯えてしまっているではないか。

 

「そんな・・・」

「なんだ貴様は!貴様を魔女の仲間か!」

「イザークさんはあなた方を、流行病から救ってくれたんじゃないんですか?」

「村が救われたのは神による奇跡だ!1人の人間になど、治せるはずがない!」

「そんな・・・」

 

私の言葉に返した村人が、イザークさんの研鑚を『奇跡』と言った。あーあ、キャロルちゃんには聞かせたくなかったんだけど。

 

「仕方ない」

 

どうやら穏便に済ませることは出来ないらしいと判断した私は、バッグの中から自称神に頼んでおいた物を取り出し腰に装着した。

 

《スクラッシュドライバー!》

 

うん問題なく使えるみたい。

そう安堵した私は、『スクラッシュドライバー』に『ロボットスクラッシュゼリー』のキャップ口をひねりセットした。

 

《ロボットゼェェリィィー!》

 

「変身」

 

《潰れるぅ! 流れるぅ! 溢れ出るぅ!》

《ロボッットォイングゥゥリスゥゥゥ!》

《ブルァァァァァ!》

 

レンチ型のレバーを下ろすと、私を囲むように巨大なビーカーと装置『ケミカライドビルダー』が出現し、中を液体が満たしていった。液体によってスーツが形成され、頭部からビーカー内の液体が噴出され、頭部のパーツ等が形成された。

私の要望した1つ、仮面ライダーグリスに変身できるようにすること。それによって私は仮面ライダーグリスに変身した。

 

「な、なんだぁ!」

「やっぱり魔女の仲間だったんだ!」

 

騒ぎだてる村人たちに構わず、私はゆっくりと村人たちに近づいた。錯乱した村人の1人が私に鍬を振りかぶってきたが、私がそれを簡単に受け止めると腰を抜かした。

 

《ツインブレイカァ―!》

 

未だ騒ぎ立てる村人たちの足元に、左手のツインブレイカ―の銃弾を撃ち込むと、村人たちは悲鳴を上げながら逃げて行った。私は変身を解除してイザークさんを向いた。

 

「イザークさん。これが彼らの本心ですよ。どうしますか?私と共に来るか、それとも・・・」

「・・・・・分かった。君の提案を呑もう」

 

私の問いにイザークさんは、少し悩んでいたがキャロルのためを思ったのだろう。

翌朝、私たちは、私があらかじめ要望していた家(バッグの中に地図があったのですぐわかった)に、イザークさんたちの荷物を運びこんだ。ちなみにその日は、私は泊めてもらった。

よほど私が恐ろしかったんだろう。荷物の運び出し中は、あの村人たちは襲ってこなかった。

 




次回で回想は終わり。

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奏者たちの技を、ゼロワンライダー風にしてほしい?特殊タグ付けるのメンド・・大変だけど(参考程度です。)

  • やってほしい!
  • 別にやらなくてもいいよ?
  • 作者の苦労など知らん。
  • 文字に色つけないの?
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