錬金術師と心火を燃やしてみよっか?   作:神咲胡桃

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最近、伸び悩んでるのが悩み。


ふらわーに行ってみたい

《七海side》

 

「セレナー。いるー?」

 

セレナの工房に入ると、珍しく音楽がかかっていた。

私に気付いたセレナは、CDプレイヤーを止めると近づいてくる。

 

「お姉ちゃん、どうしたんですか?」

「うん、例の件のことで来たんだけど……今の曲って…」

「……はい。姉さん、マリア・カデンツァヴナ・イヴのCDです」

 

この情報を知った時は、本当に驚いた。

一応原作通りにはなったけど、この世界では月が欠けていないから、彼女たちがF.I.S.から離反することはないはず…。そう思って調べたら、なんとF.I.Sが解体されていた。

フィーネが改心しているはずなんだけど、もうチョイ調べてみるとフィーネの指示だとと、関係者が言ったらしい。

このことから考えるに、やはりリディアンを襲ったフィーネがカギになるはず。

 

「(しっかり調べなきゃね)」

 

そんでもって、人体実験目的として拉致されていたF.I.S.組の3人は、国連直轄となった旧2課、S.O.N.G.に加入したということらしい。

まあフィーネがいるわけじゃないから、F.I.S.にガングニールはなく、マリアは装者ではないらしい。アガートラームもセレナが持っているので、マリアの装者になる道が閉ざされている。

アイドルにはなったようで、おそらく国連のプロパガンダだと思われる。

それより今は、セレナに聞いておきたいことがある。

 

「貴方のお姉さんの曲か……ねえセレナ。あなた…お姉さんに会いたい?」

「………え?」

 

《三人称side》

 

「や~っと授業終わった~!」

「ふふっ。お疲れ様響」

 

リディアンの校門から出てきたのは、授業終わりの響と未来。

その2人の前に、1つの人影が現れる。

 

「「七海ちゃん!?」」

「……久しぶりだね」

 

2人の前に現れた七海は、響に近づき封筒を手渡した。

 

「これ、貴方の所の司令に渡しておいて」

「師匠に?別にいいけど……」

「それじゃ、よろしく」

「あ、ちょっと待って!」

 

立ち去ろうとした七海を、響が呼びとめる。

胡乱気な目を向けた七海の手を響が掴む。

 

「これから、友達とお好み焼きを食べに行くんだけど、一緒に行かない?」

「………ちょっと待って」

 

それだけ答えると、一応持っている携帯を取り出し、どこかに連絡を取る。

彼女たちの向かうお好み焼きの店は、おそらく「ふらわー」だろう。七海も一回は行ってみたいと思っていたのだ。

ただ、自分1人だけ行くのはキャロルたちに忍びない。ということで……。

 

「あ、もしもしキャロル?お好み焼き食べに行かない?」

『………は?』

 

 

 

《奏side》

 

私とマリアはS.O.N.G.の一室で会話に乗じていた。

 

「それにしても、まさかお前がうちに来るとはな」

「私だって驚いてるわよ。でもまあ、知らない人ばかりの所よりはマシよ」

 

私と翼は、マリアたちと面識はあった。その時は、まあ、いろいろあったらしくてな。

まず彼女たちは、デュランダル事件の前から日本にいたんだ。

マリアたちが拉致されていたF.I.S.には、真っ当な倫理観を持つ人間もいたらしい。その人たちがマリア、切歌、調を連れて、日本に亡命したらしい。

日本はそれを受け入れて、孤児院を隠れ蓑にして保護していたってわけらしい。

私と翼は前から面識はあって、アイドルになろうとしているのは知っていたんだが、こいつがアイドルになった理由とかは、裏方になって初めて知ったんだ。

ちなみにこいつらを連れて亡命した人は、F.I.S.の解体騒ぎの後始末の為にアメリカに戻ってる。たしか、親のいないマリアたちの親代わりの人と、優男みたいな雰囲気の研究者の人たちだった。

 

「……ねえ、奏」

「ん?どうしたんだ?」

「その……デュランダル事件の時、白黄七海とかいう錬金術師の仲間の中に、セレナって名前の子が、いたのよね?」

「え?ああ…そういや、翼が何か気にしてたみたいだけど……お前らなんか思い当たることでもあんのか?」

「いえ、その、確信がまだ持てないから…。翼が私に言わないのも、きっと同じだからでしょうね」

「ふ~ん。ま、あんまり思いつめるなよ?何かあったら、いつでも相談してくれよ」

 

そう声をかけた奏は、椅子から立ち上がる。

 

「あら、帰るの?」

「ああ、翼と夕飯でも食おうと思ってな。お前も来るか?」

「遠慮するわ。それに、今日は切歌と調と一緒に、ご飯を食べる約束をしてるの」

「そっか。じゃあな」

「ええ、また」

 

互いに手を振り、2人の女子会は終わりとなった。

 

 

 

《三人称side》

 

「むむむッ……。これはどうしたものか……」

「弦十郎くんどうしたの?そんなに眉をひそめて」

 

眉を顰め唸る弦十郎に、了子が話しかける。

 

「了子くんか…。君はこれをどう思う?」

 

弦十郎は了子に一通の手紙を渡す。手渡されたそれを読んだ了子は、顔を上げ困惑の表情を見せる。

 

「……これ、誰からもらったの?」

「響くんだ。もっとも、その響くんは七海くんから渡されたと言っていた。その後、お好み焼きを一緒に食べたと言っていたよ。しかも、七海くんの仲間ともな」

「……なんというか、さすがは響ちゃんね」

 

まさかの行動に、了子は苦笑を浮かべながら、弦十郎に手紙を返す。しかし弦十郎の顔は険しいままだった。

 

「それだけならまだよかったさ。問題は、手紙の内容だ」

 

そう言って了子から返された手紙には、こう書かれていた。

 

~マリア・カデンツァヴナ・イヴの妹、セレナ・カデンツァヴナ・イヴを会わせたい。こちらが指定する日時と場所に、マリア・カデンツァヴナ・イヴ、暁切歌、月読調の3名を寄越してほしい。

         白黄七海

 

 

 

 




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